ハイスクールD×D ―魔法使いと龍― 作:shellvurn 次郎
今回でようやく、会談が始まりました。ようやくですよ。ここまでくるのに10か月ですよ。投稿スピードが遅いねんな。
セーイチSIDE
「全員、集まったわね。」
オカルト研究部の部室に全員が集結する。これから何があるかって言うとだな、階段が始まるんだ。俺たち、オカルト研究部ことグレモリー眷属も参加することになっている。
「じゃあ、行くわよ―――」
部長の言葉に全員が頷いた。とうとうこの日が来た。悪魔、堕天使、天使のトップの方々が集結するんだ。一応、トップの方々全員と顔を合わせたことがあるが、その人たちが一挙に集まるというだけで緊張する。
此度の会談の会場は俺たちが通う駒王学園の新校舎、職員室の隣にある職員会議室で行われることになっている。今日は休日で、時間帯は夜。すでに各陣営のトップの方々は待機しているらしい。
そして、何よりも目を見張るのが、この学園全体を巨大な結界で囲み、誰も中へ入ることが出来なくなっていた。結界の外は天使、堕天使、悪魔の軍勢がぐるりと結界を囲み、万全な防衛体制を敷いている。まあ、当然か。一世一代の三大勢力の会談だもんな。そういや、木場が一触即発の空気だって言ってたな。
俺たちは会談の行われる部屋に向かって先頭を行く部長の後を追う。
引きこもりヴァンパイアことギャスパーは当然のごとく、この部室で待機だ。まあ、しかたない。まだ神器を制御できてないからな。なんとか、あいつを上手く制御できるようにしてやりたいな。
コンコン
「失礼します。」
「入りなさい。」
会談の行われる部屋のドアを部長がノックする。
ドアの先から入れとの声がかかり、部長がドアを開ける。
会議室はいつもとは違った内装になっていた。いつものここはふつうの長テーブルが部屋を囲うように配置され、椅子もそれにそってたくさん置かれているのだが、今日は部屋の中心に豪華絢爛な円形のテーブルが置かれていた。
そして、そのテーブルを囲むようにして、見知った人たちが座っていた。空気は静寂に包まれていて、全員が真剣な面持ちだった。
悪魔側、天使側、堕天使側。それぞれ各勢力二人ずつ座っている。堕天使側には白龍皇ヴァーリが壁を背もたれにしながら立っている。
そして、もう一人、あり得ない人物が座っていた。俺はその人物を見た瞬間、目を見張った。俺だけじゃない。俺も、木場も、部長も、朱乃さんも、ゼノヴィアもだ。なんと、俺たちと一度戦ったあの金髪の魔法使いの野郎がいたのだった。
――――◆◇◆◇◆――――
イッセーSIDE
「んじゃ、ちょっくら行ってくるわ。」
「ああ。」
「気を付けてね。」
不安そうな表情をしたティアとドライグたちに一言言ってから家をでる。家を出てもいまだに後ろから二人の視線を感じるが、俺は振り返ることなく歩いていく。
今日は三大勢力の会談の日だ。アザゼルの言っていた通りの時間帯、場所で行われる。とはいっても時間は深夜だ。妹たちはもうすでに眠っている。ドライグとティアに妹たちのことは任せておいて俺は会談の行われる場所へと向かう。
しばらく歩き、会談の行われる場所である学園に到着した。見たところ、中々の規模の結界が張られている。まあ、三大勢力のトップ陣が集結するからな。並みの結界など張らないに決まっているか。にしても、護衛の数も多いな。俺はそんなことを思いながら結界を通り抜けて指定された場所へ向かった。その指定された場所のドアを開くと、中にはトップ陣がすでに椅子に座っていた。
「よお、待ってたぜ。」
堕天使総督アザゼルがこちらに手を振りながら言った。
「アザゼル、この人が前言っていた魔法使いか?」
俺とは初対面であろう紅髪の男がアザゼルに確認する。
「そうだぜ。詳しいことは後でな。とりあえず、ミカエルの正面の椅子に座ってくれや。」
アザゼルは俺にそう指示する。ミカエルの正面の椅子・・・・この光輪を頭に浮かばた金髪の男の前の椅子か・・・・
「ああ。わかった。」
俺は言われた通りに席に着く。
椅子にすわると、目に入る光景がざっと変わる。ここに、三大勢力のトップ陣たちが顔を合わせ、視線を交す。なるほど、こりゃ中々の光景だな。そして、堕天使アザゼルの後ろに目をくれてやるとアザゼルの言った通り、白龍皇が腕を組んで壁にもたれかかっていた。あちらも俺の視線に気づいたのか、こちらに視線を向けた。相変わらず、さわやかな涼しい顔をしている。
と、ここでこの部屋の扉が開く音がした。その開かれた扉からこの部屋に入ってきたのはいつぞやの悪魔たちだった。これには驚いた。まさか、あの悪魔たちも一緒とは。あちらもあちらで驚いているようだった。そのうちの一人が口を開いた。
「あ、あの!!なぜこの男がいるのですか!?」
口を開いたのは
それには堕天使アザゼルが答えた。
「俺自身が呼んだのさ。俺も聞いた話ではあるが、この魔法使いもコカビエルと戦っただろ?ならば、この会談に参加する意味があることは否定できないだろう?」
堕天使アザゼルの言うことを聞いて悪魔たちは黙った。
「思うところはそれぞれあるとは思うが、みんなひとまずそこの席に座ってくれ。」
紅髪でたいそうな恰好をしている俺の左隣にすわっている悪魔が呆然としている悪魔たちに指示をだして悪魔たちをいさめる。悪魔たちはとりあえず言われた通りに席に着いた。
「定刻だ。」
堕天使総督アザゼルは腕時計の時間を見て、会議の開始を合図した。それと同時に、一部を除くここにいる全員の表情が変わった。
「では、定刻になったとのことなのでまず一つ、この会議の前提条件を述べる。ここにいる全員は最重要機密事項である神の死を認知していることとする。」
改めて言われてことだが、ここにいる全員はそのことを聞いても同様はしない。全員、知ったような顔をしている。
「では、話を進める。」
堕天使側が進行を務めるという感じで会議はスタートした。
「では、この会議を計画したわれわれ堕天使側からまず、話をしよう。」
堕天使が企画したというこの会議。その最初の内容は堕天使側の情報を悪魔、堕天使側に伝えることであった。堕天使はその中枢組織である
堕天使側でここにきているのは三人。まず、トップである
と、ここで堕天使側の話が終わった。ある程度知っている話はつまらんかったな。どうせなら神器の話を聞きたかったが。
「では、次は私から。」
次は悪魔側の話が始まった。
悪魔側もおおむね堕天使勢力が言ったような内容に似た話だ。
悪魔側のやつらに俺は視線を向けた。後ろの席に座っている奴ははっきり言ってどうでもいい。なんの脅威でもない。少し注意すべきなのはこの俺と同じ席についている奴らだ。紅髪の男は、悪魔の魔王。こいつが、あのサーゼクス・ルシファー。そして、黒髪の女の方はセラフォルー・レヴィアタン。特にサーゼクス・ルシファーは超越者と言われているらしい。どんな者なのかは知らないが、弱いわけではなさそうだ。にしても、悪魔側は何やら複雑らしい。こいつら二人は魔王と名乗っているが、本当の血筋ではないらしい。その本来の血筋である奴らを差し置いて魔王をやっているとか。世襲制であるはずの魔の王である存在が、こんなことになるとは・・・・やれやれ。ここには本来の血筋がいるというのにな。ま、今そこで涼しい顔をしながら会議を聞き流している白龍皇は興味がないようだ。よかったな。もし、こいつが魔王になる野望を秘めていたら、会議どころではなかったな。ほかの子孫たちはどうなのだろうか。確か、俺の見聞では旧魔王派と呼ばれる派閥があったはずだ。そいつらは今、何をしているのか。
と、ここで悪魔側の話が終わる。正直悪魔たちには何も有益な情報はないな。
「では、最後は私たちから。」
最後は残っていた天界側の話だ。
天使たちはまだ、こいつらよりかはまだ信用のおける存在だ。
天界側も堕天使側と同じく二人と教会の戦士一人の三人だ。
と、ここまで会議は順調に進んでいる。俺は特に何も口出しをすることはない。所詮、こいつら神話勢力だけの話だからな。とはいえ、こいつらはあまりにも外界に手を出しすぎているところもある。このことを指摘してやろうか、とこいつらの話声をBGMにしながら心の中で考える。
「というような、感じになります。私たちからは以上です。」
そんな感じで天界からの説明が終わる。
「そうだな。そうしたほうがいいかもしれない。このままでは、お互い破滅への道をたどることになるかもしれない。このような小競り合いはやがて大きな戦いへの火種になる。」
サーゼクス・ルシファーがミカエルに同調する。
やはり、小競り合いはちょくちょく起きているのか。何とも愚かな。そいつらに限ったことではないが、やはり見えていないのかもしれないな。だから破滅への道を進んでいるんだ。
こいつらの話している内容を理解しているからそう心の中で考える。そこにすわっている悪魔たちは内容が理解できてないらしい。
「まあ、その通りだな。こんなことじゃ、俺も趣味に没頭出来やしない。」
なんだ?アザゼルが発言するたびに変な空気になるぞ。どうにかしろよ。全く。アザゼルはアザゼルでこんな空気を楽しんでやがるしな。食えないやつだ。
「さてと。お互い概要は話し終わった。リアス、そろそろ先日の聖剣の強奪事件の説明を頼む。」
ここで魔王ルシファーは件の案件を持ち出した。あそこの悪魔たちに説明させるようだ。
「はい。魔王さま。」
魔王ルシファーに催促されてその悪魔は席を立って前に出た。同じ色の紅髪。おそらく兄妹か。
紅髪の悪魔は一部始終を話し始めた。俺も含めて、三大勢力のトップもそれを聞き入る。淡々と話してはいるが、その奥には不安が見られる。
「―――――――です。そして、私たちはこの学園で決戦となりました。しかし、そこに乱入者が二人きました。まず、そこに座っている魔法使いがこの学園の校庭を中心にして張られた結界を容易に破壊し、最終的には白龍皇がコカビエルを処理しました。以上が、私、リアス・グレモリーとその眷属が関与した事件の一連の報告です。」
俺のことが説明に出たとき、一瞬俺の方に視線が向き、またそちらに戻った。
「ご苦労。座ってくれて構わない。」
魔王ルシファーは悪魔を座らせる。
「ありがとう、リアスちゃん★」
魔王レヴィアタンはウィンクをその悪魔に送る。ほんとになんなんだ、こいつは?こんな奴が魔王なのか?ほんとに大丈夫なのか、悪魔は。
俺は心の中でそう毒づきながら会議の方に意識を戻した。
「さて、アザゼル。聞いての通りだ。これについて堕天使総督の意見を聞きたい。」
堕天使総督に全員の視線が向く。対して堕天使総督は不敵な笑みを浮かべながら話し始めた。
「先日に起こった事件は我が堕天使中枢組織
総督の説明を聞いてミカエルはやれやれと嘆息しながら言う。
「説明としては最低の部類ですがね――――――あなたとしては、我々と大きなことを起こしたくはないという話はしっています。それに関しては、嘘偽りはないのでしょう?」
「ああ、ほんとだよ。俺は戦争なんかに興味のカケラもない。コカビエルもそのことで俺をこき下ろしていたってことはそれらの報告にも書いてあったはずだぜ。」
なるほど。堕天使総督はコカビエルとは正反対だな。惜しい。あのような戦闘狂であったならば、またいろいろと面白かったのだがな。
「アザゼル。一つ聞いておきたい。なぜここ数十年
「それは私も聞いておきたいことです。いつまでたってもあなたは戦争を仕掛けてこなかった。そして、
天界も悪魔も同じか。
そりゃそうだ。堕天使はとにかく胡散臭い存在だ。それが戦力、主に人間をかき集めているとなると警戒心を抱かざるを得ない。
アザゼルは苦笑しながら答えた。
「戦争なんかのためじゃないさ。
アザゼルは不貞腐れたように言った。
「それはそうだ。」
「そうですね。」
「其の通りね★」
魔王ルシファー、レヴィアタン、ミカエルがそれに同調する。信用のなさが伺える。
あまりに愉快だったから、俺は初めて話に介入した。
「自覚がなかったのか?一度神に背いて堕ちた存在。そんな奴らは胡散臭いに決まっているだろう。」
「・・・・・ちっ、お前さんにまで言われるレベルかよ・・・・・やってらんねぇな。」
総督はさらに不貞腐れる。
「それは俺たち魔法使いの界隈だけじゃないと思うがな。ちなみに言っておくと、あんたらの中で一番印象としてマシなのは天界勢力だぜ。よかったな、天使長さんよ。」
「そうなのですか?」
俺の言ったことに興味を持っている様子の天使長ミカエル。俺はうなずいて肯定しながら言った。
「まあな。あくまで、俺の界隈での話だ。」
それを聞くと、天使長ミカエルは何故か少し嬉しそうだ。まあ、それはいいか。ちなみに、俺の界隈ってのは相当広いぞ。
「俺もここまで落ちぶれているのかよ。ったく・・・・・・先代ルシファーや神よりもましかと思っていたんだが、思えらもお前らで面倒な奴らだ。こそこそ研究するのもこれ以上は性に合わないな。わかったわかった。ならさっさと和平を結ぼうや。三大勢力の和平条約をよ。もともと、お前らもそのつもりだったんだろ?」
総督の口からイチ速く和平という言葉が出される。これには悪魔側も天界側も驚きを隠すことはできなかった。まあ、おれはこの総督の腹の内は知っていたから不思議でも何でもないけどな。この神器大好き堕天使はだれよりも和平を望んでいたんだ。だからわざわざ俺のこともつけてたし、こんな会議を開いた。
「ええ。あなたの言う通り、私も悪魔側とグリゴリに対して和平条約を持ちかける予定でした。これは、私だけでなく、
天使長の言葉にアザゼルが噴き出して笑う。
「ハッ!!あの堅物で有名なミカエルが言うようになったな。あれほど神っ!!神っ!!主様っ!!っていうやつだったのによ。」
「・・・・・失ったものは大きい。あまりにも大きすぎた。しかし、いつまでもいないものを求めても仕方がありません。まだ、主を信じてやまない人間たちがいるのです。その人間たちを私たちは導いていかなければなりません。神の子らを見守り、導いて聞くことが今の最善だということは私たち、
「おいおいおい、いーのか?今の発言は堕ちるぜ?――――と思ったが、今のシステムはお前が継いだんだっけか?いい世界になったもんだ。俺たちが堕ちたころとはまるで違うな。」
堕天使そうとくは懐かしむように言った。
システム・・・・・か。それは俺の神器にもかかわってくるものだ。
「我々悪魔側も同意見だ。魔の王がいなくとも、種は存続する。ならば悪魔も先へ進む必要がある。戦争は我々の望むものではない。戦争をすれば、間違いなく悪魔が先に滅ぶ。」
悪魔側も同調する。
「其の通りだ。戦争をすれば俺たちは自滅の道しかない。人間たち、とくに教会のやつらにも必ず影響が出てくる。俺たちは戦争を起こすわけにはいかないんだ。」
先ほどまでふざけていた総督だが、ここだけは真剣な面持ちとなった。
そして、アザゼルは腕を広げながら雄々しく言った。
「神がいない世界は間違っているのか?世界は衰退するのか?しかしそうじゃなかった。俺もお前たちもこうして今も生きている。世界はな、神がいなくても回っていくのさ。」
切りのいいところなのでここで切ります。
さてと、そろそろ第二作目、IF、短編集として投稿する新作が書けます。
そちらのほうもぜひ見てくださいな。お気に入り登録もよかったらよろしくお願いいたします。