ハイスクールD×D ―魔法使いと龍―   作:shellvurn 次郎

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はいどうもこんにちはみなさん。
さて、新章がスタートしましたね。
おもろい話に出来るよう、努力していく所存です。


No,XXXVIII ~もう一つの世界のヌシさん~

 イッセーSIDE

 

「じゃあな、アーサー兄さん、アルトリア。また来るからな」

 

 あの突然の突風をあとに、俺は兄さんとアルトリアに一言別れの挨拶をする。

 

≪―――――ええ、また≫

 

≪うん、またねーーー!!≫

 

「ッ!!!」

 

 二人の墓を後にしようとしたとき、突然声が聞こえたような気がして、直ぐに後ろを振り返る。しかし、後ろには誰も、何事もなかった。さっきと変わらない風景が俺の眼に映っているだけであった。おかしいな・・・・・・確かに、兄さんとアルトリアの声が聞こえたような気がしたんだがな

 

「イッセー?どうかしたの?」

 

 一緒にいるドライグが俺の様子に気づいた。ドライグはきょとんとした顔をしている。

 

「・・・・・いいや、なんでもないよ」

 

 俺は何事もなかったのように振舞った。俺の、勘違いだったのだろうから。

 俺は二人の墓に背を向けて今度こそここを後にした。

 

 

 ――●○●――

 

 

 二人の墓から自分の家に着いた。

 

「おっかえりーー!」

 

 家に着くと、妹たちとティア、伽耶が出迎えてくれていた。

 

「おかえり」 

 

「ああ、ただいま」

 

「二人にあいさつは出来たか?」

 

 ティアが今回の墓参りについて聞いてきた。ティアはアーサー兄さんとアルトリアのことはもちろん知らない。俺が、ティアと出会ったのはアルトリアと兄さんが死んでから随分後の話だ。ただ、俺が幾度となくこうして墓参りに行っていると、ティアはこのことを聞いてきたのだ。俺が自分の身に起こったこと、そして、二人のことを話した。すると、ティアはまるで自分のことのように悲しんだ。一度たりともあったことのない人物のはずなのにだ。ホント、どれだけいい人なのだろうか。ああ、いや、人じゃなくてドラゴンだった。

 

「ああ。もちろんできたよ」

 

 俺はティアにそう返した。

 するとティアは「そうか・・・」と笑顔でそう言った

 

「んじゃ、俺はこの重要な用事も済んだことだし、あいつらのところへ行ってくるよ」

 

「わたしも!」

 

「ルルも!ルルも!!」

 

「わたくしもです」

 

「イズナも」 

 

 俺がティアたちにそう言うと、妹たち全員がはしゃぐ。妹たちがこうはしゃぐのも分かる。これから行く場所にはこの子たちの親がいるのだから。当然だと言えるだろう。この子たちはまだ幼い子たちだから。

 

「おーし分かった。じゃあみんな、俺についてきて」

 

「「「「「「はーい!」」」」」」「わかりました」「うん・・・」

 

 八人の元気な声が聞こえた。ほんと、元気がいいなぁ。これが若さだというのだろうか。

 

「ねえ、ティア。どうせなら私たちも行かない?」

 

「そうだな。たまには顔を出すのもいいだろう」

 

 どうやら、ドライグとティアも行くようだ。まあ、たまにはこうして全員で行くのもいいものだ。

 こうして、俺たち全員でとある場所に向かうのだった。

 俺たちは家を出て、裏にある森の中に入っていった。今から向かう場所はこの森を通っていく。しかし、かといってこの森の抜けた先に目的の場所があるわけではない。森の中に入って少し歩いていき、俺はここで魔法を発動する。

 ブゥン!

 俺が魔法を発動させると、空間が歪み、ワームホールのようなものが現れる。実は、この森の特定の場所は次元の扉。俺が向かう先はこの場所を入り口とした異世界みたいなものだ。俺の超傑作結界魔法のひとつ、隔絶領域(アブソリュート・ヴェルザー)を用いて、この世界の他の疑似的な世界を作り出したのだ。こうすることで、この世界とはまた違った世界を作り出すことが出来る。

 俺が開けたワームホールの中に入っていく。妹たちは何も驚くことは無く、ワイワイとおしゃべりをしながら歩いていく。

 

「いつみても凄いわね~」

 

「全くだな。私たちがフルパワーで攻撃しても全くびくともしない結界を応用して一つの世界を構築してしまうとは。全くとんでもない魔法使いだ」

 

 逆にこの世界でも強者の中の強者であるドライグとティアのほうが驚いている。

 

「ははは、龍王最強と赤龍帝にそう言われるのはうれしいな」 

 

 ティアとドライグからの称賛は素直に嬉しい。世界中の中でも強者に入る二人にこういわれるのは魔法使いとしては嬉しいものだ。

 確かに、龍王であり、天魔の業龍(カオス・カルマ・ドラゴン)という立派な二つ名をもつティア、赤龍帝、もしくは赤い龍(ウェルシュ・ドラゴン)のドライグが攻撃してもめったに壊れることが無いような構造にしてある。しかし、それでも耐久力が無限大ということは決してない。

 

「ま、流石にオーフィスやグレートレッドの攻撃には耐えられないと思うがな。奴らが本気を出したとすれば、精々三回の攻撃に耐えるのがやっとだろう。おそらく四回目になれば・・・・・崩壊は免れない」

 

「なーに言ってるのよ。あんな化物みたいな奴らの攻撃を対象に入れちゃダメでしょ」

 

「大体、あいつらの本気の攻撃に三回も耐えられる結界なんて、この世界に存在しない。冗談にしては笑えないな」

 

「いやー、別に冗談のつもりで言ったわけじゃないんだけどなー」

 

 こんな会話をしているうちにもう目的の場所に到着していた。

 俺の目の前に広がる景色、それは―――――――――――この地球、人間界にそっくり似せて合ってどこかしら乖離している世界だ。俺は幾度となくこの地に足を踏み入れている。しかし、ここは我ながら何度見てもワクワクするような場所である。

 そう、まるで、異形の者たちが今にも出てきそうなところだからだ。

 ズシンッ!!ズシンッ!!ズシンッ!!ズシンッ!!

 この世界に入った少しあと、凄まじい地響きが聞こえてきた。その爆音が鳴るたびに、地面が揺れる。ちょうどいいタイミングに来てくれたな。

 

「おじさんだ!!」

 

「ホントだ!!」

 

 妹たちもこの気配と地響きで何者かわかったようだ。

 

「気配を感じてきてみたが、やはりお前たちだったな。こちらに来るのはいささか久しぶりではないか?イッセー、それにドライグ、ティアマットにイッセーの妹たちよ」

 

 俺たちの目の前に立ち誇っているいるものから声を掛けられる。ただ、その者の大きさは凄まじい。とてつもなく太い足に腕。強大な体躯。龍を象徴する角に巨大な翼。ギラギラとして鋭い眼。

 

「ああ。久しぶりだな。とは言っても俺に限っては半年ぶりってところか?タンニーン」

 

「久しぶり、タンニーン」

 

「久しいな、タンニーン。お前、前に会った時よりも力をつけたな」

 

「流石に分かるか・・・・まあ、俺とてここでただ農業をやっているわけではないからな」

 

 俺たちの前にいるドラゴンはタンニーン。八大龍王の一角、魔龍聖(ブレイズ・ミーティア・ドラゴン)の名を持つ伝説に名を遺すドラゴンである。龍王の中では三番目の強さを誇る。そして、タンニーンの代名詞と言えば、ドラゴンの代名詞でもある火の息(ブレス)である。それは隕石の衝突に匹敵すると言われている威力を誇る。隕石はこの地球に幾度となく衝突し、そのたびにありとあらゆる生命を消滅させてきた。この天災レベルの火の息(ブレス)を喰らえば間違いなく並みの奴らでは肉体など消し飛んで何も残らないだろう。しかし、以前より力を上げたタンニーンの火の息(ブレス)は更にその威力は増しているだろう。

 

「そうそう、今年はどうなんだ?ドラゴンアップルの出来具合は」

 

「今年も例年通りと言った感じで豊作だ」

 

「そうか」

 

 俺がタンニーンに訊いたドラゴンアップルといのは、ドラゴンが主に食すリンゴである。文字通りと言えば文字通りだ。これはドラゴンアップルを主食にするような種のドラゴンの為に栽培している。これが無いと絶滅してしまうというのだ。もともと、俺自身もドラゴンアップルは興味を持っていたし、その木を所有していた。そして、それはこの龍王タンニーンがこの世界のヌシになっている理由にもなっている。そのことは話すと長くなるが、簡単に言えばドラゴンアップルを主食とするドラゴンの種の長がタンニーンにドラゴンアップルの数が減少していたことを伝えたて助けを龍王に求めた。そして、そのことが広まって俺の元へタンニーンが自ら来たというわけだ。当時、俺も驚いたものだ。

 

「イッセーよ。来てさっそくで済まぬが、俺の仲間たちの相手をしてやってくれ。お前が来ていることを知れば、あいつらも喜ぶだろう」

 

「ああ。わかった。いつものところだろ?じゃあ、さっそく行ってくる」

 

 俺は魔法で空に浮き、とんでその場所へ向かった。

 タンニーンはドラゴンアップルを主食とするドラゴンたちのほかにもタンニーンについてきた別種のドラゴンもいる。妹たちと同じ上級種のドラゴンもいる。タンニーンは龍王であり、王に向いているようなドラゴン。その証拠にドラゴンたちを保護しているのだ。そして、ドラゴン界でその噂はどんどん広がって自らタンニーンの元へ来るドラゴンもいたりするほど。おかげで今ではかなりの数のドラゴンがタンニーンのもとに居る。これは凄いことだ。いや、ほんとに。ドラゴンはその力故、力のあるものを引き付ける。しかし、これはそんな言い伝えによるものじゃない。タンニーンのこの勇猛さとやさしさがあってこそだ。

 タンニーンと会った場所から少々飛び、いつもの場所にやってくる。

 しかし、その場所には、ドラゴン一体たりともいない・・・・いや、これは・・・・・・

 ババババババッ!!

 突然、俺の周りから数十体のドラゴンたちが一斉に現れた!姿を隠していたようだった。

 一斉に俺にとびかかってくるドラゴンたち。

 一体一体の攻撃が俺に届きそうになる。しかし、俺はギリギリまで引き付けて一気に上方へ回避する。

 俺の姿を見失ったドラゴンたちはキョロキョロと索敵をするが、一体のドラゴンがすぐに俺に気づいた。

  

「上だっ!!」

 

 一体のドラゴンが声をあげたことで全員が俺に気づく。

 と、直ぐに俺を追って翼をはばたかせ、俺のもとに猛スピードで猛追する。中々の速さだ。

 

「良いスピードだ・・・・しかし、俺にそのスピードは逆に格好の的だ」

 

 俺はスピードを見極め、逆に相手の懐に潜り込む。

 ドラゴンの体は総じて巨大である。このドラゴンたちもタンニーン程とはいかないがかなりの大きさだ。だが、大きい故、ふところは弱点となる。

 ドゴッ!!!

 俺は鋭い一発を浴びせる。

 

「グヌッ!!」

 

 俺の攻撃を受けたドラゴンのくぐもった声が聞こえた。攻撃を受けたドラゴンは真下に落ちていく。

 ドがッ!!!バキッ!!!

 俺は立て続けに来るドラゴンたちを蹴りと拳で落としていく。

 

「おまえら、スピードはかなりいい。が、懐に潜られたときに対処がなってないぞ」

 

 俺が奴らに指摘してやる。

 奴らはめげず、俺に立ち向かってくる。

 流石はドラゴン。いや、この程度で参るわけがない。

 

 「ヌゥン!!!」

 

 ドッ!!

 と、俺に巨大な拳が振り下ろされる。俺はそれを素手で受け止めるが、とても重い一撃だ。魂の乗ったいい一撃だ。

 俺はカウンターとばかりに突きを浴びせる。しかし、それをガードされ、有効打にはできない。俺の一撃をガードしたことで俺たちは互いに距離が出来た。こいつが、この中では一番の有望株である。そして、また互いに距離を詰める。ほかのドラゴンたちも俺に向かってくるのであった。俺とタンニーンの元にいるドラゴンたちの戦いは始まったばかりであった――――――――

  

 

 ――――◆◇◆◇◆――――

 

 

 ドライグSIDE

 

「んじゃ、一先ず行ってくる」

 

 イッセーはタンニーンに頼まれてすぐに行ってしまった。ホンとに、戦い好きなのは相変わらずよね。イッセーらしくて何よりだけど。

 

「にーたん、いっちゃたぁ」

 

「そうだね~」

 

 妹たちはだんだん小さくなってゆくイッセーの背中をじっと見つめていた。私はイッセーに代わって妹たちに伝えた。

 

「ほら、みんな。お母さんとお父さんのところに行っておいで。久しぶりに我が子の姿を見せてあげて」

 

「「「「うん!」」」」「「は~~い」」「行ってまいります」「・・・わかった」

 

 妹たちは嬉しそうにそれぞれお母さんとお父さんのもとへ向かっていった。ドラゴンとはいえ、何も無から生まれる存在ではない。必ず、親というものは存在する。私たちを除けば・・・・・そもそも、私の生みの親なんて知らないけどね。自分がどうやって生まれて、どうやって育ったかなんて記憶にない。そうおもうと、ルルやユキたちが羨ましく思うこともある。妹たちは幼くして親元を離れていった。しかしまだまだ、子供だからね。親のもとに行きたいはずだ。

 妹たち全員が親の元へ向かい、ここにいるのは私、ティア、そしてドラゴンの姿のままのタンニーンだけ。タンニーンは意外って顔をしながら口を開いた。

 

「にしても・・・・ドライグ。お前があのように子守をするようになるとは思ってなかったぞ。変わったものだな、ドライグよ。昔のお前からは想像できない姿だ」

 

「そうだな。なんというか、おしとやかになったと言えばいいだろうか。女らしさが極まったともいえるか」

 

「ちょっ、何よ、二人して・・・・・・」

 

 その話題には極力触れたくない・・・・・・昔の私はあれだ・・・・・いわゆる若かった。

 私は昔、つまり肉体があったころの自分を思い浮かべる。

 

「まあ、いいさ。こうしてまたこのメンバーでこのように落ち着いて話をするようになれるとは思ってなかった」

 

「タンニーンの言う通りだ。とくに、ドライグ。お前が滅ぼされて神器にされたと聞いてたときはもうこのようにして会うことはできないのか、と思ったものだ」 

 

 ティアとタンニーンが口をそろえて言った。

 二人の言った通り、私たちは昔もこうしてよく会っていた。ティアは同じ雌のドラゴンとして仲が良かった。タンニーンは昔からなんというか、気が合う中で、ティアほどじゃないけど会う時もあった。タンニーンはほんとにいいドラゴン。ホンとにドラゴンなの?っていうくらい紳士的な性格をしているの。イッセーみたいにね。私は赤龍帝だからアルビオンやほかの龍王たち、そして・・・・邪龍とも面識あるけど、他のやつらとは一線を画くわね。あ、でもアルビオンはまっすぐな奴だったわ。一度は滅んだ身であるけれど、こうしてまた肉体を持ち、自身の目でこの二人を見ることが出来るようになった。

 

「ええ・・・・・これも、イッセーのおかげね」

 

 一度滅んだ私を現世に復活させたのはほかの誰でもないイッセーだ。

 しかし、イッセーは当然ノーリスクでそんなことを出来るわけではなかった・・・・・まあ、それ花がかくなる話だからまたの機会かな。

 

「確かに。それのことといい、ドラゴンアップルのこといい、俺は龍王と称される身でありながらイッセーに借りを作ってばかりだ。いまだ、その借りを返せないでいるからな・・・・・」

 

 と、タンニーンが珍しく弱気でいる。  

 とは言っても、イッセーの性格からすれば借りを返すなんて言っても気持ちだけ受け取っておく、と言いそうなのよね。

 

「まあ、たまにイッセーの相手してあげたら?戦い好きだから」

 

「俺にはそれくらいしかできそうにないな」

 

 私がタンニーンに出来そうなことで最も効果のあることを助言する。タンニーンは苦笑いしながらそういうのであった。

 この後、私たちは少々このメンバーで会話をすることとなった。

 

 

 ―――◇◆◇◆◇―――

 

 

 イッセーSIDE

 

「ふぅ・・・・・・」

 

 タンニーンのところにいるドラゴンたちとの組み手を終え、この見た目麗しい景色を見ながら休んでいた。

 その休んでいる俺のもとへやってくるドラゴンが一体。

 

「イッセー殿。お久しぶりです。先ほどはありがとうございます」

 

 後ろを振り返ると、先ほどの組み手で最も最後まで続けていたドラゴン。もっとも将来が有望視されているドラゴン。

 

「ああ、いいってことよ。ボーヴァ」

 

 このドラゴンの名はボーヴァ。タンニーンの実の子供であり、次男だ。タンニーンほどではないとはいえ、その逞しく、大きな体躯。父親譲りのその火の息(ブレス)は中々の威力だ。これから鍛えれば、もっとその威力は増すだろう

 タンニーンは長男、次男、長女と次女の四人の子供がいるが、ボーヴァはタンニーンの血を最も濃く受け継いでいるためなのだろうが、四体中最強だ。おそらくは次期龍王候補になれるだろう。今のボーヴァの強さは最上級悪魔クラス、熾天使クラスといったところか。流石はタンニーンの息子だ。今の時点での実力も申し分ない。さらには戦い好きだ。

 

[これまた誰に似たんだかな?]

 

 俺の中にいるニトラがまたもや茶化してくる。

 俺だと言いたいのか?まあいいか。

 

「ボーヴァ。さらに力を付けたな。このままいけば、龍王候補に名をあげられるだろう」

 

「ありがとうございますっ!イッセー殿が修行相手になってくれたおかげです」

 

 ボーヴァはこんな感じで昔から慕ってくれている。いわゆる弟って感じなのだろうか。タンニーンの子供四人の中で一番こういった付き合いが深い。まあ、俺に似て戦い好きだからだろうがな。

 にしても、おそらく有名なドラゴンの中では家族を持っているドラゴンはタンニーンしかいない。まあ、あのタンニーンの性格だ。それはそれは雌のドラゴンたちにはモテモテだろうさ。同族を助けるために奔走するような奴だ。まさしく、『ドラゴンの王様(キング・オブ・ドラゴン)』だ。ちなみにタンニーンの奥さんもそれはそれは別嬪さんだ。龍王、魔龍聖(ブレイズ・ミーティア・ドラゴン)、タンニーンが選んだ番だ。きれいなのは当然だ。ドラゴンは女好き。オスは必ずといっていいほど複数のメスを番にする。しかし、タンニーンは愛妻家。奥さんもただ一人だけだ。どこまでも紳士だ。俺も、見習うこともたくさんある。俺よりも長い時を生きているからな。

 

「そうか、これからもよろしくな。ボーヴァ。」

 

「ええ、こちらこそ」

 

 ボーヴァといつものように話していると、こちらに三体の非常に強い気配が使づいてきていた。

 

「お前たち、手合わせは終わったか?」

 

「親父・・・」

 

 とここでボーヴァの父親、タンニーンが来ていた。ドライグもティアも一緒だ。

 

「ああ。タンニーン。数十分前くらいにな」

 

「いつもすまないな。」

   

「いいさ。それに、タンニーンの子息の成長をみるのも面白いもんさ」

 

「それについても感謝している。あの荒くれ者だったボーヴァがここまでおとなしくなったのはイッセーのおかげでもあるからな」

 

 タンニーンがそういうと、ボーヴァは照れたように顔をそむける。父にそう言われるのは何かと恥ずかしいのだろう。

 

「ボーヴァ。逞しくなったじゃない」

 

「ドライグ殿。赤龍帝のあなたにそう言われるのは光栄です」

 

 ドライグの言葉にボーヴァは頭を下げる。赤龍帝はドラゴンの中でもトップ中のトップ。憧れの存在らしい。ボーヴァもドライグには嬉しそうな、羨望の眼差しを向けていた。

 

「ドライグ殿とティアマット殿ではありませんか!!」

 

 ドライグとティアがいることで回りからどんどんタンニーンのもとにいるドラゴンたちが集まってきた。ドライグやティアは雌のドラゴンで最強の存在。ドラゴンの世界では有名なだけではない。その美しさと強さゆえに憧れの的だとか。雌のドラゴンたちからは尊敬と羨望の眼差しを向けられ、雄たちはみんな狙っているらしい。これは全てドラゴンに詳しいタンニーンから聞いた話だ。なるほど。周りを圧倒するような存在には自然と群がる。人間もドラゴンも、それについては一緒だ。次々と集まってくるドラゴンたちにティアはそうでもないが、ドライグはあたふたしている。

 

「タンニーン、これからドラゴンアップルの状況確認と少し収穫をしたいのだがいいか?」

 

「構わないぞ。ドライグ、ティア。しばらくそいつらの相手をしてやってはくれまいか?全員、お前たちには会いたがっていた者も多いのだ」

 

「ええ、いいわよ」

 

「やれやれ・・・」

 

 ドライグはタジタジだったがタンニーンの旨に応えた。ティアは半分呆れた様子だった。

 

「では、イッセー。行くとしよう」

 

「ああ」

 

 俺はタンニーンと並んでドラゴンアップルの育成地へと向かった。

 

 

 

 

 

 ――◇◆◇◆◇――

  

 

 

 

 セ-イチSIDE

 

「すっげぇーーーー!!」

 

「おっきいですぅ」 

 

 思いもしないトラブルがあったが、俺たちは何とかリアス部長の実家に到着することができた。アザゼルせんせーはサーゼクス様たち、お偉いさんがたの会合があるとかで魔王領に行った。

 にしても、このデカさよ!!部長の家デカすぎだって!!もう城だよ、城!!豪邸すぎぃ!!

 

「おかえりなさいませ、お嬢様、眷属の皆様方」

 

 バカでかい城門を開くと、グレイフィアさんが居た。

 

「ではどうぞ、お進みくださいませ」

 

 そういわれて俺たちはレッドカーペットの上を歩いていく。その両脇にはメイドさんたちと執事さんたちがずらりと家の入口までずらっと並んでいた。いったい何人の使用人さんたちがいるんだ・・・・・多すぎでしょ。やっぱ、上級悪魔って凄いんだなぁ。

 歩いていくと、二人俺たちのことを迎えてくれている方がいた。一人は小さい少年。部長と同じ紅髪だ。もう一人は亜麻色の髪をもつきれーなお姉さんだ。

 

「リアスお姉さま!おかえりなさい!」

 

 と、紅髪の少年が部長のことをお姉さまと言った。なんだ?部長にサーゼクスさんのほかにも兄妹がいたのか?

 

「ただいま、ミリキャス。大きくなったわね」

 

 部長はこちらに走ってきた少年を抱きとめて頭をなでながら笑顔で言った。

 

「部長、この子は?」

 

「この子はミリキャス。お兄様の子供よ」

 

 ええ!?兄妹じゃなくて!?サーゼクス様の、魔王様のお子さんでいらっしゃった!!

 

「おかえりなさい。リアス」

 

「はい、ただいま戻りました。お母さま」

 

 ・・・・・・・・え?お母さまぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!!若すぎるっ!!若すぎますよ、部長!!

 

「ええ!?お母さまって、ほとんど部長と変わらない女の子じゃないですかぁ!?部長のお姉さんではなく!?」

 

「あらあら、うれしいことを言ってくれますわね。褒めても何も出ませんわよ?」

 

 おっと、あまりの興奮につい口が滑ってしまった。そういう系のものを見すぎてしまった!

 部長の母君は頬に手を当ててほほ笑む。うん、その姿も可愛い。

 

「セ-イチ。悪魔はね、魔力で見た目を自由に変えられるのよ。」

 

 な、なるほど。理解いたしました。部長。

 

「ところでリアス。先ほどの報告について調査結果が出たわ。当事者のあなたにも話しておくよう、上層部から指令が出たわ。眷属全員を連れていらっしゃい。まあ、こちらに来たばかりだから、後でいいわ」

 

「わかりました」

 

 部長のご家族とのあいさつはこれくらいにし、俺たちは一先ず荷物を置いて休憩した後、大広間に集合となった。

 

 

 ―――●〇●―――

 

 

「使えなくなった、ですか・・・・・?」

 

「ええ。壊されてはいないそうです。しかし、その中に入ることができなくなったり機能が停止しているとのこと。次元を超えるあの列車も事実上使用不可です」

 

 部長のお母さま、ヴィレナラさんからそう伝えられた。俺たち全員困惑している。俺たち部長の古参眷属の皆はなおさらだ。

 

「復旧はできないのでしょうか?」

 

「それは不可能と言われたのよ。なんでも、悪魔が入ることのできないような神聖な結界までご丁寧に張ってあるとのことよ」

 

 そんな・・・・結界まで・・・・・

 俺たち悪魔は弱点がある。それは神聖なもの。その神聖なものといえば光力が代表だ。でも、光を扱う人たちである天界勢力はもう和平を結んでいる。教会の戦士たちがするはずもない。つまり・・・・・・

 

「三大勢力以外のどこかの勢力の仕業とみるべきね」

 

 部長が俺と同じ見解を示した。その考えにヴィレラナさんも首を縦に振って肯定した。

 

「そう考えるのが妥当と言えるでしょう。とは言っても、場所が場所だから犯人は絞れるかどうかわからないわ。リアス、眷属の皆さん。あの地域に心当たりのある人物はいますか?」

 

 ヴィレラナさんに問われて俺たちは考え込む。しかし、案外俺は早くにその人物が浮かんだ。

 

「たぶん、あの魔法使いが怪しいかもしれません」

 

「あの魔法使いとは?」

 

「アザゼルが会談に呼んだ魔法使いよ、お母さま。コカビエルが襲撃してきたとき、やつはコカビエルと戦ったの」

 

「なるほどね・・・・確かにあるかもしれません」

 

 この後俺たちは意見を交しあったが結局、俺たちの結論はその魔法使いが怪しいと結論が出た。しかし、どこにいるか不明なため、引き続き調査と警戒をすることになった。

 その後、俺たちはリアス部長のお父さんも含めたディナーとなった。




はい、ということですた。
大変おこがましいことですが、もしこのお話にOPとEDを付けるとしたら、OPはハイスクールDDアニメ一期のOP"innocent of D"、EDは"a silent voice"ですねかね。"a silent voice"を歌うのはドライグ(声優誰やねん問題(笑))。

―――――――――――――――――――――
 設定ミニコーナー

 ”アナザーワールド”
*イッセーが構築したもう一つの世界。
*広さは人間界の十倍。環境は人間界と同じような構成になっているが、厳しい環境もちらほら。
*今現在は龍王タンニーンがこの世界のヌシである。

 ”ボーヴァ・タンニーン”
*みんなご存知、タンニーンの息子。
*次男というオリジナル設定。
*現時点での強さは、指標で表すと、ボーヴァ≦最上級悪魔クラス≒熾天使クラスといったところか。

 ”魔龍聖タンニーン”
*龍王序列三位(独自設定)。
*聖書に記されしドラゴンの一体。ただし、悪者として描かれている。
*別嬪さんな妻をもつ愛妻家。
*男二人、女二人の四人の子供を持つ。
*どこからかイッセーの噂を耳にしてイッセーのもとを訪れたため、悪魔にはならなかった。悪魔にはならなかった(二度目)。
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