ハイスクールD×D ―魔法使いと龍―   作:shellvurn 次郎

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はいどうも。皆さんこんにちは。エーテリアス・ブラスターです。
今回は物語の上で大事な話となっております。
このイベントが終われば、次の章へと移行します。
では、どうぞ。


No,XIII ~再び~

 ―イッセーSIDE―

 

 よお、イッセーだ。

 今日も相も変わらず、母さんと父さんが残した魔導書を解明している最中だ。この前のまだ見たことのない魔法はもうそろそろ、完全解明することが出来そうなところまで来ている。最後の大詰めってところだ。しかし、これがまた中々簡単にいきそうもないがな。流石はおじさんや、他の宮廷魔導士たちの頭を幾重にも困らせた魔導書だ。おじさんに仕えている宮廷魔術師たちもこれを見たらしいが、ことごとくギブアップして、20ページと進んだ人はだれ一人としていなかったらしい。ちなみに俺は今、25ページを超えたところだ。

 

 「ふぅ~~」

 

 俺はため息をつき、開いている窓の外を眺めた。

 今は正午を過ぎたところか。綺麗な青空と白い雲が見える。

 

 [どうした?イッセー。少し疲れたか?]

 

 そんな時にニトラから話しかけられる。

 

 「ああ。まあな。今もう大詰めだからな。結構神経使うから、少し休憩。」

 

 [ああ、あの魔法か。あともう少しってところだな。実際、あれができるようになれば、それ一つで戦闘に事足りるレベルだからな。それがもう完成にほど近いとはな。]

 

 「ああ。もうひと踏ん張りするさ。」

 

 俺とニトラは魔法の見込みを話した。普段、俺とニトラはこんな魔法に関した会話から、日常の雑談までいろいろなことを話しながら魔法の研究を主に二人で進めている。これがデフォルトだ。まれに俺一人でやることはあるが、それは数えるほどしかない。

 

 [ああ。ガンバレイッセー。私から見てもあれはもうすぐだ。]

 

 そんなことを思っていると、ニトラから激励の言葉を掛けられる。

 

 「ああ。ありがとう、ニトラ。」

 

 俺はニトラに励まされ、礼を言った。

 

 [しかし、イッセー。お前はもうすでに次の魔法に手を掛けているな?]

 

 すると、ニトラは次なる魔法の話題を繰り出した。

 

 「ああ。あれはこの魔法に途中の魔法式までは似ているものだったからな。大体5分のいまではすんなり進んだぞ。」

 

 ニトラにそう答える。

 

 [仕事が速いな。しかも、この魔法、あれと同じく強力な魔法だぞ?イッセー。決定的な切り札になるぞ。]

 

 「ああ。そうだな。確か、これもニトラが生前に使ってた魔法と似ているんだろう?」

 

 俺はニトラに訊いた。

 

 [ああ。そうだ。これも私が使っていた魔法だ。まあ、威力は段違いにこちらの方が劣ってはいるがな。]

 

 ニトラは少し残念そうに言った。

 

 「いやいや。ニトラが全盛期に放っていた魔法なんかを同じ威力で撃てたらまずこっちの体がもたないだろう。」

 

 俺がツッコミをいれる。

 

 [いや、それくらいしないと奴らには効かなかったのだ。]

 

 さらりととんでもないことを言うニトラ。

 

 「魔法を使わず、手加減してドライグや俺たちを簡単に倒せるニトラの全力の魔法は計り知れんな。」

 

 [まあ、こちとら魔法神をやっていたからな。]

 

 と、ニトラは少し自慢げに言った。

 

 [しかしだ、イッセー。この魔法。私の魔法と比べてもかなり威力は落ちるが、それでも十分すぎるぞ。この世界の神やドラゴン、天使、悪魔や魔物に十分すぎるほどのダメージを与えられるぞ。]

 

 「条件はあるがな。」

 

 [こんな魔法が完成したら、この世界では一勢力に数えられるぞ・・・力の均衡が一気に傾くレベルだ。]

 

 ニトラは真剣に分析する。

 確かになぁ・・・これを最初に見たとき、俺も思わず驚嘆したしなぁ・・・

 

 「さらに、持っているだけでも抑止力になるな。どちらにせよ、使えるカードは多い方がいいい。」

 

 [それは同感だな。]

 

 そう言って、俺は外から机の上にある魔導書に視線を戻し、作業を再開させる。

 こうしていつもの日常を送っていく。

 しかし、変わったことがある。

 

 『ジルニトラ、ジルニトラ、こっち来て見てよ!』

 

 ドライグがニトラに謂った。

 

 [なんだ、ドライグ。できるようになったのか?]

 

 『そうよ!だからあなたにチェックをしてもらいたくて!』

 

 [ああ。わかった。すぐに行く。]

 

 まず一つ。ドライグが魔法を学ぶようになったことだ。ドライグ曰く、人化の術を覚えたときに少し興味を持ったとか、なんとか・・・

 そういうことで、ニトラが基礎を教えているらしい。ニトラ曰く、[ドライグは魔力は決して多くはない。が、とても要領が良く、覚えも速い。]と言っていた。まあ、ニトラは実戦で使えるまでにはならないだろう、と言っていたが。それを聞いてドライグは少し落ち込んでいたが、励ましたらすぐに元気になった。

 というか、ドライグは魔法なんかわざわざ使わなくても強いからな。

 

 あと一つ。それはやはりドライグが人化したことか。

 ドラゴンが人化するのはやはり驚くものがあるし、面白い。まあ、まだドライグとニトラにしかあったことないから何とも言えんがな。他のドラゴンも人化できるのだろうか?調べてみたいな。

 そんなことはさておき、初めてドライグの人の姿を見たときは・・・目を奪われた・・・

 今思えば、そのときは俺の顔、赤かっただろう。

 仕方ないじゃないか。あんな美人に抱き着かれたのだから。

 ドライグが人化に成功させてからというもの、精神世界に行って、いつもの鍛錬を終えたあと、精神世界から帰る時は必ずドライグに抱き着かれる・・・

 もちろん嫌じゃない。む、むしろ俺としても、う、嬉しい・・・

 柔らかいし、いい匂いが・・・・それになんか癒される・・・

 しかし、とんでもなくあ、あれだ。恥ずかしい・・・・

 だって、ニトラとエルシャさんとベルザードさんがそろってニヤニヤと俺とドライグを見てくるから。ず~~っと・・・ 

 そのおかげでだ。俺はいつも顔を真っ赤にしている。自分でもわかる。顔を真っ赤にしながらドライグに抱き着かれたまんま時間を過ごす。

 しかし、ドライグは凄い幸せそうにしている。まえ、余りの恥ずかしさに少し無理にドライグを引きはがそうとしたら、涙目でこちらを見てきた。というか、泣きそうだった。そんなことがあれば、受け入れるしかない。幸せそうだからいいけど。

 

 そんなこんなで、俺はちょっと違った生活に変わったのである。しかし、何の不満もない。こんな日常が続けばいいと思った。ドライグもそう思って・・・くれてる・・・と思いたい。それにもっと一緒に居たい。

 

 しかし、その願いは意外なことで叶うのであった。このことをこの時の俺はまだ知らない――――

 

 ―イッセーSIDE OUT―

 

 ―――――――――――――――――――――――――――――――――――

 

 ―冥界SIDE―

 

 ところ変わってここは冥界。

 自然豊かな土地に佇む巨大な城。その巨大な城を囲む高い柵。

 いかにも莫大な資産を持ち、地位の高い貴族が住んでいるのを思わせるものであった。

 その城の中のとある一室に女性が一人、とある男の帰りを待ちわびていた―――――

 

 ――――

 

 「主様・・・・一体、いつになったら帰ってくるというのですか・・・・?」

 

 私の名は、イベリア。イベリア・ベルフェゴール。番外の悪魔(エキストラ・デーモン)、ベルフェゴール家の初代当主であるロスフォード・ベルフェゴールの次女である。私には双子の姉がいる。姉の名前はロイガン・ベルフェゴール。彼女は今私の出身家であるベルフェゴール家にいる。しかし、私はマモン家にいる。なぜ私たち姉妹は離れ離れになっているかというと、私はとある最上級悪魔の眷属をしているから。私たち姉妹は昔から同じように育ってきた。悪魔社会に出るための勉学もしかり、作法や礼儀など、訓練をしてきた。

 しかし、私たち姉妹には決定的な差があった。私には才能があったのだ。それは魔力だったり、戦闘術であったりするもの。それが、私たちの暮らしを分けた原因だった。この私の才能故、本来ならば、私がベルフェゴール家の次期当主になるはずだった。しかし、最上級悪魔、現私の(キング)である、アヴァディーダ・マモン様にオファーされたのだ。私たちが生まれたときにはもう成人で、昔からそれなりに付き合いのあった方だ。私たちに取っては少し年上のお兄さんみたいな感じだった。そんな方からのオファーということもあって、私のお父様もキッパリと拒否することも出来ず、私の意思もあって晴れて私はお兄さんの眷属、女王(クイーン)となった。姉のロイガンは私の才能を妬んでいたし、これでよかったと思う。

 

 しかし、今、私たちには信じられないことが起きていた。

 主様が行方不明になってもう8年たつだろうか・・・・・

 8年まえ、主様は他の眷属、7人を連れて、この城を出ていった。聞いた話によれば、新しい眷属候補が見つかったというので、その獲得に向かったという・・・この話を外に漏らせば、他の悪魔たちも獲得に向かい、収拾のつかないことになってしまうと、その時のターゲットの資料は全て破棄され、今は何一つ手がかりは残っていない。しかし、幸運なのか、その破棄されたらしい資料のかけらが残っていた。それを復元に時間を費やしていた。それの結果が出るまで行方不明、ということしか公にはできていない。本当に、どこいかれてしまったのでしょうか・・・・

 そんなことを思っていると、コンコンとノックの音がした。

 

 「入っていいわ。」

 

 「はい、失礼します。」

 

 私が返事をすると、見慣れた女性が入ってくる。

 

 「バレンシア。どうしたの?」

 

 この子はバレンシア・カタルーニャ。我らがアヴァディーダ眷属の戦車(ルーク)で、私が眷属となった後に入ってきた子である。

 

 「はい、イベリア様。報告があります。」

  

 「それは、主様の件について?」

 

 私はそう訊いた。すると、彼女から待ちわびた答えを聞く。

 

 「はい。資料の復元がようやくできました。とは言っても、ほんの少ししかできませんでしたが。」

 

 「いいえ、少しだけでも情報がつかめるのなら十分です。」

 

 本音を言えば、すべての情報を手に入れる事が出来ればよかったのですが、今はもうそんな事を言っていられる状況ではないことは分かっている。

 

 「それと、今回の件について、私たち、眷属の会議を開くという声が挙げられています。後は、女王のイベリア様のみです。いかがなさいますか?」

 

 「その会議、開くことにします。」  

 

 私はその会議を迷いなく開くことにした。

 

 「わかりました。では、今からきっかり3時間後に始めます。その時間までに、会議室にお越しください。」

 

 「分かったわ。それまでに準備をします。」

 

 「はい。よろしくお願いします。失礼しました。」

 

 バレンシアはそう言って、この私の部屋から退出した。

 

 「やっとこの日が来ましたわ。主様・・・・無事・・・・ですよね・・・・・?」

 

 私はやっとの思いでこぎつけたこの機会に声を漏らした。

 

  

 

 

 そして、3時間後――――――

 

 「皆さん、ごきげんよう。」

 

 3時間が経ち、私は今日の重要な会議に出るため、会議室に入る。

 私がその部屋に入った時にはもう既に残った眷属全員がもう着席完了していて、私を待っていた。

 

 「おお、イベリア殿。来ましたか。」

 

 私のあいさつに返事を返したこの壮年の男性。名前はユーラン・マルセイユ。アヴァディーダ眷属の兵士(ポーン)である。一番の最古参で、兵士(ポーン)でありながら、実は剣も使えるという、実力者でいる。

 

 「すみません。少し待たせてしまいましたか?」

 

 「いえいえ。お気になさらず。時間どおりです。むしろ、私たちが早すぎたのでしょう。」

 

 私の謝罪に応えたこの女性はヴァルモニカ・ハイデルベルク。こちらも同じく兵士(ポーン)。魔法を得意としている。

 

 「そうですか。では早速ですが、始めましょう。」

 

 こうして、私は席につき、会議の幕を上げた。

 それと同時に、全員の顔が先ほどとがらりと変わり、皆、顔をこわばらせていた。

 

 「ではまず、主様が動いた原因である、眷属にする予定だったターゲットについての資料の復元結果からお願いできますか?」

 

 会議の最初の主題に上げたのはもちろんこれであった。これがなければ動くこともできないから。

 

 「はい。それは私が報告します。」

 

 そう言って席を立った女性は兵士(ポーン)のトリエステ。

 

 「主様、アヴァディーダ様は8年前、とある人間に目を付けたようです。おそらく、眷属にされようとしたのでしょう。」

 

 トリエステは資料をすらすらと読み上げていく。

 

 「その人間について、分かったことは?」

 

 「はい。そのターゲットはどうやら魔法使いを親に持つ子供だったようです。しかし、その才能、魔力を鑑みて相当なものだったようです。その子供が住んでいるところはブリテンです。主様はそこに行かれたと思います。すみません。あとのことは残念ながら損傷が激しすぎて8年かけて復元出来た情報はこれだけです。」

 

 トリエステは報告したあと、申し訳なさそうに謝罪した。

 

 「いいえ、十分です。あなたたち復元班は良くやってくれました。」

 

 「そうだぜ。トリエステ。むしろ、あんな状態になっていた資料をよくそこまで復元したな。」

 

 「ジェノヴァ殿の言う通りですぞ、トリエステ嬢。お主は良くやってくれた。」

 

 「そうだな。」

 

 「ありがとう、トリエステ。」

 

 私の言葉を皮切りに眷属は皆、トリエステに称賛の言葉を掛けた。

 

 「み、皆さん・・・・・ありがとうございます・・・」

 

 トリエステの報告を聞き、会議を次の主題に移行させる。

 

 「さて、皆さん。この報告を聴き、どうお考えになりますか?」

 

 「「「「「「「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」」」」」」」

  

 私がそういうと、眷属は全員、黙りこくった。皆、私のこの質問の返答に困っているのだろう。それもそうだ。眷属にするために出ていった主様はこの8年間、いっこうに帰ってこなかった。連れて行った眷属7人を含めて。

 皆、口を堅くなに閉じていた。この8人しかいない会議室に沈黙が流れる。

 私もまた、口を閉じていたままだった。

 

 

 

 「・・・・認めたくは・・・・ありませんが・・・・・」

 

 しばらく時間がたった後、この中で一番の古参眷属であるユーランがこの沈黙の殻を破った。

 皆、ユーランに注目がいっている。

 

 「主殿は・・・そのターゲットとやらの眷属化に失敗したのではありませんかな・・・・?」

 

 「「「っ・・・・」」」

 

 ユーランの言葉に皆それぞれ違ッた反応を示す。

 

 「ユーラン、それは、つまり・・・?」

 

 「可能性の話・・・主殿は・・・眷属化に失敗・・・そのターゲットに返り討ちにされた・・・」

 

 「なっ!」

 

 その考えに皆驚きを隠せていなかった。

 

 「おい!ユーラン!あんた、主が人間に殺されたとでも言うのかよ!」

 

 すると、ジェノヴァがユーランの考えに激昂し、声を荒げてユーランに反論した。

 

 「落ち着きなさい。ジェノヴァ。可能性の話と言ったでしょう。」

 

 私はジェノヴァを諫める。

 

 「そんなのあり得ねぇよ!大体な!主はこの冥界の悪魔の中でも相当強い方だろ!上から数えていったほうが確実に速いだろ!」

 

 「そ、そうだよなぁ・・・」

 

 「確かに・・・」

 

 ジェノヴァの反論に皆頷く。

 確かに、主様の強さはあの魔王様方、ほかの最上級悪魔の方々にも知れ渡っている。主様の名はこの冥界全域に届いているくらいだ。

 

 「そうだろ!みんな!あの強さを誇る主が、人間なんかに殺されるわけねぇ!」

 

 ジェノヴァの意見は確かに筋が通っていないこともない。しかし、わたしはどうにも腑に落ちなかった。

 

 「しかしだな、ジェノヴァよ。だとしたら主様はなぜ帰ってこない?8年もどこかで油を売っているわけもあるまい?それに人間をあまり侮っていると痛い目にあうぞ?なんせ、人間には英雄というやつがいる。その者たちは最上級悪魔を屠ることが出来る。わしはそのような奴を一度見たこともある。それにだ。ここで主様が生きていると希望を持っておいて、あとで真実を知った時の絶望は大きいからな。故に変な希望を持たぬ方が良いのではないか?」

 

 「グッ!!だがよぉ!!」 

 

 ユーランもユーランで的を射ている考えを出している。

 ジェノヴァもそれに反論をしている。

 このままでは収拾がつかなくなってしまう。

 

 「皆さん。一度落ち着きなさい。」

 

 私がいつもより低い声で言うと、皆シーンと先ほどの沈黙のようになった。

 

 「とにかく、主様が8年も帰ってこないというのは今現在進行形で起こっているのです。眷属化に成功したのなら、寄り道をすることもないでしょう。だとすれば、主様の身に何か起こったことは間違いないでしょう。最悪の場合、主様と同行した眷属は、その者に倒されたということも考えるべきでしょう。」

 

 「イベリア姐、あんたまでそういうのかよ。」

 

 「ジェノヴァ。これは最悪の場合の話です。ですが、否定できない事なのです。そう考えて行動するしか今できることはありません。とにかく、場所が分かったのは幸運です。トリエステ、その場所に偵察隊を派遣しなさい。そのターゲットが今どうしているのかを調べましょう。その確認が出来たら、次にどうするか考えましょう。」

 

 「わ、分かりました。」 

 

 私はトリエステに指示を出し、続けた。

 

 「そして、このことは、私の実家のベルフェゴール家、主様の御実家、マモン家、主様と婚約なされているカレリア様のご実家、アルシエル家、つながりのある他の家に報告します。そのお家の方たちを招き、そこで最終決定を出していきます。それで、よろしいですか?」

 

 私はこの会議における結論を出す。

 

 「私は、構いません。」

 

 「儂もそれが妥当じゃと思う。」

 

 「わたくしも。」

 

 皆、この結論に賛成していく。

 残ったのは先ほど激昂していたジェノヴァだけだ。

 

 「・・・俺も、今回はそれでいい。だが・・・俺は納得はしていない。そいつのところへ行って、拷問して聞き出してやる。」

 

 ジェノヴァは攻撃的な反応をする。

 

 「分かっています。私も納得はしていません。恐らくですが、仕掛けに行くことだと思います。特にカレリア様はその人間を決して許さないでしょうし。」

 

 私が推測を出すと、ジェノヴァは嬉しそうな顔をする。

 

 「はっ!そうこなくちゃな。」

 

 「では、皆さんこれでよろしいですね?」

 

 私は再度、全員に確認を取る。

 皆、この問いに頷く。

 今回の会議は有意義なものだった。ここまでまとまれば、調査後、次の会議での行動方針を決定できる。

 

 「では、皆さん、今日はここまでです。お疲れさまでした。」

 

 こうして、私たちは会議室から退出し、それぞれ自身の部屋に戻った。

 

 「ふう・・・何とかうまくいきましたね。」

 

 私はほっとした。この会議、収拾がつかなくなると懸念していましたが、どうにか皆、まとまったのが良かった。

 おっと、こうしている場合ではありませんね。さっそく、偵察部隊の派遣・・・はトリエステに任せたので、実家に連絡を入れなければ。

 私は魔法陣を出し、実家につなげる。

 

 『おお、イベリアか。久しいな。』

 

 「お久しぶりです。お父様。」

 

 『おお、珍しいこともあるものだな。お前から連絡をよこすとはな。』

 

 確かに父の声は久しぶりに聴くし、連絡もあまりとってはいなかった。

 しかし、今はそんなことを気にしている場合ではなかった。

 

 「お父様、今はそんなことを言っている場合ではないのです。」

 

 私がそういうと、父は少し悲しそうにした。

 

 『そんなことって・・・イベリア・・・私は少し傷ついたのだぞ・・・・全く。それで、そんなに急いでいるということは、何かあったのだな?もしかして、今現在行方が分からなくなっているアヴァディーダ君とその眷属のことについてか・・・?』

 

 さすがはお父様。私の言わんとしていることを真っ先に当ててくるとは・・・

 私は答える。 

 

 「はい、そのとおりです。お父様。」

 

 『なに、私も家の者を使って色々と調べているのだが、これといって何もつかめなくてな。私も持ち詫びていたのだ。それで、どうなのだ?』

 

 父も父で探していてくれていた。私は嬉しかった。

 

 「はい、実は――――――――」

 

 

 ――――――――

 

 『・・・・そうか・・・・彼は眷属にしようと、人間界へ・・・そのまま帰ってこず、か・・・』

 

 「はい。なんでもその人間は中々の強さだったようです。私たち眷属で話し合った結果、最悪の状況も考えられます。」

 

 あまり言いたくはないが、隠さず父に話す。

 

 『ふぅむ・・・そうだな・・・・私も人間に倒された・・・という可能性は決して低くない。むしろ高いと考えてもいいかと思う。どちらにせよ、帰ってこないなら、彼の身に何か起きたのは間違いない。』

 

 「はい。私もそう考えております。今現在、偵察部隊をその地に派遣しています。」

 

 『何?ということはその場所がどこか分かったのか?』

 

 父は少し驚いたようだった。

 

 「はい。眷属の一人が当時破棄された資料を8年かけて復元してくれたおかげです。」

 

 『なんと・・・あっぱれだな・・・』

 

 彼女の手腕に父も驚く。

 

 「その偵察の結果をもとに、次の会議で我々の行動を決めようかと思います。」

 

 そして、私は父に結論を伝えた。

 

 『分かった。その会議には私も行こう。マモン家や、他の家の協力は私が取り付けよう。お前は次の準備にあたってくれ。』

 

 ここで、父が他の御家の連絡を取ってくれることになった。

 

 「ありがとうございます。助かります。」

 

 『何。つながりのある者なのだ。これくらいするさ。』

 

 「はい。よろしくお願いいたします。」

 

 『うむ。』

 

 そう言った後、連絡は切れ、魔法陣は消えた。

 私は内心嬉しく思った。

 計画は順々に進んでいる、と。

 

 「アヴァディーダ様・・・」

 

 私はここにはいない主様の名をつぶやいた。夜空を見ながら・・・・・

 しかし、この時の私は思いもよらなかった。

 私たちは、いえ、悪魔という種族は、とんでもない敵を生み出してしまったことに・・・・

 

 ―悪魔SDIE OUT―

 

 ――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

 

 ―????SIDE―

 

 ところ変わって、ここは人間界。豊かな自然と美しい景色が広がる土地に聳え立つ城と、その下に広がる街。

 その城の宮廷では、何やら騒がしく、甲冑被ったものや、ローブを来たものがいきかい、ただ事ではないようだった。

 

 「おい!こっちだ!いそげ!」

 

 「なあ、これ何処に運ぶんだっけ?」

 

 そんな騒がしい城の庭を見守っている、王冠をかぶり、白い鎧を身にまとったものが居た。

 

 「父上!」

 

 すると、その白い鎧を身にまとった壮年の男性に声を掛ける若い青年と、その青年の後ろからついてくる金髪の美少女。

 

 「おお、お前たちか。」

 

 「父上、一応、指示されたことはすべて終えました。」

 

 「うむ、ご苦労!」

 

 壮年の男性は二人に元気よくそう言う。

 

 「これで、8年目、ですね。」

 

 「ああ、そうだな。」

 

 青年がそういうと、三人の間に沈黙が流れる。

 

 「父上、なぜ、マーリン殿とクリスチャン殿は・・・・」

 

 「・・・・・私も、悔しいさ・・・・・」

 

 「マーリン様・・・・クリスチャン様・・・・」

 

 3人は悲しそうな表情をする。

 

 「あら3人とも、ここで何をやっているの?」

 

 すると、そこに少し年を取った貫禄ある女性が近づいてきた。

 

 「イグレイン・・・・」

 

 「お母様・・・・」

 

 「あなた、悲しいのは分かりますけど、もうすぐお二人の命日です。そんなことをしている場合ではありませんよ。」

 

 その女性は王に強く言う。

 

 「ああ・・・・わかっている・・・」

 

 「それにです。一番つらいのは、イッセー君なのですよ?そのイッセー君が前向きに生きているのです。我々がいつまでもそんな弱気ではいけません。」

 

 その女性の言葉は王に深く染みる。

 

 「アーサー、アルトリア。あなたたちもですよ。それにイッセー君が前に来たときは、とても前向きだったではありませんか?」

 

 「はい・・・」

 

 「そのとおりです・・・」

 

 「なら、あなたたちもいつまでもくよくよしない。」

 

 「「はい、わかりました!」」

 

 「はい、よろしい。では準備を済ませてしまいましょう。」

 

 そう言って、4人は各々動き始めた。

 

 ―ブリテンSIDE OUT―

 

 

 

 

 

 

 




はい!いかがだったでしょうか?
イッセー君にまた、敵が出来ました。しかも、今回はさらに敵が多い!
どうなるでしょうか?
話に出てきた悪魔たちはオリジナルキャラクター。名前はあるものから付けました。
分かる人いるでしょうか?
答えは次回以降。

それと、ここで!みんな大好き騎士王が出てきました!
この作品のオリジナル設定です!

詳しい設定はまた機会で!

さて、現在、感想、リクエスト、指摘などを受け付けています。
(例としては登場させてほしいキャラなど。)
もしあるならば、【メッセージ】、もしくは【活動報告】←(ここ重要!)によろしくお願いします。
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