ハイスクールD×D ―魔法使いと龍― 作:shellvurn 次郎
今回は会談後の誠一君SIDEからです。
原作五巻に当たる部分である冥界での話は原作部分を少しとオリジナル部分を書く予定。
No,XXXVII ~帰還~
セ-イチSIDE
先日、とんでもない三大勢力の会談が終わった。
俺としては、三大勢力が交渉決裂して千年前の戦争が再開される、なんていう最悪の事態を心配してたけど、なんとか話はまとまったし、和平も結ばれたので戦争が今後再開されることはない。ついでになぜか堕天使総督のアザゼルが俺たちの学園の教師になった。加えてオカ研の顧問にもなっていた。
ま、とにもかくにも。いや~~~、良かった良かった。ほんとにな。
「あの二人、とんでもなかったなぁ」
俺は会談の終わり際、アザゼルせんせーを叩き落して離反した白龍皇ヴァーリと同じくしてアザゼルせんせーを攻撃してかつあの訳の分からないどす黒い槍でせんせーやミカエルさんたちをほぼ行動不能にしたあの魔法使いの戦いを思いだす。そうしていたら自然と声が出た。
まず、ヴァーリ。あいつは、コカビエルを一方的に倒しやがった。しかも
そして、あの魔法使い。
しかも、あの魔法使いが放ったあの槍・・・・・あいつが去っていったら勝手に消えていったが、ミカエルさんやアザゼルせんせーはしばらく動けなかったほどだ。そうとう苦しそうだった。あんな化け物クラスに強いせんせーやミカエルさんたちをあんな簡単に封じるなんて普通じゃないぜ。どちらにせよ、白龍皇ヴァーリとあの魔法使い、たしかイッセー・ヴァーミリオンだったか。あの二人が俺たちの敵になるんだ。俺は、あの時戦いをただ傍観するしかできなかった。悔しかったぜ。白龍皇は俺に何一つ興味を示していなかった。俺が弱いからだ。圧倒的に・・・・・・・・俺は、あの戦いを見てさらに強く決意した。強くなって見せる。そして、部長、朱乃さん、小猫ちゃん、アーシア、ゼノヴィア、木場、ギャスパーを守るんだ。みんなを。
「少しは成長をしたじゃないか。相棒君」
夜、ベットの上で会談のことを回想していると、俺の
「まあな。あんな戦いを見せられたらな・・・・・・・」
「ふぅん・・・・まあ、僕としてはあの戦いを見せられ、力量差を感じて絶望したんじゃないかと思ったよ」
アグニルが冗談交じりに軽口をたたく。
まあ、アグニルにはいつもからかわれているから別に今に始まったことじゃないが。
「そりゃあ、確かにあの力量差は敵わないと思ったさ。だが、ここでへこたれては、いられないんだよ。あんなレベルのやつらが、世界にごろごろいんだろ?そうなりゃ、部長たちをいったい誰が守るんだよ」
「アッハハ!!いいねぇ、少なくとも精神面では成長したよ。あの悪魔になりたてのころと比べたらね。正直、僕は君じゃあ良くて上級悪魔レベルになれるか不安だったけど、案外面白いところまで行けそうかもしれないね」
アグニルが俺をこう評価してくれたんだ。なんだかんだ初めてじゃないか?
「それに、君が言った通り世界にはあんなレベルのやつがごまんといるし、あれより強いやつらもいる。そいつら全員が全員味方になるとも限らない」
「ああ。だから、そいつらを追い返せるようになる。だから、頼む。アグニル。俺に力を貸してくれ」
俺は自分の力のなさを思い知った。一人であんなレベルまで行けるとは思えない。
だから、俺はアグニルに頼み込む。
「いいよ。キミは僕の相棒君だからね」
アグニルはすぐにそう言ってくれた。ありがたいぜ。
「にしても、力を貸してくれ、なんて言われたのはこれで二回目だよ」
アグニルが嬉しそうに言った。
「ん?どういうことだ?」
「僕が人間に宿り、その人間が死ぬとまた別の宿主へといった感じで宿主を転々としているのは知っているだろ?もちろん、君のほかにも僕は百人以上の人間と知り合ってきた。しかし、そのうちのほとんどがみんな僕をただの道具としか見ていなかった。この
アグニルが懐かしそうに語る。
そんなことが・・・・・・・あったのか。ひどいもんだ。アグニルをただの道具だなんてな。
「ありがとね。そんな風に言ってくれるのはうれしいものがあるよ。まあ、二人だけ、君のように接してくれた人がいたんだ。前言った、歴代最強の所有者と二番目まで上り詰めた者だよ」
「ああ、前言ってた白龍皇に勝ったっていうのと、最弱だったのが強くなったっていうやつ?」
「ああ。そいつら二人はとても仲間思いなやつだったよ。強い信念を持っていた。だから、歴代最強組に至った。キミも、確かに今は破滅して死んでいった人間たちには劣るよ。でも、将来的に見れば、必ずそいつらを超えられるさ。僕ならわかるさ。キミは、あの最強二人と同じ目をしているから。がんばってよ、相棒君」
「おうよ」
俺は新たな決意を胸に、俺の意識は闇へと落ちていった。
―――○●○●○●―――
そして翌日。
俺はとんでもない光景を目の当たりにした。見慣れたはずのお隣の田村さんと鈴木さんの家がなく、俺の家の庭になっていた!
それだけじゃない!前の五倍の広さはあるであろうリビング、豪華そうなシャンデリア、さらにはエレベータァー!?六階まであるし・・・・・しかも地下まで・・・・気づかない間に家がとんでもないことになっていた!
「ぶ、ぶ、部長・・・・これは一体・・・・・?」
声を震わせて俺はニコニコしてる部長に聞く。
「ウフフフ、この家に住む人数も増えてきたからリフォームしたのよ」
リ、リフォーム!?いつの間にぃ!?
「何でも、リアスさんのお父様が建築関係の仕事をしていらしてね?モデルハウスの一環として無料でリフォームしてくれたの」
と、上機嫌に話す母。
いやいやいや、これもうリフォームのレベルじゃねぇよ!敷地面積まで広がってるよ!
「そうそう。お隣さんの田村さんと鈴木さんは急に好条件の土地が見つかったから引っ越ししたらしいぞ。しかもその土地の価値がとんでもないとか」
父さんはお隣さんの話をおかずに箸を伸ばしながら言う。
いや、もうそれ絶対グレモリー家絡んでるよ!間違いない!
「大丈夫。心配には及ばないわ。お隣さんとは平和的解決をしたわ。みんな幸せになったからそれでいいの」
隣でニッコリとほほ笑む部長・・・・・これが悪魔の交渉術か!?恐るべし、グレモリー家!
そのあと、母さんに間取り図を見せてもらったけど、とんでもなかった。屋上にある庭園、トレーニングルーム、シアター、大浴場、室内プール・・・・・・いや、これホントにお家ですか?これが、悪魔の技術力なのか・・・・・・・いやはやお見それ致しました。
とにもかくにも、こうして俺の夏休みがスタートしたわけだった。
―――○●○●○●―――
「いってきまーす」
今日は冥界へ行く日だ。
なんでも、部長が夏休みの間は実家に帰省するんだ。これは毎年そうだったらしい。俺、アーシア、ゼノヴィアを除く古参の眷属のみんなは何度も行ったことがあるらしい。ちなみに、今回は俺たちに加えてアザゼルせんせーまで来るって言ってたな。
みんな、駒王学園の制服に身を包み、家を出た。
向かった場所は、駒王学園の最寄りの駅で会った。ここが集合場所だったらしく、木場、小猫ちゃん、ギャスパーが既にいた。
にしても、なぜここなのだろうか?疑問が尽きない。
部長が先導してツカツカと駅の構内へ入っていく。向かったのは駅のエレベーター。定員が五、六人の貧弱なエレベーターだったはず。
「アーシア、セーイチ、ゼノヴィアは先に載って頂戴。裕斗たちはあとからアザゼルと一緒に来て」
「はい」
「ほら、乗って」
俺たちはとにかく部長の言う通り、アーシアとゼノヴィアと俺はエレベーターに乗り込んだ。部長はボタンを押して、エレベーターを動かした。エレベーターの改装表示は一階と二階しかない。すると、部長は見慣れないカードを取り出し、それを電子パネルにタッチした。すると、電子音が鳴る。
「実はね、この駅には秘密の階層があるの」
ここで部長が俺たちが疑問を抱いていたことについて話し始めた。
「俺、この街にずっと住んでましたけど、知りませんでした」
「当然よ。これは、悪魔専用ルートだもの。一般人は一生たどり着けないわ。このほかにも、この街には悪魔専用の領域が存在するの」
知らなかったこの事実。俺たちは知らないまま、普通に暮らしてたのか。悪魔業界、果たしてどれだけ深くこの人間界に入りこんでいるのだろうか?
「・・・・・あら?おかしいわね?」
部長がさっきまでとは打って変わって少し表情が真剣になった。
「もうそろそろつくはずなのに・・・・・。」
その違和感は俺たちも感じつつあった。先ほどから、エレベーターが動いていなかったのだ。正確には、部長がカードを電子機器にタッチしてからだ。
ゴゥン
ようやくエレベーターが動き出した。
チィン!
ようやくついて、扉があいたと思ったら、そこは俺たちがさっきまでいた場所だった。
「部長?地下ホームへ行ったのではなかったのですか?」
木場たちがキョトンとした顔でこちらを見ていた。
「そのつもりだったのだけど、何故かここに戻ってきてしまったのよ」
「故障でしょうか?」
「いいえ、そんなはずはないと思うけれど。とにかく、もう一度行ってみるわ」
俺たちは再度、エレベーターに乗って秘密の地下へ向かった。
しかし、結果は何度やっても同じだった。いっこうに目的の場所へはつくことは無かった。何度やっても元の地上へと戻されてしまうのだった。
「おかしいわね・・・・・。仕方ないわ。緊急事態よ。実家へ連絡して。魔方陣での移動を許可してもらえるかを」
「はい、部長」
部長はただならぬ事態なのか、急いで冥界との連絡を指示した。
結局、俺たちは魔方陣での移動という特別措置で冥界へと向かったのであった。
―――――◇◆◇◆◇―――――
イッセーSIDE
「イッセー?早くいくよー?」
「ああ、ちょっと待っててー!」
ドライグが下のリビングの部屋から聞こえる。
どこに行くかというと、ブリテン。現イギリスである。実家に帰ると同時に、大事な大事な恒例行事があるのだ。
そんなわけで今朝起きて身なりを整えているわけだ。実家に行くわけだが、特別準備しなければならないものは無く、持っていくものも不要だ。向こうには生活できるだけのものがしっかりとそろっているからだ。
俺は着替えて二階の自分の部屋から出る。リビングに行くと、もうすでにメンバーは揃っていた。伽耶も新しい新居が見つかるまでの間はここにいることになるので、特別に俺たちについていくことになっている。
「みんな揃ったわね」
「んじゃ、行くとするか」
全員がそろったところでぞろぞろとリビングから移動する。そして、この家のとある扉の前に行く。
ガチャッ
扉を開けると、そこは西洋風の家の中に続いていた。
そう。この扉はブリテンにある俺の実家と、日本の別荘をつないでいるのだ。空間歪曲魔法を使用して、空間と空間を千切ってつないでいる。こうすると、異なる二点間をつなぐことができる。ホンと、便利なものだ。いわゆるどこぞの青いタヌキさんの秘密道具みたいな効果だ。
「わ~~い!!」
久々にこちらに来た妹たちははしゃいでいる。
俺はその元気なほほえましい姿を横に、背伸びをする。昨日はちょっと疲れたからな。
「イッセー、疲れているの?」
俺の様子を見たドライグが俺の心配をしてくる。
「まあな。昨日は少し作業をしてたから。その疲れがまだあるのだろうさ。あんまり寝てないしな」
ここに来る前、つまり機能のことだが、お仕事をしていたのだ。とある勢力から出向してきたエージェントたちとの共同作業である。そのエージェントたちも俺の顔見知りだったが。この街の至る所にある異形の施設たちの完全封鎖と破壊処理である。その作業は一般人が寝静まったであろう深夜に決行した。なんせ、その施設は厄介なことに一般の施設に融合されて作られている。よって、その施設は一般人も利用するため、深夜にすることになった。とはいえ、この都市は人口が五十万人を超えるくらいの都市だ。いくら深夜でもほっつき歩いている人間は少なからず存在する。まあ、見られることはなく作業は終了し、エージェントたちとも解散となった。にしても・・・・・やっとあいつらが動き出したか・・・・・・遅いんだよ。全く。
昔はこの程度の疲れなんて感じなかったのになぁ・・・・・・。寝るようになってから徹夜は中々身体に堪える。
「イッセー、取り合えず来たばかりだから少し休んだら?大事な日は明日なんだから」
「ああ、そうだな」
俺はそう言ってリビングにあるソファーに横になった。
そう。明日は、俺にとっては絶対に忘れられない日だ。俺はゴロンと寝返りを打ちながら大切な人のことを思い浮かべる。
明日は、俺の大事な幼馴染であるアルトリア・ペンドラゴンの命日なのだ――――――――――
―――●〇●―――
ほんの少し体を休めた後、俺は家を出て街に出ていた。俺の家はグレートブリテン島、イギリスという国に存在する。正確には首都のロンドンからは遠く離れている小さな町の近くの森の入り口付近にある。よって、周りに家など一軒もありはしない。本当に隔絶された場所にある。よって、町に出るにも徒歩では時間がかかる。よって町のすぐ近くまで転移魔法陣で転移して、ばれないようにしれっと一般人に紛れて行動する。聞いた話ではあるが魔法使い専用の施設、町があるときいている。そこでは魔法は使っても問題ないらしいが、生憎その場所は知らんので行くことはない。
この町は俺の家から最も近い町である。規模はそんなに大きくはない。ただ、首都へ伸びる鉄道が通っているだけあってそこそこ賑わっている。
街をひたすら歩いていき、目当ての店にたどり着いた。街にある大きなスーパーである。とりあえず、食料を過ごす分だけ購入する。流石に食べ物の保存は保存食以外は効かないからな。食料を購入した後、次の向かう店は花屋である。その花屋に行くと、見知った人が出てきた。
「あ、イッセー君!!久しぶり!」
「ウィンリィ、久しぶりだな。」
この子はウィンリィ・マーベル。この花屋を営んでいるマーベル夫妻の長女である。
この花屋にはいつもお世話になっているものである。墓参りに行くときは、たいていここで花を買うことが多い。それなりの回数ここにきているので顔見知りになったのだ。
と、店の奥からウィンリィが笑顔でこちらに寄ってきた。
「イッセー、こっちに帰ってたんだ。連絡くらいしてくれてもいいのに。いつものやつでいい?」
「ああ、頼んだ」
このように、わざわざ言わなくても揃えてくれる。それほどの関係だ。
「明日だよね?イッセーの大事な人の命日」
「ああ、そうだ」
唐突にウィンリィは少し悲しい顔をしながらアルトリアの命日を聞いてくる。
「その人って、その・・・・イッセーにとってどんな人だったの?」
「そうだな・・・・・いつも一緒にいて、いつも一緒に笑いあった、大事な幼馴染さ」
「そう・・・・・・」
ウィンリィは顔をうつむかせながら、パッパと作業を進めている。
何とも言えない空気がこの場を支配する。ウィンリィは気にしているのか?
「はい、いつものね。四十三ポンドね」
花束が四つ出来たところで俺は代金を渡す。
え?ちょっと高いんじゃないかって?そんなことはない。いつもこれくらいは買っている。
「はい、丁度ね。いつもありがと、イッセー」
「いいや、それはこっちもだよ」
俺は花束を受け取って、この店から退店していく。
「まって!イッセー!!」
この店を出ていこうとすると、ウィンリィに呼び止められる。俺は後ろを向いた。
「あのね、イッセー。私、その・・・・結婚することになったの」
ウィンリィは頬を赤く染めながらそう言ってきた。
「結婚?ああ、ようやエドのやつとくっついたのか。なんだか長かったな~~」
「う、うるさいわよ!!プロポーズするの、恥ずかしかったんだから!」
エドというのは、エドワード・レーヴェンシュタイン。超いいとこの坊ちゃんである。昔の貴族という位を持っていた家の名で、いまでもその名は有名である。俺も何度も会ったこともある。この店にたまたま居て、そこで知り合ったって感じだ。今にして思えば、こいつら速くくっつけよってくらい仲良かったもんなぁ。
ウィンリィはさらに頬を赤くした。おお、真っ赤なトマトみたいだ。
ん?ちょっとまって。いまプロポーズするって言った?俺はウィンリィの言葉に疑問を持ち、彼女に確認した。
「なあ、ウィンリィ、まさかお前からプロポーズしたのか?」
「そ、そうよ。あいつ、いつまでたっても・・・・・その・・・・・襲ってもくれなかったし、言ってもくれなかったのよ?全く・・・・・・・。私を無理矢理押し倒して中〇しの一発でもカマしなさいってのよ・・・・・。」
OH・・・・・・そんな生々しい話までは言わなくていいですよ、ウィンリィさぁん。それと、エド・・・・・。お前どこまでヘタレなんだ・・・・・。流石にウィンリィが可哀そうじゃないか。いわゆる逆プロポーズってやつじゃあないですか。
俺は友人のそちらの事情を聴いて少しばかりいたたまれない気持ちになる。
「そ、それでね、結婚式に来てほしいの」
結婚式に友人としての招待であった。答えはもちろん決まっている。
「ああ。是非行かせてもらうよ。友人の華々しい舞台だからな」
「ありがとう。後で正式に招待状送るからね」
「わかった、じゃあな、ウィンリィ。エドとうまくやれよ」
「ええ」
俺は友人の結婚式の話を聞いて、少しうれしい気持ちになった。
その気持ちのまま、俺はウィンリィの花屋を後にした。
転送魔法陣で人に知られることなく家に帰宅すると、ドライグが出迎えてくれた。
「イッセー、おかえり」
「ただいま、ドライグ」
ドライグは俺が抱えている花を見ると見るからに暗い顔をしている。
ドライグは神器の中にいて、アルトリアとは神器を介してしか会話していないとはいえ、仲が良かった。彼女の死は、ドライグにも相当深く突き刺さっているのだろう。
ともあれ、俺たちは明日のことに備えて早くに就寝に着くのだった―――――
――〇●〇――
そして翌日――――
俺とドライグはアルトリア・ペンドラゴンの墓に向かう。ティアや妹たち、伽耶は俺の家でお留守番している。
アルトリアの墓は特別な場所に存在する。神聖なところだ。ゆえに邪悪なものは一切近づくことが許されず、さらには一般人もこの地域にいることはできない。俺、そしてドライグがここに来ることができる数少ない人物だ。
そして、アルトリアの隣には、その兄であるアーサー・ペンドラゴンの墓がある。二人が亡くなった日にちは違えども、俺はここに来るたびに二人の冥福を祈る。
つかつかと歩いていき、二人の墓の前に立つ。立派なその風貌は騎士王の墓にふさわしい。”アーサー・ペンドラゴン”、”アルトリア・ペンドラゴン”と深々と力強くその名が石に刻まれている。
「よっ、アーサー兄さん。そしてアルトリア、また来たぜ」
俺はアーサー兄さんとアルトリアに語り掛けるように言った。当然、二人には届かないだろうがな。
「今年はさ、何かが起きそうな気がするんだ。白龍皇と遭遇したり、三大勢力が変わったりしてさ」
俺がこうして二人の墓に来ては起こった出来事を二人に話すのはよくやることだ。
そのことをドライグも分かっているのだろう。俺の言葉にじっと耳を傾けていた。ドライグとて、二人と深い仲だった。こうしてドライグがいつも俺についてくるのもそれがあるからだ。
ここで、昨日花屋で買ってきた花を供える。アルトリアが好きだったピンク色の花だ。
すると、この地に少し強めの突風が吹いてきた。その突風で花弁が舞う。おかしい。ここは風が吹くことがほとんどないというのに・・・・・・・・・
この時、俺は知る由もなかった。これが、のちに起こる信じがたい現象の幕開けだったことを。
というわけで、新章のスタートです。
これから、動乱へと入っていきます。
セ-イチ君も強くなっていきますよ。彼に救いようがあるとすれば、力に溺れないこと、アグニルを相棒としてみていることでしょうか。
――――――――――――――――――
設定ミニコーナー
ウィンリィ・マーベル
*イッセーがいつも使っている花屋の娘。
*年齢はイッセーと同じ。
*婚約者がいる。
エドワード・レーベンシュタイン
*ウィンリィの幼馴染
*家は元貴族である名家
*ウィンリィにプロポーズまでさせたヘタレ野郎。
元ネタはかの有名な漫画の二人です