ハイスクールD×D ―魔法使いと龍―   作:shellvurn 次郎

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どうも、こんにちは
超時空殲滅魔法です。
今回、イッセー君の初陣です。

楽しんでもらえれば幸いです。
では、どうぞ。
それと、悪魔さんたちには悪いがイッセー
にとって悪者です。
なので、悪魔が好きな人は注意


No,IV  ~覚醒と偽の力~

―イッセー SIDE―

  

 ・・・・僕は急いでいた。

 とにかく、自分が出せる全速力で――――――

 

 今日も鍛錬の為に朝から家を出て、家からある程度離れたいつもの鍛錬場所で魔法の練習をひたすら続けていた。最近になって、僕らをつけていたり、監視している奴がいるかもしれないと両親に報告しておいた。もちろん、確証はないし、僕だって自分の勘違いであってほしいと願っていた。

 

 しかし、現実はそうはいかなかったのだ。

 鍛錬をし始めてから数時間たったとき、僕はそれを感じ取った。ここからそう遠くないところでかなり強い力のオーラと波動が1人とそれよりも弱いが中々の強い力が7。

 ―――それによく知った2人の存在。

 間違いない!おとーさんとおかーさんが何者かに襲われている!!きっとここ最近つけてたやつだ!嫌な予感が的中した。やっぱり、勘違いじゃなかった。

 

 僕は落胆したが、そうは言ってられない。すぐに僕はその場へ、両親の元へと急行した。お願い!間に合ってくれ!

 そう心の中で叫びながら・・・・

 

 ―イッセーSIDE OUT―

 

 

――――――――――――――――――――――――――――

 

 

 

  ―悪魔SIDE―

   

 「ふぅ、始末完了っと。」

 

 「だな。いやしかし、良い体験だった。」

 

 「全くだな。」

 

 男の悪魔達はやることやった後、始末を終えたところだった。そこに力の一段と強い悪魔が現れ、声をかける。

   

 「アーマルク、始末は終わったか?」

 

 男はただずっと立っていた男に問いかける。

 

 「はい、この通りです。もう息はしていないでしょう。」

 

 「よし、ご苦労。」

 

 「しかし、良ろしいのですか?このまま放置しておいて、そのターゲットを待つというのは?」

 

 「なに、構わんさ。両親がいないとなれば、探しに来るだろう。先ほど、ターゲットの気配がした。こちらにもう向かってきている。ここで待ち伏せておけばいいだろう。」

 

 「なるほど。確かにそうすれば、我々がわざわざ探さなくても向こうから来てくれますからね。」

   

 男性悪魔はそういって納得する。

   

 「よし、ではターゲットがここに来たら、作戦を開始する。それまでは各自待機だ。」

 

 「「了解です。」」「「分かりました。」」

  

 主とみられる悪魔は指示を出す。

   

 「アイリーン、フェリア、居るか?」

 

 悪魔は指示を出すと同時に女悪魔を呼ぶ。

 

 「はい、主様。」「お呼びでしょうか?」

 

 すると、数秒と経たないうちに魔法陣から赤髪、金髪の二人の女性悪魔が現れる。

 

 「お前たちは結界を張れ。ターゲットが近づいたら、頃合いを見て発動させろ。それと魔法無効化結界は行けるか?」

  

 「はい、可能です。先ほどお時間がありましたので、魔力は回復しましたので。」

 

 「よし。では結界を張ったあと、戦闘になる。その時、こちらで時間を稼ぐ。その時に発動させよ。」

 

 「了解です。」「分かりました。」

 

 「頼むぞ。お前たちが今回の作戦の成功のカギを握っているんだからな。魔法使いの魔法を使えさせなくすることが出来ればこちらが圧倒的に有利になるからな。」

 

 「はい、お任せください、主様。」

  

 「このアイリーン、主様の為に全力を尽くします。」

 

 「よし。では作戦開始だ!」

 

 「「「「「「「はっ。」」」」」」」

 

 

 「――クックック、いよいよだな。これで俺も最上級悪魔の中でもさらに上へ、レーティングゲームの覇者への道も近づくぞ。クックック、アーッ八ッハッハ!!」

 

 作戦は成功すると確信したのか、男は顔を狂喜に染め、高笑いをし、森にはその男の笑い声が木霊した、、、

   

―悪魔SIDE OUT―

 

――――――――――――――――――――――――――――   

 

   ―イッセーSIDE―  

 

―――5分くらいで僕は力を感じ取った場所の近くに着いた。

   

 しかし、二人の、両親の気配が、力が全く感じられなかった。僕はますます不安に駆られ、周辺をくまなく捜索した。両親を見つけたとき、最悪の光景が目に映るかもしれない。そんなことが頭に浮かぶ。しかし僕は、両親が、二人が生きていることを信じて探し続けた。

 

 木や蔦をかぎ分け、進んでいくとちょっとした開けたところに出た。今まで鬱陶しい木々からようやく解放されたと思ったが、そこには僕にとって悪夢、絶対に見たくない最悪の光景が広がっていた。

 そこには、2人の人が倒れていた。血まみれの姿で。

 

 「おとーさん?おかーさん?・・・・」

 

 自然と声が出た。それはもう弱々しい、消えそうな声。そして僕は、そばに近寄った。

 

 「そんな・・・・どうして・・・おとーさん、おかーさん・・・・」

 

 見間違えようもなかった。自分の両親だった。血まみれで、鮮血は周りにも飛び散っている。二人とも、心臓を貫かれていた。しかも、おかーさんに至っては裸の状態で。さらに何か白い白濁液みたいなものが全身についていた、、、

 

 「酷い・・・クソッ、一体誰が・・・誰がこんなことを・・・なんの為に・・・」

 

 僕はいつも温かく帰りを待ってくれていた両親の変わり果てた姿にショックを受けざるを得なかった。気づいたら僕は泣いていた。涙が地面に滴り落ちる。それと同時に地面に膝をついた。

 

 「グスッ、ヒッグ・・・・おとーさん、おかーさん・・・・」

 

 余りのショック、そして絶望に頭が真っ白になり、手を地面について涙を流す。それしか今の僕には出来なかった。

 

 「アッハハハハハ! いい気味だなぁ!おい!」

 

 僕が哀しみのあまり泣いていると、突然後ろの方から僕を嘲笑う声が聞こえた。

 でも僕は後ろを振り返る余裕はなかった。

 

 「おいおいおーい!、シカトかよ!、ちょとはリアクリョンを返してくれよ~」

 

 さっきの台詞をほざいた奴は更に煽ってくる。だが、相手にしない。

 

 「おい、スポルコ、少し慎め。」

 

 「分かりましたよ、主。」

 

 今度は少しクールな声が聞こえ、先ほどの男を黙らせた。僕はようやく立ち上がり、後ろを振り返った。そこには、男女合わせて、8人いた。

 、、、まるで、僕を待っていたかのように。

 

 「よお、ようやく来たか。君を待っていたんだよ。」

 

 やはり、僕を待っていた。まあ、この人たちは隠れている気は無かったようだけど。

 僕は口を開く。

 

 「ねえ、お前たち、誰?」

 

 「貴様っ、口の利き方に気を付けろ!誰に向かってお前と言ってやがる!」 

 

 「まあ、落ち着け、クライザー。」

 

 「しかし!」

 

 「クライザー、主もこうおっしゃっているのです。落ち着きなさい。」

   

 「はあ、分かったよ。」

 

 一人の剣士が男を諫めると、リーダー格の奴が口を開く。

 

 「さて、まずは先ほどの質問に答えるとしよう。俺の名はアヴァディーダ、アヴァディーダ・マモン。最上級悪魔だ!」

 

 そう名乗った男は先ほどの口調とは打って変わって激しい口調でそういう。

 

 「悪魔・・・・悪 魔(デーモン)か・・・それで何故悪魔たちがここに来たの?」

 

 それと、マモンといったか?確か、ソロモンの72柱の悪魔の名にマモンという名は無かったはず・・・・何者だ?だが今は名などどうでもよかった。ただ僕は真相を知りたかった。

 

 「それはだなぁガキ、おめぇをよ、俺の眷属にするためさ!!」

 

 「眷属・・・・だって?この僕を?」

 

 殺すつもりが無いらしい。その代わり眷属という言葉が出てきた。僕は復唱した。

 

 「ああ!そのとおり。」

 

 「何故、僕が?」

 

 「ああ、お前は俺から見てもとんでもない潜在能力を持っているんだ。俺はそのちからを使いたいのさ。その力を使って俺は最上級悪魔の中でもさらに上を目指すのさ。最上級悪魔でも強い弱いはあるからな。だとすれば上にのし上がった方がいいだろう?勿論、他にも目的はある。最近流行りつつあるレーティングゲームもな。それで活躍出来ればさらに評価を上げられるってわけだ。そーいうわけで、将来有望なてめぇに目を付けたってわけよ!!」

 

 男はご機嫌で話した。全て自分の為だった。それには嫌悪感を抱いた。

 

 「それって、全て、自分の為じゃないか!!」

 

 僕はきつく言った。

 

 「自分の為だぁ?当然じゃねーか!!自分の為に力を使って、何が悪い!力を求めて何が悪い!!力をとは自分の為につかうもんだろ!俺たちゃ、古来からそうやってきてんだよ!」

 

 僕の返した言葉にさも当然みたいに返してくる。そして僕は一番の目的について話す。

 

 「それで、一応確認なんだけど、おとーさんとおかーさんを殺したのは、お前たちなのか?悪魔?」

 

 僕は殺気を放ちながら訪ねる。

 

 「ああ、そうさ。」

 

 「何故だ?何故、二人を狙った!!??」

 

 「ふん。おめぇを眷属にすると言ったら、抵抗してきたからだ。抵抗されたら、邪魔だろう?鬱陶しいから排除させてもらった。」

 

 「てめえ、汚いぞ!僕が狙いなら僕だけを狙え!!」

 

 「ハッ、欲しいものはどんな手段を使っても手に入れるってのが俺のやり方なんだよ!俺はマモン。俺は強欲のマモンだからなぁ!!」

 

 「貴様、己の欲の為に・・・・おとーさんとおかーさんを・・・・」

 

 僕はあまりの怒りと憎悪に握りこぶしをつくる。爪が食い込んで血が出ていることにすら、僕は気が付かなかった。痛みを全く感じなかった。おそらく、痛みなんかより、目の前の悪魔への憎悪が勝っているからだろう。

 

 「心配すんなよ、また会えるさ。一万年後くらいになぁ!」

 

 男はそういって合図を出し、他の悪魔たちを戦闘態勢にして前に立たせた。

 

 「俺の自慢の眷属たちだ。俺が結構長い時間かけて選りすぐって集めたんだぜぇ?冥界の眷属悪魔の中でも、かなり実力が高いともいわれてるんだ。この俺が、実力を見て選んだからな。行け!お前たち!!これから新しい後輩となるやつに、先輩の見本を見せてやれ!!」

 

 「「「「「「「はっ!!」」」」」」」

 

 その眷属たちはその声と共に動き出した。

 

 「おら、行くぜぇ!」

 

 何も持ってない悪魔が突撃してきた。

 ガッ

 僕はその悪魔の拳を受け止める。続けてくる連続攻撃も受け止め切って、カウンターを一発食らわす。僕のカウンターを食らってよろめく男と入れ替わりで新手の悪魔が攻撃をしてくる。僕は焦ることなく、冷静に動きを見極める。そして悪魔の攻撃をいなし、足を払って体勢を悪くさせ、蹴りを入れる。

 

 「グッ!?こいつ、中々やるな?!」

 

 「ほう、魔法使いでここまで体術ができるとはな。大したものだ。素晴らしいの一言だ。自分の肉体も鍛えている、ますます眷属に欲しいものだな。」

 

 リーダー格の悪魔はそう素直に称賛した。大方、魔術師や魔法使いは接近戦闘が点でダメダメだと思っていたのだろう。

 

 「これは、おとーさんの教えの賜物だ!!」

 

 「ああ、なるほどな。先ほど殺した男。お前の父親だったか。確かに、武術も中々に秀でていたぞ。だが、甘いな。こちらにはまだ3人、剣士が2人いるぞ?」

 

 「?!グァッ!」

 

 その瞬間、後ろに既に回られていて、蹴りを喰らってしまった。受け身を取ってすぐに体制を立て直す。

 

 「ほう、受け身まで。魔術師でここまで体が動くとは。どおりで主様が欲しがるわけだ。」

 

 声の主は剣を持ってすぐ目の前に来ていた。そして剣で攻撃を次から次へとしてくる。僕はその太刀筋を何とかギリギリで読み、躱す。そして魔法で距離を取りながら反撃する。

 

 「グッ?!」

 

 剣士は魔法を喰らって10メートルくらい吹っ飛ぶ。

 

 「ハッハッハ、良いぞ。ここまでやるとはな!ハルマートの剣を躱し、反撃までするか!やはり、ここまで来た価値があったってもんだな!!」

 

 戦闘の様子を伺ってた男はそういう。

 

 「ええ、本当です。しかもかなりの威力。効きましたよ。」

 

 さっきふっ飛ばした剣士はよろよろとしながら歩いてきた。?!もう復活したのか!!まずいな、いくらなんでも多勢に無勢だ。

 

 「よし、あれを使え!アイリーン、フェリア!」

 

 「はい!」「行きます!」

 

 男は魔法陣を準備した女性二人に指示をだす。何をする気なんだ?!

 

 「「魔法無効化結界(アンチマジック)」」

 

 すると、僕らを囲った結界に付与をし始める。

 

 「良し、行け!」

 

 「てりゃあ!!」「はっ!」

 

 二人の悪魔が距離を詰めて殴りかかる。僕は魔法で迎撃しようとしたが、魔法が発動しなかった。

 

 「!?なっ!?魔法が!?」

 

 僕は思わず声に出した。

 

 「残念だったな!この結界にいる間は魔法は使えねぇぜっ!」

 

 !?そうか、さっきのはそれだったのか

 

 「グハッ!」

 

 「よっしゃぁ!アーマルク、セルドルフ、囲め!」

 

 「ええ、分かってますよ!」

 

 「任せな!」

 

 からくりに気づいたとき、僕は蹴りを喰らい、結界の壁に激突。そこから追撃を喰らい、袋叩きにされ、身体が動いてくれなかった。

 

 「ふっ、終わったか。」

 

 戦いを眷属にさせた男は悠長に歩いて近寄ってきた。

 

 「そーいえば、お前の親もこの結界で倒したな。」

 

 おかーさんも、おとーさんもこれにやられたのか。魔法をふうじられたちゃあな、、、

 

 「そのあと、お前の母親を好きにさせてもらったぜ!」

 

 「!?」

 

 僕はその言葉を聞いた瞬間、驚愕した。

 

 そしてその男の方に顔を向けた。

 

 「何があったか知りたそうって顔だな。まあいいや。サイコーに良かったぞ?アッハハハハハ!!!」

 

 男は醜悪な顔をしながらゲラゲラと高笑いする。

 

 「散々弄んだあと、嬲り殺しにしたけどな!!」

 

 僕は絶句した。そして、自分が悪魔に狙われたせいで、二人にそのような目に合わせたことを悔やんだ。

  

 「おとーさんとおかーさんは・・・・」

 

 「あ?何だって?」

 

 「おとーさんとおかーさんはな・・・・悪魔や堕天使たちに散々な目に合わされたって聞いた。僕が、生まれる前から・・・・」

 

 そう、これは偶然、おとーさんとおかーさんが二人で話しているところを聞いてしまった話だ。

 

 「ほう、それで?」

 

 「家族も、友人も奪われたって。」

 

 「それは、それはホントに災難だなぁ。」

 

 「ホントは復讐したかったはずだったんだ。でも、二人は自分たちのことよりも僕を優先したんだ。僕を育ててくれた。それなのに、それなのに、、、お前たちは!」

 

 「はっ!関係ないな!俺から言わせればな・・・・・ざまぁねーなぁ!!ハッハッハッハ!いい気味だ!!」

 

 「クッ・・・・チクショウ・・・・」

 

 悪魔はその境遇を聞いても何ともないようだ。むしろ、ざまあないなと嘲笑してくる。僕は悪魔をにらみつけた。

 

 「なに、そう怒った顔すんなよ。これからは、俺の眷属だ。もう、悪魔に狙われることはないだろう?よかったじゃねえか。それによ、出世して、地位を上げて、力をつけることができれば、お前だって好きに生きていけるんだぜ?金も、女も、地位も、好きなだけ手に入る。好き勝手にできるんだ。最上級悪魔になればなおさらだ。しかも、お前にはそれになれる才能がある。資格がある。な?悪かねぇだろ?」

 

 男はさっきとは打って変わって優し気な顔を向けた。しかし、僕には嫌悪感しか感じなかった。ポケットから駒みたいなのを取り出す。

 

 「ま、全く動けないお前は何も抵抗できないな。大人しく眷属になれや。ククク、これでやっと手に入るぞ。」

 

 男は何か唱え始めた。僕には何を言っているのか聞こえない。怒りでどうかなりそうだった。

 

――――そして、怒りが頂点に達したとき、僕は覚醒した。――――

 

 

 ドゥ!!!!!!

 

 「何だこれは?!グハァッ!!!」

 

 「「「主様!!」」」

 

 僕の体から、今までとは比較にならない魔力があふれ出た。量、密度、質それは今までとは次元が違う。僕に近づいて何かしようとした悪魔はぶっ飛んで反対側の結界の壁に激突した。

 

 「ユルサナイ・・・・・ボクハ、ゼッタイにオマエタチヲ、ユルサナイ。ユルサナイ!!!」

 

 ゴゴゴゴゴゴゴ

 さらにオーラは増す。まだまだ上がる。その上がりようは天井知らずのようだった。

 そして、左手に力を込めると、赤い籠手が僕の腕に出現した。

 

 「なっ!?そ、それは!?」

 

 悪魔の一人が驚きの表情を見せる。

 

 「あれは、神器(セイクリッド・ギア)か?!しかもあれは!赤 龍 帝 の 籠 手(ブーステッド・ギア)!!!!」

 

 「バカな!?」「神 滅 具(ロンギヌス)・・・・・」

 

 「どうなっている?!調査では、神器の気配はなかったはずだ!」

 

 悪魔たちの動揺が普通ではなかった。無意識に発現させたこれはとんでもないものだと直感で悟った。へぇ、そうか赤龍帝の籠手(ブーステッド・ギア)っていうんだ。伊達に長く生きていない悪魔がそう呼んでいたので、間違いないだろう。それに、龍の力なのか。僕はそれを自覚すると、突然神 器(セイクリッド・ギア)から声が聞こえてきた。

 

〈コロセ〉〈コロセ〉〈ニクキヤツラヲコロセ〉

 

 ささやくような声。僕に訴えかけてくるように。

 

 (殺す?)

 

 〈ソウダ〉〈コロセ〉〈コロセ〉 

 

 (あの、クソ悪魔どもを?どうやって・・・・)

 

 〈【覇 龍】ダ〉〈【覇 龍】〉〈【覇 龍】ヲツカウノダ!〉

 

 〈サア〉 〈ハヤクコロセ〉〈ホロボセ〉

   

 そうだね、殺してやる。おとーさんとおかーさんを殺したやつを。僕はその声達に耳を傾ける。そして尋ねた。

 

 (ねえ、その【覇 龍】を使えばさ、悪魔ども(あいつら)を殺せるの?)

 

 〈ハハハ、グモンダナ〉〈トウゼンダ〉〈ソンナコト、イウマデモナイナ〉

 

 僕はその答えを聞いて安心した。よし、これであいつらを殺せる。僕はそれを実行しようと、その声たちに手順を聞いた。

 

 (ねぇ、その【覇 龍】ってさ、どうやるの?)

 

 〈ジュモンヲトナエロ〉〈サア、トナエロ〉〈ワレラ二ツヅケ〉

 

 (呪文?分かった。やるよ、【覇 龍】を。)

 

 僕はその声に言われた通りにする。そうすれば、クソ悪魔どもをこの地上から消せると信じたから。僕は兎に角、悪魔を殺すことで頭がいっぱいだった。

 

 〈まって!お願い!その力は使っちゃだめ!それは危険な力なの!〉

 

 〈そうだぞ!坊主!力に飲まれれば、その先にあるのは破滅、それだけだ!〉

 

 すると急に声がした。今度の声は意思がしっかりとある声だった。さっきのは片言で虚ろな声だったのに。若い男と女の声だ。

 

 〈そうよ!お願い、そいつらの声に耳を傾けないで!〈ダマッテイロ!〉〈ジャマヲスルナ!〉キャッ!〉

 

 〈!エルシャ!〉

 

 さっきの片言の声を発していた者が女の人の声を遮る。ありがとう。これで【覇 龍】を使うことができるよ。

 

 〈サア〉 〈サア〉 〈イクノダ〉 〈トナエルノダ〉

 

 僕はその声に誘われ、頭に流れてくる呪文を唱える。

 

 『我、目覚めるは―――』

 

 ―イッセーSIDE OUT―

 

 ――――――――――――――――――――――――――――

 

 ―ドライグSIDE―

 

 私は今回の宿主から外の一連の出来事を見ていた。悪魔たちが宿主を袋叩きにするところも。まだ十にもなっていない子供に大の大人が寄ってたかって・・・・私はいままで数十人の宿主を見てきた。理不尽に殺された者、逆に殺した者、力に飲まれた者、破滅の道を辿った者、力に飲まれずに生きた者様々だ。

 

 でも、宿主に対してこれといって特に感情を抱いたことは無かった。ある二人を除いて。でも、今回の宿主は違った。悪魔に襲われていることに心を痛めた。それと同時に宿主に多人数で襲い掛かっている傲慢な悪魔どもを嫌悪し、恨んだ。それは私の過去にも関係していないと言えばウソになるが。自分でも何故かわからない。ここまで宿主に、人間にここまでの感情を抱いたことは無かった。それゆえになにか不思議な気持だった。

 

 そして、私はこんなことを思った。肉体があれば、肉体がありさえすれば、今すぐあの悪魔どもを焼き殺せるのに、滅ぼせるのに。自分の無力さを恨んだのは初めてだった。しかし、神器に封印されている身。どうすることもできずただ宿主が痛めつけられているのを見ることしかできなかった。

 

 それに、宿主はまだ齢一桁。いくら神をも殺せる超常の力、神滅具、赤龍帝の籠手を持っていても、発現させ、それを使役することが出来なければいくら神 滅 具(ロンギヌス)といえども、なんの価値もない。

 

 そう思っていると、予想だにしていないことが起きた。突然、神器に魔力が流れ込んできた。そして宿主は神器を、赤龍帝の籠手を腕に発現させていた。私はそれに驚きを隠せなかった。この年で神器を発現させるなんて。しかも左手に力を込めただけで。

 

ともあれ、これで反撃の機会ができた。微かな反撃の希望が見え、喜んでいると、次は予想外の事態に発展した。なんと、宿主は神器を発現させただけでなく、歴代所有者達と意思の疎通が出来るようだった。禁手にもなってないのに・・・・

 勿論、こんなことは前代未聞だった。そして、その歴代所有者は今代を【覇 龍】へ誘おうとしている。私はこの凄まじい魔力があるとはいえ、危険なことには変わりない覇龍を使わせるわけにはいかない。子供の体で覇龍を使えば、どうなるかわからない。

 

 「エルシャ、ベルザード!お願い!歴代達を止めてきて!」

 

 〈分かったわ、ドライグ。〉〈りょーかいだ〉

 

 私は咄嗟に歴代の中でも意識が完全に覚醒している2人に頼む。この2人は力に飲まれず、怨念も無い。この二人に掛けたのだ。しかし、私の目論見はすぐに崩れる。

 

 〈ダメ、ドライグ。私たちだけではあの怨念たちを抑えられない!〉

 

 「そう、やっぱりダメなのね・・・・」

 

 〈ああ。しかも、今代の復讐心もあって、さらにその怨念の力も高まっているようだ。〉

 

 (何てこと・・・・このままじゃ、また繰り返してしまう。どうしたら・・・・)

 

 この時点でほぼ詰んでしまっていた。あの怨念たちは凄まじい。この私でさえ、近づくことは避けているほどだ。私にはどうすることも出来なかった。私のことはまだ認識できないだろうし。

 

 『―――我、目覚めるは―――』

 

 〈始まったよ〉〈始まったね〉〈始まってしまうね〉

 

 〈!始まったか!〉〈こんなに早くに覇龍を・・・・〉

 

 どうこうしているうちに宿主は呪文を唱え始めていた。

 

 『―――覇の理を神より奪いし二天龍なり―――』

 

 〈いつだって、そうでした〉〈そうだ〉〈そうじゃな、いつだってそうじゃったよ〉

 

 『―――無限を嗤い、夢幻を憂う―――』

 

 〈世界が求めるのは―〉〈世界が否定するのは―〉〈世界が肯定するのは―〉

 

 『―――我、赤き龍の覇王と成りて―――』

 

 〈いつだって、力でした〉〈いつだって、愛でした〉〈いつだって、憎しみでした〉

 

 《お前たちは、何度でも、破滅を選択するのだなっ!!》

 

 禍々しい凄まじいオーラを放ち、どんどんその姿を変えていく。

 

 〈ック、これでまた、繰り返されるのかよ!〉

 

 「「「「「「「「「―――汝を紅蓮の煉獄に沈めよう―――」」」」」」」」」

 

 また、繰り返されてしまう。そう思っていると、奇跡とも言えることが起きた。予想もしない存在に出会うなんて、思ってもみなかった。

 

 『Juggernaut Dri[悪いが、その力を、認めるわけにはいかないな]!?』 

 

 キィン――― ドゥゥゥゥゥン!!

 

 Juggernaut Driveと言う前に、ある声が聞こえた。その瞬間、凄まじい閃光が目の前を襲う。あれだけ禍々しく、聞いているだけで精神が可笑しくなるような怨念たちがものの見事に簡単に消し飛ばされ、歴代たちの不完全な意識は全て消し飛ばされた。歴代で残っているのはエルシャとベルザードのみだった。一体何なの?これは・・・・

 

 〈何だ!!さっきの声は!?〉

 

 〈嘘・・・・あの凄まじい怨念をあんな簡単に・・・・〉

  

 残された二人は驚きを隠せていない。私ですら、思考が停止していた。覇龍は強制的に解除させられたようだ。

 

 「誰なの?!姿を現して!」

 

 [私だ。]

 

 「!!??」 〈!?〉〈!?〉

 

 私達の後ろから急に声が聞こえた。後ろを振り返ると、そこには、、、

 

 とんでもなく大きな、真っ黑い龍がいた。

 

 「な?!・・・・これは・・・・」 〈〈?!・・・・〉〉

 

 私たちはあっけに取られて見上げていた。その真っ黒い龍を。この伝わってくるオーラとプレッシャーは尋常ではない。まだ私が現役、肉体があったころにもこのレベルのものは感じたことは無かった。そして、実力は私ですら到底、底が知れなかった。あの不動の存在をも超えるこの波動。私では足元にすら及ばないであろう。恐怖すら感じた。疑った。こんな、このような存在がいたのかと。そして私は近いところにいながら、全くその存在に気付かなかったことを。

 

 「あ、貴方は?一体・・・・」

 

 私はどうにか気を保ちながらその存在に尋ねた。

 

 [私は見ての通り、そなたと同じ存在。(ドラゴン)だ。]

 

 その龍は見た目に反してとても礼儀正しい口調だった。声は・・・おそらく女性寄りの声音だと思うが、正直見分けはつかない。

 

 [私の名は、【ジル・ニトラ】だ。以後、お見知りおきを、赤 龍 帝(ウェルシュ・ドラゴン)ア・ドライグ・ゴッホよ。]

 

 その龍はジル・ニトラと言った。私はそのような名は全く聞いたことが無かった。もっとも、あの不動の存在すら凌駕するのなら、知られていてもおかしくない。しかし、このような存在は私ですら知りもしなかった。対して、その龍は私のことは知っているようだ。私が思考を巡らせていると、その龍は私の思考を読んだかのように話す。

 

 [赤龍帝、ア・ドライグ・ゴッホよ、そなたが私のことを知らないのも無理はない。わたしのことを知る者は、()()()()では、グレートレッドしか知らないのだから。]

 

 !?グレートレッドのみなの!?なぜ、あいつだけが・・・それと、この世界では、って・・・・

 

 [とにかくだ、自己紹介は事が終わった後にしよう。ア・ドライグ・ゴッホ。]

 

 「ええ、そうしましょう。」

 

 龍は冷静に、外で起きていることのことを言っているのだろう。とにかく、気になることは山ほどあるけど、そちらに気をまわした。

 

 「一つだけ、聞いてもいい?」

 

 [手短に頼むぞ。]

 

 「覇 龍を解除したのは、なぜ?」

 

 私は一番聞きたいことを聞いた。

 

 [あれか。そのことだが、あとで答えよう。取りあえず、我らの宿主をここに呼ぶぞ。その質問には宿主も交えて答える。]

 

 「分かったわ。」

 

 私はその答えに納得して、宿主が来るのを待つ。

 

 [来たぞ。]

 

 その龍が言うと、私たちの前に、小さな男の子がいた。その子を覆っていた怨念はきれいに取り払われ、正気に戻っていた。

 

 「んん・・・・・ここは?」

 

 少年は気を取り戻したようだ。

 

 [我を宿す人間の子よ、ここは精神世界だ。そなたのな。]

 

 その龍は少年に語り掛ける。

 

 「!?龍・・・?それに二体もいる・・・・もしかして、僕の中に宿っていた?」

 

 [ほう、気が付いていたのか?それとも、頭の回転が速いのか。]

 

 私は驚きを隠せなかった。急に私たちを目の前にして、こんな冷静でいられるなんて。普通だったら、パニックに陥るはずだ。しかし、この少年は恐れることなく、真っすぐにこちらを見ている。それになぜか嬉しそうだ。

 

 「ううん。知らなかったよ。あなたが僕の中にいたことは。でも、僕の精神世界にいるのなら、僕に宿ってたってことだよね。」

 

 少年は動じることなく、質問に答える。

 

 [そういうことだ。っふ、頭がキれるな。]

 

 「ありがとう。あ、自己紹介がまだだったね。僕、イッセー。イッセーって呼んでよ!」

 

 [そうか、では、イッセーと呼ばせてもらうぞ。私の名は、ジル・ニトラ。好きに呼べばいい。]

 

 「そっか、じゃあ・・・・ニトラってよんでいい?」

 

 [ああ。]

 

 「よろしくね!!ニトラ!」

 

 [ああ、こちらこそ、よろしく頼むぞ。イッセー]

 

 私を片隅に、すぐに仲良くなる二人。私はむっとしながらも、宿主に話そうとする。

 

 「そっちにいる、綺麗な赤い(ドラゴン)さんは?名前教えて欲しいな!!」

 

 少年は私の存在を忘れることなく、名を聞いてくれた。私はそれだけで何故か嬉しくなった。綺麗なんて言われたことなんて、過去一度たりとも無かった。ある一体の龍を除いては。

 

 「私は、ドライグ。あなたの持っている神器、赤龍帝の籠手に封印されている、龍よ。よろしくね、宿主さん。その・・・・私もイッセーって呼んでいい?」

 

 私は恐る恐る聞いたけど、宿主は笑顔で答える。

 

 「うん!もちろんだよ!!僕も、ドライグって呼んでもいい?」

 

 「ええ!ぜひお願い!」

 

 私も、名で呼ぶことが許されてほっとした。

 

 [さて、そこの辺でいいか?]

 

 名を知ったところで、その龍は訪ねて来る。

 

 [兎に角、詳しいことは全てを片付けてからにしよう、二人とも。]

 

 先ほどの嬉しさに浮かれているところをどやされる。そうね、今はそんなことしてる時じゃないわね。

 

 [さて、イッセーよ。先ほど、お前が使おうとしていた力、覇 龍だが、強制的に解除させてもらった。]

 

 そして、その龍は早速本題に入る。

 

 「そうだった、僕、急に声が聞こえてきて、何かを唱えようとしてたんだ。」

 

 イッセーは鮮明に覚えているようだった。なんて精神してるの・・・

 

 [覚えていたか。そうだ。イッセー、貴方はあの危険な力を使おうとしていたのだ。正直、あの力は忌々しい。確かにイッセーのその魔力を使えば制御できなくもないだろう。だが、危険には変わりない。それに、個人的なことになってしまうが、私的にあの力は偽物もいいところだ。だから、強制解除させてもらった。これも、詳しいことは後にしよう。]

 

 その龍は覇 龍のことを完璧に知っていた。禍々しいことも。でも、偽物というのはいまいち引っかかった。

 

 [取りあえず、あの力はダメだ。]

 

 「そっか、僕は力に飲まれるところだったんだ。」

 

 イッセーは今の話から理解できているようだ。ホントに、頭がキれるわね。

 

 [そうだ。力に飲まれれば、その先には破滅しかない。]

 

 「ありがとう、ニトラ、僕を救ってくれて。」

 

 イッセーは素直に礼を言う。そして、話を切りだした。

 

 [礼には及ばないさ。さてそれを踏まえてだ、イッセー。お前は外にいる三下どもをどうしたい?]

 

 

 

 ―ドライグSIDE OUT―

 

 

 

    to be countine

 

 

 

  

 

 

 

 

 

   




はい、どうでしたでしょうか?
途中でしたが、意外と長くなってしまったので、二つに分けます。
次回、真の覚醒です。



面白いなとか、つまらないなという方は、感想、指摘をいただけますと嬉しいです。

また、ご指摘、リクエストなどがありましたら、メッセージなどの方に書いていただければと思います。

そして、今回から、設定をちょくちょく、ここに書いていきます


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ハイスクールD×D ―魔法使いと龍―  設定ミニコーナー

イッセー・ヴァーミリオン・アンブロジウス
・当作品の主人公。 
・誕生日は1月2日
・魔法使いの子供として生まれる。
・神器を持っている。赤龍帝の籠手(ブーステッド・ギア)の所有者。

召喚契約魔獣=使い魔的存在
??????、?????
補足

>ミドルネームのヴァーミリオンは色のバーミリオンから。赤龍帝の相棒ということで赤の意味を持たせようとしました。

>誕生日の1月2日は一誠の一と、二天龍の二から

>一応、魔法使いなので、召喚契約する魔獣を登場させます。

マーリン・アンブロジウス
・イッセーの母にして、魔法というものを確立させた、伝説の魔法使い
・アーサー王伝説にも登場する。
・いわゆる、英雄とも。

>アーサー王ともかかわりを持ち、会ったこともある。という設定。

イッセーの父
・この人も魔法使い。
・魔法使いでありながら、武術も嗜む。


 
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