クッパ戦記   作:鰹ふりかけ

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この小説ではマリオ作品に登場した種族しか出てきません。
今回で黒幕がわかる人もいるかもしれませんが楽しんでくだせえ。

タイトル二重(特に意味はない)



























隣人が化け物の皮を被された人間だった時の対処法

考えてみましょう。

 

まず、キノピオって何かしら。

 

キノコ王国の国民?そんなのはわかっているわ。

 

 

 

 

そもそも菌類なのに出産する事に疑問を持ったことはないかしら?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

私が自我を確立した時、そこには両親の姿はなかった。

そこにいたのは親代わりの爺やとその他有象無象だけ。

 

皆が喜んでいたのを覚えている。

 

 

「どうして私とあなた達は姿が違うの?」

成長するにつれて次第に周囲と姿形が違っていることに気がつき周囲に聞いて回った。

 

「姫様ですから」

そしていつもそう返される。

 

それが当たり前だと思っていた。それが常識であり言うに及ばないことだと私は思っていた。

 

彼等に会うまでは。

 

マリオとルイージ。

 

はじめて彼等にあった時、私ははじめて同胞にあった事になる。

 

自分と同じような姿、キノピオとは違う姿を見て私はなぜか安心感を覚えた。

 

そして彼等との出会いを繰り返していくごとに私は気がついてしまった。

 

この国は滅んでいると。

 

 

 

 

 

キノピオ達は自我が薄い、ある一定の個体以外は感情に乏しくまるで一様に同じ行動を繰り返す。

 

キノピオの中には自主的な行動や新しいものを作り出すような個体がいるが、大多数のキノピオから見て彼等は異質に映る事が多い。

 

また、年々その数も減っている。

 

ある時、キノピオに雷が当たりどういう事か骨が透けて見えた。

 

キノピオには骨がある。

 

 

 

 

 

 

 

 

骨?

 

菌類に骨があるのかしら。

 

キノピオ達は私に象徴としてこの王国に君臨して欲しがっている。政務などには関わらせずただ笑いながら玉印をおす君主を欲しがっている。

 

なぜ?

 

だんだんと疑問は膨れ上がり私は試してしまった。

 

キノピオの胞子とキノコの胞子を照合して見る。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

一致してしまった。

 

 

日常にある物品と話している人物の構成要素が同じなのだ。つまり・・・。

 

出産して繁殖し会話やコミュニケーションをとれて。

 

骨があり、人形の存在を軸に菌糸で覆われたものがキノピオという存在である。

 

思わず悲鳴をあげかけた。

 

思い返せばいくらでも違和感がある。

 

キノピオ達は実は強い。マリオと同等の戦闘力を持ちいざとなれば機敏に動く。

では、そんな存在がなぜにクッパに由って一方的にやられるばかりなのか。

 

おそらく思考に制限がかけられているのだろう

自分たちがよりふえやすいように臆病にし、より生き残らせようとしている。

もしくは宿主に自らを認識できないように思考が抑えられ無意識のうちに菌の誘導のもとで生きている。

 

生殖し、子宮のなかで菌に侵されて産まれた時から苗床として一生を終えるキノピオ。

 

では、なぜ私は存在している?

マリオは?ルイージは?

 

調べていくうちに驚くべき事がわかる。

 

菌糸に対して魔力が多いものほど耐性があったのだ。

 

やがて、その傾向が自主的な行動を行うキノピオに多い事がわかる。

おそらく脳が侵食されきれずある程度の知能を持ったキノピオ達が存在する…気づかなければよかった。

 

調べなければよかった。

 

私は、私の存在理由に気がついてしまった。

 

 

ある学者が昔こう言った。

人という認識がある場合において、もしもその人物が人ではない何かになった場合。

 

自己を認識できなくなる。

 

ならば、キノピオ達が私に求めることはただ一つ。

 

王国の国民であることだ。

 

自分が失ってしまったものを無意識下で求め、そして愛する。人間性を求めて私に向かって来るのでは?

 

「姫様!」「姫様!」「姫様!」「姫様!」「姫様!」「姫様!」「姫様!」「姫様!」「姫様!」「姫様!」「姫様!」「姫様!」「姫様!」「姫様!」「姫様!」「姫様!」「姫様!」「姫様!」「姫様!」「姫様!」「姫様!」「姫様!」「姫様!」「姫様!」「姫様!」「姫様!」「姫様!」「姫様!」「姫様!」「姫様!」「姫様!」「姫様!」「姫様!」「姫様!」「姫様!」「姫様!」「姫様!」「姫様!」「姫様!」「姫様!」「姫様!」「姫様!」「姫様!」「姫様!」「姫様!」「姫様!」「姫様!」「姫様!」「姫様!」

 

 

私にはそれが助けを求めるようにしか聞こえなかった。

 

 

私の周りには沢山の化け物がいる。

 

彼等に気がつかれないように笑い、そして求められるがままにふるまう。

 

唯一安心できる時はクッパに拐われている時。

 

とても楽しい、亀族はキノピオと違い独立した意思と肉体をもっている。

彼等の前では怯えず恐怖せずに生きていられる。

 

そして何よりも、マリオに会える。

 

 

 

どうか、神様。

 

 

 

この時間が長く続きますように。

 

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

 

ヨッシーアイランドからの邪竜の襲来とマリオの侵攻によりクッパ軍団は窮地にたたされていた。

 

戦力は補助まで出払い、動員された兵士の年齢もドンドンと若くなり。一部の兵種においては女性兵士の割合まで多くなっていた。

 

だが、占領下であるキノコ王国においてテレサを使った憲兵による調査で大いなる発見があった。

 

建物をや床をすり抜けられるテレサの前では隠し扉や地下室等は無意味。

 

キノコ王国指導部及びに社会的な重要人物を捕捉し憲兵が怒り狂いながら隠れ家へと突入していく。

 

そして、彼等は溶けていた。

 

恐怖の表情で何かから逃げるように部屋のすみで。

目から血を流し、外耳孔から液状になった脳漿が流れていおり死因が全く想像できなかった。

 

あまりにも無惨な死にかたに憲兵の一部が嘔吐するほどであった。

 

だが、あわててそれらの処分を行ったのだろうか一部の書類が残されておりそれらを憲兵が回収していく。

 

その中に一部のみが燃え残った未知の言語でかかれたものがあった。

 

 

(┗┠┝┓┏┌├││┼┃┠┫┛┫┐┏┗┯┣┐┌╋)

<すべては姫様達のために>

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

数刻前。

 

「まあ、奴らは戦うしか脳がないですからな、どうせマリオに叩かれて這いつくばるのに健気なものですな」

「我らはただ待てばよいのです。さっシャンパンでもいかが?」

「そうですな、またしばらくすれば元通り。庶民も蛮族も所詮は我らの道具、それらを適切に操って我らが豊かになるこれこそ至極真っ当なこと」

「「「そうだ!そうだ!」」」

地下室奥深くではキノコ王国指導部がおのおの談話していた。

あるものは今後の野望を語り、次はもっと亀から絞りとってやると息巻き。

他のものもそれに追従する。

 

そこに

「大変だ!ここが感づかれた!」

「「「なんだと!」」」

「馬鹿な…そんな事があるはずがない❗」

とキノピオ達は騒ぐが動こうとはしなかった。

 

ここで皆様は疑問を覚えるのではないであろうか?

 

何故こんな連中に今までいいようにやられていたのかと。

 

 

「頃合いか…」

騒ぐだけで何もしないキノピオを冷ややかな目で見つめる者達がいた。

 

お互いに目配せを行い。

 

カチャリと室内に金属音が響く。

 

「なっ何を」

異変に気がついたキノピオ達が見つめるその先には、得体のしれない物体を持ったキノピオ達がいた。

 

それはあまりにも異質であった。

グニャリと曲がったフォルムそして謎に光る動力と思われる部品。

見るものを無意識下で恐怖に落とし入れる何かがそこにはある。

 

「やれ」

パシュンそういう音が聞こえただけだった。

何もおこらないことに疑問をうかべるキノピオ達だが物体を向けられたもの一人に異変が起こる。

 

「あががあがあっjdHdtfhねおおlっksjgdhbzbぅぢぇじぇjねんsんっっkdっkdjdtydkjhsgdgっkっっっっっっっっlっっっっkっっっlk」

もんどりうつかのように倒れそして奇声をあげながら暴れ始める。

 

目から血が流れそして苦痛な表情をしながらそれは動かなくなった。

 

そして、その死骸から緑色の液体でも気体でもない何かが浮き上がり、その物体へと吸い込まれていった。

 

 

「「「「「「ヒイイイ」」」」」」」

突然の仲間の死とその形相に残ったキノピオ達は逃げようとするが。

そもそもこの隠れ家に出入り口は一つしかない。

通常ならば頭のおかしな物件であるが、これはそうなるように設計されている。

 

彼等がそうしたのだ。

 

パシュンパシュンパシュンと閃光が響き壁際に死体が積み上がっていく。

 

そして、一人だけが残される。

かしくもそれは議長を勤めていた固体だった。

恐怖に表情を浮かべる議長に彼等は近づく、懐から針のようなものを取り出して議長に突き刺す。

 

議長が苦痛の声をあげるが、針が紫色に変化したことに気がついた彼等は喜色満面で頷き。

 

「待て!どこに連れていかれるんだ!止めろ行きたくない行きたくない行き…」

ガシリと議長の腕をつかみ引っ張っていく。

 

そして残った彼等は書類を燃やし始める。

 

その時だった。

突然キノピオ?の顔がベロりと剥がれかけたのだ。

 

あわてて彼等はそれを抑え元に戻し書類を燃やし始める。

 

そして、後始末が終わったのか彼等は忽然と部屋から姿を消した。

 

憲兵が突入して来るが後には何も残っていない。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




キラーとはもともと何を対象とした兵器なのか。

空中要塞はなぜ存在しているのか。

そもそもクッパがなぜ、かたくなに空を目指すのか。
すべては理由があると思うこの頃。

ただ一つ作者は思う事があります。


クッパ城(浮遊要塞)はイゼルローン要塞である。




おまけ
カロン
死出の騎士。
肉体が滅び、魂でありながらも王に忠誠をはかる誠の忠臣達。

敬愛する王の破滅を防ぎ、死から王を遠ざける。

現れたカロンの数によって王の治世がうかがえる。
が、同時にそれだけの忠臣を安らかに眠らせる事ができなかった歴代の王は喜びと悲しみを同時に得る事になる。










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