Harry Potter Ultimatemode 救済と復活の章 作:純白の翼
25日にイギリスに戻って来た。それから8月27日までは、ゆっくりしていた。時差ボケを治すために安静にしていたのだ。俺は寝ながらウルトラマンパワードのビデオばかり見ているのだが、エリナはSFCで俺が買ったスターフォックスとファイナルファンタジーⅣ、ドラクエⅤをやっていた。元気過ぎだろ。
「どう?ここの生活は?それに日本はどうだった?」
「うん。本当に素晴らしいよ!楽しかった。羨ましいなぁ。」
「今でこそな。魔力が出たのが5歳の時だ。それからは、ひたすら修行ばかりやってたね。7歳からマホウトコロに通ってたよ。当たり前だけど、マグルの世界でも暮らせるように、そっちの勉強もやっていた。完全土日休日だったけどね。」
「かなりスパルタだったんだ。ボクはもつかなあ?」
「さあな。でも、俺は人間関係に恵まれていたからなぁ。そんなに苦しくは無かったよ。じゃあ、明日はブラック家に行くから早く準備しとけよ。」
「分かってるって。お休み、ハリー。」
「お休み。」
翌朝。朝早く起きて2人で準備をしていると、声を掛けられた。
「ハリー。お久しぶりだな。」
「き、キット!ここにいたんだ。」
「ジジイからグリモールド・プレイス 十二番地のブラック家に行くって聞いたからな。そこまで連れてってやるよ。」
「分かった。頼む。」
「おはよう~」エリナがまだ半分寝ながら起きてきた。
「起きたか。サンドイッチを持ってけ。行くぞ。」
キットの姿くらましでグリモールド・プレイス 12番地まで行った。
「ありがとうございました。キットさん。」
「別に良いって。じゃあハリー。俺はロンドンの町をぶらついてるから、終わったらナイロックを寄越してくれよ。」
「ああ。道を迷わない様にね。それじゃあ。」
ここでキットと別れた。俺は、ドアをコンコン叩いた。ドアが開く。出迎えたのは、年老いた屋敷しもべ妖精だった。
「ハリー・ポッター様、そしてエリナ・ポッター様でございますね。お嬢様がお待ちです。こちらへ。」
「「お邪魔します。」」ブラック家にお邪魔した。
客間に案内された。もうイドゥンとエックスがいる。
「良く来ましたわね、ハリー。そして、エリナ。どうぞお掛けください。」
イドゥンが俺達に、座るよう促した。
「失礼します。」
2人とも座った。
「それで。お話とは?」
「まずは、この捜査資料とレポートを見てくれ。俺も説明する。」
資料を交えながら、俺は説明する。シリウスが実は無実だという事。嵌めたのは、ピーター・ペティグリューである事。そいつは、今もネズミの姿でどこかの魔法使いの家に潜伏している事を話した。
2人とも絶句していた。特にイドゥンは、今までシリウスを一族の面汚しとして見ていたらしく、理に適った真実を聞いてしばらく呆然としていたのだ。
「そうでしたか。伯父上は、そんな。何という事。」
「今まで信じていたものを否定される気持ちは分からんわけじゃない。でも俺は今年、シリウスの無実の証明と名誉回復に向けて行動する。それを伝えに来たんだ。ここに来た理由の1つはな。」
「先輩。何か僕が出来る事ありますか?」
「言っておくけどねエックス君。ペティグリューを捕まえないとシリウスは何時までもアズカバンにいなくちゃいけないんだよ。だから、親族であるあなた達だけでも信じてあげて。勿論、ボクとハリーもだけどね。」
「分かりました。真実を語ってくれてありがとうございます。私も、伯父上を信じるあなた達兄妹に懸けましょう。」
イドゥンは、俺に頭を下げた。それと、もう1つ聞きたい事あるんだ。それも聞いておくか。
「じゃあ、もう1つの話だ。」
捜査資料とレポートを下げ、今度は小さなロケットと羊皮紙を取り出した。一瞬、屋敷しもべ妖精の顔が揺らいだ気がするが、どうしたのだろうか?
「これは?」エックスが問いかける。
「俺は、宿題を殆ど終わらせてからこの3週間、ある目的を持って行動してた。」
「プリンアラモードを倒す為のですか?」
「ああ。その途中でこいつらを見つけたんだ。」
羊皮紙に書いてある内容を全員が分かる様にする。
『闇の帝王へ
あなたがこれを読む頃には、私はとうに死んでいるでしょう。
しかし、私があなたの秘密を発見したことを知って欲しいのです。
本当の分霊箱は私が盗みました。できるだけ早く破壊するつもりです。
死に直面する私が望むのは、あなたが手ごわい相手に見えたその時、
もう一度死ぬべき存在になっている事です。――R.A.B』
『デス・イーターは厨二臭いです。
それと、あなたのロリコンストーカーの趣味を治してください。』
「これは…………」イドゥンが声を漏らした。
「最後の文章、蛇足過ぎるよ。分霊箱?何それ?」エリナが言った。
「R.A.Bに見覚えは?」俺がブラック姉弟に問いかける。
「B……B……B……ブラック?…………間違い無い。この3つのイニシャルを持つブラック家の人間は1人しかいないよ。」
「エックス。それは誰ですの?」
「レギュラス・アークタルス・ブラック。僕と姉ちゃんの、もう1人の伯父さんだよ!」
シリウスの弟であり、イドゥンとエックスの母アリエス・ブラックの双子の兄でもあるレギュラス・ブラック。
「姉ちゃん。クリーチャーなら何か知ってるかも。」
「クリーチャー!!」
イドゥンが妖精を呼んだ。呼ばれた屋敷しもべ妖精のクリーチャーはわなわなと震えていた。その目は、机の上に置かれたロケットに引き寄せられていた。さっきまでの接待してた時と違って、様子がおかし過ぎる。
「レギュラス・ブラックの事を、知っている事全てをお話しなさい。今すぐです。」
「く、クリーチャーはお話にはなれません。喋ってはいけないと、レギュラス様から命令されているのでございます!」
何と、イドゥンの命令に初めて背いた。
「頼むよ!話しておくれよ!」エックスも説得する。
「クリーチャーはレギュラス様のご命令にお従いにならなければならないのですッ!!!レギュラス様のロケットの事をお話ししてはいけないのです!!!」
何か釈然としない。しかも、従わなければならない、だと?イドゥンとエックスの命令に背いてまで。
「ねえ、ハリー。このロケット、クリーチャーにあげて良い?ボクに考えがあるんだ。」
「分かった。お前の直感は殆ど当たる。やってくれ。」
エリナは、俺からロケットを受け取った。
「クリーチャー!これ、あげる!!だから教えて!このロケットについて、知っている事を!」
エリナは、ロケットをクリーチャーに差し出した。が、クリーチャーは拒絶した。
「主人でもない魔法使いの施しなど、クリーチャーは受けない!レギュラス様のお命じになられた事を、クリーチャーは裏切らない!」
クリーチャーは命じられているのか。レギュラス・ブラックに。
「イドゥンからも何か言ってよ…………」エリナがイドゥンに懇願する。
「クリーチャー。」イドゥンが落ち着いた口調でクリーチャーに囁いた。
「話してください。もしもレギュラス・ブラックが……私達のもう1人の伯父上が……闇の帝王を倒す為に死んだのならば、彼からブラック家の当主を受け継いだ私達は知らなければなりません。彼の遺志を、私達が引き継がなければならないのですから。」
エリナは、イドゥンにロケットを手渡した。イドゥンはそれを、クリーチャーの前にかざしたのだ。
「これをあなたに差し上げます。ですから…………話すのです。クリーチャー。」
クリーチャーはわなわなと震える手でレギュラスのロケットを掴むと胸に抱き寄せ、わんわんと声を上げて泣き出した。泣き止むまでに時間は掛かったが、急いで話させるような事はしなかった。それだけレギュラス・ブラックの存在は、クリーチャーにとって大きい存在だと言うのが分かったのだから。
クリーチャーは話し始める。ヴォルデモートが屋敷しもべ妖精をどれだけ残酷に扱ったか。それに対して、レギュラス・ブラックがどれほどクリーチャーを大切にしていたかを。それを見てヴォルデモートに失望した事。苦悩の果てに、父も、母も、妹も、そして既に勘当されていた兄も含めて家族を、一族を守る為に死んだ事も話してくれた。
人間じゃないので、客観性があった。なので、正確だった。
「それでクリーチャー。ロケットは今どこにあるんだい?先輩はきっと、それを探しに来たんだ。」
エックスは、クリーチャーにそう尋ねた。
「クリーチャーの部屋にあります。いますぐ取ってきます。」
クリーチャーは、姿くらましで消えた。10分後。戻って来た。小さな緑色の宝石でSの字が装飾された金のロケットを持っている。
「こ、これでございます。」エックスに手渡した。
「レギュラス様から壊せと言われていました。しかし、クリーチャーには出来ませんでした。外側のケースには、あまりにも多くの強力な呪文がかけられていたのです。破壊するには中の物を出すしかないと、クリーチャーには分かっていました。しかしそれも、かないませんでした。」
「スリザリンのロケット……か。中を開けるにはどうすれば良いだろうか?」
手には入れた。だが、早く処理しないと。
「そう言えば、元の持ち主のサラザール・スリザリンは、蛇語を使えましたわね。多分それで開くのでは?」
「秘密の部屋みたいに?姉ちゃん。」
「ええ。ここは、エリナの出番ではないでしょうか?」
イドゥンは、そう分析してエリナを見た。
「また蛇語!?……仕方ないか。…………『開け。』」
ロケットの中身が展開した。俺はすかさず、ユーカリの杖をロケットの中身に狙いを定めた。
「これで終わりだ!
緑の閃光を発射する。見事に当たり、中身から黒い物が消滅した。そして、外側に亀裂が生じた。
「よし。任務完了。」
「それで。ハリーの目的って何?分霊箱って何なの?まだ教えないとは言わせないよ…………」
エリナが笑ってる。だが、その笑顔が怖い。逃げられねえな。
「先輩。レギュラス伯父さんの仕事を引き継ぐって決めたんで、隠し事は無しですよ。」
エックスも俺に詰め寄る。ブルータス……じゃなかった。エックスよ、お前もか。
「ここにその手の本がありますから、ゆっくり説明しましょう。」
イドゥンは、説明する気満々だ。ご丁寧に、『深い闇の魔術』という物騒な本を持ってやがる。おっかない女だ。
「分かったよ。俺の目的も一緒に話すわ。」
分霊箱の概要、ヴォルデモート幾つ作ったか予測、その裏付けも取れた事、そのために分霊箱破壊に特化した武器も作り上げた事、今4つ破壊出来たけど、1つは難しい場所においてある事を話した。
ヴォルデモートの使った魔法のあまりのおぞましさに、エリナとエックスの顔色が悪くなった。まだ3年生と2年生には刺激が強過ぎたか。
「そんな物があるなんて。」
「殺してまで、生にしがみ付きたいのか。プリンアラモードは。」
「レイブンクローの髪飾りからヒントを探り当てるとは。分霊箱だった物は、全部どうしてるのですか?」
「ロイヤル・レインボー財団で厳重に保管してるよ。あーあ。それにしても、マルフォイ家は終わったな。日記をお粗末に扱うなんて。」
「そう言えば、マルフォイ家で思い出しました。ドラコが、謎のオカマにつけ狙われたと言う情報があります。災難ですわね。」
「曲がりなりにも親戚なんだろう?お前ら。特に母親の方と。」
「ええ。そうです。ですが、あまり接点はありませんよ?マルフォイ家の家風が私達の今の家風と噛み合わないと感じているだけですので。」
「ホントに、スリザリンも一枚岩じゃないって事だよな。じゃあさ。壊れたスリザリンのロケット、貰って良い?その代わり、レギュラス様のロケットはクリーチャーが持ってた方が良いだろうしね。」
「壊れたガラクタなど要りませんから、あなたの方でどこにでもやって下さいな。」
「サンキュー。じゃあ、俺ら帰るわ。」
「ええ。それではまた、伯父上の事で定期的に話し合いましょう。」
「ハリー・ポッター様。レギュラス様のロケットを、感謝致します。」
クリーチャーがお辞儀した。気にしないでとは言っておいたが、クリーチャーは本気で俺とエリナに感謝している様だ。
「先輩。また9月に会いましょう!そして、あの約束も!」
「約束する。少しばかり試験はやってもらうけどな。」
「絶対合格してやりますよ!!」
「じゃあイドゥン、エックス君。今日はありがとう。また新学期にね。」
こうしてブラック邸を離れた。そしてすぐに、ロイヤル・レインボー財団本部に戻っていった。キットと一緒に。
帰って来た時に、マリアに関しての報告があった。医療班が彼女の身体を検査したところ、もはやDNAを元に戻す事は出来ないという結果だった。つまり人間には戻れない。一生、人魚族のDNAを組み込まれた状態で生きて行かなければならないのだ。
そう言った意味で、リチャード・シモンズは最悪な意味で天才という事を改めて認識する事になったのだ。