Harry Potter Ultimatemode 救済と復活の章 作:純白の翼
新学期最初の魔法生物飼育学において。マダム・マクシームに振られたショックで、ハグリッドはお休みだ。代用教師として、グラブリー-プランク先生が担当なさる事になった。
結果論を言おう。プランク先生の授業は安全且つ良識であった。これぞ、魔法生物飼育学だという形だった。今回授業で取り扱ったのは、ユニコーンだ。女性の感触の方が良いそうだ。というわけで、男子生徒は後ろから観察という形になった。
「ハリー。エリナの卵の謎、解けたんだよな?」ゼロが聞いて来た。
「ああ。その上、休暇中に下準備は終えたぜ。これから、本番に向けての特訓を行うのさ。」
俺は、課題の内容がバレない様に答えた。
「グラント。さっさと卵の謎を解いた方が良い。」
「で、でもよぉ。金切り声ばっかりしか出ないんだぜ。」
「そうか。だったら、これからやる事を実践すると良い。」
「ハリー。ヒントくれんのか?」グラントが、希望に満ちた表情で言った。
「エリナかグラントが勝てればいいと思ってる。個人的にはエリナを応援したいがな。でも、俺らさ。ゼロも含めて、寮の枠を超えての親しい友じゃないか。」
「心の友よ~」グラントがギュッと俺を抱きしめた。苦しいぞ。
「分かったよ。分かったから、離してくれ。」
何とかグラントを剥がした。
「良いか。金の卵を風呂に持っていけ。湯船の中で、卵の中身を空けて、じっくりと考えろ。そうすれば、助ける考えになる。」
俺は、グラントに説明した。
「おうよ!早速やってやるぜ!燃えて来たー!!」
「良かったじゃないか。グラント。」ゼロが穏やかな表情でそう言った。
余談だが、殆どのユニコーンはエリナの方に近寄ってきていた。その後、プランク先生はユニコーンの様々な魔法特性を列挙したのだった。
「ユニコーンの血の効果なら知ってたけどね。」
授業終了後のエリナの言葉はそれだった。
「あれは特殊過ぎるだけだよ。」俺が返した。
俺とゼロは古代ルーン文字学へ、エリナとグラントは占い学へ向かった。それが終わった後、ナイロックから俺とエリナ宛に水着が届いた。ハッフルパフの席で、周りの人が首を傾げていた。無論、俺もだ。
「何で水着が届いたんだい?この時期に寒中水泳でもするの?」ネビルが聞いた。
「ま、そんな所だな。たまには体を動かすのも良いかと思ってね。」
「あなた、予定が空いてる時はレッドスパークを乗りこなす練習をしてるじゃないのよ。」
ハー子が、まだ運動をやる気かと俺に問いただして来た。
「動かないで食べてばかりだと、太って死ぬからな。常に食べた分のエネルギー消費をしておきたいし。」
「というか、いつもあれだけハードな運動をして、太る方がおかしいと思いますが。」
エックスが割り込んできた。コリンやジニーも一緒だ。
「水中での運動は、今までのレッドスパークを乗りこなす運動をよりも全身の筋肉をバランス良く使えるんだ。毎日は難しいから、休みの日にやるんだよ。」
「先輩の戦闘スタイルは、魔法だけでなく体術とかも交えて行いますからね。ま、良いんじゃないでしょうか?」
俺の説明を聞いて、エックスが納得したような表情を見せた。
「ありがとうエックス。じゃ、俺はここでドロンするぜ。じゃあな。」
ネビル、ハー子、エックス、コリン、ジニーにそう告げて、必要の部屋へ。ロンには、無視された。俺がイドゥンとパートナーになったのを、まだ根に持ってやがるんだ。どんな交友関係を作っていこうが、口出しされる筋合いは無いのだがな、
今、12月から行ってるフェリックス・フェリシスの量産に着手している。完成に半年かかるので、このままだと5月の終わりに完成するだろう。勿論、試験に使う気はないし、代表選手に提供する気も全く無い。本当にどうしようもない事態に使う予定だ。
*
「卵の謎が分かったぜ!」
「バカ!声が大きい!」
薬草学の授業の事。レイブンクローとスリザリンの合同だ。グラントは、浴槽で卵の中身を開き、歌を聞いた。その内容をゼロに明かしたのだ。
「ほう。1時間以内に大切なものをねえ……しかも水中か。」
「何か策あるか?」
「お前の能力を使えば良いだろ?」
「それがよぉ。人間の時の姿と比べて、ちょっと融通が利かねえんだ。鮫とかになって、大切なものを傷つけるわけにはいかねえんだよぉ。」
「それはまあ、そうか。部分的な変身も無理そうだな。変身術はそこそこ出来るが、エリナみたいに突出してるわけじゃないだろう?」
グラントに問いかけるゼロ。
「おう。俺バカだからよぉ。成績もそんなよくねえんだ。」
「それでもだ。クラッブやゴイル、パーキンソン、ブルストロードよりは大分マシだろうが。お前、頑張れば中の上は行けるだろ。」
「そ、そうかも知んねえが。」
「水中を移動出来る手段か。魔法道具か、魔法薬とか、魔法植物って手もあるな。都合の良いものはある筈だ。きっと。」
「でもよぉ。道具と薬は聞いた事ねえぜ。作ろうにも時間が足りねえ。」
「ハリーに魔法薬を依頼するって方法もある。尤も、製作に時間は掛かりそうだな。幾らなんでも無茶ぶりが激しい。」
「それによぉ。フレッドさんとジョージさんから聞いたけどぉ。道具にそんなものは無いってよ。あったら、俺達が権利を買い取るって言ってたし。」
ゼロとグラントは悩む。
「魔法植物か。あんま詳しくは無いな。スプラウト先生から聞こうにも、先生の協力は禁止されてるし。」
「魔法植物かぁ。スプラウト先生以外で詳しい奴…………あ!」
グラントが何かに気付いた。
「ネビルだ!アイツなら何か知ってかも知れねえ!次、魔法薬学があるから聞くぜ!!」
「ネビルか。確かにアイツなら、何か知識はくれそうだな。」
薬草学が終わり、魔法薬学の授業に向かった。そして、魔法薬学終了後。グラントはネビルに呼び掛けた。ネビルは、かなりビビっていたが。
「おう。悪いなネビル。呼び止めちまって。」グラントが気さくに話しかける。
「ど、どうしたの?」オドオドしながら聞くネビル。
「実はよぉ。1時間水中にもぐる方法を探してんだが、魔法植物で何か知らねえかなって思ってさぁ。」
その言葉を聞いて、ネビルはハッとした表情になった。
「し、知ってるよ。聞いた事があるんだ。ちょっと別の場所に移ろう。」
「おう。良いぜ。」
ある程度離れた空き教室に移動したグラントとネビル。
「実はね。鰓昆布ってのがあるんだ。」
「鰓昆布?何だそれ?」グラントがショート寸前になりながらも聞く。
「それを食べるとね。鰓呼吸が出来る様になって、それに手には水かきも出来て……まるで水中人みたいになれるんだよ。」
「助かったぜ!で、どこにあるか分かるか?」
「実はね。1つだけハリーに譲って貰ったんだ。去年、何かの材料をスネイプの研究室から回収した時に、3つ手に入れたんだ。量産出来るか、サンプルとして受け取ってくれってね。」
「譲ってくんねえかな?礼なら幾らでもするぜ。」
寄越せではなく、対価を条件に提示した。これからは、互いに利益が出る様に交渉をしていく事が重要だとハリーに教わったからだ。
「かえるチョコレートで、僕の持ってないカードとの交換はどうかな?」
「良いぜ!集めてるは集めてるが、興味ねえんだ。好きなだけやるよ。後、フォイから貰った菓子も、持って行きたいだけ持ってきゃ良い!」
その後、ネビルは鰓昆布をグラントに渡し、グラントはカードと高級菓子をあげた。
「こんな高いもの、本当に良いの!?」
「俺からの礼だ!受け取ってくれ!」
次の魔法薬学の授業の時、本来ネビルに飲ませる筈だった頭冴え薬はグラントが代わりに飲み、周囲を唖然とさせたのだった。そう、あのスネイプでさえも。
*
1995年2月23日。必要の部屋。今は、水深100メートル。半径250メートルのプールとなっている。俗に言うオリンピックサイズ・プールと呼ばれるものでエリナの水中の特訓をしていた。
「我が身体を人魚へ変えたまえ《リメルク・カーパミウム・シレーナ》!」
エリナが、俺と共同制作した変身術を自分に掛ける。すると、両足が1つとなった。そうして、境目が全くなくなる。その後にヘソから下の下半身には、綺麗なエメラルドグリーンの鱗が現れた。手には、小さな水かきがある。耳は、魚のヒレ。腹部の側面には鰓がある。
そこから泡頭呪文、防暑・防寒呪文、圧力軽減呪文、環境適応呪文を立て続けに掛け続けた。最終調整に入っている。2週間前には、全ての呪文が水中の中で1時間以上継続出来る様になり、今の所は3時間に更新しているのだ。
エリナと共同開発した呪文は、体質変化呪文と名付けた。変身術の1種である。自分の身体を、他の生物の身体に限定的な時間を以って変える魔法だ。俺自身の呪文創作能力とマツの杖の特性、エリナの類稀なる変身術の才能が組み合わさって完成した。
この魔法、実はグラントの動物変身能力を参考にしている。一方で人魚の性質は、マリアの遺伝子情報の解析結果から成り立っているんだ。データは、ロイヤル・レインボー財団から送って貰った。
エリナには、クロールと平泳ぎだけを教えておいた。この際、背泳ぎやバタフライは必要無しと判断して教える事は無い。夏休み辺りにでも、その2つも教えようかな?
俺も水泳をする。最初は温水プールで行っていたが、徐々に冷たい水中でも慣れる様にしておくべきと判断した。エリナも然りだ。あいつだけが特訓をしているのだから、俺自身も行わないと不公平だからな。
「どうかな?」
元の姿に戻り、必要の部屋の部屋の入り口付近にもたれ掛かっているエリナ。ゼエゼエ言っている。この時点では、無地の白い三角ビキニを着用している。ホグワーツでも使えるストップウォッチを手に持ち、俺は示された時間を教える。
「2時間24分53秒97。これだけ水中に居られるなら、明日の課題は問題無いな。この3ヶ月、よく頑張ったよ。」
「ボクがここまで準備出来たのは、ハリーのフォローがあってこそだよ。その成果を、キチンと発表するからね。」
疲れ気味になりながらも、目だけは強い意志を見せる様に、俺に言った。
「よし。そんじゃ、大広間でメシでも食うか。今日はゆっくりと休んだ方が良い。明日、どこかでぶっ倒れるからさ。」
「うん。着替えてから、大広間に行こう。」
入れ替わりながらそれぞれローブに着替えた。そして、2人一緒に洗濯物を出してから大広間に向かった。その時に思い出した事があるので、聞いてみようか。
「シリウスからの手紙、来たか?」本人からエリナ宛に来るという連絡は来たんだ。
「うん。今度のホグズミードの日程を教えて欲しいだって。」
「3月に入ってすぐの筈だよな。」
「そう書いておいたよ。もう出した。」
「そうか。分かったよ。」
また歩き出し、5分後に大広間に到着した。エリナには、明日の健闘を祈ると言ってそれぞれの寮の席へと向かった。
食事を食べ終えてから、談話室に戻ろうとする。だが、俺は戻らなかった。正確には、呼び止められて戻れなかったのだ。
「ポッター。そこにいましたか。探しましたよ。」
俺を呼び止めたのはマクゴナガル先生だった。少し深刻そうな顔をしている。
「どうしましたか?宿題は早々に終わらせて、すぐに提出した筈ですけど?」
何で呼ばれたのか分からなかった。
「いいえ。そうではありません。そもそも、あなたの変身術の力量には、私自身大変満足しておりますからね。それよりもです。私に付いて来て下さい。」
マクゴナガル先生に連れられて、先生の部屋に入った俺。そこには、ハー子、ゼロ、デラクールを小さくした様な少女がいた。そして、ダンブルドアも。
「おお。よく来てくれたの。ハリー。」
「何故俺が呼ばれたのか、全く以って検討がつかないのですが。」
事務的にそう話す俺。ダンブルドアは、朗らかに笑っている。
「ホッホッホ。そう身構えなくても良い。」
そう言う言葉程、まさに警戒すべきではあるんだがな。
「さてと。ハリー。ハーマイオニー。ゼロ。ガブリエル。君達はそれぞれ、エリナ・ポッター、グラント・リドル、ビクトール・クラム、フラー・デラクールが1番失いたくない存在というわけじゃよ。」
「つまり、人質の役割を果たせと?」ゼロがダンブルドアに確認した。
「極端に言えばのお。じゃが、今回の試合は安全面で最大の考慮が成されるのじゃよ。」
「具体的にどうなるんでしょうか?」ハー子が不安そうな顔で質問する。
「君達には、これから魔法の眠りを掛けるのじゃ。尤も、水から上がった時に目が覚める様にするがの。」
成る程な。1時間というのは、あくまで時間制限。人質が元に戻らないという意味ではないみたいだ。それを保証するのか。
程無くして、俺、ゼロ、ハー子、ミニデラクールは眠りにつかされた。エリナの特訓の付き合いによる疲れが、ドッと睡魔となって襲い掛かって来たような気がした。