ハイスクールD×D ―魔法使いと龍―   作:shellvurn 次郎

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もっと投稿ペースを早くしたいところですが、そうもいかないんですよね~
やはり質を求めるとそんなにバンバンいけないです。
この作品結構オリジナルなところがあるので。
IF・短編集はいつから書こうかな、と思っている今日この頃。本編も進めたいですし、難しいですねぇ。
さて、前回は初の衝突となりましたね。今回はそのセーイチサイドからの始まりです。



No,XXIV ~継続は力になる~

 誠一SIDE

 

 「ん・・・?またここに来たか・・・・」

 

 よう!

 誠一だ!

 俺は気が付いたら前に俺の神器(セイクリッド・ギア)の中に封印されたドラゴンと遭遇した真っ白な世界に再び足を踏み入れていた。

 此処は現実じゃない。俺の精神世界だという。ここに来たときは総じて現実世界で意識を失っているときか寝ているときだ。

 !そ、そうだ!!俺たち、はぐれ悪魔を狩に行ってなんか訳の分からない奴にやられたんだった!!

 みんなは!?無事なのか!?

 みんなの安否が心配だ。

 俺はいてもたってもいられず、どうにかしようともこの世界から出られないでいた。

 

 『やあ、こっぴどくやられたね。君も。君の仲間もさ。』

 

 俺が焦っていると、聞き覚えのある声がした。声音は威厳があふれているが、口調が幼い。

 振り返ると、いつの間にか俺の背後には見覚えのあるドラゴンが居たのだ。

 紅焔龍児(エヴォリュシオン・ドラゴン)、アグニルだっけか。こいつが俺の神器(セイクリッド・ギア)に封印されれいるドラゴンだ。

 前、一回ここで遭遇したのだ。この真っ白な精神世界で。

 

 「アグニル・・・お前、俺たちのことを見ていたのか?」

 

 こいつは、アグニルは俺たちの状況を知っているような口ぶりだった。

 俺はそれを確認しようと聞いた。

 

 『そうだよ。僕は君の内側から、君たちのことが見えるんだよ。もちろん、あの戦いのこともね。』

 

 どうやら内側から俺を通してそとの世界を見ることが出来るらしい。

 いったいどうなってんだよ。神器(セイクリッド・ギア)ってのは不思議なものだ。神様が作ったんだっけな?ほんと、スゲェもんだぜ。

 

 『無様に負けたね。手も足も出なかったようだけど。』

 

 アグニルは少しバカにしたような感じもあったが、真剣な眼差しで言った。

 

 「・・・・・・・」

 

 俺は黙るしかなかった。

 俺は何一つ、あいつにやり返してやることは出来なかった。

 悔しい・・・・・悔しいぜ・・・・・・

 俺は手も足も出ず、ホイホイとやられちまった!!俺はポーンだ。俺が一番頑張らなきゃいけない!この神器(セイクリッド・ギア)があるってのに!そのせいでほかのみんなまで!!

 そして、守ると決めたアーシアを、守り切れなかった!!

 ふがいない俺は自己嫌悪に浸る・・・・・

 

 『悔しい?いや、その顔を見ればそうか。』

 

 先ほどからすかした顔でいるこのドラゴン。

 俺はそのドラゴンに思わず言ってしまった。

 

 「なあ・・・お前はここでこうしてみているだけだったのかよ。なにかできたんじゃないのかよ!なあ!」

 

 ここでこのドラゴンこう言っても仕方が無かった。

 ただの八つ当たりだ。やり場のない怒りをこうしてぶつけているだけだ・・・・

 自分でもわかっている・・・・わかっているはずなのに・・・・

 

 『そう言われてもね・・・・僕は聖書の神に封印されてここから出られないし、肉体もないからどうしようもない。どの神器も一緒だよ。それにいかに神滅具(ロンギヌス)に近い性能を持つ神器でも、その力を使いこなせなきゃ宝の持ち腐れと言うやつだよ。』

 

 たんたんと正論を言うアグニル。

 その通りだ・・・・・何も言い返せない。

 

 「・・・・・すまん・・・」

 

 俺は八つ当たりをしたことをアグニルに謝った。

 俺の謝罪を聞いたアグニルはしばらく沈黙してから口を開いた。

 

 『ま、君が負けたのもある意味仕方のないことだよ。キミは悪魔になって、もっと言えば、普通の一般人からこちらの世界のことを知って日が浅い。それでいていきなりの戦闘で勝てると思っているのなら甘いよ。甘すぎる。それに君の主だっけ?あの子もまだまだだ。それにキミのお仲間全員にも言えるね。あの程度ではそこら辺のやつらには勝てても、実力がワンランク上がるだけで苦戦するだろうね。』

 

 「・・・・・そうか・・・・」 

 

 さらにアグニルはたんたんと言い続けた。言うべきことが全てそろっているかのように。

 

 『そして、君もわかっているとは思うけどね。一応言っておくよ。君が、負けた一番の原因だよ。あの場面、たとえ僕が無理やり神器をバーストさせて力を引き出したとしても、君自身の肉体が耐えられない。君自身の力が、神器(セイクリッド・ギア)に全く追いついていない。神器(セイクリッド・ギア)はね、自信の素の力が大きければ大きいほど強力になるんだよ。特にこの神器(セイクリッド・ギア)を含めた神滅具(ロンギヌス)はね。せいぜい君の力じゃ、力も4倍くらいにしかならない。そして、この神器のメインである炎も弱いまんまさ。その炎に君の肉体がついていかないからね。』

 

 アグニルからの酷評。

 俺はそれを聞き入れる他なかった。

 驚いたのは俺より強い朱乃さんや部長までもアグニルは弱いと言った。言い切った。

 木場や小猫ちゃんまでも・・・・

 それほど、このドラゴンは強かったってことなのだろうか。

 

 『キミは怒りでこの神器(セイクリッド・ギア)を覚醒させ、運よくあの堕天使を倒したけど、次はそうはいかないよ。絶対ね。』

 

 俺はレイナーレを倒した。

 それで、少しは自身がついたって思っていたのに、これかよ・・・・

 やっぱ全然だったのかよ・・・・・あの堕天使は弱い方だって言うのか。

 確かに、あの訳の分からない男はレイナーレなんかより強かった・・・・だけど、なんか違和感を感じた。あれは、一体なんだ?

 アグニルに言われて、沈黙がしばらくはしる。

 

 「なあ・・・アグニル・・・・」

 

 俺の一言を皮切りに、その沈黙が晴れた。

 

 『なに?』

 

 俺はとある決意をもとに、アグニルに言った。

 

 「どうすりゃあ、強くなれるんだ?あいつに、どうやったら勝てるんだ?」

 

 俺は、いままで一番真剣になった。

 自分でも不思議だ。こんな気持ちになるなんてな。

 だが、悔しかった。ただ悔しかった。それだけだ。

 それが俺の原動力となった。

 俺の言葉を聞いた瞬間、アグニルは待ってましたと、いったような笑みを浮かべ、言った。

 

 『その言葉、待ってたよ。意外と性根はあるじゃないか。君は歴代の中でも弱い方だけど、その心意気を行動に移せるなら何とかなるかもね。才能も決してゼロってわけじゃなさそうだし。』

 

 さっきまで厳しいことを言っていたけど、急に甘くなったな。このドラゴン。

 まあ、児って言葉がついているくらいだしな。

 部長からはとても若いドラゴンって聞いてたけど、ほんとだな。なんか話し方とかが子供っぽいし。

 

 「それで、何をすりゃあいいんだよ?アグニル。」

 

 『キミ、確か早朝にトレーニングしてたよね?あの主って子とさ。しばらくはあれをやった方がいいんじゃない?』

 

 アグニルはなんかとんでもなくヤバい修行を俺にやらせると思っていたのだが、拍子抜けした。

 

 「確かに俺は部長とトレーニングを始めたけどよ、それでいいのか?」

 

 部長とやってたトレーニングは主にランニングと筋トレだ。でももっと特別なことをやらなきゃ、強くはなれないはずだ。

 俺が疑問を抱いていると、さらにアグニルは続けた。

 

 『安心しなよ。君がレベルアップすれば、僕から新しく何をやるかを指示を出すよ。でも今はダメだ。君はまだ戦いに足を踏み入れたばかり。いや、僕から言わせれば、まだ足を踏み入れてすらない。そんな君にいきなりオーバーなことをやらせても意味がない。身体がついていかないだろうしね。とにかく、しばらくは基礎的なことをやりなよ。君の主とやらはその辺のことは分かってるようだからね。話はそっからだよ。』

 

 「そうか・・・わかったよ。」

 

 アグニルは念を押すように言った。

 百戦練磨のドラゴンがこう言うんだ。

 まだ少し心には引っかかるものがあるが、取りあえずアグニルの言う通りにやってみよう。あっちも真剣なまなざしで言っているんだ。必ず効果があるのだろう。

 よっしゃぁ!やってやるぜ。

 俺はまたここで決意をした。

  

 『それがいいよ。よろしくね。僕の相棒くん。』

 

 アグニルは笑みを浮かべながら言った。相棒と。

 そうだな。これから長い付き合いになるんだからな。なんせ俺は悪魔だしな。

 

 「ああ。よろしく頼むぜ、アグニル。俺は布藤誠一だ。」

 

 ここで初めての自己紹介となった。

 ま、神器に封印されし伝説のドラゴンの一体と神器の宿主って関係になったんだ。

 これくらいはしないとな。神器に宿るドラゴンといい関係を築くのも大切だろう。

 

 「なあ、アグニル。」 

 

 『ん?なに?』

 

 俺は気になっていたことをちょっとした興味本位でアグニルに訊いた。

 

 「アグニルはあの時の戦いも見てたんだよな?あの男は、ぶっちゃけどれくらいの強さなんだ?」

 

 あの時戦った訳の分からない正体不明の男。俺はずっと気になっていた。あいつの強さは一体どれくらいなのか?

 俺には全く見当もつかない。

 が、ここには百戦錬磨のドラゴン、アグニルがいる。部長が言うには相当な強さだったらしい。たしか龍王だっけか。そのアグニルならわかるんじゃないだろうか。

 

 「・・・キミはなかなか答えにくいことを聞くねぇ・・・ホントに・・・・」

 

 と思っていたけどそうでもないらしい。

 アグニルはう~~んとうなり声をあげ、少しの時間考えたあと俺の質問に答えた。

 

 「正直、僕には明確な答えは出せないな。さっきも言ったけど、僕はキミの内側から外の様子を見れるだけだ。見ただけじゃ予測は出来ないよ。実際に僕が正面からたたかったわけじゃないからね。でも、確かあの金髪の男は強かったよ。そして全く本気のほの字も出してなかったよ。余裕そうだったね。たぶん僕が思うには君たちを倒す手段を向こうはたくさんあったはずだよ。君たちとあの男との差はそれくらい離れている。」

 

 「お前ほどの存在がそこまで強いって評価するのかよ。」

 

 「ああ。そうだよ。あくまでも見た限りの話だけどね。」

 

 アグニルは冷静にそう分析し、答えを出した。

 あの龍王アグニルでさえも強いと言い切った。どれだけ強いんだよ・・・・あの金髪やろうは・・・・

 まあ、龍王ってのがどんなもんなのかさっぱりわかんないがな。

 とにかく龍王はとんでもなく強ぇってことは聞いた。おもに部長から。その攻撃は魔王様に匹敵するって言ってたな。そういや。

 魔王様クラスのこのドラゴンがそんなに言うんだ。

 

 「まあ、今の君では同じ結果にしかならないよ。精々精進するんだね。強くなりたかったらさ。君のお仲間ともども。」

 

 アグニルは嫌みったらしく言う。

 まあ、その実際通りなんだから反論できないんだけどな。ぐぅの音も出ないってのはこのことだ。

 

 「なあ、お前なら、あいつに勝てるのか?」

 

 俺は最後になるだろう質問をこのドラゴンに投げかけた。

 これもただの興味本位だ。俺は強さってものには興味が出始めていた。この世界には強い奴がたくさんいる、と思う。ドラゴンなんてのがいるからな。

 

 「・・・・・・・・・さあ、どうだろうね。わかんないよ。僕は神器の中にしかいられないしね。僕なんかのことよりも、まず君は自分の心配をしなよ。それじゃ。」

 

 アグニルはそう言って、俺の目の前から消えた。

 肝心な答えはアグニルには答えてもらえず、テキトーに返されてしまった。

 それになにか様子がおかしかった。不機嫌だったようにも見えた。一体何だったんだ?

 それにさっきの間はなんだよ。あの金髪野郎、まさかアグニルより強いってわけじゃ・・・・ないよな。たぶん。そうだそうに違いない!

 俺はそう勝手に思い込んだ。

 

 ―――――

 

 「はっ!!」

 

 目を開けると、視界には天井が映った。

 見たことのない天井だ。俺の家でもない。部長の根城でもない。

 

 「ここは・・・・」

 

 「あ!セーイチさん!!」

 

 体を起こすと、アーシアが俺のすぐそばにいた。

 若干涙目だった。

 

 「よかった!!セーイチさん!!無事に目を覚ませて!!」

 

 「アーシア・・・良かった。アーシアも無事だったんだな。」

 

 俺たちは互いの無事を確認し合い、喜んだ。

 あの金髪野郎・・・アーシアに攻撃はしてないの・・か・・?アーシアには傷は見当たらなかった。

 

 「セーイチ!目を覚ませたのね。」

 

 と、ドアからは部長、小猫ちゃん、朱乃さん、木場がぞろぞろと入ってきた。

 よかった、みんな大丈夫だったみたいだ。怪我もなかった。

 

 「はい。部長たちも大丈夫そうですね。」

 

 「ええ。とはいっても、みんな目を覚ましたのはほんのちょっと前だけどね。」

 

 部長は苦笑しながら言った。

 木場、小猫ちゃん、朱乃さんも笑顔を浮かべた。

 

 「それで、部長、ここは何処ですか?」

 

 「ええ、そのことなんだけど」

 

 部長が俺の質問に答えようとした瞬間、部屋に光が走った。

 青色の魔方陣が床に現れた!グレモリーの魔方陣じゃない!一体誰だ!?

 

 「リアス、眷属は全員意識を取り戻したようですね。」

 

 その青い魔方陣からはメガネをかけた二人組の少女が現れた!!

 え・・・うそだろ・・・この人。俺何度も見たことあるぞ・・・だってこの人は・・・

 

 「ええ。今ちょうどね。セーイチ。紹介するわ。彼女はソーナ・シトリー。上級悪魔、シトリー家の次期当主よ。」

 

 リアス部長から紹介されたのは、うちの学園の生徒会長だった。

 

 「ソウナ・シトリーです。以後、お見知りおきを。こちらは私の女王の真羅椿姫です。」

 

 「真羅椿姫でよろしくお願いいたします。」

 

 と軽く礼をする会長の女王。

 おどろいたぜ・・・・まさかこの学園の生徒会長までもが悪魔だったとはな・・・・全く知らなかった・・・・

 この学園、はなっから悪魔に支配されてんだな。

 

 「リアス、取りあえず何があったか話してもらうわ。あなたが向かった場所の様子がおかしいと思ったら、アルジェントさん以外全員倒れていたのを発見したわ。」

 

 「ええ。わかったわ。」

 

 それからしばらく、俺たちの身に起こったことを会長と話すことになった。

 

 ――○●○――

 

 「そうですか。大体のことはわかりました。この件は少々厄介なことです。取りあえず、これは上に、魔王様にも報告するべき案件です。それはこちらからしておきます。リアス、今日のところは私たちに任せて。あなたたちは休んだ方がいいわ。」

 

 「ええ。わかっているわ。お願いね。」

 

 「ええ。では皆さん。また。」

 

 会長はそうあいさつしながら女王の真羅副会長と共に魔方陣で去っていった。

 こうなると生徒会全員が悪魔な気がしてきたな。

 にしても、これほどのことになるとはな。魔王様にも報告って・・・それほどのことなんだな。

 部長は会長を見送ると、こちらの方を向いて言った。

 

 「みんな、思うところはあると思うけど、今日は家に帰りなさい。ゆっくり休んで。いいわね。」

 

 今日はこうして解散となった。

 この出来事が後々のことに繋がっていくことになろうとは思いもしなかった。

 

 

 ―――――◆◇◆◇◆――――――

 

 イッセーSIDE

 

 朝日がカーテンを突き抜けて部屋に入って来る。

 俺はそれに加え、普通の目覚まし時計を起点に目を覚ます。

 

 「ふぅ、朝か。」

 

 俺は独り言をつぶやきながら体を起こす。

 それにしても今日は体が軽いな。

 昨日はゆっくりと入浴して、早めに寝ることが出来たからか。

 たまにはこんな朝もここちよくていいな。

 寝室からでて廊下を歩き、外へ出る。いつもの修行だ。

 

 「今日は軽めにやっておくか。」

 

 ランニングと筋トレをいつもより軽くやって帰宅する。

 

 [イッセー、今日はいつになく少ないようだな。]

 

 途中、ニトラが俺に話しかけてくる。

 

 「ああ。まあな。」

 

 俺は簡潔に返した。

 

 [たまにはそんな日もあっていいさ。イッセー。お前は頑張り過ぎなのだ。お前の強さはこの世界でならばもう天を突破している。言い換えるとすればある程度は完成された強さまで達している。お前は休むってことを覚えた方がいい。]

 

 ニトラは念を押すように言った。

 ニトラは俺の強さは完成されていると言ったが、まだまだだ。ニトラには全く持って及ばないからな。まだまだ頑張らなきゃいけないのは確かだ。 

 

 「そんなに俺は休んでいないのか?」

 

 俺はニトラに訊いた。俺としては結構休んでいるつもりだったんだがな。

 母さんと父さんの手紙で散々怒られたからな。気を付けているつもりだったんだが。

 

 [何を言っているイッセー。お前は私から見ても全く休んでいない。特に、()()()()()鹿()()()としこたま戦闘をするようになってからな。全く・・・母親と父親に散々叱られたのを忘れたのか?まあ、今は妹たちがいるからおさまってはいるがそれでもだ。]

 

 と、ニトラに怒られてしまった。

 母さんと父さんが居なくなってからというもの、ニトラが俺の母親代わり、みたいなこともあった。

 叱ってくれるときもあった。褒めてくれる時もあった。

 俺を心配してくれているのは本当にあるがたい。

 

 「ああ。わかったよ。もう少し休むようにするよ。」

 

 ニトラが言うんだ。

 俺は素直に従う。なんだかんだ言ってニトラには頭が上がらない。

 

 [ああ。それがいい。イッセーのそういうところが私は大好きだぞ♪]

 

 俺が素直に言うことを聞くと、ニトラはとたんに甘くなる。

 まあ、俺もニトラのことは言わずもがな好きだけどな。

 そんな軽いトレーニングはすぐに終わりとなり、帰宅する。

 

 「あ、イッセーさん。おはようございます。今日もトレーニングお疲れ様です!」

 

 帰宅してシャワーを浴び、キッチンに向かうと伽耶と出会う。

 伽耶はいつもオレがトレーニングを終えてここに来るときに決まった時間に起きている。そして、朝食の準備を一緒にしてくれている。

 今まで一人でやってきていたので大助かりだ。他の家事も手伝ってくれている。

 

 「おはよう、伽耶。じゃ、いつもどうり頼むぞ。」

 

 「はい!」

 

 さっそく朝食づくりをスタートさせる。

 このあと、ドライグとティア、妹たちが起きてきて朝食をとる。いつもと変わらない日常が続くのだ。

 

 「ああ、今日は買い出しに行かないとな・・・・」

 

 冷蔵庫にはほとんど何も残っていない。

 まあ、この人数を考えれば消費も多くなるわな。

 今日は休みがてら、街に出て買い出しに行くことになった。

 

 「にいたーん。どこ行くの?」

 

 玄関で靴を履いて家を出ようとするとルルとイズナ、ヒカリ、スイがいた。俺のすぐ後ろに。

 みんなきょとんとした可愛らしい疑問を投げかけているような顔をしている。

 

 「ん?お買い物だよ。一緒に来るか?」

 

 俺は膝を曲げ、ルルたちの目線に腰を落としながら言った。

 

 「お買い物!」

 

 「ルルも行く!!」

 

 「スイも!」 

 

 「イズナも!」

 

 「わたしも。」

 

 4人とも、目をキラキラと輝かせながら嬉しそうに言った。買い物でこんなに嬉しがるなんて、本当にかわいいな。妹たちは。純粋でいい。

 

 [このシスコンが。]

 

 うるさいぞ。

 ニトラがなにか言っているがそれはスルーしていく。

 

 「そっか。じゃあ、靴を履いて準備しような。」

 

 「「「「は~~い!」」」」

 

 4人は元気のいい返事をしておのおの靴を履いて準備をする。

 

 「あら、イッセー。どっかいくの?」

 

 その途中、ドライグが俺が出かけようとする姿に気づき、声をかけてくる。

 

 「ああ。ちょっと食材の買い出しにな。ルル、イズナ、スイ、ヒカリも一緒に行くから家のことはよろしく頼むぞ。」

 

 「ええ。わかったわ。いってらっしゃい。」

 

 「「「「いってっきまーす!」」」」

 

 ルルたちも元気よく言った。

 ドライグに見送りしてもらったところで俺たちは家を出発した。

 玄関を出て庭を通り、門を潜る。そこには俺お手製の強力な結界がある。しかし、俺と一緒に潜るとき、または俺が通行許可している人は高位の神々でさえも通ることのできない結界など普通に通れてしまうのだ。妹たちはもちろん、ティア、ドライグ、伽耶が通れる。あと数十人かはこの結界に弾かれない者はいるがその者はたまに来るだけである。そいつらはみんなアポなしで急に来るものだから困っているけど。 

 左右を森に囲まれた小道をまっすぐ歩いていくと住宅街の端っこの公道にでる。

 そこからスーパーまで歩いていく。

 街の中心に近づくにつれ住宅から商業施設へと風景が様変わりしていく。

 

 「にいたん、今日はどこ行くの?」

 

 今までキャッキャと妹たち4人でしゃべりながら歩いていたルルに訊かれた。

 

 「あそこに大きな建物があるだろ?そこに行くんだよ。」

 

 俺はこの道から正面に見える巨大な建物を指をさしながら言う。 

 1年前にこの地にオープンした新しい大型の総合商業施設だ。何でもあるって評判だ。と言う俺もここに来るのは初めてだ。今まではもっと小さいところで買っていたが、ルルたち妹も一緒に来ているから急遽目的地を変更した。

 

 「おっきいね!」

 

 「スイ初めていく~~」

 

 「私もだ~~」

 

 4人とも始めていく大きな建物に興味を向ける。

 子供の真っ白な心にとっては新しいものというのは興味がわくのが大半だ。それまで経験したことのないことがそこにはあるのだからな。

 デパートに到着する。

 妹たちと俺はは自動扉からその店内に入る。 

 

 「[[わぁ~~~」」」

 

 「広いね~~」

 

 店内はとてつもなく広い。

 向こう側が見えない。階数もこの分だと8.9階はあるだろう。

 とりあえず、メインである食材の買い出しへ行く。妹たちと一緒にさまざまな食材をまんべんなく選んでいく。 

 妹たちも手伝ってくれたので意外と早く終わった。

 

 「みんな、お手伝いしてくれたからおかし選んできていいよ。」

 

 まあ、可愛いからいつも多く買っちゃうんだけどな。

 今日は更に多く買ってしまいそうだ。それとアウローラとユキ、クロア、フローラの分も買っておかないとな。

 

 「え!ホント!?」

 

 「わーい!」

 

 「あっ!走ったら危ないよ!」

 

 スイとイズナが喜びながらおかし売りコーナーに走っていく。

 それをルルとヒカリが止めるためについていく。

 おっと、見失ってしまう。

 俺は4人の後を急いで追った。

 

 「スイとイズナ!今日は混んでるから走っちゃ・・・」

 

 「わぁっ!」

 

 人と人がぶつかる音がした。

 それとほぼ同時に直ぐ近くでイズナの声がした。

 近くに行くイズナと可愛らしい私服を着た少女がぶつかったあとだった。

 やっぱこうなったか・・・・・今日は祝日で人も多いからな。ルルは小さいから尻もちをついていて少女は立ったままだった。

 

 「うぅ~~~いたたたたぁ~」

 

 「あっ!ごめんね。大丈夫?」

 

 紫がかった黒髪の女の子がイズナを心配し、介抱する。

 

 「イズナ。大丈夫か?」

 

 「うん。大丈夫~」

 

 良かった。取りあえずイズナにケガはなかったようだ。

 

 「大丈夫?」

 

 「走るからだよ、もう。」

 

 ルルとヒカリとスイがイズナのもとに駆け寄って姉妹同士でイズナの無事を確認している。

 

 「すみません。うちの妹が。あの大丈夫でしたか?」

 

 保護者としてイズナがぶつかった相手に対応をする。

 

 「うん。僕は大丈夫だよ。ケガとかはしていないから。」

 

 紫がかった黒髪の美少女はにっこりと笑顔を浮かべながら言った。

 

 「こら、イズナ。このおねーちゃん言うことがあるだろ?」

 

 「うん。あの、ごめんなさい。」

 

 イズナはすぐにこのぶつかった少女に誤った。

 

 「ううん!気にしてないよ。君にケガが無くて良かったよ。」

 

 少女は快く許してくれた。なんといい子なんだろうか。

 ん?この子。どこかで見たことあるような・・・・

 

 「あ!よく見たらイッセー!また会えたね!ボク嬉しいよ!」

 

 と言ってこの少女は俺に近寄ってハグをしてくる。

 どうやら気のせいでも見間違えでもなかったらしい。

 この少女は俺のことを覚えていた。

 前に道端で出会ったあのメガ学園の子だ。その時は3人組だったがな。

 てか、妹たちの視線が少しキツクなってるのは気のせいか?

 

 「ひ、久しぶりだね。ユウキ。取りあえずここでは離れてもらっていいかな。」

 

 別にこの子は親愛の意味でこういうことをしたのだろう。だが、この子はいろんな人にこうもオープンなのか?少し無防備すぎる気がするが。心配だな。

 まあそれは置いておいて取りあえず離れてもらった。

 

 「うん!久しぶり!」

 

 屈託のない笑顔を浮かべる。眩しいなぁ・・・・輝いてるぞ。

 

 「ユウキー!何してるのーってイッセーくん!」

 

 「あ、ホントだ。」

 

 とおかし売り場でこのような再会が繰り広げられる中、同じく前に道端で出会った2人もここに来ていたのだ。

 

 ――●○●――

 

 「へぇー妹さんなんだー!かわいいー!!」 

 

 「ホントね。お持ち帰りしたいわぁ~」

 

 と、妹たちと愛おしそうにスキンシップをとる3人。妹たち4人をそれぞれ一人ずつ膝の上にのせているという状態だ。

 お菓子売り場で出会ったあと、取りあえず妹たちのお菓子を8人分以上買ってフードコートでティータイムと言うことになった。

 やはり3人は一緒に遊びに来てたんだとか。仲いいなこの3人。 

 

 「イッセーくんは妹さんとお買い物してたの?」

 

 栗色の髪を腰まで伸ばしているアスカがイズナの頭を撫でながら尋ねてくる。

 

 「ああ。うちの家事は主に俺がやってるんだよ。今日は買い出しだったんだ。」

 

 俺はありのままのことを言った。

 

 「うん!にいたんのご飯とっても美味しいの!」

 

 「いっつも頬っぺた落ちちゃいそうなの。」

 

 妹たちが絶賛してくれている。これはいいものだ。このためにやっているとも言えなくもない。

 

 「料理まで出来るの・・・・・・」

 

 「凄い・・・完璧だ・・・」

 

 「食べてみたいなぁ~イッセーのお嫁さんになる人が羨ましいよ。」

 

 3人とも若干引いている面はあるが、驚いていた。料理上手い奴なんてこの世界いくらでもいるだろうに。

 主婦の皆さんとかな。あと料理人。

 俺は母さんに生活を正せと言われたから仕方なく自炊というものを始めた。いや、始めざるを得なかったな。でなければ怒られちゃうから。それを続けていたらこうなった。まあ、継続は力なりってやつだな。

 

 「長いことやってるからな。慣れって言うやつもあるだろうさ。」

 

 「そうなんだ~凄いね。家族に料理を毎日ふるまうのって大変だからね。」

 

 「ねえ、イッセー料理が出来る女の子ってどう?」

 

 ユウキが少し答えにくい?質問をしてくる。

 

 「どうっていうのは・・・・まあ、素敵じゃないかな?料理できる女の子にごはん作ってもらえるのは嬉しいものだからかな?」

 

 俺はそれとなく答えた。まあ、一般的に言われていることだろう。

 

 「・・・ボク、今日からはじめよう。」

 

 「私も本気出そうかな。」

 

 「私も。」

 

 何故か3人ともやる気がマックス状態になっていた。

 ともあれこのあと、少しお話をしてからお開きになった。連絡先も3人全員と交換したのであった。

 

 [イッセー。あの黒髪の少女と愛し合うかのように抱き合ったこと、忘れてはいまいな?]

 

 帰り際、ニトラからそれはそれは恐ろしいほど低い声であの出来事を掘り返された。

 やはり見ていたか・・・・てか一部捏造させられてるんだが!?

 おかしくない!?

 

 [知らん。]

 

 「(ちなみにドライグ達には黙っておいてくれるのは・・・・)」

 

 俺はわずかな希望に期待してすがるように言った。

 

 [あるわけないだろう。]

 

 ですよねー。てか、こうなったニトラはもう抑えられない。

 こうしてまたドライグに絞られたのであった。

 

 ―――――◆◇◆◇◆―――――




10,000字超えてしまった・・・・・
というわけで、次回、とうとう来ました。
聖剣編です。
あと、ユウキ、アスカ、リリカが久しぶりの登場です☆
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