ハイスクールD×D ―魔法使いと龍―   作:shellvurn 次郎

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はいどうもこんちにわ。


No,LIX

 悪魔や堕天使たちが支配する冥界の更に下層にある世界、冥府を支配する神ハーデスと交渉し、サマエルを召喚する権利を獲得した英雄派はオーフィスを捕らえようとしたがヴァーリに逃げられてしまった。曹操、ゲオルクを中心に急ピッチで捜索に当たっていた。禍の団(カオス・ブリゲード)のもともとの首魁、オーフィスがヴァーリとともに逃亡したことによって実質この組織は英雄派という形になった。アジトの最上階にあるオーフィスの部屋を英雄派が占領し、英雄派の事務室になっていた。

 

「どうだ?見つかったか?」

 

「申し訳ありません、いまだ発見できておりません」

 

「そうか。なら探索に長けた神器を使って、入念に探せ」

 

「はっ」

 

 その部屋で指揮をとる英雄派のリーダーの一人、曹操は大人数である組織を武器にして手当たり次第にヴァーリが逃げた先を追跡させていた。曹操は焦りからか、少々熱くなっているように見受けられた。

 

「・・・・・・・・曹操、次はお前が熱くなりすぎだ」

 

 もう一人のリーダーであるゲオルクが曹操に指摘した。

 

「すまない。俺も少し焦っていたか・・・・・・・」

 

「らしくないな、曹操。そんなに早くヴァーリと戦いたいのか?」

 

「もちろんだ。それに、サマエルを早く試したいね。あれがどんな威力を発揮するのか、な」

 

「そうか。しかし、残念ながらサマエルはまだ使えない。僕のこの神器、絶霧(ロスト・ディメンション)の調整がまだ済んでいない。サマエルを使えるのはおそらくあと一回だけだろう。万全の状態で戦うために、焦るべきではない」

 

 ゲオルクは神器、絶霧(ロスト・ディメンション)から紫色の霧を出しながら言う。

 

「ふっ、そうだな、その通りだ。ならばゲオルクは早めに調整を終わらせておいてくれ」

 

「了解だ。それに、僕は個人的に習得したい魔法もあるから、少しばかり修行に出るよ」

 

「ちなみにその魔法はなんだ?」

 

「それはできてからのお楽しみということにしておくよ」

 

「それは楽しみだ。では俺も、この神器を多分に生かせるように仕上げておこう。禁手(バランス・ブレイカー)をな」

 

「みんな張り切っているねぇ。それはいいことなんだけど。では僕も、グラムはもちろん、ほかの魔剣を使いこなせるようにしておくか」

 

 曹操、ゲオルク、ジークフリードはヴァーリが見つかるまでの短い時間を自身の鍛錬に費やすことを選んだ。そして、三人が別々に修行の場に向かおうとしたその時だった。

 

「曹操様ぁっ!!!!」

 

 唐突に英雄派の構成員の一人が勢いよくこの最上階の部屋に突入してきたのだ。この屋へに入ってきたその男は異常なほどに焦っているのがわかる。

 

「何事だ、さわがしい」

 

「白龍皇、見つかりましたっ!!!」

 

「なにっ!?それは本当か!!!!」

 

 曹操、ゲオルク、ジークフリードは白龍皇がこんなにも早く見つかるとは思ってもみなかったのだ。曹操たちはもっと時間がかかると思っていたのだ。

 

「はい、場所は冥界。白龍皇の気配、力を簡単に探知できました。すぐ向かわれますか?」

 

「ああ、すぐに準備を済ませろ」

 

「はっ!!」

 

「待て」

 

 曹操に指示され、その報告をしに来た構成員は部屋を出ていこうとする。だが、それをゲオルクに呼び止められた。

 

「一つ聞いておきたい情報がある」

 

「なんでしょう?ゲオルク様」

 

「ヴァーリを見つけたといったが、人数は?」

 

「人数・・・・ですと、我々が探知したのは三人です。おそらく、白龍皇ヴァーリ、アーサー・ペンドラゴン、オーフィスかと思われます」

 

「・・・・・・そうか、わかった。行っていい」

 

「はっ、失礼します」

 

 ゲオルクはその報告を聞いて考えこんだ。その様子を見た曹操はゲオルクに疑問を投げかけた。

 

「どうした、ゲオルク?何か考え事でもあるのか?」

 

「・・・・いや、ふと疑問に思っただけだが」

 

「言ってみてくれ」

 

 ゲオルクは腕を組み、神妙な顔をしながら話した。

 

「ヴァーリがこの部屋から逃げるとき、アーサー、ヴァーリ、オーフィスの三人だけだった」

 

「ああ、そうだな」

 

「だが、ヴァーリチームはそれだけじゃない。僕はてっきりジャンヌ、美猴、黒歌、ルフェイたちと合流すると思っていたがそれもない」

 

 ゲオルクは今までのヴァーリたちの行動から情報を洗い出す。英雄派の参謀である彼は魔法のスペシャリストとも言っていい。魔法、魔術では頭脳が物を言う。その頭脳で思考を深めていった。

 

「それに、いかに我々が神器(セイクリッド・ギア)を多用しているからと言って、こんなにあっさりと見つかるだろうか」

 

「・・・・確かに、いわれてみれば疑問にはなるが」

 

「とにかく、向かおう。だが、ヴァーリが何を企んでいるのかわからない。我々を釣っている可能性もある。用心すべきだ」

 

「そうだな」

 

「よし、行くぞ」

 

 ゲオルク、ジークフリード、曹操たち首脳陣はそのような結論を出し、ヴァーリの行方を追った。ゲオルクの絶霧(ロスト・ディメンション)によって、英雄派たちは霧に包まれ、転移する。

 

 

 ―――◆◇◆◇◆―――

 

 一方、英雄派たちを引っ掻き回す算段に出た白龍皇ヴァーリ、アーサー、オーフィスに化けた美猴は冥界に来ていた。ヴァーリは少しでも時間を稼ぎ、つぎなる英雄派たちの攻撃を迎撃するための手段を増やすことが目的だ。いくら悪魔や堕天使の領地と言えど、このような辺境に逐一監視には来ない。よって、絶好の逃げ場所となっているのであった。

 この場で、ヴァーリは目を瞑り、自身の白龍皇の力を周囲に発する。その様子を、アーサーとオーフィスの姿をした美猴は黙って見続けている。ヴァーリたちにとっては大きな賭けとなった。白龍皇の力を発すれば、その力はあらゆるものを引き寄せる。それにここは冥界。いくら辺境とはいえ、白龍皇の力を周囲にまき散らせば、悪魔や堕天使に気づかれる可能性も十分に存在する。英雄派が先に来るか、それとも悪魔や堕天使(部外者)が先に来るかの博打である。

 

「む、来たか」

 

 ヴァーリは自身に接近する気配を察知し、周囲にまき散らしている白龍皇の力を止める。ヴァーリの正面に紫色の霧が発生する。

 

「やあ、ヴァーリ。まさか、冥界に逃げているとは思わなかったよ」

 

 紫色の霧からは英雄派、曹操、ゲオルク、ジークたちが現れた。その姿を確認したヴァーリは笑みを浮かべた。それはもちろんヴァーリにとって、賭けに勝ったのだから。計算通り、ヴァーリは英雄派をおびき出すことに成功した。

 

「曹操、ずいぶん早かったな」

 

神器(セイクリッド・ギア)の力をフル活用すればこんなものだ。さあ、ヴァーリ。オーフィスを渡してもらおうか」

 

 曹操はヴァーリとアーサーの後ろにいるオーフィスを指さしながら言う。

 

「この俺が、大人しく言うことを聞くと思うか?」

 

「だろうな」

 

 ヴァーリはオーフィスを差し出すわけもなく、アーサーとともに前に出て戦闘態勢になる。

 

「ヴァーリ」

 

 戦闘態勢に互いになっているが、その前にゲオルクはヴァーリに尋ねた。

 

「なんだ?」

 

「美猴やジャンヌたち他の連中はどうした?やつらは一体どこにいる?」

 

「さあな。それを知ってどうするというのだ?」

 

「なぁに、少々気になっていたのさ。ヴァーリ。キミが何を企んでいるのかをね」

 

「ほう?」

 

「キミは、逃げたにしてはまるで我々に見つけてほしいとしか思えないような行動だった。その証拠に白龍皇の力を周囲にまき散らしていた。それで我々は君のいる場所を探知できた。それに、よく見てみれば、オーフィスから感じる力には、少々違和感を覚える。―――――――そこにいるオーフィスは、()()?」

 

 ゲオルクはこれまでの経緯から、もはやオーフィスの存在を疑った。これはヴァーリにとっても誤算であった。まだ、このまま隠し通せると思っていたがオーフィスの存在を疑われたのだ。しかし、ヴァーリにとって存在がばれたとしても、次の作戦に移るだけであった。

 

「フッ・・・・・」

 

「何がおかしい?」

 

「おめでとう。よく見破ったな」

 

「ん?」

 

 ヴァーリが笑みを浮かべ、オーフィスに合図を出した。すると、オーフィスは突然煙に包まれた。その煙から出てきたのは、彼女ではなかった。

 

「ようっ、ゲオルク。相変わらずキレッキレな頭しているじゃねぇかよ」

 

「貴様っ、美猴っ!!!!」

 

「そうだぜぇ、オーフィスに化けていたのはおれっちだったってわけさ」

 

 オーフィスに瓜二つといっていいほどの完成度を誇っていた変化の術がここで役目を終える。しかし、英雄派にとってこれはずいぶんんと時間を取られていた。いまごろ、本物のオーフィスはとっくに姿をくらましているくらいだろう。

 

「クソっ、ヴァーリ。貴様、我々を最初から欺いていたのかっ!!!」

 

 曹操は激高し、聖槍をヴァーリたちに向ける。

 

「そう熱くなるな、曹操。少し面白かったぞ」

 

「ヴァーリ、本物のオーフィスはどこだ?おそらく、お前の他の仲間と一緒にいるのではないか?」

 

「ふっ、教える義理はない」

 

 ヴァーリは当然のごとく、口を開かない。そうと分かったゲオルクは戦闘態勢を解いた。

 

「ならば、君に用はない。さっさと本物のオーフィスを探しに行くだけだ」

 

「ではな、ヴァーリ」

 

 オーフィスが本物ではないと分かった曹操、ゲオルクたちはさっさと転移の準備を始める。しかし、それを見逃すヴァーリではなかった。

 

「グッ!?」

 

「曹操っ!?」

 

 突然、曹操がゲオルクが発生させた霧から外へ叩き出される。それはヴァーリの仕業であった。転移をしようとしたその隙を見逃さず、凄まじいスピードで接近し、拳を曹操に向かって放った。

 

「ヴァーリ、てめぇっ!!」

 

「行かせると思うか?お前たちはここで俺たちと戦ってもらおう」

 

 ヴァーリ、アーサー、美猴はそれぞれ武器を構える。アーサーは聖王剣コールブランドを抜き、美猴は如意棒を構える。

 

「くっ、なるほど・・・・・・ヴァーリ、キミはあくまで時間を稼ぐつもりというわけか」

 

 曹操は立ち上がりながらヴァーリのほうに目を向ける。

 

「だが、ヴァーリ。たった三人で戦うつもりか?」

 

 曹操はヴァーリを煽るように言う。曹操の言う通り、英雄派は規模が大きい。曹操は人材を集めることにもっとも時間を割いた。それによって人員は増える一方だ。現に、ヴァーリたちを数十人という規模の人員で囲っている。その先頭に立つのが、曹操、ゲオルク、ジーク、ヘラクレスだった。

 

「ああ、そのつもりだ!」

 

 ヴァーリの背中から、翼が出現する。ヴァーリが今代の白龍皇と言われる所以。神滅具(ロンギヌス)の一つ、白龍皇の光翼(ディバイン・ディバイディング)である。ヴァーリは瞬間移動のごとく、空中へと飛翔し、英雄派の上をとった。

 

「まずい、全員回避しろ!!!」

 

「遅い」

 

 ヴァーリから凄まじいスピードで攻撃が放たれる。それは、ヴァーリが半分血を引く魔王、ルシファー特有の魔力からなる電撃。他の悪魔とは格の違う魔力。それに加えて白龍皇としての力を上乗せされている。禁手(バランス・ブレイカー)でなくても、その威力は絶大であった。

 

「ぐゎぁぁぁぁぁ!!!」

 

「カハッ!!」

 

 その攻撃にいち早く気づいた曹操、ゲオルク、ジーク、ヘラクレスを除いたほかの英雄派の構成員は回避すらできず、その攻撃を食らう。あれほどいた人数差が、すでに一人となっていた。

 

「雑魚は片づけた。これで人数差もなくなったと同然だ」

 

「たとえそうだったとしても、キミたちはだれかが二人を相手にするしかない」

 

「そんなことはわかっている。俺が、曹操とゲオルクを相手にしよう」

 

 ヴァーリが自ら、もっとも負担の重い役を買って出た。

 

「では、私はジークフリードを」

 

「おれっちがヘラクレスを相手ってことだな」

 

「後悔するなよ、ヴァーリ!!!!!」

 

 曹操が怒号の声を上げる。そして、両者が自身の相手とぶつかり合う。

 

禁手化(バランス・ブレイク)!!!」

 

 ヴァーリは神器(セイクリッド・ギア)禁手(バランス・ブレイカー)へと至らせる。凄まじい力がヴァーリの体の周囲に鎧となって具現化する。

 

「ちっ、禁手(バランス・ブレイカー)か」

 

 ヴァーリの禁手(バランス・ブレイカー)、|白龍皇の鎧《ディバイン・ディバイディング・スケイルメイル》の恐ろしさは曹操もよく知っている。すでに完成をさせているヴァーリと、いまだ禁手(バランス・ブレイカー)を完成させていない曹操とゲオルク。これによって、曹操とゲオルクが二人束になっても苦しい戦況となる。

 

「舐められたものだな、曹操。禁手(バランス・ブレイカー)なしで戦おうなど」

 

「黙れっ!!」

 

 煽られた曹操は吐き捨てる。曹操の禁手(バランス・ブレイカー)はいまだ未完成。しかし、それをヴァーリに悟られるわけにもいかなかった。

 

「さて、アーサー。覚悟はいいかな?」

 

「どこからでもどうぞ」

 

 その間にも、聖王剣と魔帝剣の戦いも熾烈を極める。互いに剣士として最高峰の戦いが始まっていた。

 

「オラオラ、美猴!よくも欺いてくれたなっ!覚悟しろ!」

 

「へっ、ヘラクレス!そんな攻撃は当たんないぜっ!」

 

 美猴とヘラクレスの戦いも始まった。ヘラクレスのパワーをよく知る美猴は筋斗雲に乗ってスピードで翻弄する。

 英雄派と白龍皇チーム。この二つは完全に袂を分かつときがいま、この瞬間であった。

 

 ―――◆◇◆◇◆―――

 

「あーーーーーーーー、めんどくせぇ!!」

 

 イギリス、ウェールズ地方。そこは現代のイギリスの一部となっている地方である。そのウェールズ地方のとある田舎の森。その森にある人物の声が響いた。

 

「クソっ、あの野郎、めんどくさいことしやがって」

 

 その人物とは、現代に生きる魔法を操りし者、イッセー・V・アンブロシウスである。彼は京都における英雄派との一戦のあと、自身の故郷であり、彼の両親の家があるこの地に訪れていた。普段であればこの時期に用事があるというわけでもないイッセーだったが、急遽この地でやるべきことがあった。それについては時を少し遡る。

 

 ―――◇◆◇◆◇―――

 

 

「イーッセ!」

 

「ん?どうした、アーシャ」

 

「今更で、ちょっと言いづらいんだけどね?この手紙の中にあった無料宿泊招待券とかもろもろ使っちゃったんだけどね・・・・・?よかったかな?」

 

 京の戦いは収束し、イッセーたちは別荘に帰っていた。そんななか、邪龍、魔源の禁龍(ディアボリズム・サウザンド・ドラゴン)アジ・ダハーカの妹、アーシャがイッセーのもとに訪れた。

 

「無料招待券って、どこのだよ?」

 

「ほら、京都で会ったでしょ?あそこの超高級旅館に泊まったの!!あ~~~本当に良かったぁ」

 

「そ、そうかそれはよかったな」

 

 冗談みたいな存在であるアーシャ。しかし、その精神はまだまだ幼い。旅行というのは初めての経験だった。それほど、いい経験をしたのだ。イッセーとしても、アーシャに何事もなく、楽しんでもらえたことはほっとしている。もし、アーシャに何かあれば、兄であるアジ・ダハーカどころか、イッセーまでがもしかしたらコキュートスが生ぬるいほどの地獄を味わうかもしれない可能性があったからだ。閑話休題(それはおいておいて)

 

「な、なあ・・・・・・ちなみになんだが、差出人はなんて書いてあるんだ?」

 

 イッセーに自覚はなかったが、なぜか少し不安であったのだ。京で出会った、ゲオルクⅣ世の()()()()が気になっていたのだった。アーシャは手紙を取り出し、裏を見る。

 

「ん?ええーっとねぇ、これは魔法使いが使う言語だね」

 

 便箋には確かに名前らしきものが書かれていた。しかし、それは一般字が決して読めるような文字ではない。表の世界で扱われているどの言語でもない。それは魔法使いたちにしか読めないものであった。しかし、アーシャにそんなものは関係ない。両親から受け継いでいるその魔法力と知能、それゆえに魔法使いの文字など余裕で理解してしまうのであった。

 

「普通の文字で言うとね、ゲオルク・ファウストⅣ世だよ?イッセーのお友達?」

 

「なっ――――――――」

 

 その名前を聞いた瞬間、イッセーのかなにはすさまじいほどの衝撃が走った。それはこの地球という次元において、トップテンに入るほどのイッセーが崩れ落ちるほどのものだった。

 

「ん?どうしたの、イッセー?」

 

 崩れ落ちているイッセーを心配するアーシャ。アーシャは知らない。そのゲオルクとイッセーは戦っているということを。

 

「ちなみに、アーシャ。その手紙をどこで?」

 

 顔を上げないままアーシャに尋ねるイッセー。アーシャは少しイッセーを心配しながらも応える。

 

「んーっとね、ほんとに偶然なんだけどね。イッセーのあっちの家の前を通りかかったら、直接ふつうの人に渡されたんだ。お兄ちゃんに聞いたら、郵便を届ける人だって」

 

「そうか、ありがとう」

 

 イッセーはある決心をし、立ち上がった。

 

「イッセー、どこ行くの?」

 

「ああ、少し用事を思い出したんだ」

 

「そっか、じゃあねー」

 

 とぼとぼと去っていくイッセーをアーシャは元気いっぱいに送り出した。

 

 ―――◆◇◆◇◆―――

 

 このようなことがあり、イッセーは今自身の実家に来ているというわけだが。当然、そんなイッセーの様子に気づくドライグは心配していたが、イッセーは必死になだめてここに来たのだ。

 とイッセーは歩き倒し、自分の実家の目の前に着くのである。イッセーはさっそくこのあたり一帯に発動させている魔法を見直す。

 

「クソッ、なんてことなんだ。この家の在り処が公開されているも同然じゃないか・・・・・・・個人情報が流出しているとは」

 

 イッセーはぶつぶつと文句を垂れ流しながら作業を続ける。イッセーの言っていることももっともであった。今となっては敵である存在にそんな機密情報が知られているのは、戦う者にとって、とんでもない失態である。

 

[何をしている、イッセー。貴様、そんな簡単に場所を突き止められるなど・・・・・・この家には、人間の魔術師、魔法使いたちが命を代償にしても欲しがるような遺産が山ほどあるのをわかっているのか?アンブロシウスとしての名が泣くぞ]

 

 これにはイッセーの中にすむドラゴン、ジルニトラもあきれ果てていた。

 

「クッ・・・・・流石に、一般人をこっちに来させるとは・・・・考えが甘かったというのか」

 

 イッセーが家の周りに展開している結界は、人畜無害、何の力も持たないただの一般の人間には発動しなかったのであった。いざとなれば、力の大小の条件よっては神仏さえも弾くような完璧に見えたその結界にも弱点があったのだった。

 

「とにかく、これ以上めんどくさいことならないようにしないと」

 

 イッセーは苦虫を嚙み潰したような顔をしながら大急ぎで作業を進める。どうやら、イッセーが発動させている数重もの結界に不備はなかったようだった。イッセーは家の存在する場所の次元を魔法で捻じ曲げ、普通の方法では侵入できないように創りかえる。

 

「よし、こんなもんか」

 

[ふむ、まあこれなら良しとしよう]

 

 ジルニトラの及第点ももらったところで、イッセーはさっそく実家の中へと入り、くつろぐ。それなりに魔法を使用したことで一息ついた。

 

「(少しはゆっくりできるだろう)」

 

 イッセーはソファーに寝ころび、楽になろうとした時だった。イッセーがあらた創り出した次元に凄まじい歪みが生じる。その歪みの奥には、凄まじいほどの力の塊。イッセーがその気配に気づかないわけがなかった。

 

「なんだっ!?」

 

 目に見えるほどの異変にイッセーは飛び起きて、すぐに家の敷地へと飛び出す。

 

「何者かがテリトリーに侵入したようだが・・・・・」

 

 イッセーの経験から、家の周囲半径数百メートルの領域には結界が構築されている。この結界を破ることのできる存在など、数えられるほどだ。さらに、次元を歪めて現実世界の住所をごまかしている。それだというのに、相手は安々と次元を突破され、結界さえ何事もなかったかのように侵入している。イッセーにとって、この領域に足を踏み入れる者はすぐに探知できる。

 

「だが、すぐにトラップが発動しているはずだが・・・・・・行くか」

 

 イッセーは自身が仕掛けた侵入された場合に発動する攻撃術式が発動していることを確認する。その間に、距離を詰めてその正体を見極めようとした。だが、目にした集団はイッセーにとって意外な人物であった。

 幾重にも展開され、侵入者たちに向かって放たれようとしている攻撃は、イッセーの意思によって無効化される。

 

「まさか、おまえなのか?オーフィス――――――」

 

「・・・・久しい、イッセー・・・・・」

 

 この領域に侵入した者たちは、無限の龍神(ウロボロス・ドラゴン)、オーフィス。そして、白龍皇ヴァーリとともに行動する者たちであった。

今執筆中の小説に加えて、新作を同時並行するか、もしくは一本に絞るか。参考までに意見を。

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