前話から見直すこと推奨です。
「ふふふ。では、ヴェインさんは本当に山から帰れなくなってしまったと」
「はい。ヴェイン以上の方向音痴を見たことがありません」
「そうですか。料理や部屋の片づけは得意と聞きましたが」
「ええ!そうなんです!ヴェインの作る料理は最高にうま…おいしいのですが、方向音痴だけはひどくて」
「そういえば、団長も初めてフェードラッヘを訪れた時は、大変だったと聞きました」
「あの時は本当に申し訳なかった…」
ランスロットと元アイルスト王族一行はとりとめもない話で盛り上がっていた。ランスロットはヴェインの話ばかりするものの、それはそれでもう最高かよ。のろけんな、ふざけんな。
「ランスロット殿はお料理などされないのですか?」
「え、ええ、まぁ…。野営の時などは、ほとんどヴェインとその後輩たちが作ってしまうので。俺は魔物の見張りなどをしている時の方が多くて。ヴェインに作ってもらってばかりでは申し訳ないと思うのですが」
「そういうことでしたらノイシュ。あなたの出番です」
「姉上、とても良い考えです。ノイシュ、いいですね」
「はい。お任せください」
「えっと…一体どうなさったのですか」
ランスロットが首をかしげる。
「ノイシュはお茶はもちろん、料理もとても上手なのですよ」
「ですから、ランスロットさんが嫌でなければお料理を一緒に作ってはいかがでしょう」
「はい。わたくしでは力不足かもしれませんが、尽力いたします」
「そ、そんな!お忙しいでしょうに、俺なんかのために…」
「ランスロットさんは何のためにこの騎空団へ?」
「それは、様々な国を視察して、今後の国作りに生かすためです」
「であれば様々な国の文化――料理を学ぶことも立派な勉強ではないですか」
「姉上のいう通りです。遠慮するべきではありませんよ」
「…ありがとうございます。ノイシュ殿、ぜひご教授いただきたい」
「もちろんです。ヴェインさんに感謝の気持ちを伝えましょう!」
「ランスロット殿は、善は急ぐものだと考えますか。果報は寝て待つものだと思いますか」
「急ぐべきです。…師匠にそういうと、もっと周りを見ろ、と怒られますが」
「ふふふ、ランスロットさんのお師匠さんの言う通りです。状況に合わせるべきでしょうね。でも…」
「ええ。私が果報を寝て待ったばかりにアイルストが滅んでしまった。善は急ぐべきです」
「というわけでノイシュ、私たちは向こうで資料を整理しますから、あとは任せました」
「はっ!」
「頼みましたよ、ノイシュ。ランスロット殿もそれでよいでしょうか」
「(なんなんだこのロイヤル力は…歯が立たないぞ!)」
「どうしました、ランスロット殿」
「いえ。お気遣いありがとうございます。今日の午後は特に予定がありませんので、ぜひ教えていただきたいです」
「ふむ。ではノイシュ、ランスロットさん。頑張ってくださいね。私たちも何かあれば手伝いますから、何でも言ってください」
「姉上は手伝わないほうが…」
「なにか?」
「いえ」
「では、ごきげんよう」
みなさん古戦場はいかがお過ごしでしょうか。
私はまだ全く走れていなくて、非常に焦っています。