ハイスクールD×D ―魔法使いと龍― 作:shellvurn 次郎
長い間、投稿できなくて申し訳ございません。一応言い訳をしておくと、これとは別にブログをはじめました。それのほうに傾倒していたので時間が取れませんでした。
さて、今後の予定を先に記します。
このお話と新作は継続します。しかし、こちらのサイトでは何一つ私に蓄積されるものがありません。よって、自分のサイトにまた一から投稿を始めようと思っています。よって、自分のサイトのほうが最新話が早く投稿されるようになる、というのがいまのところの計画です。こちらはHTMLなどで書くのでハーメルンのほうに来るのは少々時間がかかるかと思われます。なにかしらご意見がある方はどうぞ、ダイレクトメールを。
ヴァーリ、アーサー、美猴が見送る中、ジャンヌ、黒歌、ルフェイ、本物のオーフィスは先に
「ねえ、脱出したはいいけどさ、どこにいくにゃん?」
「それは、ヴァーリ様から伺っています。なんでも、オーフィス様が行きたい場所があるのだとか」
「へぇ、オーフィスが?」
「うん」
オーフィスはこくりとうなずいた。オーフィスは何も求めない。ただただ、静寂を欲した。無欲なのだ。そんなオーフィスの個性を知っている女性陣が、オーフィスの数少ない希望には驚いたのは無理もなかった。
「ふーん、それってどこなの?」
「はい、これからその場所へ向かいますわ。皆さん、乗ってください」
ルフェイは新たに魔法陣を形成させた。全員が乗ったのを確認したルフェイは転移を開始した。
「んー?その口ぶりからすると、ルフェイはその場所知っているのかにゃ?」
「えーと、私が知っているのはあくまで大まかな場所にすぎないんです。そこまで行った後は、オーフィス様が自分で案内するって、ヴァーリ様からはうかがっています」
「ふーん、オーフィスが行きたがってるところ、ねぇ・・・・・・」
ジャンヌはただ単に興味がひかれた。無欲なオーフィスが自分から行きたがる場所にだ。
「心配ありませんわ。ヴァーリ様曰く、我々が潜伏するには絶好の場所だと、下手に逃げるよりは面白いかもしれないと」
「下手に逃げるより面白いって、どういうことにゃ」
いまだに真意をわかりかねている面々の頭の上にははてなマークが浮かんでいる。
「とりあえず、急ぎましょう。ヴァーリ様たちが時間を稼いでいるうちに」
「そうね」
こうしている間にも、囮役となったヴァーリ、アーサー、美猴はいまも絶賛戦闘中だった。その一方で狙われているオーフィスを逃がす役を担った通称ヴァーリチームの女性陣たちは早急に目的地へと向かう。
「着きましたわ」
そうこうしている間に、目的地についていた。そこは、ルフェイ自身に縁のある地であった。
「ねえ、ここって・・・・・・」
「はい、ブリテン島ですわ」
「ブリテン島って、ルフェイの出身地じゃない」
「はい、そのとおりです」
たどり着いた場所は人間界、グレートブリテン島であった。そこは、ペンドラゴン家の本拠地である。逃げた場所がルフェイ出身の地であることに黒歌、ジャンヌは不思議でならなかった。
しかし、オーフィスは違った。この地に来たのはまるで今回が初めてではないかのような真っすぐな目を向けていた。それはウェールズ地方の方角だった。ちなみに、オーフィスが行きたがっている場所を知るのは今のところ、陽動作戦をしているヴァーリのみである。
「オーフィス様、ここからは道先案内人役、お願いしますね」
「ん、わかった」
この中でただ一人、行き先を知るオーフィスはコクリとうなずいた。ここからは、道先案内人はルフェイからオーフィスに代わるのだった。
「のって」
オーフィスは自ら魔法陣を展開させ、この上に乗るように言う。
「また魔法陣で行くの?オーフィス」
「ん。こう、じゃないと、そこには行けない」
「わかったわ」
オーフィスの短い説明に納得した三人はオーフィスの言う通り、魔法陣に乗る。龍神が操る魔法陣に乗るのは初めての体験である。とくに魔法使いであるルフェイにとってはとても貴重な体験だった。
「ん、ついた」
ついた場所は、周りを木々に囲まれたちょっとした平地。その奥を見えると、家が見えたのだった。
「・・・・・」
見た目は普通の家だ。しかし、なにやら普通とは違った雰囲気にルフェイ、黒歌、ジャンヌは息を吞んだ。しかし、そんな雰囲気はすぐに壊されることになった。少々遠くに見える家に向かって足を踏み出した瞬間だった。踏み出した地面から魔法陣が現れる。それだけではなかった。最初に現れた魔法陣を皮切りに、空中からも凄まじい数の魔法陣が次々に出現する。数々の死線を潜り抜けてきた彼女らにとって、その魔法陣がどんなものなのかなど、それくらいのことはすぐに察しがついた。明らかに攻撃を放つ魔法であった。
「ちょっ、何よこれ!!」
「オーフィス!これどういうことなのっ!?」
もともと、オーフィスの身を隠すために訪れた場所。その目的のために来たというのに、さっそく
「みなさん!気を付けてください。一つ一つの魔法の威力がけた違いです。今まで戦ってきた魔法使いと天地の差があります!」
チームの中で最も魔法に詳しいルフェイが注意を促す。魔法陣はすでにいつでも攻撃が加えられる段階に入っている。4人を取り囲んだ魔法陣は様々な種類の攻撃をする魔法陣。死角ができないよう、4人は背中合わせで迎撃しようとした。
「ッ!来るわよ!!」
そして、魔法陣から攻撃が4人に向かって放たれる。冷や汗を垂らしながら、4人は迎撃をしようとしたその時だった。
「えっ!これ・・・・」
オーフィス以外の3人は困惑を隠せない。なぜなら、今先ほどまで自分たちを攻撃するはずだった魔法陣から放たれた、炎や氷、雷、槍といった攻撃が自分たちに届く前に、空中に静止していたのだ。そして、唐突に人間の声が聞こえた。
「あ~あ、なんだ、お前たちかよ」
どこか怠そうな声質。そしてどこかで聞いたことあるような声で合った。その声の聞こえた先を見ると、そこにはとある人物が立っていた。
「あ、あなたは・・・・・・」
「イッセー、久しぶり」
そこには何かしらの縁があり、共闘した仲である男がいた。
――――●〇●――――
マーリン・アンブロシウスとクリスチャン・ローゼンクロイツの息子、イッセー・V・アンブロシウスは家のセキュリティ(魔法)を固めた。しかし、思わぬ来客が来た。困惑したイッセーであったが、ひとまず家に来訪者を上がらせた。
「(この家に来客を上げるなんて、兄さんやアルトリア以外しなかったなぁ・・・・)」
なんだかんだ他人をこの家の中に入れたことなんて
「なあ、とりあえず落ち着け。それと、そんなに見ても面白いものはないぞ」
「え、あ、うん・・・」
「す、すみません」
全員を落ち着かせたところで、ようやく
「!お、おいしい・・・・これ、お兄様が使っている茶葉と一緒・・・・?」
「ほんとだにゃ!!」
「ふふ、おいしい・・・」
「・・・・・にがい」
普段から紅茶をアーサーから振る舞われている三人にとっては、イッセーの紅茶も口に合った。だが、幼いオーフィスにはまだ早すぎたようだった。
一服したところで、また少し張り詰めた雰囲気になる。
「さて、ひとまずはようこそといったところか。歓迎するよ、オーフィスと、白龍皇の仲間たち」
「は、はい」
「ええ」
「こうしてちゃんと面と向かって会うのは初めてだにゃ」
黒歌の言った通り、イッセーと3人はこれまで戦いの場でしか会うことはなかった。こうしてゆっくりと対面するのは文字通り初であった。そして、イッセーがちらっとオーフィスをみる。何も聞かなくても、オーフィスがいるとなにやら察してしまうイッセーである。ただ事じゃないことはわかるのだった。
「で、オーフィスがいるあたりなにかあったんだろうが、ただごとじゃなんだろ?」
「あ、あのそれについては私から説明しますね」
「ああ、頼む」
ルフェイはこれまでの経緯を説明し始める。
「実は、私たち、
それを聞いた瞬間、イッセーはああ、やっぱりか、と思いながら聞く。話の腰を折らないために黙っているのであった。
「曹操様率いる英雄派と全面対決になりそうでして」
これまたイッセーにはやっぱりか、と感想を抱く。なんだかんだ、こうなる予感はしていたのだった。
「なるほどな。そうなる予感はしていたが。しかし、ではなぜオーフィスと一緒に?」
「それは、オーフィス様を利用して、なにやら企んでいる曹操様の手から守るため、とヴァーリ様が」
「それは心配することなのか?
「それが、そうでもないのよ」
イッセーの疑問にジャンヌが首を突っ込む。
「ジャンヌ様・・・」
「
「いいや、知らないな」
「曹操は、どうやらその
「・・・・・・・」
イッセーはオーフィスを見る。
「(しかし、いくらオーフィスがドラゴンとはいえ、
オーフィスは不動の存在、真龍を除いて圧倒的な力で世界一位という強さを誇る。1位と2位で絶対的な壁がある。いかに弱点が
イッセーにとってどうにも腑に落ちなかった。
「・・・・白龍皇がいうのなら、何かあるのだろうな。おk、話は分かった。それで、このあとはどうするつもりだ?」
「はい、ヴァーリ様が言うには、英雄派と決着をつけるのだそうです」
「なるほどな。で、その肝心の白龍皇はどこに?」
「私たちを逃がすために、曹操と戦ってるにゃ」
「陽動作戦をしているのか」
「そうにゃ」
断片的な話からイッセーはこれまでの流れを頭の中でくみ上げる。そして、過去に戦った英雄派を思い出す。人間であり、英雄にこだわる集団。しかし、その言葉の裏腹には、それを実現しうる実力。最強の名をほしいままにする
「・・・・で、曹操との戦いが終わった後は?戦うまでは?戦うと言っても、まだそのときじゃないんだろ?」
「そーにゃぁ・・・・・今と変わらず、世界をブラブラするのにゃ?」
「たぶん、そうなるわね」
「・・・・放浪者になるわけか」
「べつに、今までと変わらないわ」
「・・・・・・・・・」
イッセーは考え込む。これから、定住する間もなく、戦っては移動を繰り返すのかと。イッセーにとって、もはや他人というくくりから脱した目の前の存在をどうにかしてやりたいという感情が心のどこかに芽生え始めていた。なにせ、イッセーにとってかけがえのない存在の子孫と、その仲間であるからだった。
イッセーはとりあえず、白龍皇たちの意思を理解したところで、先ほどから半ば放置されているオーフィスに目を向ける。先ほどからずーッと静かにしているオーフィスであった。
「それにしても、久々に会う、オーフィス」
「うん、久しぶり、イッセー」
オーフィスと言葉を交わすイッセー。その声を久々に聞く。
「(前会ったときは老人の姿だったが、これまた癖のある姿だなぁ・・・・)」
イッセーは姿に注目する。前の姿と差異がありすぎて、流石のイッセーでも気にはなる。目の前の幼女。姿はがらりと変われど、それは本質ではない。そんなことを思いながら、思考を戻す。
「えーと、お二人は以前も会ったことがあるのですか?」
「ああ、ちょっと昔にな」
ルフェイは気になってついオーフィスとイッセーの関係を聞く。
「ん。正確には50年、6カ月、9日、ぶり」
その瞬間、凄まじいほどの核弾頭が落とされた。
「はぁっ!?」
「どどどど、どゆことにゃ!?」
「・・・・ほんとなのですか?オーフィス様?」
「ん」
各々のリアクションはオーバーであった。それもそのはずだった。イッセーは見た目はルフェイやジャンヌ、黒歌と変わらない、10代だ。しかし、オーフィスの口から5倍近くの数字を出されては、驚くほかなかった。
「・・・・・・・・」
イッセーは『ああ、行ってしまったか』と手を顔に当てている。思えば、オーフィスのような幼い子にいうなというほうが無理なのだった。
「あんた、ほんとに何者よ?」
ジャンヌは思わずイッセーに尋ねてしまう。
「ああ、わかったわかった。どうせなら、全員そろってからしゃべることにする。同じことを二回もしゃべるのは御免だ」
「それってつまり、またここにきてもいいと言っているようなものなのだけれど?」
「・・・・・・・・・・ああ、かまわない。どうせ、もう場所はわれている」
オーフィスのピンポイントな記憶力の良さにより、ついに、イッセーの違和感の正体が割れる。
三人にとって、見た目と実年齢が異なるなんてことがいまだに信じられないでいた。だが、ひとまず、合間を挟んだところでルフェイは連絡を誰かにつないだ。
「はい、ヴァーリ様。もう大丈夫です。時間稼ぎ、ありがとうございました。ではまた合流ポイントで」
ルフェイは陽動作戦を実行しているチームにしてリーダーである白龍皇、ヴァーリに連絡を入れる。
『わかった。了解した』
「連絡は、取れたのか?」
「はい。作戦はうまくいったようですわ」
「じゃ、私たちはとりあえず合流ポイントまで一回向かうわ」
と言って三人とオーフィスはソファーから立ち、アンブロシウスの家を出る。しかし、その時だった。オーフィスは立ち止まってイッセーのほうを向いた。
「どうした?」
イッセーは疑問に思い、ついオーフィスに言葉をかける。女性三人もそれに気づいてイッセーのほうを向いた。
「手伝って、イッセー」
「・・・・・・手伝うというのは、真龍、グレートレッドを倒すのを手伝えということか?」
「ん。むかしから、そう、いっている」
「オーフィス・・・・・」
「オーフィス様・・・・」
「・・・・・・・・」
イッセーは無言になる。"それ"は、オーフィス唯一の望みであり、悲願である。そのことは、
イッセーはオーフィスに何度も"お願いをされた"。それはかなり昔になる。イッセーの実力はどんどん頭角を現してきた。イッセーはその綿密な計算と用心深さでその存在を悟られないようにした。が、世界最強である無限にはそうはいかなかった。ある日、オーフィスは以来、気まぐれで来るオーフィスには、毎回こんな感じになるのだ。
「何度も言っている、オーフィス。無理だ。真龍はどう頑張っても、かすり傷が関の山だ。あいつは倒せない」
会うたび会うたびイッセーの返答は変わる。しかし、ルフェイ、黒歌、ジャンヌには、傷を与えられはするんだなとそう言葉通り受け取った。
「そんなことは、ない。我とイッセーなら、倒せる」
「俺と、ね・・・・・・」
「できる。なぜなら、我と、この、無限と、同じくらいの強さだから」
「ッ!!」
「っ・・・・・」
イッセーの強さは、すでに
「・・・・・・・・俺以外にも強い奴はいる。それこそ、インド神話の三巨神か聖典神話にでも頼め。あいつらは、正真正銘のバケモンだ」
イッセーが言った助言は間違っていなかった。現に、オーフィスの次に強い、また神としては最強であるシヴァ、ブラフマー、ヴィシュヌ、聖典の神であった。この神たちとオーフィスが手を組めば、それこそ最強の名をほしいままにするのは確実だった。
「・・・無理。それに、イッセーは、ほかに仲間、もいる。それこそ、イッセーと、戦ったほうが、いい」
オーフィスは神と手を組むよりも、イッセーとイッセーの仲間に目をつけていた。当然、イッセーとともにいるドラゴンはほとんどが同じ域にいるからだった。そのことに、オーフィスが気づかないわけがない。
「それでもだ。必ず何人か死ぬ」
「・・・・・・・」
「そんな顔をしても駄目だ。真龍は相手にできない」
「・・・・・・・わかった」
オーフィスは無理だとわかると、その場から歩き出した。
「・・・・オーフィス様」
「いいのかにゃ?」
「・・・・・ん」
オーフィスの用事に区切りがついたところで、4人は仲間との合流場所に向かう。イッセーはひとまず客人を見送るため、開いている魔法陣の近くまで出てくる。
「・・・・・イッセー」
「なんだ」
「・・・・・ひとまず、納得、する」
「・・・・・・・・・」
オーフィスは先ほどのことに思うことはあったが、区切りをつけようとしていた。
「でも」
「?」
「もし、我の邪魔、するなら、その時は、容赦、しない・・・・」
「・・・・・・・・・・・・・・・」
去り際、オーフィスは明確な意思をもって、イッセーを敵とみなした。去り際にとんでもない爆弾を落としていったのだ。明確な敵意を抱いたイッセーは厳しい目を、今は誰もいない4人がいた場所に向けていた。
「はぁ、オーフィスにああまで言われるとわね」
「ドライグ、いたのか」
イッセーの後ろには、相棒にして超越した存在となった赤龍帝、ドライグがいた。
「ええ。ちょっとひやひやしたわよ。行ったきり帰ってこなかったし、何かと思えばオーフィスまでいるし。それに、オーフィスにああも言われるとはね」
「ああ、なんか、ちょっと変わったよな、あいつ。次あったら殺されるのかな」
「笑えない冗談はやめて」
「ま、世界最強の存在に敵として認識されたのはある意味いいことだけど」
少しづつ、変わりつつあるオーフィスに思うところがたくさんある二人であった。
はい、ひとまず区切りがよかったのでここまでとさせていただきます。
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