ハイスクールD×D ―魔法使いと龍― 作:shellvurn 次郎
さて、ヴァーリも出てきたことですし、役者がそろってきてますね。
前回出てきたイッセーの生徒ですが、まだまだ出てきませんよ。
分かる人は誰か分かると思います。
ああ、それと新しいPC買いました。高性能で素晴らしいです。グラボも積んでいてBF4みたいな3Dオンラインゲームもサクサクです。
誠一SIDE
よう!誠一だ!みんな元気しているか?
因みに俺はな、今、物凄く興奮している!!
「うぅん・・・・セーイチぃぃ・・・」
「セーイチさん・・・・・」
俺の横には全裸のリアス部長、そしてアーシアがいるんだ。二人とも魅惑的な声を出しながら体をよじらせる。ああ、何とも素晴らしい光景・・・・・・
いやいやいや、おかしいでしょこれ!!!
あの学園のお姉さまであり、憧れのリアス部長、そして純粋無垢なアーシアとこうして添い寝を!添い寝をしているんだぁぁぁぁぁ!!!
しかも全裸で!!大事なことだからもう一度言う。全裸で!
まず、リアス部長が俺の家でこうしてスヤスヤと気持ちよさそうに寝ていること自体がまず事案なのだ。
何故こんなことになったかと言うとだな、まずリアス部長が俺の家に住むことになった!
あの訳の分からない金髪男に負けた翌々日、いつも通り部活をやっていたら急に部室に炎が立ち上がり、上級悪魔のフェニックス家の三男、ライザーが現れたのだ。加えて銀髪の美女、魔王ルシファー様の
しかし、ライザーはもうすでにレーティングゲームのプロであり、対する部長はまだ未経験者。それを考慮して、俺たち眷属は山で特訓をすることとなった。かなりの特訓を積み、俺たちはいい勝負が出来る、そう思って本番に臨んだ。
だが、現実はそううまくは行かなかった。結果は負けちまった・・・・・
まあ、仕方ないのかもしれない。経験が足りなさ過ぎたんだ。アグニルにもまだ勝てないだろうと言われてた。
確かにライザーの眷属たちはあのわけのわからない男よりかは弱かった。それは体感的には分かった。それに戦いやすかった。
問題は敵の
俺は魔王様公認で会場に殴りこんでライザーとの一騎打ちと言うエキシビションマッチで勝ってリアス部長を取り返すことが出来たんだ!
その代償として俺はアグニルと契約を結び、俺の両腕を対価に差し出した。俺の両腕はもはや人間でも悪魔でもなく、ドラゴンと化した。それと引き換えに、俺は一時的に力を得たんだ。
そんなこんなで部長をライザーから取り返して、このような生活を送っている。
しかし、良いことばかりではない。
ここんところ、木場の様子がおかしかった。正確に言えば、おそらく俺の家で部活をやっていたときだった。昔一緒に遊んだやつと一緒に映った写真をみたとたん、木場の様子が豹変した。聖剣・・・?とか言ってたな。そこからだ。木場が一人でブツブツとつぶやいていたりどこか上の空って感じだ。
部長は木場の過去を知っているらしく、そのことをさわりだけ話してくれた。やはり、聖剣が関係してるとか。部長にも木場が変わるきっかけとなった写真を見せた。やはり、マイナーなモノらしいがいわゆる教会の聖剣だった。なんであんなものが映っていたのか甚だ疑問だがそれは置いておこう。今は木場が心配だ。部長も朱乃さんも小猫ちゃんもアーシアも心配してるしな。
加えてだ。先日、俺の家に突然とある人物が来たんだ。紫藤イリナ。昔俺の家の隣に住んでいた幼馴染だ。そして、木場の様子がおかしくなった原因の写真に映ってた子だ。てっきり俺は男だと思い込んでいたが、女だった。今ではすっかり成長して女らしくなっていた。それともう一人の青い髪の女。ゼノヴィアと言ったか。二人して日本に来ていた。ただ、そこは大した問題じゃない。二人からはとてつもない悪寒が感じられた。あれは・・・・何だったんだろうか?体感的にだが、教会や聖水、光の矢と同じような感じだった。
「んん・・・あら、セーイチ、起きてたの。おはよう。」
と、部長とアーシアの寝顔を見ていたら部長が目を覚ました。部長は体を起こす。うん、見事に赤い髪が部長のおっぱいを隠している。俗に言う髪ブラと言うやつだな。
「おはようございます、部長。」
俺は部長にあいさつを返す。部長はいつものような顔ではなく、少しだけ元気がなさそうだった。多分、木場のことが心配なんだろうな。眷属だから。このままではいけないとわかっているのだろう。
「アーシアはまだ寝ているのね。起こすわね。」
まだスースーと寝息を立てながら気持ちよさそうに寝ているアーシアを起こす。もういい時間だからな。今日は平日。学校もまだある。
「んん~~部長さん、セーイチさんおはようございますぅ~~お早いですね~」
部長に起こされたアーシアはまだ眠たそうだ。目をこすりながら体を起こす。
「おはようアーシア。」
「おやよう。学校の支度をするわよ。二人とも。」
部長はすでに着替え始めている。
「「はい。」」
俺たちは部長に返事をして、制服に着替えて1階のリビングに行った。
「おはようございます。お父様、お母様。」
「おはようございます。」
アーシアと部長は父さんと母さんにあいさつをする。呼び方がもはや娘だな。
「おはよう!リアスちゃん!アーシアちゃん!」
「おはよう。」
母さんも父さんもまんざらじゃない。むしろ娘のような存在ができてうれしそうだ。
部長とアーシアは母さんの手伝いにすぐに向かった。ここに住むようになってから二人とも母さんと料理を作っている。時々、母さんに代わって作ることもある。二人とも上達が速い。もともとの才能もあるのか、母さんの技術をすぐにものにしていった。流石だ。
「[行ってきまーす。」」
「行ってきます。」
朝食を部長、俺、アーシア、父さん、母さんと食べ、学園に行く。
俺の左隣には部長、右隣にはアーシアがいる。三人ともに学園への道を歩いていく。
学園に近づくにつれ、人が多くなる。
学園の二大お姉さまであるリアス部長が居れば尚のこと。道行く女子生徒たちはキャーキャー言いながら部長をみる。男子共は嫉妬の眼で俺を睨んできやがる。
はっはっは、いい気味だぜ。
玄関に着き、ここで学年の違う部長とは分かれる。
「じゃあ、セーイチ、アーシア、また部活でね。」
「はい、部長。」
「またですぅ~。」
俺たちは二年生の教室へ、部長は三年の教室へ向かった。
教室へ入るなり、いきなりいつもの二人が駆け寄ってきた。
「セーイチィィィィィィィィィィ!!!!!!!」
「貴様ぁ!!今日もまたアーシアちゃんとリアス先輩と一緒に登校してきたなぁぁぁぁぁぁ!!!何とも妬ましい!!!!」
松田と元浜がま~たいちゃもんをつけてきやがる。
ホント毎日毎日ご苦労なことだ。
「ああ、そうだな。お前たちも早く仲のいい子を作ったらどうだ?そうすれば一緒に登下校くらいはできるかもしれないぞ?」
俺はこいつらに勝ち誇ったように言った。
「おのれぇぇぇ!!!」
「今に見てやがれぇぇぇぇぇ!!」
俺の言ったことがカチンと来たのか、松田と元浜は更にキレた。
俺はその二人をすぐにスルーして席に着く。
すると、アーシアが俺のもとて来てこう言った。
「セーイチさん!!今日も、頑張りましょうね!!」
それはそれは素晴らしい笑顔だった。
ああ・・・・・アーシアはなんとも癒されるのだろうか・・・・・
「ああ!もちろんだ!」
俺もアーシアの元気の良さに負けまいと、俺も元気を込めて言った。
――○●○――
放課後。
すべての授業も終わり、これから部活の時間となった。
俺はアーシアに声を掛ける。
「アーシア、部活行こうぜ。」
「はい!」
アーシアは俺の呼びかけにすぐに答えてくれてた。
アーシアはせっせと許可書を鞄につめて俺と一緒に教室を出た。
新校舎から離れたところにある旧校舎へたどり着く。
「こんちはー。」
「セーイチ、アーシア、来たわね。」
部室の扉を開けると、部長、朱乃さん、小猫ちゃん、そして木場もいた。だが、いつもの部室って感じではなく、すげぇ張り詰めた雰囲気だった。
その原因は、椅子に座っているとある人物たちがいたからだった。
「あ、セーイチくん!やっほー!」
「・・・・・・・・・」
なんと、思いもよらぬ客がここに来訪していたのだ。
―――●○●―――
「私は、カトリック教会所属、ゼノヴィア。」
「私はプロテスタント所属の紫藤イリナよ。」
部長の目の前に堂々とすわって真剣なまなざしで部長に向き合う二人。
まさか、教会の関係者が来ているなんて思わなかった。白を基調としたローブに首には教会、聖なるものを象徴する十字架を掛けている。俺の幼馴染のイリナも教会に属しているとは・・・・・俺たちは対立関係にあるわけか・・・・・
それはそうとして、先ほどから木場が危なっかしい。二人を尋常じゃないほどの怨恨の眼差しで睨んでいた。もはやこの時点で彼女等二人に切りかかっていっても不思議ではない。むしろ、今のいまああして部屋の隅で傍観していることが凄いことだ。
「自己紹介どうもありがとう。知っていると思うけど、こちらもね一応ね。私はリアス・グレモリー。ここの管理者よ。それで、我々悪魔側にあなたがた教会側が接触した理由を聞かせてもらえるかしら?」
部長も自己紹介とここにきた理由を聞いた。
部長も動じない姿勢だ。
その部長の問いに答えたのは俺の幼馴染、イリナだった。
「そのことは私から。先日、カトリック教会本部ヴァチカン及び、プロテスタント側、東方正教会側が管理、保持されていた聖剣エクスカリバーがそれぞれ一本ずつ、計三本が奪われました。」
それを聞いて俺たちは表情を変えた。
聖剣が?
というか、分からないというのが率直な意見だ。
俺は聖剣がどんなものかもわからないからだ。
「ごめんなさいね。まず、聖剣について一から簡単に話してもらえないかしら?悪魔になりたての子もいるの。」
部長が俺の疑問をこのような形で伝えてくれた。
「わかったわ。」
イリナは頷いて、部長の申し出に応えた。
――――
それからイリナとゼノヴィアは聖剣の成り立ちについて語った。
二人の話をまとめるとこうだ。
聖剣エクスカリバーはもともと一本の剣であった。しかし、それは三大勢力の大戦によって折れてしまったとのこと。そして、教会側は砕け散った聖剣のかけらを集め、錬金術で七本の聖剣にして今はそれを聖剣エクスカリバーと謳っているらしい。
「そして、これがそのうちの一つだ。」
説明が終わったあと、ゼノヴィアは立ち上がって布に包まれた長い物体をここで解き放った。
「私が所持する聖剣は、
「私のは
二人が持っていた物は聖剣だった!
どおりで会った時に嫌な悪寒がしたんだ。
今、ここで目の当たりにして恐怖さえ感じる。ヤバいやつだということは身を持って体験した。
にしても形が全く違うんだな。イリナのなんてひも状になってるし。
「それで、その教会ご自慢の聖剣とこの遠く離れた極東の島国のこの都市に、一体何の関係があるというの?」
悪魔にとって脅威であるはずの聖剣を目の当たりにしたというのにこの相手への姿勢を崩さない部長。流石です!!!尊敬します!!!
「そこからが本題だ。教会が所持する聖剣はカトリック、プロテスタント、東方正教がそれぞれ二本ずつ、残りの一本は行方不明。各陣営それぞれ一本ずつ奪われ、この都市に奪った連中がいるというのがこちらが調査した結果だ。」
ええ!
そんな奴が今この近くにいるって?!冗談じゃない!
「奪った連中のリーダーは
そのワードを聞き、初めて部長の表情が変わった。
「まさか、そんなビックネームが出てくるとはね・・・・古の戦いから生き残ったコカビエル・・・・」
堕天使の幹部・・・・コカビエル。聞き覚えがある・・・・しかし、相当強いはずじゃ・・・・
「それを鑑みて、私たち教会からの要求は悪魔側がこの件に手を出すな、それだけだ。」
ゼノヴィアの後にイリナも続けていった。
「私たち教会は悪魔と堕天使を信用していないわ。悪魔にとっては聖剣は邪魔でしょ?―――堕天使と手を組んだ場合、我々教会は敵と判断し、消滅させる。たとえ、魔王の妹であろうと―――ってお偉い様方からの伝言よ♪」
二人の物言いに部長の眉が吊り上がる。
「ずいぶんな言い方ね・・・・・私たちが、堕天使と手を組んで聖剣をどうにかすると、本気で思っているの?だとしたらそれはないわ。グレモリーの名に懸けて、そのような愚行はしないし、するつもりもないわ。もちろん、魔王様の顔に泥を塗るようなこともしないわ。決してね。」
部長は力強く断言した。
部長は冷静に言葉を述べたが、内心では怒っているのだろう。悪魔を愚弄されたからな。
「それが聞ければ今回ここに出向いた収穫はあったものだ。」
ゼノヴィアは笑みを浮かべながら言った。
部長も険しい表情から緩和させ、息を吐いた。
「あなたがた、たった二人で相手にするの?はっきり言っておくけど無謀よ。殺されるわ。」
呆れている部長だが、二人は決意をもって答えた。
「簡単に死ぬつもりはない。」
「ええ。」
二人はそう短く答えて椅子から立ち、ここから退出しようとする。
俺たちの横を通ろうとしたその時だった。
「君は・・・どこかで見たことあると思ったら、元聖女のアーシア・アルジェントじゃないか。」
ゼノヴィアはアーシアの素性を知っているようだった。
突然名を呼ばれたアーシアは体を震わせた。それに気づいたイリナもアーシアによる。
「ああ、あなたが一時期噂になっていた魔女の。悪魔になっていたなんてね。ああ、心配しないで。私たちはあなたの存在を上に報告しろなんていわれてないから。」
「え、えっと・・・・・あの・・・・」
二人に言い寄られて動揺し、対応に困ってあたふたしているアーシア。
そんなアーシアを気に掛けることは無い二人はさらにアーシアにとっては耳が痛い言葉が並べられた。
「聖女が悪魔にか・・・・・・落ちるところまで落ちたものだ。まだ、我らが神を信じているのか?」
「ちょっと、ゼノヴィア。悪魔になった彼女が神を信仰しているはずがないでしょう?」
ゼノヴィアに呆れながらイリナは言った。
しかし、ゼノヴィアは首を横に振って否定した。
「いや、その子からは信仰の匂いがする。私はそう言うのには敏感でね。背信行為をし、罪の意識を感じながらも神への信仰を忘れられない者もいる。私のはそういう輩を見たこともある。この子はその者と似ているのさ。雰囲気や気配がな。」
ゼノヴィアは目を細めながら言う。
イリナはそれを聞くとアーシアを興味深そうに見て言った。
「ねえ、アーシアさん。悪魔になった今でも主を信じているの?」
イリナの問いかけにアーシアは悲しそうに答えた。
「・・・・完全に捨てきることが出来ないだけです。ずっと、今まで信じてきましたから・・・・」
アーシアの言葉を聞き、ゼノヴィアは突然布に包まれた聖剣を取り出した。
「そうか。ならば、ここで私たちに断罪されるといい。神の名のもとにな。それならばキミも救われるだろう。」
さっきからアーシアのことを何一つ知らない、アーシアの苦しみを何一つ知らない奴が勝手なことばかりをほざいていやがる。俺は内側からこみあげてくるこの怒りを原動力に、アーシアの前に出た。
「おい、待てよ。アーシアに触れるんじゃねぇ。」
自分でもこんな低い声が出るのかとびっくりしたが、今はそれよりも眼の前の敵だ。
「それ以上アーシアに近づくな。」
俺は剣を構えている目の前の少女を睨みつける。
「なんだ?君は?私は神の名の下に彼女を断罪し、救ってあげようとしているんだ。関係ないものは引っ込んでもらいたい。」
「関係無いことはねぇんだよ!俺はアーシアの友達だ。家族だ。友人だ。だから、この子を守る!!!アーシアに危害を加えるってんなら、俺はお前らを全員敵に回してでも戦ってやるぜ!!」
俺はこの女に負けじと、言い放った。
俺の挑戦的な言葉にゼノヴィアはうすら笑いをうかべ、目を細めた。
「ずいぶんな啖呵切ったな。今の言葉、我ら教会への挑戦か?一介の悪魔のお前が、そのようなことを口走ってもいいのか?」
「セーイチ!やめなさ――――――」
この事態に今まで静観を決めていた部長も止めようと口を突っ込んできた。
「ちょうどいいね。僕が相手になろう。」
しかし、部長の制止を遮ってきたのは今までずっと黙って部屋の隅にいた木場だった。
木場は黒い笑みを浮かべながらこちらに近づいてきた。
「誰だ?キミは?」
ゼノヴィアの問いに木場は不敵に笑いながら言った。
「僕は―――――キミたちにとって先輩ってところさ。」
その瞬間、この部室に無数の様々な魔剣が出現した。
――――――◇◆◇◆◇――――――――
イッセーSIDE
「あ、はい。それとこちらの鶏肉を500グラムで。」
「はーい。いつもありがとうございます。」
よう、イッセーだ。
いま、家からかなり離れた商店街で買い物をしている。
ここはこの都市の中心にあるそこそこの規模を持つターミナル駅へと続く道沿いだ。それもあって人通りは多い。
この精肉店は結構の頻度で通っている。ここは安くて質がいいからだ。
「はい、お待ちどうさま。」
と、注文の品が準備できたのか、いつものお姉さんが商品をこちらに渡す。
「ありがとう。」
俺は商品を受け取ってお金を払う。
「はい、ちょうどのおあずかりですね~ありがとうございました~また来てくださいね~~!!」
とても眩しい笑顔でいつもの店番のお姉さんは俺に言った。あれだけの笑顔が出来るのなら、店番にはぴったりだろう。
俺はそのお姉さんにはい、とだけ答えてその店を後にして帰路についた。
俺は今のところ金を稼ぐようなそれらしいことはしていない。しいて言えば株でうまくやりくりして利益を増やしているってところ。家でできることでお金を稼いでいる傾向にある。こちらのほうが効率がいいのは間違いない。というか、今までお金に困ったことはありはしない。父さんと母さん、どうやってあそこまでの財産を築いてきたのだろうか。とんでもないな。是非その方法を知りたいものだ。
それだけじゃない。とある勢力からは昔の案件でお礼をもらっている。よって今はこの経済大国日本では不自由はない。
そう言えば最近この都市全体の様子がなんとなくオカシイ。騒がしいのだ。
どうにも、この街の人間ではないよそ者たちがこの日本に、この都市に来ているようだ。
俺の記憶をたどってみれば、この街の人間がしないような恰好をした連中がうろうろとしていた。俺のよく知る奴らだ。白いローブに身を包んだ連中だ。そして、奴らはローブで身を隠しているが、その中には剣やら銃やらを隠し持っているだろうな。そのような光の力を使う武器が使われた形跡がこの街のいたるところにあった。おそらく教会、果ては聖書神話の天界勢力だろう。
先日、俺の生徒の報告で聖剣を盗まれて奴らは慌てているのだろう。ここまで調査に来ているとはよほど聖剣が大事なのだな。もっとも、その聖剣は贋作だってことを知らない奴らは哀れだが。いつまで教会は隠しておくつもりなのか・・・・・
俺はそんなことを思いながら歩いていると、おかしな奴らに遭遇した。
「おい、そこの金髪の日本人。」
金髪の男はこの都市にはそうはいない。それに近くで声がしたから十中八九俺のことだろうな。
俺はそいつの方を向いた。
そこにいたのは二人組の少女だ。
一人は青い髪に緑色のメッシュを入れた短髪の少女。もう一人は茶髪のツインテールの少女だった。
普通にどこにでもいる少女たちだ。
が、この二人には共通した普通ではない点があった。まず一つ。この二人が身を包んでいるこの白いローブと首から下げている十字架。教会に属するものが身に着けているものだ。
そしてもう一つ。
聖剣だ。
この二人からは、
「なんだ?」
俺は用件を聞いた。
俺の問いには俺に声を掛けたであろうメッシュの少女が答えた。
「私たちに金を恵んでもらえないか?」
「は?金だと?」
いきなりなにを言い出すかと思えば、金か。
俺は不審者を見る目で相手を見た。
何とも言えない空気になったが、ツインテールの少女が話を切り出した。
「え、えっとね、私たちお金に困ってるの。私たちがこれからパフォーマンスをするから、良かったら恵んでもらえないかなぁ~って。」
と、少女は付け加えるように言った。なるほどな。
まあ、この二人が一般人だったら考える余地はあっただろう。
しかし、こいつらは間違いなく教会の者ども。聖剣がそれを証明している。
何か良からぬことを考えているのだろうと疑った。教会の奴らは神の名の下であれば何しても良いという思想だからな。よって俺はカマかけてみることにした。
「パフォーマンスか。なるほどな。そのパフォーマンスとやらは、
「「!!!」」
俺が聖剣というワードを出した途端、二人は顔色を変え、俺から二、三歩離れた。
「おまえ、何故聖剣のことを知っている?ふつうの一般人ではないな。こちらの世界にかかわるものだな?」
メッシュの少女は早くも臨戦態勢となっている。聖剣は抜いていないが、動ける状態に入っている。
「ああ、そうだ。」
先ほどの言葉でもう俺が一般人ではないことは知れたので偽ることなく応える。
「答えろ。貴様、何故聖剣に気が付いた?」
「あなた、まさか聖剣を奪った関係者?」
おっと、まさか聖剣を奪ったやつのことを出されるとはな。余程必死なのだろうか。
「さあ、どうだかな。」
俺は答える気はないので適当に言ってやる。
二人は俺の言葉をきき、より一層表情を険しくさせる。
「答えろ。さっさと答えないのならば、痛い目を見るぞ。」
二人は聖剣を取り出し、俺に見せつけた。
脅しのつもりなのだろうが、全く持って脅威ではない。
「やってみなよ。聖剣使い。」
「後悔するなよ!!」
俺の挑発に乗ったメッシュの少女は人払いの結界を張り、聖剣でこちらに切りかかってきた。
「はあぁっ!!」
ドゴォン!俺はその聖剣の刃を避ける。
空を切った聖剣はそのまま地面に振り下ろされた。
地面は抉れ、小さなクレーターが出来ていた。
「ほお、随分とパワーがあるんだな。」
これが七つに分かれた聖剣の一本か。どうやら破壊力を重視したものか。
俺は教会が謳っている贋作聖剣がどんなものかと見てみたが、案外まだまだ強いことに少し感心した。
「そうだ。その名も
「こっちも忘れないでよねっ!!」
背後から今度は日本刀のような形をした剣で切りかかってくる。
前と後ろの挟み撃ちをされるが、俺はその剣戟を躱していく。聖剣なんてそこそこ大層なものを持ってはいるがその使い手が残念極まりない。先ほどからこの二人から繰り出される剣撃は全て空を切っている。俺の知っている本物の騎士王はそれはそれは凄まじかった。比べる事すら失礼なほどに。
「どうした?さっきから攻撃がまるで手に取るようにわかるぞ?教会の聖剣使いがこれとは正直笑えないぞ?こんな基礎も成っていない奴がわざわざこんなところに来たのはご苦労なことだ。それとも、教会はこの程度の人材しかいないのか?」
俺が挑発すると、二人は怒りをあらわにする。まあ、教会にはそこそこ強い奴もいるが、この二人はあいつらの足元にすら立っていない状態だ。
「貴様、我らが教会を愚弄するか!!」
「調子に乗らないでよね!!」
頭に血が上った二人はほぼ同時に攻撃を仕掛けてきた。
なるほど、波長は合っているのだろうか。チームワークはそこそこあるのか。
ならばこちらも見せてやるとするか。
俺は魔法陣を出現させ、異空間に保管してある俺の切り札その0を取り出す。
「はぁっ!!」
「やぁっ!!」
振り下ろされた聖剣は俺に届くことは無かった。
ガキィン!!!
刃と刃がぶつかる音がすると同時に俺の目の前で阻まれた。
「なっ!」
「どうなっているの!!??なんで何もない空中で止まってるのよ!?」
二人の聖剣は空中で止まっている。
それは俺が取り出した見えない透明化している剣で防いでいるからだ。ただ、目に頼っているこいつらは今どのような状況なのかわかってないだろうな。
「ぐうっ!!」
「くっ!」
俺は剣を振りぬき、こいつらを吹き飛ばした。
「はぁ、はぁ、はぁ・・・・こいつ、一体・・・?」
肩で息をしている二人。
まだまだこれからだというのに、もうばてているのか。
それはまあいい。分かり切っていたことだからな。こちらは聖剣を取り出した。さて、そちらも本命を出してもらおうかな。
「なんだ?この程度か?聖剣使いが訊いてあきれる。それと、そちらの聖剣使い。もう一本あるのだろう?出し惜しみしているのか?」
俺が指摘すると、メッシュの少女は何故分かった?とでも言っているような顔をした。
気づかれてないとでも思っていたのか。
「・・・・ゼノヴィア・・・」
ツインテールの少女はメッシュの少女の方を見る。
「仕方ない。ここでやらなければ、チャンスがない。」
メッシュの少女は持っていた聖剣をしまい、言霊を唱えだした。
「ペトロ、バシレイオス、ディオニュシウス、そして聖母マリアよ。我が声に耳を傾けてくれ。」
空間が歪み、歪みの中から一本の剣の持ちての部分が現れる。メッシュの少女はそれを手に持ち、狭間から一気に引き抜く。
「その刃に宿りしセイントの御名において、我は解放する。――――デュランダル!!!」
完全に姿を現した新たな聖剣。それは青く輝く聖剣であった。
なるほど、デュランダルだったか。たしか、シャルルマーニュ十二勇士の一人、ローランの剣だったか。ローランとはあってみたかったものだ。
破壊力に優れる聖剣ではあるが、果たしてどのくらいなのか。
「こいつは触れた物はなんでも切り刻む暴君でね。これに触れれば無事じゃすまないぞ。はぁっ!」
新たに表れた聖剣、デュランダルを武器に突進してくる少女。
だが・・・・
ガッ!!
「何っ!?」
俺はその渾身の突きを素手、指二本で止める。
「バカな・・・・・・デュランダルを・・・・素手で止めるなど・・・・あり得ない・・・・・」
切り札を完全に防がれた少女は動揺し、動きを完全に止めていた。
おれはすかさず少女に攻撃を与えた。
「ゴホッ!!」
俺は少女の懐に潜り込み、剣の柄でみねうちを決める。
少女は攻撃をくらって崩れ落ちた。
「ゼノヴィア!!良くもやって―――――うっ!!」
もう一人の驚きで動きを止めていた少女にもみねうちを決めて昏倒させる。
俺は倒したのを確認して剣を再び異空間にしまった。
やれやれ。聖剣使いと知ってついつい遊んでしまった。しかも、
そう――――俺の大切な幼馴染、アルトリアの愛剣を――――
―――◇◆◇◆◇―――
いや~長くなってしまった。
ちょっと調子が悪かったり、新しいPCを買ったりして執筆が出来ませんでした。
申し訳ない。
イッセーの聖剣を少しだけ出しました。