これを記念して!特番を・・・やりません。
実は、100件目の時にこのすばの方を出そうと思っていたんですが・・・待ちきれませんでした(笑)。
- 8月、夏休み -
ドン、ドン、ドン!
「一夏!いるんでしょ?出てきなさい!」
ドン、ドン、ド、ガチャッ
「うるせえぞ鈴!そこは壁だ!」
「何でドアのだまし絵描いてんのよ!」
「提出し遅れたレポートの催促に山田先生が来るからだ。」
「くだらん。恐怖でおかしくなったか?相手はただの先生だ。どうってことない!」
「なに、諦めてくれるまで気長に待つさ。・・・あんまり空けているところを見られたくないんだ。中に入らないか?」
「そうよ、思い出したわ。お茶を飲みに来たんだった。」
「・・・自分で入れろ。」
「お邪魔します!」
バタンッ・・・
「それにしても、今日は暑いわね。」
「当然だ。山田先生が来ないように、寮棟の空調を全部暖房にしておいた。」
「アホか!アホなの!?どんだけレポート書きたくないの!?」
「そうか、お前は暑いのが苦手だったな。だが、安心しろ。留守じゃない部屋はクーラーにしてある。」
「ならいいわ。それより、飲み物頂戴。」
「何がいい?」
「何でもいいわよ。冷たけりゃ。」
「そうだな・・・、今じゃ、殆どの家庭に設置されている、コックを捻れば出てくる素敵なドリンクバーのお水なんてどうだ?」
「いいわ・・・浄水器の水じゃないのよ!お茶だ!お茶を出せ!」
バカッ
「待て鈴!浄水器に茶葉を入れるな!お茶なら、ミネラルたっぷりの麦茶が冷凍庫で冷えてる。」
「最初から出しなさいよ、全く・・・。」
パカッ・・・バタン、カキュッ・・・
「あら、キンキンッに冷え・・・凍ってるじゃない!」
「じき溶ける。」
「待ってられないわよ!」
ガタッ!
「分かった!悪かった!だから浄水器に茶葉を入れるな!!」
「茶葉じゃないわよ!お茶パックよ!!」
「分かったから、浄水器に入れようとするな!!」
ゴトッ←たらい
「まったく、あるなら最初から出しなさいよ。」
チウッ、チウッ、チウッ・・・ズズズズ・・・
「・・・これ、アルバム?」
「あぁ、そうだ。見ていいぞ。」
パラッ・・・パラッ・・・
「段々マッチョになっていくわね。」
「あぁ、俺の筋肉アルバムだからな。」
「・・・・・。」
「・・・いるか?」
「え?いる。」
ゴトッ
「あんがと。・・・って、お茶じゃないわよ!もうたらふくよ!このアルバム頂戴って言っての!」
「別にいいが・・・何に使うんだ?」
「知らない方がいいわ。」
「」
「・・・あ、そうそう、アンタ、夏の予定は?」
「そうだな・・・、筋トレとトレーニングと、体作り、それ――」
「分かった。筋肉を鍛えまくるのは分かった。ちょっとは遊びに付き合いなさい。」
「別に構わんが・・・何処に行くんだ?」
「聞いて驚かないでよ。ウォーターワールドよ!今月完成したばかりで、今月分の前売り券は完売。当日券も、2時間並ばないと取れない代物よ!」
「そうか。」
「反応薄いわね。」
「遠泳じゃダメなのか?」
「いい分けないでしょ!?焼けちゃうじゃない!この前の臨海学校でもやばかったのに。」
「悪かった。・・・で、チケットはあるのか?」
「寝ボケた事を・・・、私を何だと思ってるの?いつも突撃あるのみじゃなわよ?代表候補生で、しかもIS学園に行かせもらえるレベルなのよ。さっさと前売り券を買うのは当然でしょ?」
「あぁ、そうだな。で、お前のことだ。幾らで売りつけるつもりだ?」
「なあに、くれてやるわよ。」
「随分と気前がいいな。何か企んでいるのか?」
「別に。このアルバムと取り替えっこするだけだから。」
「そうか。で、いつだ?」
「土曜よ。明日のね。10時ぐらいに、ウォーターワールドのゲート前に集合よ。」
「OK、準備しとく。」
「約束だからね。」
チウッ、チウッ、チウッ・・・ズズズズ・・・
「ごちそうさま。じゃあ、帰るわね。」
バタンッ・・・
「・・・よく飲むな。」
- 職員室 -
「ふう、ようやく書類の整理が半分終わりました。にして、枚数多過ぎじゃないですかね?まあ、織斑君と篠ノ之さんのことを考えると妥当なのかも知れませんが・・・。」
バサァッ・・・
「あぁ!書類が!・・・面倒です。」
ヒョイ、ヒョイ・・・トン、トン
「ふう。・・・え?こ、コレは!?」
ダラダラ・・・
「私は!自分のした事がなんにも分かってない!よくこんな事が出来たな・・・・・私が追い詰めたんだぁ・・・。私はもうおしまいだぁ!ギョワアァァァ!!」
バタァンッ・・・
- 翌朝、9時 -
「無い!織斑君の部屋のドアがありません!!お、織斑君!?出てきて下さい!!」
「喧しいぞ!山田君!此処は寮だ!!静かにしろ!!」
「す、すいません織斑先生!!し、しかしですね、織斑君にどうしてもして貰わなくてはならないことが出来まして・・・。」
「そんなものは、もっと早く済ませとけ!分かったら今日はもう休め。いいな!」
「は、はい!」
バタンッ
「お、織斑くーん、出てきて下さい・・・。」
コンッ、コンッ・・・コッ
「!!織斑君!ドアの位置は分かりました。出てきて下さい!・・・合鍵で開けますよ???嫌なら返事して下さい?・・・開けます!」
ガチャ・・・チュドォォォォォォォォォォォォン!!!
「は、はずれ・・・。で、ですが、こんなことでは挫けません!!」
「・・・ハッハ、参ったよ。降参だ。」
「お、織斑君、こ、コレをして下さい。」
ピラッ。
「悪いな。今日は先約が入っているんだ。勝手にしろ。お前のミスだ。昇進し遅れても知らんぞ。」
ガシッ
「そ、そこを何とか!!」
「・・・。」
キョロキョロ・・・
「山田先生。」
「はい?」
ドベキシッ「オフィッ・・・」【1/2000】
ズルズル・・・ドサッ←休憩スペースへPOI☆
「コレで片付いた。」
- 10時、ウォーターワールド前 -
「待ったか?」
「10分ぐらいね。入りましょ。」
「・・・何かあるのか?」
「直に分かるわよ。」
ピン、ポン、パン、PON☆
『これより、第1回ウォーターワールド水上ペア障害物レースを開催します。』
「成る程。で、お前が参加すると言うことは、何か裏があるのか?」
「そうよ。これに優勝すると、沖縄の旅5泊6日が貰えるの!」
「お前、焼けるのがどうのこうのいってなかったか?」
「・・・気のせいよ。それより、アンタもシュロより椰子の木陰の方が好きでしょ?さあ、受付に行くわよ。」
「あぁ。」
「・・・随分と視線が痛いわね。何でかしら?」
「さあな。さっさと受付を済ませよう。」
このすばの方が異常なまでに人気があって、逆転されないかびびっている今日この頃。