ハイスクールD×D ―魔法使いと龍―   作:shellvurn 次郎

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はいどうもこんにちは。
ずっと言っていたIF、短編集を投稿いたしました。もうすでに二話投稿しています。見ていただけたでしょうか?まだ見ていない方、良かったらそちらもお願いします。現在、IFルートである悪魔√の話です。封印から復活した人物とは?その正体は次で分かるかと思います。ただ、ほんとにIFというより別の作品という感じなので、もしかしたらタイトルを変更するかもしれません。

また、投稿からもう一年が経ちました。早いものですね。見ていただいている皆様に感謝を込めて、どんどん投稿していきます。



追記9/17 IF,短編集を更新。新作投稿。


No,XXXIX ~収穫~

 アザゼルSIDE

 

 俺は、この冥界に足を踏み入れた。初めてだ。悪魔のルートから正式に入るのは。俺は間もなくしてサーゼクスたち魔王たち、加えて上層部、ミカエル達天界勢力、そして俺たち堕天使勢力の会談を行っている。

 

「ふむ・・・・・・禍の団(カオス・ブリゲード)か・・・・・」

 

「それでけでなく、今代の白龍皇にして、旧魔王の血を引く者、ヴァーリ・ルシファー。そしてその仲間である闘戦勝仏の末裔である美猴か。それに加えて、まだほかにも構成員がいるという話ではないか。いやはや、とんでもない脅威ですな。我々にとっては」

 

「その通りだ。厄介極まりない。あの時のように白い龍は敵になった」 

 

 現魔王政権の上層部の上級悪魔がこの現状をそう視る。

 確かに言う通りだ。わかってはいた。あいつは力と強敵を求めている。いつだってそうだった。いつか、俺のもとを離れていくことは。しかし、今となっては禍の団(カオス・ブリゲード)の一員にまでなっている。

 

「アザゼル殿。此度の件、あなたはどう視る?聞けば、ヴァーリ・ルシファーはあの会談までの間、あなたのもとにいたという話ではありませんか?」

 

 上層部の上級悪魔の一人が俺に訊く。オブラートに包まれてはいるが、遠回しに身内の反乱をどう落とし前を付けるんだ?とでもいうような意図をこの質問には見られるな。ほかの上級悪魔の面々も同様の視線を俺や、堕天使勢力に向ける。まあ、昔から変わらん古き悪魔たちだ。

 

「それについては済まなかった。あいつが、ヴァーリが裏切ることを予想していなかった。まあ、ここで何を言っても仕方がない。だから、あいつに対抗できる者を育てる。」

 

「それが、紅炎龍児か」

 

「ああ。あいつはまだまだだが、鍛え方によっちゃ、化けるかもしれん。あいつが、対白龍皇の切り札だ。」

 

 俺は堕天使総督としての回答を言う。相手方は何も言ってこない。まあ、少しは納得してもらえただろう。

 

「皆さん。白龍皇も十分脅威ですが、もう一人、脅威になろうとしている者がいます。それも、私の妹が管理している地に」

 

「それが、報告にあった魔法使いというものですかな?サーゼクス殿」

 

「ええ。名前はイッセー・ヴァーミリオンと本人は名乗りました。魔法使いであり、無所属です」

 

 サーゼクスは今後、新たな脅威になろうとしているあいつの説明を上層部の悪魔たちにしていく。上層部の悪魔たちはそれを聞き入っている。

 

「なんと、無所属・・・・・・はぐれ魔法使いというやつですな」

 

「嘆かわしい。そもそも魔法使いとやらは協会に所属するものではないのか?」

 

「メフィスト殿との協力も仰ぐべきか・・・・?」

 

「何にせよ、相手はたかだか魔法使い一匹。サーゼクス殿、ほんとにこの程度のやつが我々の脅威になるというのですか?」

 

 悪魔の上層部のやつらはそれぞれにしゃべりだした。だが、こいつらは一つ勘違いしている。魔法使いごときなどと侮っている。俺がその認識をただすため、発言する。

 

「魔法使いは魔法使いでも、イッセー・ヴァーミリオンだけは甘く見ないほうがいい。奴は、俺たち堕天使や天使にとって猛毒となるような光を蝕む闇の魔法を編み出していた。あれは、おたくら悪魔にとって光が毒であるように、俺たちもその闇という弱点を生み出されることになった。」

 

「なんと!?」

 

「それは真ですかな!?堕天使総督殿!?」

 

 驚愕、信じられない、といった表情をする面々。俺だってこんな話信じたくはない。しかしだ・・・・・・

 

「ああ。俺とミカエルとサーゼクス、セラフォルーはその目で実際に見た。さらには、俺とミカエルはその槍の特性を実際に喰らった。」

 

「ええ。実際に直接あたったわけではありません。魔法使いは私たちを囲むように地面に槍を打ち込みました。触れてすらいないというのですが、近くにあるだけで力が抜け、しばらく身動きが出来なかったほどです。もし、掠りすらしていたと思うと・・・・・・」

 

「それだけじゃねぇ。もし、そんなような魔法が禍の団(カオス・ブリゲード)や他の勢力に伝わりでもすれば・・・・・・」

 

「恐ろしい・・・・・考えたくもありませんな」

 

「なんということだ・・・・・・」

 

「皆さん、ひとまず落ち着いてください」

 

ざわざわとするこの会場。が、それを鶴の一声で沈めたのがサーゼクスだった。サーゼクスが一声上げると、全員が勝手なおしゃべりをやめてサーゼクスの方へ視線を向けた。

 

「状況は変わることはありません。我々は、一刻も早く三大勢力で連携を図り、脅威であるものに立ち向かわなくてはなりません」

 

 その言葉に、上層部の悪魔たちが賛同する。やはり、魔王というのはすげぇよな。それだけで束ねることができんだからよ。それに比べて、俺は情けねぇな。仕事は出来ねぇし、身内には離反されるわでよ。俺は神器しか知らねぇからな。俺は、俺にできることをするか。

 俺は、会談が終わってから明日から始まるグレモリー眷属の特訓のことを練りながら、あの魔法使いのことを回想する。あの凶悪で脅威なる魔法。それに加えて禁手(バランス・ブレイカー)状態のヴァーリと打ち合える体術。しかし、不気味だ。やつは、あれで本気だったとは思えねぇ。確証はない。だが、俺の感がそう言っている。あいつがまだ一匹狼状態だからまだマシだ。だが、あいつのような存在が、もし他の勢力のエージェントだとしたら・・・・・相当ヤバいぜ。こりゃ・・・・・

 

 

 ―――――◆◇◆◆◇◆―――――

 

 

 セ-イチSIDE

 

 昨日は若手の上級悪魔六人と眷属たちが一堂に会しての挨拶があった。みんな、個性的だったなぁ。一番驚いたのは、部長のいとこで、大王であるバアル家の次期当主、サイラオーグさんだ。会場で暴れる寸前だったヤンキーの兄ちゃんを拳で一撃で沈めたのはすごかった。鳥肌が立ったぜ。

 今日は初の冥界に降り立ってから三日目。俺たち部長とグレモリー眷属は全員、グレモリー家の広い庭に集合していた。みんなジャージ姿だ。昨日のあいさつではシトリー眷属とのレーティングゲームが決まったのだ。それに向けて、皆気合が入っている。もちろん俺もだ。ライザーのときは無様な醜態をさらしちまったからな。ここで、いっちょ挽回したい。

 と、ここで何やら資料やデータをもったアザゼルセンセーが来た。

 

「よし、全員揃ったな。お前たちにまず言っておくことがある。これは、将来を見据えてのトレーニングだ。効果が表れるには個人差がある。ただ、方向を見誤らなければ、お前たちは必ず成長する。まず、リアスからだ」

 

 最初に呼ばれたのは部長だ。アザゼルセンセーが部長にアドバイスをしていく。部長はやっぱスペックが高い。基本が中心らしい。それだけでも十分なんだと。さらにはレーティングゲーム特有のルールだったり戦術を覚えるらしい。キングだからそういう要素もいるんだな。

 

「次は朱乃だ」

 

 次に呼ばれたのは朱乃さん。しかし、朱乃さんはアザゼルセンセーの言葉に顔をしかめた。朱乃のそうなる理由は知っている。朱乃からその秘密を話してくれた。朱乃は、堕天使の血を引いている。ただ、色々な事情があるらしい。だから、今までその光の力を使わなかったんだとか。しかし、受け入れなければならないと一番わかっているのは朱乃さん本人のはず。俺は朱乃さんを信じる。

 この後、木場、ゼノヴィア、ギャスパー、アーシア、小猫ちゃんの順に指示を出していった。流石、アザゼルセンセーだ。みんなに的確なアドバイスをしていっている。これが、長く生きてきた強者なのだろうか。

 

「最後に、セ-イチだ。」

 

「は、はい」

 

 待ちに待った俺の番だ。さあこい!どんな修行でもやってやるぜ!!

 

「お前はだな・・・・・・ああ、もうちょっと待ってろもうすぐ来るはずだ」

 

 ガクッ!

 なんだよ!せっかくやってやろうと意気込んでいたのに、待ってろだなんて!

 しかし、その時だった。

 地面に魔方陣が出現した!な、なんだ!?この魔方陣!!なんかすっげぇぞ!!見たことねえ!

 

「あ、アザゼル、この魔方陣はまさか・・・・・」

 

「ああ、そのまさかだ」

 

 部長はだれだかわかったようだ、誰だろう?

 すると、魔方陣から二人の人影が現れた。だ、誰だ?一人はたぶん男。もう一人は女だ!

 

「はぁい、アザゼル。久しぶりね。元気してた?」

 

「ああ。お前こそ、変わんねぇな、ソフィア」

 

 アザゼルセンセーはソフィアっていった。女の人の名前がソフィアさんかな?

 

「アザゼル。よくもまぁ、悪魔の領域に堂々と入れたもんだな。」

 

「へっ、魔王には許可とってあるぞ。ベオ」

 

 男の名前はベオらしい。

 にしても、美男美女だなぁ。女の人はすっげぇ綺麗だ!!ピンク色の綺麗な髪。さらにはユルふわウェーブがかかっててとっても大人っぽい!そしておっぱい!服の上からでもその存在感が伺える!逆に男の人の方はイケメンだ!直観だけどたぶん木場よりもだ。女の人と同じピンクの髪。薄着だからわかる筋肉。でも細い。なんていうか、こう・・・・・余分な筋肉がないって感じ。くそぅ!!こんだけイケメンだったらさぞかしモテるんだろうなぁ。

 女の人のほうへ視線を戻す。すると、俺の視線に気が付いたのか、女の人は笑顔で手をフリフリと振ってくる。か、かわいい・・・・・・男は俺のことをにらんできた。な、なんだ・・・・・?もしかして、この二人は恋人なのか?

 

「セ-イチ。紹介するぞ。これから、お前の先生になる二人。女の方はソフィア・ソルーネ・サタン。男の方はベオグラード・サタン。二人は姉弟だ。番外の悪魔(エキストラ・デーモン)の筆頭格にして、最上級悪魔達の頂点に立ち、そいつらを束ねているといってもいい存在。現最上級悪魔、サタン家の長男と長女だ。ベオグラードはサタン家の次期当主。これから、修行日最後まで、この二人が修行相手だ。」

 

「ソフィア・ソルーネ・サタンよ。よろしくね。今代の紅炎龍児(エヴォリュシオン・ドラゴン)君。私のことはソフィアでいいわよ?」

 

「・・・・・・ベオグラード・サタンだ」

 

 え・・・・・・・えええええええええぇぇぇぇぇ!!!!!

 この二人を相手に!!

 いやいやいや、まずサタン家って!!!!!

 

「あのぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!?!?あのサタン家ですか!?!?」

 

「おうよ、正真正銘のサタン家だ」

 

 驚きのあまり声が出た。

 番外の悪魔《エキストラ・デーモン》。まえ部長にいろいろ教わった。ソロモンの悪魔のほかに原初の悪魔がいるって聞いた。サタンはそれの直系。つまり、原初の悪魔といってもいい存在!そんな方が、俺の修行相手ぇぇぇぇぇぇ!

 俺はあんぐりと口を開けて驚いていると、アザゼルセンセーが説明を続ける。

 

「安心しろ。二人とも、とんでもなく強ぇからな。女のソフィアでも、お前を軽く捻りつぶせる強さだ。最上級悪魔最強の姉弟だ。おそらく魔王と同じクラスかそれ以上だ。良かったな、セ-イチ。この二人が修行相手なんて幸せもんだ。」

 

 ななな・・・・・・・なんだってぇ!?最上級悪魔最強!?いやいやいやいやいやいや!!!!!死んじゃう!おれヨユーで死んじゃう!! 

 

「というわけで、よろしく頼むぜ。」

 

「まあいい。今回はほかでもない魔王サーゼクス様の頼みだからな。そこんところ、わかってるよな?堕天使総督殿?」

 

「ああ、わかってるって」

 

「私は、そうでもないけどね」

 

「姉上、魔王様からの頼みは俺一人のはずでしたのに、なぜついてきたのです?」

 

「私は興味あったのよ。今代の紅炎龍児(エヴォリュシオン・ドラゴン)君に。ほら、何かと伝説のドラゴンが悪魔側に来たのは初めてじゃない?」

 

「まあいいですけど」

 

 俺が殺されないか心配しているのを尻目に会話が進んでいっている。

 

「お久しぶりです、ソフィア様、ベオグラード様。」

 

「久しぶり、リアスちゃん。大きくなったわね。それに綺麗になったわ」

 

「お褒めのお言葉、光栄ですわ。ソフィア様はお変わりなく」

 

 ん?口調からして部長は顔見知りだったらしい。

 

「おい、リアス。あそこら辺の山、更地になるかもしれんがいいか?」

 

「構いませんわ、ベオグラード様。セ-イチのことをよろしくお願いします。存分にしごいてあげてください」

 

「ああ。そうさせてもらう。おい、クソガキ。行くぞ」

 

 え?もうですか!

 

「セ-イチ。がんばって。私は、あなたが生きて帰ってくることを信じているわ」

 

「ぶちょぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!!!!それ、死亡フラグですぅぅぅぅぅ!!!」

 

 俺はベオグラードさんに首根っこをつかまれ修行場所に連行されていったのであった。

 

 

 

 ―――――◇◆◇◇◆◇―――――

 

 イッセーSIDE

 

 ボーヴァやタンニーンのところにいるドラゴンたちと手合わせした後、俺はタンニーンたちに譲渡したドラゴンアップルの栽培されている場所へ向かった。さっき戦闘をしたところからは大体数十キロ離れているところにある。当然、ドラゴンたちが戦うようなところに生えていたら、一瞬で消滅してしまうからな。ドラゴンアップルの植生地では基本緊急事態でなければ戦闘行為は禁止である。タンニーンの後を追いながら空を飛んでいくと、だんだんとドラゴンアップルの木々が見えてくる。赤い大きな実を実らせている。この位置でもこれくらい赤いのがわかるってことは今年も豊作だな。

 俺とタンニーンはドラゴンアップルの栽培地へと足を踏み入れた。ずらっと規則的に並べられたその木々。そしてその木々すべてに赤い実が実っている。そして、ドラゴンたちがせっせこと農業を営んでいる様子がうかがえる。この作業をしているドラゴンたちはタンニーンのもとにいるドラゴンアップルを主食とするドラゴンたちだ。このドラゴンたちはあまり戦闘を得意としていない珍しい部類。たまに突然変異体として強い個体が現れる時もあるが、基本はそこまで強いというわけではない。すぐに討たれてしまう。タンニーンはそれもあってここで保護もしているわけだ。

 俺とタンニーンがそのドラゴンアップルのなっている農地を歩いていると、作業しているドラゴンたちがこちらに気づいた。

 

「タンニーン様、おかえりなさいませ。イッセー殿、ご無沙汰しております」

 

「おう、今年も豊作だな」

 

「ええ。おかげ様です。それと、今年はイッセー殿にぜひ見せたいものが」

 

 見せたいもの?なんだろうか。

 

「ああ、それについては俺が案内する」

 

 タンニーンは意図をくみ取ったかのように言った。

 

「イッセー。まずは、収穫だろう?こっちだ」

 

「ああ、分かった。」 

 

 俺はタンニーンについていく。少し歩いて、俺はこの広大な農地の中ほどのドラゴンアップルの木々の前に立った。

 

「ここだ」

 

「ああ、ありがとうタンニーン。すまなかったな、俺の頼みに答えてもらって。大変だったんじゃないか?」

 

「なに、これくらい構わないさ。俺としても、ドラゴンアップルを品種改良してこれらを主食としないようなドラゴンたちも食べられるような品種にするのも一興だったさ」

 

 俺はタンニーンに頼んで、フツーのドラゴンたちにも美味に感じられるようなものに一部を改良してもらったのだ。ただ、それは少し語弊がある。品種改良前のドラゴンアップルが普通のドラゴンたちの口に合わないというわけではない。そもそも飲食をしないドラゴンも多数いる。人間は、何かを口にすることでエネルギーを得ている。だが、ドラゴンは違う。力の塊である龍種は、自身の体内で勝手にエネルギーが生産される。よってかなり偏食な奴もいるわけだが。今回タンニーンに頼んだ品種改良は、ドラゴンアップルを主食とするドラゴン向けであるドラゴンアップルの原種を全てのドラゴン向けに、オールマイティーにしたわけだ。かといって、特別見た目は変わっているわけではない。

 俺はドラゴンアップルを収穫していく。ドラゴンアップルの木々はもちろんドラゴンと名前に付くだけあって人間を遥かに見おろすほどの大きさをもつ大木である。その実も、人間界のリンゴとは比にならない大きさだ。しかし、今回はさらに品種改良をしてもらって、人間界のリンゴのサイズレベルまで小さくしている。家には人間の姿のドラゴンしかいないからだ。それに、このサイズなら保存、加工も楽ちんだ。今までは少し苦労していたが、これで、お菓子やジュースに簡単にできるからうれしい。

 

「ドライグや妹たちに振舞うのか?」

 

 収穫している俺の姿を見ながらタンニーンは俺に尋ねた。

 

「ああ、まあな。タンニーンもどうだ?いつも妹たちはおいしいって言ってくれて評判なんだぜ」

 

「おお、それは是非食べてみたいものだ。俺のもとにいる者たちにも」

 

「ああ。わかった」

 

 俺はこのドラゴンアップルで作るものを考えていると、俺のところに近づいてくるものが一人。

 

「あ、イッセー。こっちに来てたんだ」

 

「ああ、アーシャ。久しぶりだな。」

 

 ゴスロリドレスを見にまとい、こちらにスタスタと歩いてくる美少女が一人。背は小中学生くらい。ユキやアウローラより上ってところだ。容姿端麗なのは言うまでもないが、それに加えて雰囲気も普通ではない。綺麗な紫色の髪で、サイドを後ろで結んだお嬢様結びの髪型。澄んだ鮮やかな赤い瞳。幼さの中にも気品がある。この子の名は、アカーシャ。俺はアーシャと呼んでいる。この子はとある人物の実の妹。これが公表されたら世界を大混乱させる。それくらいとんでもない存在である。

 

「あ、お兄ちゃんたち、こっちに来てるよ?」

 

「そうなのか。あいつら、今何してるんだ?」

 

「さあ?たぶん暴れてるんじゃない?」

 

 あいつらとは、俺が昔に遭遇し、死闘を繰り広げた腐れ縁。以来戦っては互いに強くなっている。それなりに付き合いは長いほうである。

 

「ふん、全くあいつらは・・・・・・・あいつらレベルのやつらが暴れられたらこっちもたまったものじゃない。一人はいいとして、もう二人はな・・・・このドラゴンアップルがある地で暴れられなければいいが。」

 

「心配すんなよ、タンニーン。あいつらの手綱は、俺が握っておくさ。うまい具合にあいつらのガス抜きをしておく」

 

「ああ、頼むぞ、イッセー。もはや、あの存在を三人も手なずけているお前が全ての希望だ」

 

 龍王であるタンニーンがここまで邪険に扱うほどだ。もちろん、三人ともとんでもない強者だ。それこそ、今のタンニーンでは太刀打ちできないほどに。

 

「ああ。これの収穫が終わったら、久しぶりに顔を見に行くさ。タンニーン、悪いが、見せたいものは後で頼む」

 

「承知した」

 

「それじゃあ、私はユキやアウローラたちのところに行ってくるからね」

 

アーシャはユキやアウローラ、ルルたちをほんとの妹のように可愛がっている。俺としてもうれしいものだ。よくできた子であるユキやアウローラもアーシャには甘える面もあるのだ。

 

「そうしてやってくれ。みんな喜ぶよ」

 

 

 ―――●〇●―――

 

 

 

 ドラゴンアップルを収穫したあと、俺はドラゴンアップルがある農地から遠く離れた場所を飛んでいる。この世界は人間界にあるような環境をベースとしている。だから、危険地帯もある。見えてきた。目には火山地帯が見られる。その地帯に近づくにつれ、とてつもなく強大な邪悪なる気配が三体。俺は空中に停止した。噴火を続けている。そんな時だった。

 カッ!!

 俺の足元に十数個の突然魔法陣が出現する。その魔法陣からは手のようなものがわんさか現れ、俺の体をガッチリと掴み、動けないよう拘束される。

 

「チッ!」

 

 バリィン!!

 俺はこの厄介な魔法に舌打ちしながら、俺の対抗魔法術式破壊(グラム・レイザー)で魔法陣そのものを破壊する。簡単に破壊できたものの、この魔法は強度、規模、威力ともにあの時日本で戦った魔女の夜(ヘクセン・ナハト)の魔法使いとは比にならないものだ。魔法は破壊できたが、油断はできない。すぐに次の魔法陣がこちらに攻撃してくる。その攻撃は炎、氷の槍、光、暴風などの様々な属性の魔法攻撃。さらにその魔法は全て威力は計り知れない。あれだけの魔法を高い質で放っている。俺はそれをとっさに避ける。あの手に拘束されていたままでは確実に当たっていた攻撃であった。

 カッ!!!!

 そして、先ほどの攻撃はまるであいさつ代わりと言っているような魔法陣が現れる。俺の周囲、三百六十度、四方八方をおよそ六桁といった数の魔法陣が取り囲んだ。これぞ、八方ふさがりというべきか。それだけでない。空中にいるものだから、下そして上からもだ。魔法陣全てからはすぐに紫色の槍が飛んでくる。当たれば無事ではいられないレベルの槍が六桁!俺は白龍皇との戦いで使った魔法、倍加(ブースト)を使い、自身の力を上げる。これは、もちろん、赤龍帝の力だ。ドライグを神器から解き放った時、これを使えるようひそかに特訓しておいた。最初は自分の力を倍にするのにそれ以上の魔力を消費して割に合わないものだったが、改良を重ねた結果、ほぼノーリスクで使えるようになった。ただ、これを含めた赤龍帝の能力を模倣魔法を使いながら、他の魔法を発動するといった同時発動(マルチキャスト)はできない。

 俺は光速で飛んでくる槍を防御結界で守りながら、魔法陣を分解していく。

 ドオォォォォォォォォォン!!!!!!!

 槍が俺の防御結界に当たって一斉に大爆発を起こす。

 なんとか、耐えきったか。とっさに倍加魔法を発動しなければ危なかった。

 

「ハハ!!やはり、イッセーには不意打ちは通用しないか!!」

 

 煙が立ち込める中、俺の背後に楽しそうにしている声が聞こえた。この魔法陣を発動させた張本人だ。

 

「まあ、むしろこれくらいは当然だろう」

 

「フッ・・・・・・・・」

 

 俺が振り返ると、三人の人物が俺と同じ宙に浮いていた。この三人が、俺が言っていた腐れ縁。邪悪なる存在。人間の姿をしているが、もちろん、人間なんかじゃない。いわゆる、邪龍だ。

 

「よお、久しぶりだな。にしても、不意打ちとはやってくれるな、お前ら」

 

「ハッ!よく言うぜ。全て無効化してくせによ」

 

「さあ、始めようか・・・・・・」

 

 俺たちは一斉に互いに距離を詰めた。お互いは敵どうし。自分以外がだ。こうして俺を含めたこの四人でのバトルロワイヤルがスタートしたのだった。

 

  




はい、というわけでした。
さてさて、これでまた新たな人物が登場したわけです。これで基本となるイッセーチームが出そろいました。これから、どんどん進めていきますのでよろしくお願いいたします。短編集の方も随時更新していきます。てか、短編集に今投稿しているお話も、これと同じくらい長くなりそうですwこうなったら連載にチェンジしてもいいかなぁ。
感想、待っています。


――――――☆★☆★☆―――――――
設定ミニコーナー
 
 アカーシャ
*イッセーのもとにいる少女。
*ユキやアウローラたちの姉のような存在でもある。
*とある人物の妹(存在事態がとんでもない)。
*小学校高学年~中学
*見た目のイメージとしては天使の3P!に出てくる、紅葉谷希美。
 
 ソフィア・ソルーネ・サタン
*最上級悪魔、サタン家の長女。
*最強の最上級悪魔である。その実力は弟をしのぐ。
*悪魔にならなかったタンニーンの代わりに設定。
*今代の紅炎龍児であるセ-イチに興味がある模様。

 ベオグラード・サタン
*同じく、サタン家の長男。姉とともに最強姉弟と呼ばれる
*サタン家次期当主。
*同じく悪魔にならなかったタンニーンの代わりにセ-イチの修行相手になる。
*本来ならば、魔王になるべき存在であるサタン家の子息と言われている。
*名前は二人とも、現実の地名から。
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