気がつけばすぐそこにいて、手で仰げばかき消えてしまうような。
そんな夢、そんな僕らのみた幻想を書き綴る。
でも、どう頑張ってもそこには無いもの。
――これはそんな物語。
紅くて真っ赤な霧のなか。
暗くて、
冷たくて、
七色に輝き、
知識に埋もれ、
瀟洒に舞い、
惚れ惚れするほど、狂っている。
混じることなどありえない、個性豊かな
ならば最後に紅く、紅と言う紅で塗りつぶしてしまいましょう。
……ほら、そうすれば、ほら。
歪で可憐で、騒がしい
――紅茶を啜る、幼く紅い悪魔の夢だった。
長く終わらぬ冬のなか。
五月にもなったと言うのに、木々は緑どころか桜もつけぬ。降り積もる雪は空しきばかり。木枯らしは止まず、凍える日は終わらない。
一方、妖し冥しの死霊の地。
微かな春の予感を集め、桜に埋もれた冥界。その奥の、春を吸いつくしたなにか。
妖し桜、春を集めて咲き誇る。
それはまさしく墨染の桜。
死をもって咲き誇る、呪われし桜。
――生気の無い、虚ろな桜が散る夢だった。
狂騒なる密のなか。
いくら終えても続いて止まぬ饗宴乱舞に痺れを切らし、少女は密なるなにかに気づく。
それは怪異であり、
それは恐れであり、
それは力そのものであり、
それは誇そのものであり、
そしてそれは魔であって、
それはまた誠そのものである。
――そしてそれは言うまでもなく悪である。
森羅万象を支配する、絶対基準の物の怪の頂点である。
そう。即ちそれ、月をも砕く鬼なるぞ。
鬼が、呑み騒ぐ祭の夢だった。
終わらない夜のなか。
ある鳥が飛んだ。
燃え盛る火に包まれ、皮膚を焦がす熱に悲鳴をあげながらも、飛んだ。
不死なる少女は飛んだ。
一切の未練を棄て、その身に終わりなき命を抱いて。一抹の怨みと、永遠と続く歩みへの鬱蒼を叫んで。
そう、その姿まさに不死鳥。
自由など有らずとも、永遠に燃え盛る炎。
姫は翔んだ。
眩く美しく、此の世のものとは到底思えぬ光を纏って、翔んだ。
翔んだ、翔んだ、翔んだ……。
輪廻から解き放たれし姫は翔んだ。
穢れることなき浄土を棄て、穢れの中で産声をあげて。一切の未練なども無く、ただ自らの欲望に忠実で正直な姫君。まさに
そう、その姿はこの世の何よりも美しい。穢れに塗れて、それでも輝きを放ち続ける光。
炎と光。まるで太陽と月のよう。
不死なる煙が月へ届こうが、
竹取の姫が天高く
いつか太陽が、月をも呑み込もうとも。
きっと彼女たちは生き続ける。
終着点などありはしない。
――そう。それが蓬莱なる人のサダメ。
月と太陽、美と不死鳥が舞う夢だった。
乱れ咲き狂う、四季の花園のなか。
凜と澄まし咲く、カラーの白い花。
その包み込むような純白の花びらは、一体どんな後悔が咲かせたのか。
可憐に風に揺れる、オンシジュームの黄色の花。そのバレリーナのような花びらは、どんな未練が咲かせたのか。
美しいものは、美しいままに。
触れられざるものは、触れぬままに。
その見事に咲き誇る花の数々の正体が、未だ成仏できぬ魂のなれの果てだということは気にせずともよいこと。
まさに知らぬが花。
残酷な現実が作り出す、美しい虹色の景色。
ああ、許してよDominions!
懺悔でもなんでもしよう。
どんな裁きも受け入れよう。
あらゆる苦悶を受け止めよう。
だから、お願いだ。
――私を、どうか
そう。それは分け隔つ断罪の白と黒。
絶対的ななにかが、自分を裁く夢だった。
神さびた山のなか。
忘れられて、必要とされなくなって。
信じられず、疑われて。
かつて信じられていたものは、いつしか此の世の裏の楽園にいた。
「私の声が聞こえますか?」
「ここにいるから当然よ」
「ですがお姿が見えません」
「そりゃあ私たちは……
カタチだけとなった信仰は、忘れ去られてもなお生き続けている。
それを人々に思い出させるため、人の形した信仰は、御言葉を詠み続ける。
聞け。
我は神であり、人であるもの。
この言葉は神託であり、願いである。
かつての信仰は消えゆき無為となった。
しかし、この幻想の地に我が神は、恵みと加護を与えられるだろう。
信じよ。神たるその身を。
さすれば、望みは叶えられると。
――神が甦り、力をもたらした夢だった。
そうして、幻想は巡り、伝えられ捻じ曲がり、移り移ろいて輪廻の道を辿る。
誰かの夢となり、風となり呪いとなり、その姿を解き放つだろう。
その夢の名前は幻想郷。
触れることなど許されない、僕らの■■――。
駄文です。
考えついたものをそれっぽくまとめただけだったので……。