これは私の物語です。

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人間の思考回路

人が死ぬって考えたことがなかった。ニュースなんかで毎日のように人が死んでるという現実を知る。そんなこと分かってるなんて思ってた。でも、死ってのは身近に起きる事とは思ってもいなかった。でも分かったことがあるんだ。人が死んでなにも感じない人間はいないんじゃないかって。なんでそんな事がわかるのかって?それは、私が人間のクズだから。ニュース、新聞、インターネットの中で人が死んでもなんとも思わなかった。それどころか、死んで当然だとか思ったこともある。日常では気持ちが伝えられないとすぐに何かに当たってしまう。そして、その後後悔する。それの繰り返し、何度も何度も繰り返す。多分私だけかも知れない。でも、もし私と同じような人がいたとしたら、私を繰り返さないでほしい。失って悲しむってのは誰にでも出来ますよ。私みたいにね、私は母を失いました。突然でした。昨日まで同じご飯を食べていたのに、人間のクズだと自分の事を思ってた私でも悲しかったです。辛かったです。それからしばらくたって考えてみました。自分は母のために何かできたのか。喜ばせてやれたのだろうかってね。考えれば考えるほど辛かったなあ。だってなにもやれてないんですもん。後から父に聞きました。母が死ぬ直前に言っていたこと。父はボイスレコーダーにその時のことを収めていたのです。「健ちゃんは?」

「学校だよ、今こっちに向かっているみたいだよ」

「あの子ちゃんとやらるかしらね」

「朝は10回も起こしに行ったこともあったかしらね」

「そうだったな」

「健太郎のことは誰よりも分かっているつもりだったのに、この前も喧嘩しちゃたわ」

「全部私が悪いのにね」

「最後にあと1回でも健太郎にあいたかったけど、間に合いそうにないわ」

「あなた、健太郎に伝えてほしい事があるのだけれど」

「健太郎に?分かった伝えとくよ」

「生まれてきてくれてありがとう」

それから後は、機械の警告音が鳴って父の泣き声が記録されていました。それを聴いた時は一日中泣きました。私はなにもやってなかったのに、なんでそんな事が言えるんだよってね。それからまた長い年月が流れて私は医者になりました。死ぬほど頑張って勉強して、行くなんて考えたこともなかった大学にも行ってね。せめてもの親孝行だったんです。お母さんのような事を繰り返して欲しくない。当時の私はそんな事を考えていました。バカですからね。まあ今でもその気持ちには変わりはありません。でも母には直接親孝行したかったなあ。母さん見てる?こんなに僕たくましくなったよ。もう、母さんがいなくても大丈夫たよ。でも、母さんにはそばにいてほしいな。

「母さん、僕を生んでくれてありがとう。」

こんな私を繰り返さないで下さい。繰り返して欲しくない。今やらないと後悔しますよ。あなたの幸せを祈って。


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