ハイスクールD×D ―魔法使いと龍―   作:shellvurn 次郎

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どうもこんにちわ。
前回は更新が遅くてすいませんでした。
今回も本当に申し訳ない。
留年か進級か決める戦いを行っていてなかなか書く時間がありませんでした。

それと今回なのですが、性描写はどこまで許されるのでしょうか?一応、ドメカノが一般向けとして放送していたり、原作の描写だったりがあるのでそれくらいまでならいいという認識でいるのですが。おっぱいとか確かそのまま書かれているので。


No,LIII ~京の都~

 

 八坂と会ったあと、俺は一人でドライグたちの元に戻った。伽耶はというと、同族たちのいるところに泊まることになった。これは八坂や月夜たちの強い希望があってのことだ。

 宿についたら俺はすぐに大浴場に向かう。大浴場の入り口にかかっている暖簾をくぐり、脱衣所で服を脱ぐ。脱衣所は今どきのロッカー式だ。セキリュティ面の心配もあるだろうから鍵をかけられる仕様となっている。それだけに目を瞑れば雰囲気を感じさせるものになっている。衣服をすべて脱いだところでいざ、温泉へと向かう。ここは屋根のない露天風呂だ。見上げれば夜空が広がっている。石でできた大きな湯船に目の前には日本庭園が広がっている。こういった落ち着いた雰囲気が俺は好きだ。こういった西洋にはない文化が俺たちにとって人気なのだ。更にはこの露天風呂のすぐ下を川が流れている。風呂に入りながらこんな絶景を見られるのは素晴らしい。温泉に入る前に体を洗う。この日本ではごく普通の温泉マナーである。

 

「あぁぁ~~~~これこれ」

 

 屋内にも温泉はあるが、俺はせっかくなので屋外の温泉に入ることにした。今は夜だから景色は殆ど見えないが。

 肩までつかるとその心地よさについ声が出てしまった。まあ、いつものことだし仕方ない。

 観光地としてもこれほどの魅力が詰まったここ、京都は裏の京都でも超重要な場所なのだ。 

 京都。この国の始まりとも言っていい場所の一つ。そのため、今でも歴史的価値のある建物、景観を残す素晴らしい場所だ。世界でも唯一といっていい、長く続いている国家であり、その国をまとめ上げてきたこの国の王族も現存するなかで世界最古の家系とも言われているほどだ。その当時は裏との関りも今より断然高かった時代でもあるわけだ。もちろんその王族も陰陽道や裏の事情とつながっていたとみていいだろう。要するに陰陽道の力などが強かった時代だ。今はその影も薄くなりつつあるが。

 さてところでなぜ俺がこの国と関わりを持っているかというと、その昔、裏の京都で起きた大事件がきっかけだった。

 

 

 

 

 

 数十年前——————————

 俺とドライグはさらなる強者を求めて世界を回っていた。そして俺たちは日本に初めて訪れていた。世界を飛び回っていた俺たちはその時は転送魔法ではなくてパスポートを取り、一般の交通手段で日本に来ていた。ま、一応人間だからな。ドライグも説得して人間界のルールに従ってもらったわけだ。目立つわけにもいかなかったからな。

 俺は当時日本に凄まじく速く、強いドラゴンがいるという情報を聞きつけて日本に訪れた。しかし、日本に来たはいいものの、お目当てのドラゴンは姿を現さず、ただ時間が過ぎていった。俺たちは日本での観光に切り替えて最初の目的地である京都へと赴いた。だが、そこで予想もしないことが起きたのだ。

 邪龍――――――――霊妙を喰らう狂龍(ヴェノム・ブラッド・ドラゴン)

 裏の世界にかかわるものなら知っているであろう伝説のドラゴンだ。八つ首に八つの尾をもつ巨大なドラゴンだ。日本神話でもその名が語り継がれている。一般人でも知っているような有名な怪物だ。そんなやつが―――――――――裏の京都に突如として現れたのだった。

 八岐大蛇はその昔、日本神話の武神である須佐之男命が倒したとされている。実際事実ではあるのだが、なぜか復活してこの裏の京都に襲来したのだ。俺が京都に来た時とちょうど重なることになってしまったのだ。

 邪龍は本当にしぶとい奴だ。八岐大蛇が自分でよみがえったのか、それとも誰かが仕組んだのか。もし八岐大蛇が自分自身で復活したのだとしたらとんでもなく厄介だ。やつはこの先も何百年かの周期で復活するのだとすればそのたびに滅ぼす必要があるからだ。

 

 

 

 八岐大蛇はやはり伝説に残るだけあって、とてつもない力を持っていた。龍族としての力はもちろんのことだが、それよりも厄介なのは八岐大蛇特有の能力だった。この世界のドラゴンはそれぞれ固有能力を持っている。八岐大蛇は魂を汚染させて元の魂の原型さえ保てなくなるほどのの猛毒、そして高い再生能力だ。八つある首は切り落しても直ちに再生するというレベルの再生能力。この厄介な能力と強さは周りに甚大な被害をもたらしたんだ。当時、邪龍が復活するなんて予想もつかない事態。それに加えて少々平和であることにかまけていた京の妖怪たちに八岐大蛇を撃退するすべなど皆無だった。あれはひどかった。戦闘向きではない妖怪たちは次々に八岐大蛇の餌食となった。あるものは首と胴体が分断され、あるものは四肢をちぎられ、あるものは踏み潰され、あるものは魂を汚染され・・・・・・・。戦闘員でさえもまるで歯が立たず、この京都の長である八坂でさえも八岐大蛇には防戦一方であった。下位の龍王に匹敵する八坂でさえ、結果、裏の京都は半壊。妖怪たちも総数の四分の三が八岐大蛇によって命を落とした。まさに、最近起きた大災害とも言えるだろう。

 八岐大蛇は偶然居合わせた俺、そしてこの事態に駆け付けた日本神話たちとともに八岐大蛇を倒したってわけだ。この機会にヤトや日本神話、高天ヶ原の神々とそれなりの友好関係を築けたというわけだ。

 

 

 

 ――――――――――今思い出しても痛々しい事件だ。あれ以来だっただろうか。八坂が妖怪たちの身をさらに気にかけるようになったのは。だから、伽耶のことについてもあれほどに自分のことのように心配していたのだ。

 あれから数十年たった裏の京都もだいぶ再建が進んでおり、一時期激減した妖怪たちの数も全盛期には遠く及ばないが、それでも少しずつ数は増えているのだ。加えてあれ以来戦闘員の数を増やしている。自分たちの居場所は自分たちで守る、ということらしい。ともあれ、あれ以来前に向かっていることは良いことだろう。温泉に浸かりながらそのようなことを回想していると、後ろから人の気配がした。ま、大浴場だから当然だろう。この遅い時間にも入る人はいる。ペタペタと足音がこの静かな開放された空間でも聞こえてくる。

 だが、俺はすぐに異変に気がついた。おかしい。この気配・・・・・・・・知らないやつじゃない。いつも一緒にいれば、いやでもわかる。まさか、まさか・・・・・・・・

 

「え?イ、イッセー?ど、どうしてここにいるの・・・・・・・?」

 

 後ろを振り返ると、そこには・・・・・・・・・・・・・

 困惑しながらも、顔を少し赤く染めているドライグがいた。

 ドライグは大きめのバスタオルを体に巻いている。が、しかし、かえってそれがなんというか・・・・・・・・・・・余計にその非の打ち所のない完璧な肢体を強調させていた。こんなことがあっていいのだろうか・・・・・・・・・・・俺は目の前にあるユートピアに夢中であった。

 

[なるほど、やるではないかドライグよ。にしても、うむ・・・・・・・エロい!!!]

 

 う~~~~ん、ニトラが興奮しながら言うのもわかる。大いにわかる・・・・・・・・・!

 特に大きめのバスタオルに包まれているとことによってむしろ強調されているおぱーーいが!!!!おぱーーーーーいがぁ!!!!!!

 

[ハハハ、いいところに目を付けたな、イッセー。あの豊満に実って柔らかくて形の美しいもっちりしたおっ〇いは至高だぞ?]

 

 なんだと・・・・・・・・・・・・

 豊満なのは今見て分かったが、それだけではなくて柔らかくてもっちりしているだとっ!?

 ん?ちょっとまて?ニトラ。なぜそんな詳しいんだ?まさか・・・・・・・・・触ったことがあるのかっ!?

 ニトラがとんでもなくドライグのおぱーいに詳しいのでふと疑問に思った。

 

[ん?ああ、触ったことあるぞ。一度と言わずに二度三度]

 

 い、いつのまに!?先を越されていたかぁっ!?

 ニトラのやつ、いつのまにそんなことを・・・・・・・・。しかし、ニトラは外には出れない。だとすればっ!ドライグが精神世界に来たときかっ!?

 いやいやいやっ!今はこんなこと考えている暇はない。思わず目の前のユートピアに夢中になりすぎるところだった。早くこの場を収めなくては!

 

「い、いや、ドライグ。俺は男湯に入ったはずだが?女湯はお隣だろ?」

 

「え?そんなわけないじゃない・・・・・・・・私だって、女湯の暖簾くぐったんだから」

 

 お互いに正当性を主張する展開となってしまった。俺は間違っていないはずだ。だがドライグも間違いなく女湯のほうに入ったという。どういうことだ?

 このようなハプニングが起き、互いに目を合わせられるようなメンタルもあるわけでもなく、目をそらしてしまう。ドライグは日本庭園のほうに目をそらした。ドライグの目の色が変わった。プルプルと体を震わせている。?なにをみているのだろうか?

 

「ドライグ・・・・・どうしたんだ?」

 

「イッセー・・・・・・あれ見て・・・・・」

 

 ドライグが指をさしたほうを見てみると・・・・・・・・そこに書いてあるのは―――――――――――――――

 

【ここは、混浴専用です。通常の温泉は3階です】

 と看板に書いてあったのであった・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。

 

「・・・・・・・・・・・・」

 

「・・・・・・・・・・・・」

 

 互いに一時無言になるほかなかった。

 つか、混浴ぅ~~~~~~~~~~~~~!?いやいやいやいやいやっ!?ウソォン!?俺温泉の場所間違えたぁ!?

 

[よかったではないか、イッセー。しかも今お前とドライグの二人だけだ。ナニをしても大丈夫だろう]

 

「そういう問題じゃねぇよ!?てか、問題ありありだよっ!?」

 

 ニトラが狙って言っているとしか思えないほどの下ネタをぶっこんできやがった。てかそういうのは威力業務妨害なんだぞ!

 

「え?イッセー、ジルニトラが何か言ってたの?」

 

 ドライグは俺の中にいるニトラの存在を知っているので俺が急に焦りを出した理由がわかっているようだった。

 

「ん?ああ、いや、なんでもない」

 

 当然こんなことを面と向かって言えるわけでもないので適当にごまかす。

 

「まあ、そのなんだ。俺はもう体も洗ったし頭も洗ったから先出るよ。ドライグはゆっくりしていくといい」

 

 この状況で一番無難な解決策をドライグに伝える。女性の入浴は長いのが普通。ならば、ここはドライグに譲る場面だ。本当は今すぐに出て三階の男女別の方に移るべきなんだが。

 俺がとにかく出ていこうとするとドライグに待ったをかけられる。

 

「イッセー、別に制度的に問題ないんだからさ・・・・・・・その・・・一緒に入ろうよ」

 

 ほぇえっぇぇぇえ!?

 俺の予想の斜め上を軽く超えるような答えが帰ってきた。それに俺の頭の中は真っ白になってしまった。

 

「し、しかし。誰か来てしまうかもしれない」

 

「来ない。こんな時間だし。来たとしても魔法で如何にでも出来るでしょ?あ、そっか・・・・・・・。私と一緒に入るのは、嫌なんだ・・・・・」

 

 おおぅっ!

 そんな泣きそうな顔をするのはやめてくれぇっ!!!

 

[おい、イッセー。ドライグの必死の覚悟を不意にするのはこの私が許さん]

 

 内側にいるニトラにもにらまれてしまった。ここはやるしかないか。

 

「わかった、ドライグ。ここは混浴の場。ドライグがいいならそうしよう」

 

「・・・・・うん。じゃ、じゃあ私は先に体洗ってくる、ね」

 

「あ、うん」

 

 ドライグは今来たばかりらしく、スタスタと洗い場へ向かったのであった。

 

「お待たせ」

 

 数十分くらいしただろうか。

 ドライグは温泉につかる。俺のすぐ隣へときた。ちなみにここは混浴なのでバスタオルなどをお湯につけても一応問題ないのだとか。

 ・・・・・・・・・・緊張する

 

「心地いいね、温泉」

 

「ああ、そうだな」

 

 なんて言葉しか出ない。隣にいる一人の異性が気になってしゃーない。混浴・・・・・・・なんて恐ろしいものなんだっ!?

 

「・・・・・・・・・・・・・」

 

「・・・・・・・・・・・・・」

 

 ・・・・・・・・いや、しゃべることが何もないっ!というか、ドライグもだろうけど緊張して口が開かん! 

 ドライグのことを横目でチラッと見る。顔を赤くしてずっとうつむいているだけだ。というか、のぼせてるのでは・・・・・・・・?

 

「・・・・・・・・っ~~~~~~~~~~!?わ、私っ!もう出るねっ!?」

 

 なにやらプルプルとしていたが、ついに我慢の限界だったのか、ドライグは急に勢いよく立ち上がってこの温泉から出ていこうとした。しかし、予期せぬことが起きた。

 

「わわっ!?」

 

「えっ――――――」

 

 ドッシャ――――――ン!

 ドライグがバランスを崩してこちらに倒れてきたというところまでは理解した。しかし、それ以降は視界が真っ暗になったままだった。とっさのことに瞼を閉じてしまった。大きな水しぶきを上げるような音がし、水が周りに飛び散った。

 

「うぐ・・・・・・・」

 

 モニュッ

 

「んあっ❤」

 

 ん?おかしいぞ?とりあえず指を動かしたらなんかすんごい声が聞こえたのだが・・・・・・

 しかも言葉では言い表せないほど気持ちよくて柔らかい感触が伝わってくる・・・・・・・なんだろう。いつまでも、永遠に掴んでいたい。

 

「んっ・・・・・・・イ、イッセー・・・・・や、やめ・・・・」

 

 ドライグが色っぽい声が聞こえる。

 俺は何かとんでもないことが起きているという予感がしてたまらない。

 俺は恐る恐る目を開けてみる。

 

「んっ・・・・・・」

 

 なんという事態だろうか。ドライグはというと、顔を真っ赤にさせて身もだえていた。それに俺の手は視線を下に落とすと、ドライグの胸を鷲掴みにしていた・・・・・・

 ん・・・・・・・・・?

 胸ぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!?

 ヤバい!?実現してしまったぁぁぁぁぁぁぁ!?ドライグのおっぱいぃぃぃぃぃぃ!?しかもタオルが俺の手の下にない。つまり生で。

 

「んぁっ❤・・・・イッセー、お願い・・・・・・離して・・・・」

 

「んっ!?ああ!ご、ゴメンッ!?・・・・・・」

 

 あまりの気持ちよさにずっと掴んでいたままになってしまった・・・・・・・・。

 さすがにやりすぎた・・・・・・・。

 俺は慌てて手をドライグから引いた。

 てか、ドライグがエロすぎる・・・・・・・・吐息も荒いし、顔は赤いし・・・・・・。というか、タオルでせめて隠して!!エロすぎるって!

 

 

 

 

 

 

 ――――――――――というか、この体勢、ヤバくない?はたから見たらさ。

 おれ、ほぼドライグに押し倒されているんだけども・・・・・・・・・いや、いやじゃないんだけどさ。むしろそそる。

 とにかく俺は今の状態から脱却するためにドライグにも今の状態を伝える。

 

「な、なぁ・・・・・ドライグ。とにかくドライグもどいてくれないか?はたから見たらとんでもない状態になっているし、さ」

 

「えっ・・・・・・あっ・・・・・・」

 

 ドライグは今の俺と己の体勢がまずいことに気が付いたのか、顔をさらに真っ赤にさせた。

 

「あっそのっ!ごめんなさいっ!!!!」

 

 ドライグは俺に一言ゴメンと言って勢いよく立ち上がる。温泉に落ちてしまっているバスタオルを拾い上げてすべて顕になってしまっている自分の体に巻いた。

 

「じゃっ!わたし先に出てるからっ!!!」

 

 取り付く島もないほどの超スピードでこの温泉から上がって女性のほうの脱衣所に駆け込んでいったドライグ。

 あまりの衝撃的な事態に俺もボケッと呆けながらドライグの後ろ姿を見ることしか頭になかった。

 

[おい、イッセー。いつまでその情けない顔をしているんだ]

 

「っ・・・そ、そうだな・・・・・・・」

 

 俺があまりにも長い時間を無駄にしすぎたのか、俺はニトラにそう言われるまでずっとあの甘い世界に浸ってしまっていた。やっとこさこの現実に帰った。

ひとまず、のぼせているも同然なので温泉から出て脱衣所に入った。タオルで体についた水滴を拭き取って行く。そのとき、おかしなものがその白いタオルを汚した。

 

「ん?なんだ?これ」

 

 タオルには赤い斑点がいくつもいくつも浮かんでいた。

 

[おい、イッセー。鏡の前に立ってみろ、まったく]

 

 ニトラに呆れられる。

 俺はとにかく言われたとおりに鏡の前に立った。

 

「えっ!?なんじゃこりゃぁ!?」

 

 鏡に映る自分を見て俺は驚愕した。自分の鼻から大量の鼻血がドバドバと出てきているではないか。その勢いは止まることを知らないってくらい。

 タオルにあった赤い斑点はすべて自分の垂らした鼻血であった。

 まさか・・・・全く気づかないとは・・・・・・・。

 

[フフフ・・・・それほどドライグの裸と体の感触は良かったと。いや、イッセーには刺激が強すぎたかな?]

 

「仕方ないだろ!?あれはっ!」

 

 俺はこの場に誰もいないことを良いことについ声を出してしまった。これではいきなり声を荒げている変人としか見えないだろう。

 

「ハッハッハ、ま、イッセーは本当にそういう女性経験がまるで皆無の男だからな。にしても、これだけ生きていて未だ童貞(これ)とは」

 

「うるさいやいっ!!」

 

 全く大きなお世話だ!!

 俺はかなり精神をえぐられるような口撃を受けながらもとにかく着替えて鼻血をなんとかし、部屋に戻るために大浴場を出た。

 

 にしても、血を流しすぎたな。余計なところで。血がたりなさすぎてフラフラだ。歩くことさえも少しきついくらいだ。

 俺がフラフラと歩いていると、ちょうど部屋の前でティアとばったりと会った。

 

「ん?イッセー。風呂に行っていたのか。にしてもどうしたんだ?ふらついているし、顔色も悪いぞ?」

 

「い、いや別に心配されるようなことじゃないんだ」

 

「そうか。それと、ドライグのやつが変だったぞ?風呂から帰ってきたと思ったら、顔を真赤にしているし、ブツブツと独り言をずっと言って挙げ句布団にくるまってなにか身悶えていたぞ?イッセー、何か知らないか?」

 

 ギクリ。

 絶対さっきのことだ。間違いない!

 しかし、バカ正直にティアに言えるはずもない。ここは知らんふりをしておこう。

 

「さ、さあな。風呂でなんかしてたんじゃないか?俺は男だからもちろんわからないが」

 

「む、そうか」

 

「なにかと女性だからあるんじゃないか?そっとしておくのがいい」

 

「それもそうだな。イッセーも女心というのがわかってきているな」

 

 俺はなんとかティアをその場でごまかすことに成功するのだった。

 

 

 

 

 ――――〇●〇――――

 

 

 

 朝、窓の光がカーテンの間から差し込んでくる。俺の普段の生活から身に着いた体内時計が俺の意識を覚醒させる。宿のベッドから身を起こし、着替えなどの準備をした。

 それにしても昨日はとんでもないハプニングがあったがな・・・・・・・・・・ドライグと顔を合わせられない。というか、ドライグ顔に出しすぎでは?

 

 

 

 

「うわぁ~~~~~!たっかっーーーい!!」

 

「すっごーい!!」

 

「ちょっと、みんな、走ったら危ないですわよ」

 

 今、俺は妹たち、ドライグ、ティアと京都旅行中だ。

 昨日のことはとにかく今は置いておいてせっかくここに来たのだから観光すればいいだろうということだ。ちなみにこれはティアと妹たちの提案である。ドライグとおれは正直それどころではないレベルだったのだが、これで少しでも気を紛らわせればいいのだが。

 ちなみに伽耶は今日、八坂のところで母親が巫女をやっていた神社へと向かっていった。みんなで楽しんできてくださいとまで言われた。ま、本人がそう言うのなら仕方ない。それに、母親の唯一といっていいほどの手がかりだ。必死になるのは当然だろう。

 今訪れているのは京都おなじみ。JTR京都駅の目の前にある京都タワー。ターミナル駅のすぐ近くにある摩天楼のごとくそびえたつ巨大な構造物だ。実際に上ってこの京都を周囲一帯、一望できる。ぶっちゃけ、ドラゴンなんだからいくらでもできそうではあるが、それを言ったら雰囲気が台無しだからな。

 不意にドライグと目が合った。すると、ドライグに目をそらされてしまった。昨日のこと、やはり気にしているのだろうか。まあ、あんなことになってしまったのだから当然か。

 京都タワ-を堪能したら次は京都市の東側に移動。この私鉄の阪京線一帯は観光地がずらりと並んでいる。俺たちはそこに行くことにした。相変わらず楽しそうにしている妹たちとそれを見ているティア。そしてその後ろに俺とドライグ。横に並んではいるが、俺たちは終始話せなかった。

 今向かっているのは清水寺である。清水の舞台で有名な寺である。その途中には土産などを売っている店がずらりと並んでいる。その通りを歩ている時だった。急に俺に魔法陣による連絡が入ってきたのだ。

 

『イッセー殿、少し今時間があるでしょうか?』

 

「ん?なんだ?」

 

 連絡をしてきたのは裏の京都の警備隊。いわゆる八坂たちの部下だ。

 

『実は今朝から九重様の姿が見当たらんのです。八坂さまも』

 

「ん?今朝から?どういうことだ?」

 

『それが、八坂さまの姿が見えなくなり、九重様が探しに行ったきり・・・・・・』

 

「戻ってこないと?」

 

『その通りで』

 

「そうかわかった。こっちでも探してみる」

 

『ありがとうございます!!』

 

 俺は連絡を絶った。

 しかし、面倒なことになりそうだ。

 

「イッセー、なんかあったの?」

 

 ドライグが神妙な顔でこちらに問いかけてきた。

 

「ああ、どうにも面倒なことになるかもな」

 

 俺がそう言った瞬間、おかしな空間に俺たちは転移することになった。周りにいた観光客たちはいない。周りにいた人間がいないということは見た限りでは俺たちだけがこの疑似的な空間に移されたようだ。

 

「ドライグ」

 

「うん、わかってる。イッセーも気を付けてよね!!」

 

「ああ、妹たちを頼む」

 

 ドライグはみなまで言わずとも、妹たちをつれてここから脱出した。

 

「さて、とりあえず、九重を探すとするか」

 

 俺はここから移動し、九重の居場所を探知する。少し高いところに浮きながら九重の気配を探す。

 すると、現在位置から少し離れたところに丁度いた。たった数人の護衛を連れて。

 

「九重!」

 

「イ、イッセー殿!どうしてここへ!?」

 

「それはこっちのセリフだ。何をしているんだ?おまえのところの護衛から連絡を受けた」

 

「えっ、そ、それは・・・・・母上を探そうと・・・・」

 

「なに?八坂がどうしたんだ?」

 

「おかしな輩たちにさらわれたんじゃ!息を引き取った母上の護衛殿がそういっておったんじゃ!」

 

 九重の話を聞けば、まーたおかしなことが起きたようだ。ホンと、京都は災いだらけだ。

 この必死さ。嘘を言っているわけではなさそうだ。周りの護衛も九重の言葉に嘘はないと言っている。

 俺たちがこうして合流してまもなくだった。俺は気配を察知して目の前の建物に目を向けた。正確にはその上に立っているやつらに。

 

「だれだ?おまえら」

 

 数十人の集団が俺たちの目の前に現れていた――――――――――――

 

 

 

 

 




というわけでした。

ほんまに申し訳ない。とても遅い挙句に少し粗悪な部分があるとは思いますがこれ以上時間をかけるわけにはいかないので。

今執筆中の小説に加えて、新作を同時並行するか、もしくは一本に絞るか。参考までに意見を。

  • 同時並行でもよい
  • 今の小説に絞る
  • 今のを少し停止して新しい小説を投稿
  • まかせる

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