ハイスクールD×D ―魔法使いと龍―   作:shellvurn 次郎

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はいどうもこんにちは
少し時間が空いてしまいました。


No,XLV ~北欧の大神と日本の太陽神~

 この真っ白な世界はセ-イチの精神世界である。その精神世界では、凄まじい声でなくドラゴンと、それをただただ見ているだけの少年セ-イチとそれをなだめている少年がいた。 

 

『うええぇん・・・・・・・・・・乳龍王・・・・・・おっぱいどらごん・・・・・・・うわぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁん!!!!!!!』

 

 アグニルはまるで子供のように鳴き声を上げていた。

 

「たっくよぉ、毎日毎日うるせぇぞ!アグニル」

 

『だってぇ、だってぇ!!ハル!!!おっぱいどらごんだよ!!こんな!こんなのってないよ!!!うわぁぁぁぁぁぁあぁぁぁぁぁあぁあんんんん!!!!!!』

 

「あ~あったく、手に負えねえなこりゃ」

 

 薄い桜色の髪をした少年、ハルは呆れて者も言えないようだった。そして、ハルに近づく少年セ-イチは申し訳なさそうにしていた。

 ハルは同じくして、歴代の紅炎龍児の双籠手(イグニタス・クロスギア)の歴代最強の所有者であり、唯一白龍皇に勝った人物である。そして、この神器の中で意識をもって今もこうしてセ-イチやアグニルとコミュニケーションが取れる人物でもあるのだ。

 

「ハルさん・・・・これどうしましょう?」

 

 

「おお、セ-イチか。どうしたもんかねぇ。精神状態は少し回復したと思えば、今度は幼児化か。おれにはどうしようもないな」

 

 さすがの歴代最強といっても、このような異質な状況となっては対処はできないようであった。

 

「そうですか・・・・・・」

 

 セ-イチは見事に禁手化(バランス・ブレイカ-)へと至った。しかし、その方法を間違ってしまった。そのおかげでアグニルはこうして情緒不安定となって悲惨なことになっているのだ。セ-イチはこのところ毎日神器へもぐっているが、ことは進展しなかったのであった。

 

 

 ――●〇●――

 

 

「あーあ、マジどうしようか」

 

 セ-イチはアザゼルから出された課題を全く解決できないまま、今日も学校に通う。

 そして、放課後。いつものようにセ-イチたちは旧校舎へといき、部活を始めることになった。

 

「よぉ、セ-イチ。どうだ?アグニルの様子は?」

 

 前髪のみ金髪で後は黒髪の中年男性、アザゼルがセ-イチに尋ねる。

 セ-イチは首を横に振ってこたえた。

 

「駄目です。精神状態が不安定で・・・・・・・。今日は幼児退行してましたし・・・・・・」

 

「そうか・・・・・よし分かった。こちらでも調べてみる。わかったことがあったら遠慮なく言えよ?」

 

「分かりました」

 

「よし、では今日の活動を始めるがその前に、お前たちに話しておくことがある」

 

 アザゼルは部員全員を集めて会議を始めた。

 

「アザゼル、それで話すこととは?」

 

 部長であるリアスがアザゼルに問いかける。

 

「近々、この地で神々同士の会談が行われる。北欧神話と日本神話だ」

 

「ええ!?あの爺さんと日本神話が!」

 

 そう言った知識に疎いセ-イチは驚きの声を上げる。

 

「そうだ。オーディンの爺さんが日本神話の主神に直接通達したそうだ。いい返事が返ってたとたいそうご機嫌だったよ。あの爺さん」

 

 アザゼル自身も、この日本神話の返事には満足しているような顔をしている。

 平和路線を進む三大勢力は北欧神話をはじめとして、様々な勢力にアポをとっていた。そして、何一つパイプのない日本神話との会談であるが、そこを北欧のオーディンが会談を持ち掛けたのだった。

 

「しかし、日本神話は良く引き受けたわね」

 

「借りにも北の大神オーディンだ。そう簡単には拒否できないだろうさ。ともかくだ。近々、オーディンの爺さんとその従者が来るはずだ。お前たちグレモリー眷属とシトリー眷属はオーディンの爺さんが日本にいる間の護衛だ。心してかかれよ?なんて言っても、北欧のトップだ。狙われないなんて保証はない。いいな?」

 

「わかっているわ」

 

「はい!」

 

「がんばりますぅ」

 

 アザゼルの一声に呼応するかのように生徒たちは元気よく返事をしたのだった。

 

 

 

 

 

――――◆◇◆◇◆―――― 

 

 

 

 

 

「行ってらっしゃい、イッセー。天照によろしくね」

 

「ああ」

 

 ドライグに見送られて俺は家を出発した。そして、転送魔法陣を用いてとある場所へと向かったのだった。

 先日、久しぶりにヤトと剣戟を交し、天照達日本神話がとうとう行動を開始したという情報を受け取って一週間たった。俺は今、日本のとある神社に出向いていた。

 という話をしているうちにたどり着いた。ここは日本ではとても有名な神宮である。日本神話に通ずる立派なお社だ。もちろん、祀られている神も当然有名だ。ここは日本神話において最も位の高い重要な五柱ある神のうちの一柱、前主神の天之御中主神(アメノミナカノヌシノカミ)を祀っている巨大な神宮。ここは毎年多くの参拝客が来るのだとか。天之御中主神(アメノミナカノヌシノカミ)は高天原に最初に現れた最高神。その実力は主神の天照以上の力を持っている。彼はもともとは日本神話の主神であったらしいが、天照にその地位を譲ったのだとか。よって日本神話は世界でも珍しい二代目の主神が誕生しているというわけだ。俺も天之御中主神(アメノミナカノヌシノカミ)にはあったことは無い。是非とも会ってみたいものだ。

 そんなことを考えながらこのお社の境内に入ってゆく。すると、そこにとある人物が立っていた。その人物は俺が近づくと俺に気づいた。

 

「お待ちしておりました、イッセー殿」

 

「えっと、君が案内役か?」

 

「はい、天照さまから仰せつかっております。白雪といいます。以後、お見知りおきを」

 

「ああ、よろしく。知っていると思うが、俺の名はイッセーだ」

 

 頭を下げながらこちらに名乗ってきたこの少女は白雪というらしい。天照から案内役として聞いていた。当日に境内の入り口付近に案内役をつかせると。日本古来の装束である巫女服を着ている。白と赤のみというシンプルではあるが気品のある様相だ。彼女の黒髪がよりその巫女服を映えさせているといったところ。規模が大きく、祀られている神も高名な神社にはこのような巫女さんが一人以上はいると聞いている。もちろん、裏世界に通じている人もいるのだとか。白雪はそのうちの一人か。

 

「ではイッセー殿。この先で、天照さま達がお待ちになられています。こちらへ」

 

「ああ、分かった」

 

 俺は白雪の後ろをついていった。名を聞いたことのある有名な神社ではあるが、実際来たの初めてだ。ここは案内してもらおう。

 境内を歩き、靴を脱いで中に入っていく。木のみで作られているこのお社は京都と同じく風情にあふれている。ギシッ、ギシッ、と歩を進めるたびに木と木がこすれあう音がする。確か京都にある二条城も歩くと床がきしむ音がするような構造だったはずだ。同じ構造なのだろうか?

 

[ほお、なるほどな。ここは、ただのお社ではなさそうだ。凄まじいほどの神性が感じられるな]

 

「(まあな。なんせ、日本の創造神を祀っているからな)」

 

 ニトラがそうつぶやいた。

 そう。ここは日本神話において最高神の一柱を祀っている。高天原の神々からも重要視されている神社の一つ。ゆえに特別な気配がするのだ。

 ニトラと話しながら歩いていると、とある部屋の前に来た。

 

「天照さま。お客様をお連れしました」

 

「そう、入れてあげなさい」

 

「はっ」

 

 閉ざされた障子の前で白雪がそういうと、中から凛とした女性が部屋にいれるように命じた。

 障子が開かれたその部屋には・・・・・・・

 

「お待たせしたな、天照」

 

 二代目日本神話主神、天照大御神が座っていた。

 日本古来の着物を着ている。おそらくは着物がはやった時代よりもさらに前。たしか、元の原型は古墳時代に存在したものらしい。しかし神が着ているものは様々な点で優れている。太陽神の名にふさわしいきらびやかな赤を基調とした装束、首には勾玉を掛けている。

 

「ええ、大丈夫。まだオーディン殿たちは来ていないから。そちらに座って」

 

「わかった」

 

 天照の指示通り、俺は天照の後ろに座した。位置的には従者が座るようなところである。

 

「おや、イッセー殿。まさかイッセー殿も来るなんて思わなかったでござる」

 

 そして俺の隣にはヤトがいた。

 

「まあな。天照に俺が頼んだんだ」

 

「そうだったでござるか。しかし、イッセー殿が護衛をするというのなら、これ以上ないほど安心でござる。イッセー殿ならばたとえ誰が来ようとも関係ないでござるからな。心強いでござるよ」

 

「おいおい、ヤト。そんなにプレッシャーを掛けるなよ」

 

 なぜ、日本神話の正式な人員ではない俺がここにいるかというとーーーーーーー先日天照と連絡を取っているときに俺が天照に言って加えてもらったのだ。

 

 ――――――――――

 

『イッセー、久しぶりっ!』

 

『ああ、そうだな、天照』

 

『私たちの動向は、ヤト君の方から聞いているよね?』

 

『まあな、そっちは北の神々、オーディンと会談するって聞いたぞ』

 

『ええ。オーディンから直々にそのように文書が来たのよ。断るに断れなくてね』

 

『そこは別にいいだろ?問題はそのオーディンの裏にくっ付いているやつらだ』

 

『そぉねぇ・・・・・・・なんでもこの会談の発端は三大勢力。やつらが焚きつけたに違いないね』

 

『あいつらは必ずこの会談中に動いてくるぞ』

 

『わかってる。にしても、よくもまあオーディンは三大勢力なんかと和平を結んだよねぇ・・・・・やつらには、三大勢力はどう考えても他の神話を侵犯し続けている。特に、悪魔の駒を認めるのはどう考えてもおかしいよ・・・・それとも、何か手を使って丸め込んだのかな』

 

『オーディン相手にそんなのは通用しないだろ。多分、オーディンは自らの意思で和平を結んだに違いない』

 

『はあぁ・・・・・面倒なやつらが敵に回っちゃったね』

 

『仕方ないさ。とにかく、表立って対立するのは三大勢力だけのほうが無難だ。流石に日本神話としても北欧神話を完全に敵に回すのは厄介だろ?』

 

『そうだね。こっちとしても最高神様が動いてくれればいいんだけど、それは期待できないしね』

 

『なら、こちらも同盟を結べばいいんじゃないのか?』

 

『そうだけど、どこと結べばいいのやら・・・・私たち、ろくに外に出ていなかったから今更他の神話とのパイプなんて持ってないし』

 

『そこで提案がある。聖典神話勢力。あそこは、完全に聖書神話と敵対しているからもしかしたらあるかもしれないぞ』

 

『そ、そうなの?ありがと!イッセー!次に行われる高天原での最高会議での議題にさせてもらうわ』

 

『お役に立てて何よりだ。そうだ、天照』

 

『なに?』

 

『今回の北欧との会談、俺も護衛という名目で参加させてくれ』

 

『それに関してはいいとうか、イッセーが護衛をしてくれるなんてこれ以上ないほど安心するけど、どうして?いつもはめんどくさいって言ってやらないのに』

 

『なに、ちょっとこの目で、北欧の大神を見てみたいだけさ。それと、な~んかまた起こりそうな気がするんだよなぁ』

 

『やめてよイッセー。イッセーの予感は高確率で当たるんだから。ま、でもその件は承ったからね』

 

『さんきゅ、天照』

 ――――――――

 

 先日、天照とこのような連絡を取って、滑り込みでこの会談に参加しようというわけだ。護衛は俺を含めて三人だと聞いた。今日は会談の日ではないから一人は来ていない。なんでも新しく入った期待の新人なんだとか。今日は北欧からくるオーディンとその護衛達との軽い顔合わせと会談の詳細の確認、日にちを決めるみたいなものだと聞いた。

 

「とはいえ、拙者も北の戦神オーディンをこの目で見るのは初めてでござる」

 

「そうなのか?」

 

 オーディンが来るのはまだということなので、俺たちはひそひそ声で話す。

 ヤトは俺よりも当然長生きしているが、俺と同じくあったことはないという。 

 

「まあ、ろくに日ノ本から出たことは無いでござるからな。拙者も、他の神話の神がどのようなものなのか見たくて天照殿に直談判してのでござるよ」

 

「なんだよ、俺と一緒じゃねーか」

 

「そのようでござるな」

 

 ヤトも天照に頼んで従者という扱いで参加したのだという。これを聞いた俺は親近感がわいた。

 

「皆さま、オーディン様とその付き人の方々が到着されました」

 

 ヤトとヒソヒソと話していると、白雪が閉じられた障子の外から報告する。

 

「分かったわ。お通しして。二人とも起立して」

 

 天照はとたんに雰囲気を変え、プライベートのときとはギャップがある凛々しい声音で言った。

 俺とヤトは立つ。

 障子が開かれ、そこにはローブを来た老人、オーディンとその従者がいた。

 

「久しぶりじゃの、天照殿」

 

「はい、お久しぶりです。オーディン殿」

 

 オーディンは長く伸びたひげをさすりながら上機嫌でご登場した。

 

「ふぅむ、相も変わらず美しいのぉ。わしの嫁に迎えたいくらいじゃ」

 

「まぁ、オーディン殿。御冗談はおやめください」

 

 オーディンは会ったとたんに天照をドストレートに口説いていくオーディン。会ったことがないから厳格な神かと思ったが、これを見るにどこにでもいるフツーのエロジジイであった。見た目は風格ある強そうな爺さんなのだが。

 神同士の会話など俺には理解できないが、天照は慣れているのか、女性が良くやる笑顔で受け流した。

 

「オッ、オーディン様!!いきなり相手方の主神様に向かって何口説いているのですか!!!」

 

 すると、オーディンを一人の女性が叱責していた。

 その女性はオーディンの付き人、おそらく伝承通りならばヴァルキリーといったものだろう。そのヴァルキリーを見た時、俺は驚いた。そのヴァルキリーは古き昔、アヴァロンにいたときにいたとある人にそっくりであったからだった。スーツを着こなし、いかにもまじめな感じもあの人にそっくりであった。

 

「綺麗な方でござるな」

 

 オーディンを叱責している女性の美貌はドラゴンであるヤトをも認めるような容姿であった。

 

「そうだな」

 

 俺もそれに同意する。

 とはいえ、昔の知り合いにうり二つの容姿。アーサー兄さんといい、アルトリアといい、母さんや父さんといい、俺の周りには容姿が整っている人が大勢いたのだ。特にアーサー兄さんの周りはそれが顕著だった。このヴァルキリーにそっくりの俺の知り合いも、兄さんの血縁であったのだ。

 

「少しくらいええじゃろうに。天照殿の美貌はそれくらい凄いということじゃ」

 

「確かにそのことについては同意しますが、場をわきまえてください」

 

「やれやれ、ほんとにお主は堅いのぅ。それじゃから彼氏の一人もできんのじゃろうて」

 

「それいま関係ありますぅ!?」

 

 オーディンとその付き人の一人であるヴァルキリーがコントを展開する。

 

「おっと、すまんのぅ天照殿。茶番に着き合わせて」

 

「いいえ、おきになさらず。こちらにお座りください」

 

「すまんの。では失礼するぞい」

 

 少し盛り上がったところで、オーディンは脱線した話をこちらに戻す。オーディンは付き人たちをそれぞれ座らせた。

 

「では、一先ずお互いに自己紹介と行きませんか」

 

「それがええじゃろう」

 

 今日は会談の前ということで手始めにそこから始めた。

 最初は天照からということになった。 

 

「では、私から。日本神話の現主神、天照です。どうぞよろしく」

 

 その次、その護衛という扱いである俺とヤトの番だ。

 

「初めましてでござる、北の大神オーディン殿とヴァルキリー殿。拙者は夜刀神、英傑なる刀龍(ブレイド・ブラッド・ドラゴン)とも呼ばれているでござる」

 

「ほう!ドラゴンとな。では、お主があの極東の夜刀神なのか?」

 

「そうでござる。」

 

「なるほど、日本神話の神々と仲が良いドラゴンがいるというのは真じゃったのか」

 

 ドラゴンが神の護衛をする、そんな話は他にない。この事実には北の大神オーディンも、そしてヴァルキリーの方々も驚いていた。

 

「初めましてだ、北の大神よ。俺はイッセー。魔法使いをやっている」

 

「お主・・・・・たしか、悪ガキ堕天使とミカエルのやつがしてやられたという魔法使いじゃな?」

 

「その悪ガキ堕天使というのはアザゼルのことか?」

 

「そうじゃて」

 

「ああ、それは俺で間違いないな」

 

「なるほどのぉ、しかし日本神話に与しているとは知らなかった」

 

 オーディンはやはり三大勢力とつながっていた。さらには様々な情報を受け取っていたらしい。これで俺のことも北欧に伝わったことだろう。

 

「さて、次はわしじゃな。知っているかと思うが北欧神話主神のオーディンじゃ。これ、お前たちも挨拶せい」

 

 オーディンは従者のほうにも催促した。

 

「えっ、っと初めましてみなさま。私はヴァルキリーをやっているロスヴァイセと申します。以後お見知りおきを」

 

「こいつはな、ヴァルキリーの中でも優秀での。現ブリュンヒルデにも匹敵するくらいなのじゃ」

 

 その話を聞く限りそうとう優秀なのだろう。ブリュンヒルデといえば、北欧の戦いの乙女の象徴。半神半人ともいわれているのだ。

 

「その点は申し分ないんじゃがの、いかんせん頭がお堅いのじゃ。よって、いい男でもいれば紹介でもしてくれんか?のう、そこの二人さん、ロスヴァイセはどうじゃ?こう見えても優良物件じゃぞ?」

 

「オーディン様!!だからいま私に彼氏がいないのは関係ないではないですか!!」

 

「何を言うとるんじゃ。お前さんが彼氏いない歴いこーる年齢とかいつも言うておるから頼んどるんじゃ」

 

「余計なお世話です!!」

 

「・・・・・・・・」

 

「・・・・・・・・・」

 

 ロスヴァイセというヴァルキリーは顔を真っ赤にしながらオーディンに食って掛かる。俺たちはオーディン神のノリに微妙についていくことが出来ず、苦笑いをしていた。  

 

「見てくださいよ!!お三方完全に引いてるじゃないですか!!」

 

 ヴァルキリーの悲痛な叫び声がこの部屋にこだました。

 オーディン神は気を取り直して、話を戻す。

 北欧側の護衛はそのロスヴァイセという女性ともうひとりのヴァルキリーの二名。そして、ここにはいないが、境内の外には・・・・・

 

「オーディン殿、一つよろしいですか?」

 

「なんじゃ?」

 

「この境内のそとにもう一人護衛がいるそうですね。しかも堕天使。なぜ堕天使がいるのですか?私はオーディン殿とその従者の方々にはこの地に入る許可を出していますが、堕天使に許可を出した覚えはありません」

 

 天照も堕天使の存在には気づいていた。天照は鋭い目でオーディンを見ていた。日本神話と三大勢力は現在何の関係も持っていない。敵同士と捉えられることが普通だ。今、おそらく堕天使を日本神話の実働部隊が囲んでいるだろう。しかし、気配から見るに堕天使はおそらく幹部クラスの力を感じられる。実働部隊たちでどうにか抑えられるかどうか・・・・・

 

「はて?日本神話とあやつらは仲が良かったのではなかったのかの?」

 

「何のことですか?そのような事実はありません。やつらは勝手にこの地を訪れ、占領している、そのような認識で我々は行動しています」

 

 ここで天照は強気の姿勢で出た。早くもこのようなムードになっている。あちらのヴァルキリー二人は早くも焦りが出ていた。

 

「ふぅむ・・・・・困ったのぅ。天照殿、今日は見逃してはくれないかの?あやつは一応ワシの護衛ということ出来ているのじゃ。ならばわしの従者という扱いにはならんかの?」

 

 今まで好き勝手に侵入を許してきた日本神話であるが、ようやくそのことについての抗議をしてようなものだ。これを見た天照は少し間を開けて答えた。

 

「わかりました。今回はオーディン殿の頼みということで目をつぶりましょう。白雪、部隊を撤退させなさい」

 

「畏まりました」

 

 天照はそとで堕天使を囲んでいる部隊を下がらせた。

 

「すまんの」

 

「いえ、お気になさらず」

 

 このようなやりとりも落ち着いたところで話は進んでいったのだった―――――――

 

 

 

 

 

 

 

 今日は会談の前の挨拶の会のようなもので主神たちは世間話のようなものに浸っていた。出されたお茶を飲みながら会話をしていた。

 

「して、天照殿。前主神である主之神殿はどうされたのじゃ?」

 

「最高神様は隠居なされましたと聞いております。そして、私が主神に任命されたのです。最高神様直々に」

 

 そんな会話がされているのが耳に入る。

 俺たちも俺たちで自由にしていいと言われていたが、俺は話すことは特に何もなく、ただずっと正座をしている。時折ヤトと話していた。そこへ・・・・・・

 

「あ、あの!す、すすすす少しお話をしませんか!?」 

 

 そこへヴァルキリーの一人であるロスヴァイセという女性が来た。この上なく緊張して噛みまくっていた。

 

「あ、う、うん。いいですよ」

 

「え、えっと、イッセー、さんは魔法使いとおっしゃってましたよね?」

 

「ええ。」

 

「私も、北欧の魔術、魔法を嗜んでいます。同じ魔法使いとして、交流をしませんか?」

 

 俺は思ってもみない状況になった。まさか、あちらからこのような申し出があるとは思わなかったのだ。北欧の魔術、魔法を習得している者と知識の交換が出来そうなのだ。北欧の魔法技術は独特であり、とても進んでいるのだ。俺は、北欧の魔術、魔法だけはまだ手付かずなのだ。基本程度は書物でしか見たことがない。

 

「ああ、ぜひそうしよう。北欧魔術を扱う者とこのように話すのは初めてなんだ」

 

 このまたとない機会を逃すことは流石にしたくない。

 俺はヴァルキリーをやっているロスヴァイセさんとこの会が終わるまでお話をした。

 一時間かそこらがたったくらいだろうか?その辺で今日の挨拶会のようなものは終了した。

 オーディンとヴァルキリーはここに滞在するためにホテルへと移動していった。もちろん宿泊するところは日本神話が用意したところである。

 その帰る際、オーディンは俺に近づいてきて少々会話をしたのだ。

 

「のう、魔法使いや」

 

「何用だろうか、オーディン神よ」

 

「ロスヴァイセのやつはどうじゃった?」

 

「はあ・・・・どう、というと?」

 

「鈍感じゃのぉ。お前さんは魔法使いというからあやつろ話が合うと思ったのじゃが」

 

「はぁ、確かに話は面白かったですよ」

 

 確かにロスヴァイセさんは勤勉な人で努力であそこまで言ったのだという。研究という共通の話題で盛り上がった。

 

「そうかそうか。それだけきければいいぞよ」

 

 といってよく分からないまま帰っていった。

 ちなみにヤトはヤトでロスヴァイセさんと普通に話をしていたし、もう一人のヴァルキリーと話していた。両手に花とはこのことらしい。

 というか、ヤトは普通に女性の扱いになれているのだと思った俺であった。

 




はい、というわけで完全にオリジナルの話でした。
このお話もこのあとのための伏線といった感じです。
原作では全くない話なので手探りでやりました。会談前の会みたいな感じで。
ロスヴァイセさんは魔法を使うというのと、研究派なのでイッセーと話が合うともってこのようにしました。

ーーーー§§§§§ーーーーー

∬天照大御神

・日本神話の二代目主神。
・太陽神の名にふさわしい風貌。茶髪の髪に赤く燃え上がるような瞳。
・神聖な力が込められている勾玉を首飾りにかけている。
・夜刀神との最初のパイプを作った人物。のちに妖霊刀紅桜を授けた。
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