ハイスクールD×D ―魔法使いと龍― 作:shellvurn 次郎
とうとうこのお話も三十話。
自分としてはもっと進ませたかったですね。当初の計画よりもだいぶ遅れています。
誠一side
何だよ・・・・・何だってんだ・・・・・
俺は、目の前で繰り広げられている戦闘をただ見ていることしかできなかった。
金髪の男は俺たちが手も足も出なかったコカビエル相手に優位に立ち、圧倒していた。
そして、一番気になるのは二人目の途中乱入者であるあの銀髪の男だ。銀髪の男は背から白とマリンブルーに輝く翼が生えていて、コカビエルを一瞬で倒しやがった。そいつはコカビエルを抱えると即座にここから立ち去って行った。金髪の男もそいつと少し会話を交わしたらすぐにどこかに行きやがった。
それはおいておいてだ。あの銀髪の男がここに来てから俺の体の調子がおかしかった。
俺の体を突き刺す圧倒的なプレッシャー。全身を駆け巡る言い知れない緊張感と恐怖――――。圧倒的な存在感と絶望的なまでに感じる力量差だった。
そいつは俺たちでは歯が立たなかったコカビエルを瞬殺した。
「なあ、アグニル。」
「なんだい?」
「さっきのとんでもねぇオーラを放っていたあの銀髪の男は何者なんだ?コカビエルをあっさりと倒しやがったが・・・・」
俺は先ほど何かと会話していたアグニルに聞いた。
「ああ・・・あれは
白龍皇!?白龍皇ってあれか!?二天龍って言われた最強のドラゴンの片割れの!?!?
「そうだよ。あれが白龍皇アルビオン。そして、やつの
伝説通りだな・・・・・なら、赤龍帝は倍増させ、何かに譲渡するって感じなのか。
「そうだよ。二天龍の力は真逆。にしても、今回も遭遇することになるとはね・・・・・」
アグニルは憂鬱そうに言った。
今回も?じゃあ、前にもそんなようなことがあったって言うのか?
「ああ。やつとは何かと因縁があってね。本来、やつは赤龍帝と戦う運命にあった。しかし、赤龍帝はこつぜんと姿を消した・・・・・・そのおかげで、僕を宿す者たちは白龍皇と遭遇することが格段に増えてね。以来戦いを繰り広げているってわけさ。君の先輩たちは戦ったよ。格上にも限らずね。まあ、一人を除いて全員負けたけど・・・・・」
そんなにつえぇって言うのかよ・・・・・でも、一人は勝ったんだよな?
「君の二代前の所有者は辛勝したよ。それこそ、そいつがとてつもない強さだったから実現したんだ。心も体もね。」
すげぇ・・・・あの二天龍を宿した片方に勝っちまうなんてよ!!尊敬するぜ!!先輩さんよ!!
「にしても、今代は異常だ。あの銀髪の男・・・・・あのコカビエルが
ああ、その通り過ぎて言うことがねぇ。あれは普通じゃない・・・・見ればわかる。俺とは次元が違う・・・・・こりゃ、俺があのレベルになるまでどれだけかかるか・・・・
俺はアグニルの忠告ともいえる言葉に従うしかなかった。
「なんとか・・・・なったって感じかな・・・」
と、そこに木場がヘタッと座り込んできた。
「ああ・・・ほんと、どうにかって感じだがな。白龍皇の突然の乱入にはかなり動揺したけどな。」
「そうだね。まさか、こんなところで伝説のドラゴンにあうなんて思わなかったよ。セ-イチ君が引き寄せたんじゃないかな?」
木場は苦笑しながら言った。
「よせやい。これ以上ヤバいやつが来たら身が持たねぇって。」
俺はうんざりしながら言った。
「そうだね。だったら、僕たちも強くならないとね。」
「ああ、だな。」
俺と木場はそう言いながら立ち上がる。
ドラゴン・・・・か。俺も、その伝説のドラゴンを宿している。このままじゃ、敵を無自覚にひきつけちまう。俺が、強くならなきゃな。これ以上、皆を危険にさせられねぇ!!!
「にしても、やったな木場。聖魔剣、すっげぇじゃねぇか。」
俺は話題を変えて、木場の聖魔剣の話を振った。
「セ-イチ君・・・でも僕は・・・」
「細けぇことは今は言いっこなしだ!とりあえず、これに関してはもう決着がついたんだ。お前も、お前の仲間のこともさ。」
「うん・・・・」
俺が言うと、木場は素直に受け入れた。
「裕斗・・・・・・」
そこに、部長は笑顔で木場を迎え入れる。
「良く帰ってきてくれたわ・・・・・・さらに、
「部長・・・・ぼくは・・・・・みんなを、あなたを、一度裏切ってしまった・・・・」
懺悔をする木場のほほを、部長は構わずなでる。
「それでも、あなたは帰ってきてくれたわ。それだけで十分よ。私から言うことは一つ。もう彼らの想いを無駄にしちゃだめよ・・・」
「はいっ!・・・・・・・」
木場は部長に再度、一生守ると誓った。
俺はその木場と部長のやり取りに嫉妬の眼差しを向ける。
木場ぁ・・・・俺だってよぉ・・・
このあと、このハッピーエンドで終わると思いきや、まさかの部長のお尻たたき一万回を喰らった木場。木場は終始涙を流しながらこのとてつもないお仕置きをもろに受けるしかなかった。
さすがは部長・・・・これはこれ、それはそれってことですか・・・・・
―――――◇◆◇◆◇―――――
イッセーSIDE
まさか、今代の白龍皇に遭遇するとはな・・・・・・
俺はコカビエルとの戦いを終えて、帰宅している途中、突然現れた白龍皇のことを思い出していた。
そういえば、なんだかんだ言って初めてなんだよな。白龍皇を目の当たりにするのは。今まで不思議と出会わなかったんだがな。
「(なあ、ベルザードさん。今代の白龍皇はどう感じた?)」
俺は一番赤龍帝としての経験を積み、三人もの白龍皇と対決し、全て圧勝しているベルザードさんに訊いた。ベルザードさんは歴代赤龍帝の中でも白龍皇と出会った数は最多。白龍皇のこともこの中で誰よりも知っているはずだ。
〈ああ、ちゃんとこの目で見てたぜ。実際に戦ったわけじゃないからな。正確なことは言えないが、今代の白龍皇は俺からしても異常だぜ。俺が倒した三人は何だったんだってくらいの力を秘めていやがるな、あの銀髪は。しかも、
あの赤龍帝王ベルザードさんでさえこの言いようだ。
〈ベルザードがそこまで言うなんてね。〉
〈ああ。おそらく、俺より強ぇぜ。あいつは。〉
なるほど、今代の白龍皇はどうやらそうとう強いらしい・・・・・だが、そうではくては面白くないからな。これはなかなか面白くなってきたな。
俺は、次に会う状況を想像しながら歩く。
[ふふふ・・・嬉しそうだな、イッセーよ。]
「(まあな。最初の遭遇にして、最強の白龍皇だ。こんなに心が躍ることはないさ。)」
なんてったって、俺は元が付くが、赤龍帝だからな。因縁のライバルが現れたのは偶然か、必然か、それとも運命の導きか。どちらにせよ、次に会う時が楽しみだ。
[イッセーよ。手加減はしてあげろよ?]
「(それは、相手次第だな。)」
俺はニトラとベルザードさん、エルシャさんと会話しながら帰路を行く。
――――――ところでだ。
さっきから、俺の後ろをつけてきている奴がいるな・・・・・正確には後ろじゃなくて俺の背後の上空にいるが。
何のつもりだ?俺がコカビエルと戦っていた時にも感じた気配だ。それにこれは・・・・似ているな。コカビエルの気配に。この気配から察するに十中八九、堕天使か。何やら堕天使と遭遇することが多いな。
[どうする?イッセーよ。このままにしておいては、イッセーの家が悟られる可能性もなくはないぞ?]
「(そうだな・・・・やつの顔を拝むとしようか。せっかくだからな。)」
俺は逃げも隠れもせず、堂々とすることに決めた。
[イッセーらしいな。]
いつものことだろ?
さてと、じゃあ高みの見物を決め込んでいた奴のもとへ、いっちょ出向きますか。
俺は先ほどから空中から俺のことを監視、尾行している堕天使のもとへ空間移動魔法を用いて奴の目の前に移動した――――――
――――◇◆◇◆◇――――
アザゼルSIDE
よう、アザゼルだ。
俺はヴァーリがコカビエルを叩きのめして任務を完遂するところを見届けた。
本来なら、俺の目的は達成したはずだった。しかし、ヴァーリがここへ来る前に現れたあの金髪の男が俺の目に入った。さっそうとコカビエルの前に現れたときはただの馬鹿と思ったが、その考えはしょっぱなから覆ることになった。
コカビエルとの戦闘に入るや否や、あの金髪はコカビエルを圧倒し続けた。倒しきるこはできず、止めはヴァーリがやったとはいえ、あの実力だ。見たところ、正体は魔法使いってことしかわからねぇ。が、あのコカビエルを圧倒するような実力を持つ魔法使いなんざ見たことも聞いたこともねぇし、魔法教会にそんなような奴が入ったなんてことも聞いちゃいねぇ。
俺は奴のはるか上空から少しでも正体を探ろうと尾行を開始した。
俺はやつに悟られることのないように行動したつもりだったんだが・・・・・・・・
「よお、堕天使。さっきからこそこそと後をつけているようだが、いったい何の用だ?」
俺とターゲットの距離は十分離れているはずだったが、やつは一瞬で俺の背後に移動していた。
ったく・・・・どんなからくり使えばそんな芸当ができるんだ。
「コカビエルとの戦闘のときも、お前は遠くからこちらを見ていたようだが?」
「な!?そんなときから俺のことを気づいてたのかよ・・・・・・」
「ああ。むしろ、あれで気づかれないとでも思っていたのか?」
最初から気づかれていたことに俺は驚いた・・・・・どうやらこいつ、そうとうやるようだな。気づかれないと高をくくっていたが、まさか筒抜けだったとはな。こりゃ、油断できねぇ相手だ。
俺は観念して自分の正体を明かした。
「取りあえず、初めましてだな。俺はアザゼル。堕天使どもの頭をやってる。」
「ほう、あんたがかの有名なアザゼルか。」
やつは俺の正体を知ると、興味深そうに言った。
「なんだ、俺のことを知っているのか。」
「まあな。アザゼルとは神の如き強さ。その名の通りなのならば、強いのだろう?それくらいの相手なら、一度顔を拝もうと思っていたところだ。なんなら、今ここで第二ラウンドと行こうか?もっとも、あんたにとっては第一ラウンドだが。」
「よせやい。俺は、戦いはあまり得意じゃねえんだ。」
こいつ、ヴァーリと同じだ。間違いないな。戦闘狂だぜ、戦闘狂。言っていることがまるっきりヴァーリと同じだ。しかし、それはそれでいい。もしかすれば、俺の計画がうまくいくかもしれん。
そんな茶番は置いておいて、俺はさっそく本題に入った。
「んでだ。単刀直入に言わせてもらう。お前さん、一体何者だ?」
「あんた程の者ならわかるだろう?それに、コカビエルとの戦闘を見ていただろ?」
やつは鼻でフッっと笑いながら言った。
「お前さんが魔法使いなのはわかった。俺が訊きたいのはお前さんの所属等ほかもろもろだ。」
俺が何よりも気になったのはやつの実力だ。コカビエルと軽く打ち合えるほどの力だ。そんな力、一体どこでどうすりゃあ身につくんだ?
だが、それだけじゃなかった。俺には違和感があった。こいつは・・・・果たして本気でコカビエルと戦っていたのだろうか。
「・・・・まあ、そっちが名乗ったなら、俺も名乗るのは通りだな。俺の名はイッセー。イッセー・ヴァーミリオン。魔法使いをやってる。」
やはり、魔法使いか。しかし、イッセー・ヴァーミリオン・・・・・聞いたことの無い名だ。それこそ、コカビエルと渡り合える実力なら、すぐにでもその名は出回るはずだが・・・・・いや、そもそも魔法使いであのレベルはまずありえないんだが・・・・まあ、それはおいとこう。
「それで、お前さんは一体どこの魔法・魔術組織所属だ?」
「そのような類の組織には入っていない。そもそも、そんなところに入る意味はないからな。」
奴の答えはまさかの無所属だった。
本来、魔法使いはどこかしらの組織に所属するのが普通だ。すなわち、やつが本当に無所属だとしたら、はぐれとみなされる場合が多い。
「何故所属していない?魔法教会から何かしらの接触があったのではないか?何にせよ、入ったほうが身のためでもあるぞ?」
俺はさらに深く掘り下げていくと同時に忠告をした。
「所属しなければならない理由でもあるのか?それとも、ルールなのか?だとしたら、そのルールはだれが決めた?俺は知らんやつが勝手に決めたルールには従わない主義だ。」
やつはもうはっきりと入らないと言っているようなものだった。まあ、やつも分かっていてあえてそうしている可能性も否定はできないか・・・・
このまま議論を続けるのは不毛だな。
俺はそう感じて話題を切り替えた。
「まあ、それはいいさ。こっからが真の本題だ。実は、この事件が起きてから俺たち三大勢力の天使、悪魔、堕天使勢力で会談を行うことになったんだ。」
「ほう、それはまた興味深いな。今更、と言えなくもないが。」
さっそくやつが食いついたな。俺はさらに続けた。
「それでだ。おまえさんにもこの会談に参加してほしい。」
「何故だ?俺は人間。あんたら超常の存在、ましてや聖書神話になんら関係のない俺が参加する意味はあるのか?それも敵だらけの場所に。」
俺が意を伝えると、やつは警戒した。まあ、そうだろうな。普通はだれだって警戒はする。だが、俺は引き下がらず、続けた。
「確かに、お前さんの言うことはわかる。しかし、この会談はコカビエルが三大勢力すべてに関わる問題を起こしたのがきっかけなんだ。そのコカビエルと戦ったお前さんも、もはや無関係とはいえないだろう?それに、お前さんのような力を持つ存在が魔王の妹と同じ地にいたとなっては、悪魔側も黙っちゃいないと思うぜ?」
「・・・・・・」
やつは無言になって考える動作をする。
お、こりゃ、もう少しだな。
「それに、会談にはヴァーリも来させるさ。」
「そのヴァーリとは誰だ?」
「先ほど会っただろう?今代の白龍皇さ。」
俺が白龍皇の名をだすと、顔色が変わった。
「・・・・いいだろう。面白そうだ。」
なるほどな。やはり奴は戦闘狂だ。これなら、ヴァーリも乗ってくる可能性も大きい。会談には力のあるやつも参加させなけりゃ、意味がないからな。
「よし・・・・日にちは一週間後だ。場所はおそらくあの学園になるだろう。」
「・・・・わかった。」
「んじゃ、そこんところ、よろしく頼むぜ。」
その返事を聞き、俺は奴の目の前から立ち去った。
――――◆◇◆◇◆―――――
イッセーSIDE
「んじゃあな。そこんところ、よろしく頼むぜ。魔法使い。」
俺に会談の日付と場所を伝えた堕天使総督、アザゼルは俺の目の前から魔方陣で消えていった。
それにしてもまさか、堕天使の総督とも遭遇するはな。今日は中々刺激的な日だった。
会談か。三大勢力の対立が、終わるときが来るか。これも時代の変化か。まあ、そうせざるを得ない状況だということはあっちも十分に分かっているだろう。そうでもしなければ、他の神話体系に宣戦布告される可能性もあるからな。ま、あいつらが滅ぶならそれはそれでいいけどな。なんなら他の神話体系が攻撃を仕掛けるならよろこんで前線に参加しよう。
[にしてもイッセーよ。まさか、あの堕天使の話に乗るとは思わなかったぞ?なにか考えでもあるのか?]
俺の行動に疑問を抱くニトラ。
俺はわけを話した。
「(別に、単なる余興というか、気まぐれさ。一番のメインは白龍皇さ。あいつのちからが見えるかも知んねぇからな。あと、俺の敵のボスとやらの顔を一度知っておいても損は無いだろう?)」
悪魔。忘れもしない。俺の母さんと父さんを苦しませ、最後は殺した俺の敵だ。考えてもみれば、俺は悪魔のトップの名は知っていても顔は知らない。ここで奴らの顔をしかと見届けよう。本当の敵を知る必要がある。まあ、悪魔も一枚岩ではないとは聞いているが。しかし、あくまで今回の会談の主な目的は白龍皇だけどな。
[まあ、それも一興ではあるな。長らくあのこうもりどもとは縁が無かったが、ここで一つ牽制の一つは入れてもいいだろうさ。]
「(ああ。そのつもりだ。)」
俺たちは会談についての話をしながら帰路につく。
「おかえり、イッセー。」
ガチャっと家のドアを開け、帰宅するとそこにはドライグがいた。
「ドライグ。寝てなかったのか。」
「ええ。イッセーの帰りを待っててもいいじゃない?」
と、首を可愛らしく傾げるドライグ。いつもと同じの寝間着の服装でいらっしゃる。ピンクを基調とした可愛らしいものだ。
何だろうか?ここ最近、ドライグの服装が綺麗というよりもかわいい系が多くなっているような気がする。
ま、ドライグは綺麗だからかわいい系の服だろうと何だろうと似合うけどな。
「それで、どうだった?」
ドライグは俺と一緒にリビングへ移動しながらドライグは今日のことについて聞いてくる。
「ああ、中々の奴だったんじゃないか?それに、思いもしない相手に出会ったぞ。それも二人。」
俺はコカビエル、堕天使総督アザゼル、そして白龍皇のことを思い浮かべながら言った。
「そのようね。それに、私のよく知った気配がしたわ。」
それを聞くに、ドライグも感知したらしいな。まあ、当然か。長い間戦ってきた相手だもんな。
「ああ。まさかまさかの白龍皇に出会ったよ。」
「・・・・三百年経って、こうして私たちの前に現れるのね―――――――アルビオン・・・・・・・」
ドライグは何とも言えない表情でニ天龍の片割れ、ライバルの名を口にする。
ドライグとアルビオンはその昔から戦いを繰り広げて来た同士だ。何か思うところもあって不思議じゃない。
「今代は間違いなく歴代最強だ。ベルザードさんもそう言っている。そして、何としても赤龍帝を見つける気でいるらしい。良かったなドライグ。今代の所有者はライバルである赤龍帝に夢中だ。」
俺はケラケラと笑いながら冗談交じりに言った。
「ちょ、ちょっと、やめてよねイッセー。その探している相手はイッセーのことでしょう?赤龍帝はあなたなんだから。」
俺の軽い冗談に少し本気で困った表情をするドライグ。そんなドライグの顔も魅力的である。
「何言ってるんだ。確かに神器所有者という意味での赤龍帝は俺かもしれないが、それはもう過去の話。今の赤龍帝は間違いなくドライグ、キミ本人だ。」
そう。俺はその昔、赤龍帝だった。その証に、
「もう・・・・じゃあ、私が戦わなきゃダメなの・・・・・・」
ドライグが何故かシュンとしている。ドラゴンだから戦いを求めるかと思ったがな。
おっとと・・・・少し冗談が過ぎてしまったな。俺はドライグを白龍皇と戦わせる気が無い。それにあの白龍皇は俺の見つけた相手だ。まあ、ドライグが戦うと言うのなら、俺は止めはしないが。
「冗談だよ。万が一、白龍皇が
俺はこの先の可能性として、赤龍帝と白龍皇の戦いに備えてドライグにお願いを言う。
「へぇ・・・・面白いわ。久しぶりにイッセーの相棒として戦うのね。いいわ。私もそれの方が面白そうだしね。」
俺の申し出にドライグは快く快諾してくれた。久しぶりに神器にもどるかもしれないドライグは以外にも乗り気だ。
「にしても、アルビオンがこの事実を知ったら何というだろうか・・・・ドライグはもう既に神器から解放され、聖書の神の封印も解けている、なんて知ったら・・・・」
「そうね・・・・もう同じ状態ではないからね・・・・まあ、あいつの驚いた表情でも拝んであげましょ。」
ドライグはそうにっこりと笑いながら言った。こりゃ、アルビオンは中々の精神的ダメージを受けるのではないだろうか?それだけじゃないな。その白龍皇をやどすあの銀髪の男も気の毒にな。もう本当のライバルはいやしないのに。だが、やつは初めて邂逅した白龍皇だ。それに、あいつと戦ってみたいしな。何か、面白いことが起きそうだ。
「イッセー、そろそろもう寝よう。良い時間だから。」
ここでドライグは就寝を提案する。
「悪い。俺は少しやることがあるから、先に眠ってて。」
「そ、そうなの・・・わかった、おやすみ、イッセー。余り無理しないでね。」
少し残念そうな表情をしたドライグ。
「ああ。すぐ終わるよ。おやすみ。」
ドライグがリビングから出て、寝室へ向かう。
俺はすぐさま用事を終わらせるため、すぐに始めた。
俺は
『あら、イッセー。珍しいね。あなたから連絡をくれるなんて滅多にないことだがらおどろいちゃった♪それで、一体何の用?』
俺が連絡をつなげると、少女の声が聞こえてくる。
この子こそ、俺が連絡を取っておきたかった相手だ。おれは早速用件を伝える。
「久しぶりだな。用件は簡単だ。そっちもしってるだろ?コカビエルがここに現れたってこと。」
『ああ、そのことね。それがどうしたの?』
いやいやいや、それがどうしたのって、軽いな・・・・・・
まあいいか。
『相変わらずだな。それでだ。俺もその場に居合わせてな。中々の重要機密を知ったんだ。』
『へぇ~それってなあに?』
興味深そうにしている連絡相手。つか、連絡用魔法陣越しに聞こえてくる向こうの音が凄いんだが・・・・宴でもやってんのか?
「聖書神話の主神ともいえる、聖書の神は死んだそうだ。これは間違いない確定情報だ。コカビエル自身がそう言ってたからな。」
『っ!?・・・・へぇ、それは、中々のビックニュースだね。』
珍しく声が真面目になる。まあ、そうだよな。神話の主神が死ぬってのは相当のことだからな。ましてや、そんな情報が流れ出でいいわけがない。
『ありがとう、イッセーその情報は今後使えそうだよ。またね。』
嬉しそうに相手は連絡魔法陣を切った。
さてと、もう一人に伝えておくか。
俺はもう一人にこの事実を伝えたあと、眠りにつくのだった。
―――◆◇◆◇◆―――
はい、というわけで、30話でした。
会談に参加することになったイッセー。これからどうなるやら。
そして、最後に連絡を入れた二人の正体とは?乞うご期待。