ハイスクールD×D ―魔法使いと龍―   作:shellvurn 次郎

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どうも、こんにちは。
超時空殲滅魔法です。

今まで2話、続けて1万字を超えましたね。
そのおかげで、ニトラのことが先延ばしになってしまいました。
ホントはもっと短くする予定でしたが、イッセーSANの悪魔へ
の制裁を書くときに盛り上がってしまいました。
ニトラのことはすいません!!
次回に書きますので!!お許しをm(__)m

では、どうぞ~~


No,VI ~決意~

 ―ドライグSIDE―

 

 「―――大丈夫よ、イッセー。私たちがついているから―――」

 

 イッセーが力に飲まれそうになったところを、私でも初めて見る龍

 が強制的に覇 龍(ジャガーノート・ドライブ)を解除して、イッセーを助けた。そして、ニトラがイッセーに対して問う。これからどうするのか――と。でもイッセーは真っすぐな瞳でニトラに動じることなく、答えた。私たちを、頼ってくれたんだ。あてにしてくれた。イッセーは力に飲まれた―けど、今は完全に理解しているんだ。そして、私たちから学ぼうと、吸収しようとしているんだ。ホントによくできた子ね。齢二桁にも達していないこんな小さな子が、あんな覚悟を伝えられるなんてフツーじゃない。でも、こんな覚悟を見せられた以上、私はこの子に尽くす―――そう決めた。

 

 そして、イッセーの意識は現実に帰ろうとしている。イッセーには激励の言葉を掛けたが、それでも不安はあった。それはそうだ。なんだかんだ言っても、まだ小さな子供。この年で神 器を扱う。そんなことは前代未聞なこと。そして相手は成熟した悪魔。それも子供相手に8人、、、

 

 「イッセー、、、」

 

 自然に私の宿主の名が口からこぼれる。不安しかない声が。すると、そんな声を聴いたであろうニトラが私に声をかける。

 

 [何をそんなに不安がっている?]

 

 「それは・・・・」

 

 [イッセーが相手を倒せるか、どうかか?]

 

 「・・・」͡コクン

 

 私はニトラに図星を突かれ、何も言葉を発することができず、ただうなずいた。

 

 [・・・・赤龍帝ドライグ、貴女が宿主を、イッセーを信じなくてどうするの?力を貸すと、教えるといったのでしょう?ならば、イッセーがしたいことのサポートをしてあげなさい。]

 

 それでも私は不安をぬぐい去ることは叶わなかった。まだ心のどこかに、イッセーが殺され、悪魔のいいようにされてしまうのではないかと。

 

 〈何を弱気になってんだよ、ドライグ。〉

 

 〈そうよ、あなたらしくもない。いつもの強くて凛とした貴方は何

  処へ行ったの?〉

 

 ベルザードとエルシャにもどやされる。ホント、いつから私はこんなに弱気になってしまったのだろうか。

 

 〈イッセーを信じてあげましょ!〉

 

 〈そうだ、何も心配いらねえよ!〉

 

 そうだ、イッセーを信じてあげなきゃ。ベルザードとエルシャに謂われ、上を向く。すると、イッセーが悪魔どもと戦闘に入っていた。

 

 そこには、私が心配しているようなことは無かった。体術だけで、数で圧倒的に不利なのに悪魔の猛攻を軽々と凌いだ上、攻撃まで食らわせていた。

(凄い・・・)

 正直に思った。すると、ニトラは感心したように謂った。

 

 [イッセーはやはり、かなりの実力者だ。相当鍛錬を積んできていたのだろうな。]

 

 〈ええ、イッセー君は本来なら魔法使いのはずよね?〉

 

 [そのとおりだ。]

 

 〈でも、魔法を封じられていて、あの落ち着き、そしてあの身のこなし。凄いわ。魔法使いの範疇を超えてる。〉

 

 〈ああ、俺も魔法使いをそれなりに見てきたが、あんなに体術をこなすやつはいなかったぜ。全員、魔法にかまけて自分の体は鍛えねぇからなイッセーの両親、いい教えをしていたようだな。〉

 

 [全くだな。]〈本当ね。〉

 

 私は3人の会話を聞いていたがその通りだった。だが、さらに驚くことは続いた。

 

 『Welsh Dragon Balance Breaker!!』

 

 イッセーはこの土壇場で禁手に至った。たった、あれだけのアドバイスで、、、

 余程、その思いが強く、真っすぐだったのね。

 

 〈ふふふ、イッセーには驚かされてばかりね♪〉

 

 〈全くだな。しかも、あれは普通の禁手じゃね。亜種だ。〉

 

 ベルザードのいう通り、イッセーの手には恐ろしい槍みたいな武器が握られていた。見たことないものだった。

 

 〈ベルザード、あれ、何か知ってる?〉

 

 エルシャも気になったようで、ベルザードに質問する。

 

 〈ああ、あれは方天戟って武器だ。以前、資料で見たことある。ヨーロッパではハルバードと言うらしい。俺も、あんなに凶悪な実物を見たのは初めてだ。〉

 

 あの最強の赤龍帝で、戦いに明け暮れ、2度白龍皇を退けたベルザードでさえ、見たのは初めてだという。私はその情報をもとに禁手の名前を即興で作り上げる。

 

 「なら、禁手の名前は赤龍帝の焱方天戟〘ブーステッド・ギア・スケイルメイル・ブレイズ・ハルバード〙ね!!」

 

 〈おお!それいいな!〉〈ふふ、それで決まりね♪〉

 

 即興で作ったにもかかわらず、二人も賛成してくれたようだ。禁 手に至ったイッセーはそこから凄まじかった。倍加を10回以上も平気でしている。しかも、それを平気で保ち続け、リセットされない。それにも、私は驚きを隠せなかった。私の顔を見たニトラはそのことについて話す。

 

 [イッセーはもともと、体術も魔法と同じくらい鍛錬していた。自身に重力魔法で負荷もかけてな。]

 

 私はその言葉に何も言えなかった。

 ・・・・イッセー、あなたやり過ぎよ・・・・

 ベルザードとエルシャもその事実には驚きを隠せていない。

 

 [更に、私の魔力でイッセーの体を強化している。これで、仮に倍加とやらを無限にしても大丈夫だ。]

 

 やはり、この龍は次元が違った・・・

 しかも、この魔力は何?それはもはや、魔力とよぶにはあまりに強すぎる。質も密度も桁違いだ。

 

 更に、イッセーが方天戟で相手を切りつけると、驚くことが起こった。

 

 〈ねえ、ドライグ、あれ・・・・〉

 

 「ええ、そうよ・・・あれは・・・・」

 

 〈おいおい・・・・マジかよ・・・・〉

 

 そう、掠っただけなのに、悪魔が数秒で塵と化したのだ。

 

 「私の・・・・焱・・・・」

 

 それは、間違うことのない。私の生前の力だった。封印されていたはずの力が解かれるなんて・・・・・

 

 〈最強の赤龍帝であるベルザードでも、これまでは引き出せなかったのに・・・〉

 

 〈ああ・・・・全くだ。イッセー!おめぇにはつくづく驚かされるぜ!〉

 

 「イッセー、貴方は過去、未来、現在において、最強の赤龍帝よ。間違いなくね。」

 

 これにはベルザードとエルシャも迷いなくうなずく。  赤龍帝の、生前の力を引き出したのは過去一人もいない。それだけに衝撃的だった。それに嬉しくもあった。また、これが見られることを。

 

 そこから、イッセーはもう圧倒的という言葉すら温かった。悪魔たちを一方的に蹂躙した。オーラと魔力は私たちを封印した神や魔王とは比較にならないほどの領域だった。あの無限にも到達しうるかもしれないほどに。

 ――――と同時に戦慄した。

 

 「あガァァァァァァァァァァ!!!!!!!!」

 

 神器内に悪魔の痛烈な悲鳴が響き渡った。イッセーは悪魔のリーダー格を切り刻んでいた。

 

 〈イッセー、、、〉〈それは、、、〉

 

 二人は顔を青くしている。イッセーは喜々として、悪魔をいたぶっている。でも、私は見ても何も苦にならなかった。むしろ、いいぞ、もっとやっちゃえ、イッセー♪悪魔に死んだほうがましと思えるくらいの苦痛を与えてあげて。

 ・・・・うん。こんな考えでいたら邪龍ね。完全に。まあ、それもいいかな。

 

 〈うわぁぁぁぁ・・・・見てるこっちが痛い・・・・〉

 

 〈うぅぅ・・・・もうっ無理・・・・・あんなにかわいいイッセー君が・・・・喜々として悪魔を刻んでる・・・・〉

 

 二人は余りのイッセーの行動に耐えきれず、音を上げていた。情けないわね。まあ、内臓とか、内臓とかいろいろ見えてるケど。

 

 「二人とも、どうしたの?顔が青いわよ?」

 

 〈うぅ・・・・ドライグ見ての通りだ、ドライグ・・・・〉

 

 〈ドライグ・・・・あなた逆にあれをみて平気なの・・・・?〉

 

 二人は予想通りの質問をしてきた。二人はとても苦しそうだ。何も思わないかって?フフッ♪愚問ね♪

 

 「いいえ、思わないわ。むしろスカッとしたわ。悪魔のあの醜い姿を見ることができて。いい気味だわ。」

 

 〈ドライグ・・・・あなた・・・・〉

 

 〈ドライグ、おめぇ、もしかして邪龍の気質でもあるのか?〉

 

 二人はジト目で私に応える。んもう、邪龍なんて失礼しちゃう!心のなかで否定すると、さらに追い打ちをかける。

 

 [いや、まさに邪龍そのものでしょ?その思考は。ほぼ無抵抗の者にあれだけやっているイッセーに共感するなんて。]

 

 「もう!!あなたまでそういうの?」

 

 〈自覚なし・・・・〉

 

 [ふぅむ、宿主とその龍がこれでは将来、イッセーは邪龍たちに好かれそう。と言うか、邪龍たちと暮らしてそうだ。]

 

 〈あぁ、なんとなく想像できた自分がいる・・・・〉

 

 〈俺もだ・・・・〉

 

 [まあ、それはそれで面白いと思うがな。]

 

 ・・・・言われてみれば、なんとなく想像できてしまった。そんなことを言っているうちにイッセーは悪魔どもを片付け終わっていた。私はイッセーに話しかけた。

 

 「イッセー!!凄かったわ!!まさか、ベルザードとエルシャでも目覚めなかった私の生前の力である【透 過】や【燚帟の炎火】を初めての禁手で発動させるなんて!!私、鳥肌が立ったわ!」

 

 「そう?ありがと、ドライグ。」

 

 私が誉めると、イッセーは少し頬を赤く染めながら礼を言った。照れているんだろうか。かわいい・・・・

 

 〈ああ!凄かったぜ、イッセー!〉

 

 〈ホントよ!今の時点でベルのあの【覇 龍】と同等かそれ以上のパワーだったんですもの〉

 

 〈ああ、まさかこの時点で並ばれるとはな・・・・〉

 

 「その通りだわ。ふふふ、イッセー、あなたは間違いなく過去、未来、現在最強の赤龍帝よ!」

 

 〈それどころかよ、ドライグ、もしかして全盛期のお前に届くんじゃないか?〉

 

 「ええ、その可能性も十分あるわね♪なんせ、封印された私の【透 過】や【燚帟の炎火】さえも発現させたのだから♪」

 

 〈マジかよ・・・〉〈これを開いた口が塞がらないっていうのね・・・・〉

 

 「ありがと、みんな・・・・」

 

 イッセーはそうは言うが、そんな嬉しそうな声ではなかった。イッセーは禁 手を解除し、とある場所へ歩いて行った。つらそうな顔をしながら。その場所はそう、イッセーの両親がいる場所だ・・・・しかし、二人はもう・・・・目を覚まさない。

 

 「・・・・おとーさん・・・・おかーさん・・・・」

 

 「イッセー・・・・」

 

 〈・・・・・・〉〈イッセー君・・・・〉

 

 イッセーのつらそうな声が神器内に届く・・・・聞いているだけでこっちまでつらくなってきた。イッセーは声をあげて泣かなかった。ただし、ずっと涙を流していた―――

 

 ―ドライグSIDE OUT―

 

 

 ――――――――――――――――――――――――――――――――

 

 

 ―イッセーSIDE―

 

 「おとーさん・・・・おかーさん・・・・」

 

 クソ悪魔どもを始末したあと、僕はとある場所へ向かった。そう、おとーさんと、おかーさんがいる場所だ。二人とも、見るに堪えない姿だった。体中傷だらけ・・・おかーさんに至っては何故か衣服がはぎ取られていた挙句には白い液体みたいなものが全身に付着している。目をすぐにつぶりたくなるような、そんな悲惨な姿で殺されていた・・・・

 

 「・・・・・・」

 

 ポロッ、ツーーー

 そして、自然と涙がこぼれてきた、、、単純に大好きな二人を殺された哀しみだけではなかった。悪魔への怒りを通り越した感情、二人を死なせてしまった罪悪感、いろいろな感情があふれてきた、、、そんな涙なのだろうか。僕はずっと、そこから動くことが出来なかった。ずっと両親の亡骸を見つめていた。もっとも、目は終始ぼやけて何が目に映っているのかわからなかったが。

 

 『イッセー・・・・・』

 

 ドライグは苦しそうな声で僕の名を呼んだ。ドライグも悲しんでくれているのだろうか。優しいな・・・・さらに時間は過ぎていく。するとニトラはその空気に耐えられなくなったのか、僕に謂った。

 

 [イッセーよ、取りあえず、両親をうめてあげよう、、、悲しいのは十分分かる。しかし、ずっとそうしているわけにもいかないだろう?もう、悪魔どもは襲ってこない、なんて保証はないのだから。両親の体が腐敗してしまう前に。]

 

 「うん・・・・・そうだね、ごめんね。頭、真っ白になってて動けなかった。」

 

 [いや、仕方のないことだ。お前はまだ幼い。このようなこと、受け入れられないぞ、普通は。お前は、強いな・・・・]

 

 「強くなんか、ないよ・・・・」

 

 そう、強くなんかない。強かったら、二人を・・・・おとーさんとおかーさんを死なせずに済んだんだ。

 

 [違う。イッセーの心の方だ。齢10を越していない子が両親の死を、受け入れ、落ち着いていられるわけがない。]

 

 ニトラは僕を称賛する。

 

 「違うよ・・・・それは、ニトラやドライグ、ベルザードさんとエルシャさんが、みんながいるからだよ。もし、ここに僕だけしかいなかったら、僕は僕じゃ無くなってた。みんながいたから、何とかなってるだけだよ・・・・」

 

 僕がこうしていられるのはみんなのおかげ。一人だけだったら何も出来なかった。一人じゃ何もできない・・・・そんな自分が嫌になる。

 

 [子供が一人で何もできないのは当然だ。そうだ、イッセーはまだ未熟だ。だから、失ってしまった・・・・]

 

 『?!!ちょっと!!イッセーに何言ってるの!』

 

 ニトラの言った言葉にドライグが激怒した。やっぱ、一人じゃ何もできない、僕が弱かったから・・・・

 

 [だから、イッセー。強くなれ。これから。もう、二度とこんな目に合わないように。私がついている。分からない事があるなら、教えてやる。]

 

 「ニトラ・・・・・」

 

 『イッセー、私もイッセーの為なら尽くすわよ!』

 

 〈おうよ!俺もだぜ!!あんなの見せられたんだ、これからだ!〉

  

 〈そうね、なんたって私のかわいい弟分だからね!〉

 

 「みんな・・・・ありがとう・・・・」

 

 みんなの優しさが心にしみてくる・・・・僕はここで立ち止まったら、おとーさんとおかーさんに合わせる顔がない。僕はここで決心した。

 

 「みんな、僕、やるよ。強くなる。」

 

 [よく言った、イッセー。]

 

 『そうよ、このまま終わるわけにいかないもんね!』

 

 〈流石だ。〉〈強い子ね。おねーさん惚れちゃいそう♡〉

 

 みんな、僕の決意を認めてくれた。若干一人違ったけど。

 

 [イッセー、取りあえず、両親を埋葬してあげよう。安らかに眠れるように]

 

 「うん、そうだね。」

 

 ニトラが言ったように、僕は大切な両親の遺体を埋葬する準備をした。まず、魔法を駆使して二人の身体を綺麗にした。魔法はニトラに教えてもらった。すると、実際に実行した僕でも驚いた。おとーさんとおかーさんの傷ついた身体は見違えるように綺麗になった。もう動きだしてもおかしくないくらいなほどに。僕はここでニトラに訊いてみた。

 

 「ねえ、ニトラ・・・・死者を生き返らせる、なんて魔法・・・・ない?」

 

 僕は、もしかして両親が生き返ってくれるんじゃないか、そんなわずかな希望に掛けて訊いた。

 

 [・・・・・]

 

 ニトラは困ったという風に、うなり声をあげた。その声から察して僕はやっぱり、と諦めたが、ニトラからとんでもない言葉がこぼれる。

 

 [無い・・・・こともない。]

 

 「っ?!ほ、ホントに?!」

 

 まさか、あるなんて思いもよらなかった。魔法ってホントに無限大なんだな、と改めて思った。だが、現実はそんなに甘くは無かった。

 

 [だが・・・・イッセーの両親は生き返らせることは叶わない・・・・]

 

 ニトラの重みのある言葉が僕の心に突き刺さる。やっぱだめだったか。ニトラは説明を続ける。

 

 [確かに、私は生前、そのような力を使ってきた。実際それを使って蘇らせた事もあった。だが、厳密に言えば生き返らせるのではなく、蘇生、復元の方が近い。]

 

 『どういうこと?』

 

 ドライグが不思議がっている。勿論僕もだ。何が違うのだろうか。

 

 [私が行ったのは肉体を創り、魂をそこに定着させた、ということだ。]

 

 『なら、イッセーの両親だって・・・・』

 

 [残念だが、私の力ではできない。私が蘇生したのはいずれもドラゴン。知っているだろう?ドラゴンはたとえ、肉体が滅ぼされていても魂はその場に残る。だから、【神 器】というものに入れられているんだろう?]

 

 『ええ、まあ。』

 

 ドライグはその言葉に納得する。

 

 [それは、ドラゴンの魂が強いからだ。その強さ故、その場にとどまり続けることができる。だが、人間はそうはいかない。人間の魂はドラゴンと比べれば脆弱だ。死を迎えれば、その魂は行くべき場所へとすぐに向かってしまう。それに、ドラゴンほど魂の格が高く、気配も強ければ魔法で探し出し、とどまらせておく事も出来なくはないが、人間では感じ取ることはできない。余程、魂やそちら系の物に精通している神クラスの者でない限りはそのような芸当は難しいだろう。]

 

 「うん、やっぱ無理だね・・・・」

 

 [済まない・・・・イッセー・・・・・]

 

 「ううん、違うよ。ニトラが謝ることなんてない。」

 

 そう言って、僕は埋葬の準備をする。おとーさんとおかーさんの身体を綺麗にして、衣服を着せる。両親が生きていたときに着ていた服。魔法で穴を掘り、二人をその中に優しくそっといれる。おとーさんとおかーさんの肌は冷たい・・・あの温かった手は、冷たかった・・・・土をかぶせるとき、僕は目の瞑って静かに眠っているおとーさんとおかーさんに声を掛けた。

 

 「おとーさんとおかーさん・・・・僕はもっと一緒にいたかった。でも、その願いは敵わない。おとーさんもおかーさんも魔法をもっと極めたかったよね・・・・・もっと、やりたいことはあったよね。僕、イッセー・ヴァーミリオン・アンブロジウスは二人の夢を、受け継ぐよ。魔法を極めるよ。僕は大丈夫。一人じゃないから。それと僕、赤龍帝だったよ。これって何かの運命なのかな。それと僕の中には大きな黑いドラゴンがいたよ。すっごく強くて優しい・・・・ニトラっていうんだよ。ドライグ、ニトラ、ベルザードさんとエルシャさん。僕、一人じゃなかったよ。助けてくれたんだ。みんな。いい人たちだよ。僕はもう立ち止まらないよ。グスッ・・・ウッ・・・・だ、だから、安心して・・・・・安らかに・・・・・眠って・・・・それと、このイッセーって名前、大好きだよ・・・・・つけてくれてありがとう・・・・産んでくて、ありがとう・・・・・」

 

 僕は涙を流しながら、最後の別れを告げ、うめた。もう、二人の姿は見えない。

 

 『イッセー・・・・』〈・・・・・〉〈・・・・・グスッ・・・・〉

 

 [・・・・・・]

 

 ニトラも、ドライグも、エルシャさんもベルザードさんもみんな僕の姿を内側で

 見ている。

 みんな、見届けてありがとう。

 

 「あ、わすれてた・・・・・」

 

 僕は大事なもの思い出し、すぐ実行に移した。

 

 『イッセー?何を忘れてたの?』

  

 ドライグは不思議がって僕に訊いてきた。

 

 「ん、ああ、お墓に大事なものだよ。」

 

 僕はドライグの質問に詳しいことは言わず、岩が多いところに行き、大き目の石を二つ魔法で切り出し、うめた場所に戻る。そして、形をそれらしくして文字を彫って地面に突き立てた。

 

 『ああ、なるほどね。立派なお墓になったわね。』

 

 [これなら、両親もさぞ喜んでいるだろう。]

 

 「えへへ、そうだといいな。」

 

 『絶対そうよ♪』

 

 僕は、おとーさんとおかーさんのお墓を立てた。そんなに豪華ではないけど、自分としては満足している。喜んでくれるといいな。

 

 ⦅ええ、じゅうぶんよ・・・・・⦆ ⦅ありがとな、イッセー⦆

 

 ?今、声が聞こえたような・・・・・

 

 『イッセー、帰りましょう?』

 

 「うん、そうだね。」

 

 僕はそういわれて、帰る場所へと歩いて行った。

 

 

 1☓☓☓年   マーリン・アンブロジウス

 

 

        ここに眠る―――――

 

 

 

 

 

 

 1☓☓☓年   クリスチャン・ローゼンクロイツ

 

        ここに眠る―――――

  

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

  

 

 

 




はい、第六話いかがだったでしょうか?
イッセーはここから動き出します。



感想、待っています。
また、作品に関しての意見、ご指摘などありましたら、メッセージなどで送っていただけると嬉しいです。


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ハイスクールD×D ―魔法使いと龍― 設定ミニコーナー

イッセーの父 
 
 クリスチャン・ローゼンクロイツ
 
 この人も伝説の魔法使いです。マーリンと同等の力量を持っています。同じ時代にいた、ということかどうかは分かりませんが、同じ伝説に出てくる人物なのでこのような設定にしました。

>クリスチャン・ローゼンクロイツが残した魔導書も凄いんだとか
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