真夜と穂波さんとの関係だけを書きたい今日この頃。
赤髪の少女は俺の背中をバンバン叩きながら、しばらくの間ずっと笑っていた。
俺がかなり気にしているのに目の前で笑っている少女に軽くぶっ飛ばしたくなるがやめておく。
「笑いすぎだぜ、まったくよ。さっきのゴタゴタを解決してくれてありがとな。俺は西城 レオンハルト、レオって呼んでくれ」
「そういえばそうだったわね。あまりにも臭すぎる台詞を聞いたから忘れちゃってた。私は千葉 エリカ。さっきはありがとね」
真正面からお礼を言われたので、なんとか先程の怒りを抑える。
「俺は灰村 秋。こっちこそ、同じクラスの奴が悪かったな」
レオが良いやつすぎて惚れてしまう……。
「もういろいろ疲れたから、帰らないか?」
達也に向けて俺は提案する。
「そうだな、いつまでもここにいても仕方ないからな。帰ろうか」
やっと帰れると思った、俺の後ろから俺たちを引き止める声が聞こえた。
「あの、待ってください!」
立っていたのは同じ一科生の女生徒二人だった。
「光井 ほのかです。さっきはすみませんでした」
二科生の中心人物であろう達也の方を向いて二人は頭を下げる。
「頭をあげてくれ。結局何も起こらなかったし、一科の生徒であるシュウが止めてくれたからこの事は水に流そう」
達也はエリカやレオの方に同意を求める様に目線をちらっと合わせる。
「そうそう、気にしてないから私達」
「あぁ、何もなくてよかったぜ」
他の二科生からもお咎めなしだったために二人はホッとしたように顔を綻ばせた。
「あの、それで灰村さん‼︎」
まだ何か用があるのだろうか?
光井さんの方に体を向けた。
「さっきの言葉、私感動しました‼︎ 私を弟子にしてください!」
弟子って何だよとか、君の感性すごいなとか色々言いたい事はあったが、とりあえず彼女を見て俺は言いたい事が一つあった。
「さっきの事は、なかったことにしてくれ」
◇
「ただいまー」
「おかえりなさい、シュウ君」
はぁ、穂波さんを見てるだけで疲れが取れていくー。
明日から穂波さんにも学校に着いてきてもらおうかな?教師には彼女は俺のCADですと言ったらなんとかならないだろうか。
うんうんと一人納得していたら、穂波さんが思い出したかの様に、手をポンと叩いた。
「あ! そうそう、先程真夜さんから連絡がありましたよ。シュウ君が帰ってきたら話したい事があるらしいです」
「なんだか結構久しぶりな感じがするな。まだ一週間もたってないのに。それで真夜、どうかしたのか?」
「……」
なんだか分からないが、少し威圧感を感じる。去年から四葉家当主になった真夜だったが、深夜さんも手伝ってくれているらしくそんなに大変じゃないとは本人の談だ。しかし、当主になった事である種のカリスマの様なものが真夜から感じ始めるようになった。周りを黙らすために自然と身についたのだろうが、今それを俺に向けているのは何故だろう。
後ろから穂波さんが、すっとお茶を渡してくれたので、一口飲んだ。
「シュウ、深夜にエッチなことをしたって言うのは本当なの?」
「ぶっ‼︎」
「それに、穂波とは毎晩エッチなことをしているって聞いたのだけれど、どういうことなのシュウ」
昨日の言っていたことを本当に実行するとは思っておらず、俺はかなり慌てた。真夜は、お嬢様として育てられたからか周りの事は疑い深いが身内の事はすぐに信じ込んでしまう性格だった。それに加えて、姉である深夜さんから聞いたという事で、ますます信用したと言ったところだろうか。
「どっちも嘘に決まってるだろう! そんな事してないから!」
「本当かしら? 穂波、本当?」
俺は信用されていないらしく、穂波さんへと視線が移動する。
「え、えぇ。ほ、本当ですよ真夜様」
なんだかやけにどもっているが、どうかしたのだろうか?というか、今どもると、嘘をついている様に見えてしまうのだが。
案の定、真夜は疑いの目線を穂波さんに向ける。
「まぁいいでしょう。穂波はともかく、シュウは手なんて出す度胸がないヘタレということはすでに知っていますから」
なんだか、疑いが晴れて嬉しいのか微妙な気分になる。
「それはさておき、本題はここからよ。……第一高校にねテロが起こる可能性があるの。……シュウの力を貸してくれないかしら?」
ということで、原作からは少しづつ離れていきます。
作者的には、シュウの事が好きすぎて九校戦に応援しにくる真夜さんを早く書きたいので、入学編はさらっと飛ばしていきます。