ハイスクールD×D ―魔法使いと龍―   作:shellvurn 次郎

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ハイ皆さんこんにちは。大学が忙しい忙しい・・・・・
後すみません。時間が空いてしまいました。テストがありましたので。
今回は2話連続投稿をします。


No,XXVIII ~明かされる真相~

 セーイチSIDE

 

 おっす、おっす!

 誠一だ。先日、俺は小猫ちゃん、シトリー眷属の同じく兵士(ポーン)である匙とともに教会の使徒であるゼノヴィアとイリナにこの聖剣強奪事件の協力を申し出て、悪魔、教会の共同戦線を設けることになった。まあ、危ない橋を渡ったがな。そこから数日、俺たちは悪魔なのに神父の恰好をしてこの町の捜索に出た。その間、フリードや木場が聖剣を恨む理由ともなった皆殺しの大司教、バルパー・ガリレイとの戦闘になった。そいつらはこちらが人数的に有利だと判断し、逃げられたがな。しかし、そこは問題じゃなかった。いま、木場との連絡が取れない。もちろんイリナとゼノヴィアともだ。バルパーとフリードを追ってあいつらは姿を消してしまった。深追いは危険なのだが、今の木場には何を言っても通じないだろう。とにかく、三人の無事を祈るしかなかった。そして、俺たちは部長に見つかってしまった。まあ、わかってたことだ。部長にばれるのは時間の問題だったしな。匙は匙で気の毒だったな。会長に魔力込みの尻たたきを千回もやられていたからな。対して部長は俺たちのことを抱きしめてくれた。ああ、見たか?俺、部長の眷属でよかったよ・・・・・と思っていたら俺も尻たたきをされてしまった・・・・・あの日、俺の尻は半壊した------

 おっと。今は悠長に話をしている場合じゃなかった。突然だが俺たち、今、大変やばい状況です。

 どうしてか、だって?

 それはだな・・・・・・今俺たちの目の前にいる相手が相手だからだ。

 

 「ククク・・・・・ずいぶん手を焼いているようだな・・・・フリードよ・・・」

 

 「旦那じゃないっすか!!来てたんすね!!」

 

 俺たちは再度、フリードとバルパー・ガリレイに遭遇した。俺たちは戦闘に入った。その時、部長、朱乃さんが救援に来てくれたのだ。これで有利な状況になったと思いきや、俺たちの目の前にとんでもない人物が現れたのだ!

 俺たちの目の前には、一人の堕天使が空中に浮かんでいたのだ!

さっきからこの堕天使から感じるオーラ、プレッシャーが尋常ではなかった。この重圧は並みの上級悪魔と比にならないんじゃ・・・・・

 

 「!?」

 

 部長が驚いた表情で奴を見た。俺もそれにつられて奴を再度視認する。

 月を背景にして宙に浮かんでいる堕天使。堕天使を象徴する漆黒の翼。しかし、問題はその翼の枚数だった。

 堕天使、天使は翼の枚数が二枚、四枚、と順に数が増えるにつれて実力も上がっていくという特徴がある。今、俺たちの視界に映る堕天使の翼はなんと六対、十二枚の翼だった!! 

 

 「熾天使(セラフ)と同じ十二枚・・・・・」

 

 この事実に部長もそれが表情に出ていた。

 部長が言ってたセラフってあれか?天界の一番強い天使たちの総称だったような気がする。まえその名前を覚えさせられたからな。ミカエルとかガブリエルだっけな?何人かいたような気がする。ガブリエルさんか・・・・確か、天界で一番美しい天使だって聞いたな。会ってみたい・・・・・

 それはさておいて俺は堕天使のほうに思考を戻す。装飾の凝った黒いローブに身を包んだ若い男の堕天使・・・・俺たちを捉えると苦笑していた。

 

 「相まみえるのはこれが初めてだったな。はじめましてだな、グレモリー家の娘よ。その兄同様の紅髪が麗しいものだ。貴様の兄君を思い出しそうで反吐が出そうだ。」

 

 こちらを侮蔑するような目で言う堕天使。

 それに対して部長も冷徹な目で堕天使を見ていた。

 

 「ごきげんよう、落ちた天使、神の子を見張るもの(グリゴリ)の幹部-----コカビエル。私はリアス・グレモリー、お見知りおきを。忠告をしておくけれど、グレモリー家と我らが魔王は近くして遠い存在。この場で、政治的なやり取りをするというのなら、お引き取り願おうかしら。私に接触したところで無駄だわ。」

 

 コカビエル。部長は確かにそう言ったのだ。じゃあ、やはりこいつが今回の聖剣騒動の首謀者というわけか!

 聖書にしるされし堕天使。昔の大戦争を生き残ったあのコカビエル。やはり、強者だけあって尋常じゃない雰囲気を醸し出している。

 と、目を凝らしてよく見るとコカビエルは右手に何かを抱えていた。あれは・・・・人・・・・・?

 

 「ふんっ。こいつは貴様らへの土産だ。」

 

 と、コカビエルはひょいとこちらに抱えているものを投げた。

 

 「うおっと!!」

 

 ガシッ!

 俺は咄嗟に身体が動いてコカビエルがこちらに放り投げたものをギリギリのところでキャッチした。

 俺は地面に落ちる前に抱き留めた子を見た。

 

 「なっ!お、おいっ!イリナ!!しっかりしろ!!」

 

 なんと、コカビエルが放り投げたのは俺の幼馴染のイリナだった。俺の手は血が滲んでいた。全身は傷だらけ。呼吸も荒かった。確か、先日の戦闘で木場、ゼノヴィアとともにフリードたちを追っていったはずだ。イリナは俺の呼びかけにも応答しない。生きてはいるがただ苦しそうに呻くだけだった。

 さらにはイリナの持っていた聖剣がない。奪われたのか?

 

 「俺たちの根城に三人そろってきていたぞ。折角来たのだからそれなりの歓迎はしてやった。金髪の男と青髪の女は逃げ足は速かったからな。取り逃してしまったがな。」

 

 コカビエルは弱すぎて話ならなかったと言うかのように嘲笑しながら言った。良かった。ひとまず、あいつらはあいつで逃げ延びたようだ。

 

 「アーシア!!来てくれ!!イリナを頼む!」

 

 「は、はい!!」

 

 俺はイリナをゆっくりと地面に寝かせながらアーシアを呼び、アーシアの神器(セイクリッド・ギア)聖母の微笑(トワイライト・ヒーリング)で治療してもらう。アーシアはイリナの近くで地面に膝を付けて神器を発動させる。アーシアの手からは緑色の光が発せられ、その光はイリナの傷ついた体を包み込む。イリナの体に見られる傷はみるみるうちに消えていく。

 イリナの表情は徐々に緩和していき、呼吸も落ち着いてきた。

 イリナの治療が終わったところで俺は奴らのほうを向いた。コカビエルは聖剣を持ってはいない。一体どうしたんだ?

 コカビエルは俺の疑問などお構いなしに可笑しそうに言った。

 

 「フハハハッ!!笑わせてくれる――――――たとえ気が狂ったとしても魔王と会談などというバカげたことだけはしない。俺の目的はそんなことではないからな。まあ、魔王の妹である貴様を犯し、殺せばサーゼクスの怒りと憎しみがこの俺に向けられることもあるかもしれないな。まあ、それも悪くない。」

 

 コカビエルの言葉に部長は侮蔑の視線をやつに向けながら言った。

 

 「・・・・・・・それで?私との接触に何の目的があるのかしら?」

 

 部長の問いにコカビエルは嬉々として答えた。

 

 「魔王の妹の根城、いわば悪魔の領地なる場所であるこの都市、特に駒王学園でひと暴れさせてもらうぞ。あのシスコンの魔王のことだ。妹の根城に堕天使の幹部が現れ、暴れていると知ればさすがに出てこざるを得まい。」

 

 それを聞いて俺は驚いた。なんてこった・・・・・・あいつ・・・・魔王様と戦う気なのか・・・?

 

 「いいのかしら?そんなことをしても。あなた、自分が何をしようとしているのかわかってるのかしら?そんなことをすれば―――――また繰り返されるわよ?あの戦争が。」

 

 「ああ、わかっているともさ。再び戦争が起こるのは願ったりかなったりだ。教会が信仰の次に大事にしているエクスカリバーを盗めばミカエルたちは戦争を仕掛けてくるかと思えば・・・・・こちらによこしたのは雑魚の神父と聖剣使い二人だけだ。つまらん。あまりにもつまらん。とてつもない肩すかしをくらった。エクスカリバーでも戦争にはならなかった。だから保険として貴様ら魔王の妹の根城で暴れるのさ!」

 

 コカビエルはイライラを募らせながら言った。

 これには部長も舌打ちをする始末。そうとうキレていらっしゃる。

 なんて計画だ!ここで暴れるのも、もともとそのつもりだったってことかよ!

 聖書に疎い俺でも名を知っているミカエルのような大物にも嬉々として喧嘩売っていやがる。なんてやつだ!

 

 「・・・・戦争狂め」

 

 部長は忌々し気にそうつぶやくが、コカビエルは嬉々として語った。

 

 「そうさ、そうだとも!!俺は大戦が終わってからというもの、退屈で死にそうだったのさ!ほかのやつらは戦争に消極的。アザゼルの野郎も次の戦争はないという始末だ!!耐え難い!耐え難いんだよ!!!だから――――――貴様の根城で暴れさせてもらう。戦争をするためにな!!エクスカリバーを試すのにもちょうどいい。戦争を始めよう!魔王サーゼクス・ルシファーの妹!」

 

 滅茶苦茶だ!あいつ!マジで戦争を始めるつもりだ!

 コカビエルは高笑いしながら十二枚の翼を広げて学園の方向へ向かった。フリードたちも魔方陣で転移していった。

 これをみた部長はすぐさま指示を出した。

 

 「みんな!急いで学園へ向かうわよ!」

 

 「「「「はい!」」」」

 

 学園につくと会長とその眷属たちがいた。

 会長たちはこの学園に決壊を張ると言う。しかし、それは気休めでしかなくコカビエルが本気を出さずしても決壊を破壊できるんだとか。俺たちはサーゼクス様、魔王様御一行が到着するまでの一時間、何とかしてコカビエルたちを相手どらなければならない。

 行けるのか?相手はあの聖書に記されしコカビエルだ。俺たちでは敵わない相手だ。先ほどのあのプレッシャー。思い出すだけでも体が震えてくる。

 これは、覚悟するしかねぇ。行くか!!

 俺は、俺たちは全員腹をくくってコカビエルがいる学園の運動場へ向かった――――――

 

 ―――〇●〇――――

 

 「フン!やっときたか。待ちくたびれたぞ。バルパー、聖剣の統合まであとどれくらいだ?」

 

 「あと五分くらいで完成する。」

 

 「フッ、そうか・・・」

 

 俺たちが校庭につくと、すでにコカビエルとバルパーがいた。

 何やら怪しげな魔方陣を発現させていた。そして、その魔方陣の四隅には四本の聖剣が浮いている。

 

 「それで?ここに来るのはセラフォルーか?それともサーゼクスか?いい加減来ないなんてつまらないことは止してくれよ?」

 

 コカビエルは宙に浮きながら言う。

 

 「お兄様とセラフォルー様に代わってこの私が――――」

 

 「チッ」

 

 カッ!!ドォォォオオオオオン!!

 部長の言葉をさえぎってコカビエルは舌打ちをした。

 その瞬間、とてつもない爆音と爆風が俺たちを襲う。爆発が起こった方向を見ると、そこにはあったはずの体育館が綺麗さっぱりなくなっていてそこんみは超巨大な槍みたいなものが突き刺さっていた。

 マジか・・・・あれがコカビエルの光の槍なのか・・・?う、嘘だろ・・・・・

 

 『ビビってるの?』

 

 コカビエルのあまりにもデカい光の槍に恐怖している俺に相棒であるアグニルが俺に意思疎通をしてきた。

 

 「(当然だ!!あれは普通じゃない!規格外だ!俺を殺したレイナーレとは比較にならねぇじゃねーか!!!)」

 

 『そりゃそうだよ。コカビエルは聖書に記されるほどの古からの強者。過去の魔王に加えて聖書の神を相手にして生き延びてきた正真正銘の強者だよ。』

 

 分かってはいたさ。コカビエルは大戦を生き残るような本物の強者だということを。

 でも、でもだ・・・・・・

 あんなのを見せつけられたらそう思ってしまうに決まってる!

 

 『まあ、そうだねぇ。あの槍、君たちなんてもちろん。最上級悪魔だって一瞬だよ。蒸発するね。それくらいの威力だよ。しかも、あれでまだ全力ではないね。にしても、コカビエルもあの大戦の時よりもさらに強くなってるね。相当鍛錬を積んだようだね。』

 

 「(マジかよ・・・・・・あれで本気じゃねえのか・・・・俺は・・・・俺たちはあいつを相手にして勝てるのかよ・・・・)」

 

 『まあ、いざとなったら僕が何とかしてあげるよ。倒せないとしても魔王がここに来るまで時間は稼げるさ。』

 

 そんなレベルかよ・・・・・

 しかも大戦の時より強くなってるって冗談でも笑えねぇ。

 

 「フッ―――つまらん。またこれか・・・・・まあいい。余興にはなるだろう。出てこい、ケルベロスたちよ。」

 

 コカビエルはパチンと指を鳴らす。

 すると、闇夜の中から地響きを鳴らしながら出現する物体。それは見上げなければならないほど巨大な存在。デカい犬。それならばどれだけよかったか。出てきた魔物は三つの首と顔を持ったオオカミのようだった。

 

 「――ケルベロスですって!!??」

 

 部長も顔を歪ませる。

 

 「地獄の番犬をここに持ってくるなんて!!皆!今すぐ消し飛ばすわよ!!アーシアは下がって皆を回復させて!」

 

 「「「はい!!」」」

 

 部長は指示を出し、アーシアを後ろに下げる。そして自らも前に出て攻撃を行う。

 

 「朱乃!!」

 

 部長と朱乃さんは翼を展開させて宙へ飛び出す。

 

 「雷よ!!」

 

 「喰らいなさい!!!」

 

 朱乃さんは得意の雷の攻撃、部長はおなじみの滅びの魔力がケルベロスに炸裂する!

 しかし、その攻撃を喰らってもなお立ち上がるケルベロス。タフな奴だぜ。

 

 「隙あり」

 

 しかし、その立ち上がるスキを小猫ちゃんは見逃さない。戦車(ルーク)のパワーで圧倒する。

 俺も負けてられねぇ!!

 

 「紅炎龍児の双籠手(イグニタス・クロスギア)!!こいやワン公!!」

 

 俺は神器(セイクリッド・ギア)を出現させて二匹目のケルベロスを挑発する。案の定、そのケルベロスは俺の方へ意識を向ける。

 ゴウッ!!

 ケルベロスは口から火炎の球を打ち出した。それも三匹の口から同時にだ。

 

「はっ!!」

 

 俺はそれを躱し、攻撃を仕掛ける。

 

 「炎だったら、こっちも負けてねえぜ!!」

 

 俺は自分の周囲に炎の球を出現させ、それをケルベロスに向かって撃った。この技はライザー戦の時にも使ったものだ。修行の末、何とか者にすることができた。

 俺の狙いは目だ。たとえ地獄の番犬であろうとも、生物である以上目というのは急所の一つだ!!

 

 「ギャウッッ!!??」

 

 俺の撃った火炎の球が見事目に命中。これでこいつの視界を奪った。これで事を有利に進められる。

 次の攻撃に移ろうとしたとき、後ろで耳に響くうなり声。後ろにはまだいたのだ。

 三体もいるのかよ!!やばい、アーシアが危ない!!

 

 「アーシア!!」

 

 ケルベロスはアーシアに襲い掛かる。しかし、それには及ばなかった。ケルベロスの首が飛んだのだ。

 まさか・・・・これは・・

 

 「やあ、待たせたね。」

 

 「加勢に来た。」

 

 木場とゼノヴィアだ。ったく。来るのが遅いんだよ!

 ゼノヴィアと木場が来てから俺たちの状況はたちまちよくなった。

 ゼノヴィアの聖剣が火を噴いた!ケルベロスを容赦なく切り、消滅させていく!

 やっぱ聖剣は強ぇぜ。魔物に対してはあの威力だ!

 

 「はあっ!!」

 

 部長の滅びの魔力がケルベロスに炸裂!!ついに三体を全滅させる。

 

 「まあ、これぐらいはやってもらわんとなぁ。」

 

 俺たちの様子をずっと高みの見物を決め込んでいたコカビエルがついに動き始めた。

 

 「――――――完成だ。」

 

 バルパーがいきなり声を発した。

 その刹那、校庭にある四本のエクスカリバーがすさまじい光を発し始め、それが一本に統合されたのだ!!

 

 「四本のエクスカリバーが一つになった。まあ、あと三本足りないがな。」

 

 「まあいいさ。フリード!!最後の余興だ。そのエクスカリバーをもって戦って見せろ。」

 

 コカビエルがあのクソ神父の名を呼ぶと、そいつが暗闇の中から出現する。

 

 「はいな!!ボス!!ふぅ、まったくボスは人使いが荒いんだから。ま、いっか。これで悪魔をぶった切ることができるからな。」

 

 フリードはイカれた笑みをしながらエクスカリバーを手に取った。しかしなぜだ?あいつは手に取った瞬間、あいつの普段からは想像もつかないような真剣な表情を見て取れた。しかし、その表情はすぐにイカれたいつもの顔に戻る。

 フリードが俺たちの前に立つと、ゼノヴィアと木場が前に出る。部長たちも察したのか、この戦いを傍観するようだ。

 

 「バルパー・ガリレイ・・・・僕は聖剣計画の生き残りだ。正確にはあなたの手によって殺された。今は悪魔として生きながらえている。」

  

 木場は冷静言っているがその声には憎悪が含まれている。

 

 「被験者の一人が逃走したとは聞いていた。しかし極東の国で会うとは数奇なものだ。縁を感じるな。ハハハ。」

 

 バルパーが木場に近づき、語りかける。

 

 「だが、君達には礼を言う。おかげで聖剣計画は完成したのだから」

 

 「………完成だと?」

 

 「君達、被験者にはエクスカリバーを十全に操るほどの因子はなかった。誰一人とな。そこで、私は一つの結論に至った。被験者から因子だけを抜き出せば良い――――――とな」

 

 「っ!?」

 

 「なるほどな・・・・私たちが聖剣使いとして祝福を受ける際、体に入れられるのがあれというわけか。」

 

 ゼノヴィアだけが理解しているようだった。どういうことだ?

 バルパーは自慢げに懐から輝くクリスタルのようなものを取り出しながら語った。

 眩しい。聖なるオーラに満ち溢れている。あれが聖剣の因子なのか?

 

 「その通りだ、聖剣使いの少女よ。そして私は因子を結晶化することに成功した。その一つがこれというわけだ。最後の一つになってしまったがね。このおかげで聖剣使いの研究は飛躍的に向上した。だと言うのに私を異端として追放しておきながら、私の研究だけは利用しおって。あのミカエルのことだ。被験者から因子を取り出しても殺してはいないだろうがな。」

 

 「………だったら、僕達も殺す必要は無かったはずだ。それなのにどうして………」

 

 木場がさらに憎悪を募らせる。

 

 「おまえ達は極秘計画の実験材料にすぎん。用済みとなれば廃棄するのは当然だろう?」

 

 「僕達は役に立てると信じてずっと耐えてきた・・・・・・だというのに・・・・」

 

 木場は手を怒りで震わせ、その怒りから生まれる魔力を全身から放つ。すさまじい迫力だ。

 バルパーが木場の足元に結晶を投げる。

 

 「欲しければくれてやる。今ではより精度の高い物を量産する段階まで来ているからな。それはもう必要ない。」

 

 木場は結晶を手に取って呆然と見つめた。

 結晶を握り締めて、体を震わせる。

 涙を流しながら。

 その時だった。

 結晶が淡い光を放ち、校庭を包み込むように広がった。

 木場の周りにポツポツと光が湧き、人の形をとる。それが木場を囲ったのだ。

 なんだ?いったい何なんだ?

 

 『あの少年は至ったんだよ。』

 

 俺が疑問に思っていると、アグニルが俺に語り掛けたのだ。

 至ったって、どういうことだ?

 

 『神器(セイクリッド・ギア)は所有者の想いを糧にする。それを糧にして進化し、変化し続けるもの。それとは別に、世界に漂う流れに逆らうほどのものになったとき、それに至る―――――禁手化(バランス・ブレイカー)にね。』

 

 禁手化(バランス・ブレイカー)か・・・・俺にもできるんだろうか?

 

 『それはキミ次第さ。』

 

 木場は新たに魔剣を創造する。

 新たに想像した魔剣はそれまでのものとは別格のものだった。なんせ、本家本元の聖剣を凌駕してるのだから。

 さらに、ゼノヴィアはなんと、伝説の聖剣であるデュランダルをここで出してきた!

 なんと、ゼノヴィアは天然の聖剣使いだった!!これはおどろいたぜ!!

 木場の聖魔剣に加えて、デュランダルを相手にしてフリードはたちまち劣勢となり、最後はその聖剣ごとフリードを切り倒したのだ。

 

 「ありえない・・・・こんなことは・・・・聖魔剣だと・・・・?反発しあうこの二つの力が交じり合うなど・・・・そうか!わかったぞ!これを見るに、神と魔王は過去にもうs――――ゴフッ!」

 

 バルパーが何か答えにたどり着きそうだった瞬間だった。コカビエルが放った光の槍がバルパーを貫いた。 

 

 「バルパー・・・・その答えにたどり着いたということはお前は優秀だった。さぞ、追放したことを教会は後悔するだろうさ。まあ、しかしお前もここまでだ。」

 

 嘲笑いながら宙に浮かぶコカビエル。

 

 「ハァーハッハッハッハッハッハッハッ!!!!」

 

 哄笑を挙げながらコカビエルは初めて地面に足を付けた。

 ―――――圧倒的だ。やはりケルベロスなんかとはわけが違う・・・・

 

 「おい?どうした?かかってこないのか?せっかくそちらに先行を譲ってやろうというのにな。」

 

 自身に満ち溢れたコカビエルの言葉に部長は激高する。 

  

 「ふざけないで!!私たちにチャンスを与えるというの?!」

 

 「おれは至って大まじめだ。それに、ふざけているのは貴様の方だ。俺を、倒せるとでも思っていたのか?」

 

 眼光だけでもこの圧力。全身に突き刺さる恐怖。

 しかし、部長はここでひるまず、コカビエルに攻撃を与える。

 

 「朱乃、セ-イチ!!」

 

 「雷よ!!」

 

 「消し飛びなさい!!!」

 

 「ドラゴン・ファイア!!」

 

 朱乃さんと部長、さらには俺の三人同時攻撃だ!!しかも、部長の滅びの魔力は今までで一番デカいものだった。

 俺たちの攻撃はまっすぐコカビエルへ向かった。

 どおぉん!!!

 コカビエルは避けることもなく、攻撃に当たった。

 

 「くくく・・・・その程度か?」

 

 立ち込める煙が晴れ、その中から出現したコカビエルは無傷だった。そんなばかな!倒せないのは分かっているが無傷なんて!!しかも三人の攻撃だぞ!

 

 「まだよ!!!」

 

 俺たちは再度攻撃をする。しかし、今度はその攻撃を向けとめられる。

 

 「むん!!!」

 

 「「きゃああああ!!!」」

 

 「グァッ!!!」

 

 なんと、コカビエルは俺たちの攻撃を受け止めてそれをこちらに投げ返してきた。

 俺たちは自分たちの放った攻撃をもろに受け吹き飛ばされる。

 

 「はぁっ!!」

 

 「フッ!!」

 

 木場とゼノヴィアの聖剣と魔剣のコンビがコカビエルに接近し、剣戟を仕掛ける。

 

 「はっ!!聖魔剣とデュランダルの同時攻撃か!!こい!そうでもしなければこの俺は倒せない!」

 

 キィン!!!

 コカビエルは両手に光力で剣を出現させ、聖魔剣とデュランダルを受け止めた。二人がかりの剣戟をあざ笑うかのようにすんなりと裁き、それと同時に攻撃まで加えていた。なんてやつだ!剣の腕もコカビエルはあるっていうのか!

 

 「エイッ」

 

 其の隙をついて小猫ちゃんが背後から脳天めがけて踵落としを仕掛ける。しかし、コカビエルはその背後からの攻撃を翼で反撃した。翼が鋭利な刃物と化し、小猫ちゃんの体を切り刻む。

 

 「小猫ちゃん!!」

 

 「他人を心配している余裕が貴様にはあるのか?」

 

 小猫ちゃんに気を盗られた木場は聖魔剣にひびを入れられる。

 ドンッ!!

 コカビエルの衝撃派が二人を襲う。木場とゼノヴィアはなすすべもなく、吹き飛ばされる。体制をただすが、肩で息をしていた。

 

 「しかし、仕えるべく主をなくしてまでよく戦う。」

 

 と、戦いのさなかコカビエルは謎の言動を始める。

 

 「どういうこと!?」

 

 部長が怪訝そうな口調できいた。

 すると、コカビエルは可笑しそうに言った。

 

 「フハハハハハ!!!そうだったな!お前たち下級なものたちには真相は知らされなかったんだな!戦争を起こすのだ。まあ教えてやろう。先の三大勢力の大戦で、四大魔王に加えて、神も死んだのさ!!」

 

 それを聞いた瞬間、俺たち全員は固まった。

 

 「普通、神が死んだなどということは簡単に口にすることではない事実だ。当然人間は知るべきではない。我ら堕天使、悪魔でさえおいそれと教えるわけにもいかなかった。どこから神が死んだと漏れるかわかったもんじゃない。この真相を知るのは各勢力のトップのみだ。他の神話勢力にこれが知れ渡れば、あちらが攻め込んでくることもありえるからな。」

 

 「・・・・・・・」

 

 俺たちは何も言えなかった。ただ、この真相を受け入れるのに必死だからだ。

 

 「そんな・・・・嘘だ・・・・嘘だ・・・」

 

 「主が・・・死んでいる・・・・・?私たちに向けられる愛は・・・・・」

 

 「お、おい!アーシア!!」

 

 倒れ込むアーシアを抱き留める。アーシアも信仰していただけあってそのダメージは大きい。教会所属のゼノヴィアはうなだれて先ほどからうわごとををぶつぶつとつぶやいているだけだった。

  

 「ひゃはは!なんだ、神様は死んでたのかよ!!」

 

 「フリード、意識が戻っていたか。」

 

 と、気が付けばさっきまで仰向けで倒れていたフリードが肩を抑えながら校庭の階段を背もたれにして起きていた。

 

 「ええ、旦那。それと、神の死というすんばらしいサプライズな知らせに加えて、おれっちが知ってる教会のもう一つの秘密を教えちゃうよん!」

 

 「ほう、なんだ、言ってみろ。」

 

 コカビエルが愉快そうに言った。

 

 「この砕け散った聖剣は、ニセもんだ!!贋作だったんだよ!!本物のエクスカリバーは他にあったのさ!ひゃーははははははは!!!」

 

 何?!エクスカリバーが偽物・・・・・・?

 それはそうだ、このエクスカリバーは大戦で折れたものを七本になったって言ってたが・・・・

 

 「正確には、大戦で折れる前のエクスカリバーも贋作なんだよ!!俺は見たのさ!!本物をよ!!それはそれはとんでもな代物だったぜ!こんな聖剣とは比べ物にならないものだ。そして、教会を去った!!教会の聖剣が偽りと知ったときな!!」

 

 「ほう・・・・・・ククク・・・・まさか、教会が所持する聖剣が偽物とはな・・・・・やれやれ、今日は愉快だ。非常に面白い日だ・・・・・しかし、バルパーにとっては知らない方が良かったことだが・・・」

 

 う、嘘だろ・・・・?大戦で折れる前のエクスカリバーさえも偽もんだというのかよ!!

 

 「・・・・・・」

 

 俺たちは理解が追い付いていない。

 神の死に加えて、俺たちが関わってきた聖剣騒動の大元、エクスカリバーが偽物だなんて到底直ぐに受け入れられるはずがない・・・・・・

 部長も朱乃さんも、小猫ちゃんも、聖剣をぶった切った木場も困惑していた。

 困惑している中、部長の耳元に魔方陣が出現した。

 

 『リアス!聞こえますか!そちらに、正体不明の男が!!』

 

 「何ですって!」

 

 なんだ!?部長が驚いているけど・・・・何が・・・・

 と、その時、俺たちは聞き覚えのある声を聴いた。

 

 「ほう・・・・・やはり、聖書の神は死んでいたか。」

 

 「誰っ!?」

 

 俺たちは声の聞こえた方向を向く。そこにはあの金髪の野郎が立っていた。

 

 ――――◇◆◇◆◇―――――




はい、いかがだったでしょうか。
コカビーさんの大暴露に加えてのフリードの大暴露でした。このためにここを書いたと言っても過言ではありません。
それと、皆さん気づきましたかね?コカビエルが超強化されてることを。
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