魔法科高校の救世主   作:ノット

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誤字報告をしてくれた、クオーレっとさん、カモシカ班初代班長さん、ヱグザムさん。ありがとうございます‼︎

なるべく誤字が無いように気をつけますが、これからもよろしくお願いします。






 新入部員勧誘週間。以前、渡辺先輩がこの時期までに風紀委員を補充したがっていた理由がこれだった。

 魔法系、非魔法系問わず部員勧誘が盛んで、毎年部活間で揉め事が起きるほどらしい。

 そんな事を考えながら、校門までぎっしり人がいる光景を見た。

 何やら、裏では入試の成績が出回っているらしく、それを参考にして勧誘を行なっている人も多いとは北山さんの談だ。

 幸運なことにー今回は不幸であるがー俺は実技一位であったのでしっかりマークされていた。少し、校舎から顔を出しただけで人が雪崩のようにやってきた。

 見つからずに帰ることは無理そうだった。かといって、強引に振り切って帰るのも心象が悪いしそこまでしなくても良い気はする。なので、早く帰りたいのは山々であるが校内で適当にぶらついていた。

 

 校舎内にも部活勧誘は行なっていたが、文化系の部活動が殆どだったので愛想笑いをして振り切った。

 中には、料理部などのちょっと興味がある部活もあったが文化系だからなのか女子が多いという理由で断念した。

 

 

 適当に窓の外を見ながら歩いていたら、偶然にも達也と遭遇した。

「こんなところで何やっているんだ?」

 達也に当然の疑問を投げかけられたので、校門へ行けない旨を話す。達也は同情的な視線を送ってきたのだが、そこで俺は思いついた。

「そうだ‼︎ 達也と一緒に行けば先輩達はやってこないんじゃないか?達也って風紀委員だしさ」

 

 名案とばかりに手を叩く。達也はなんだか嫌そうな顔をしていたが、それも仕事の一つなので断る事はなかった。

「構わないが、その前にエリカと約束をしていてな。今、探している最中なんだ。エリカとの用事が終わってからで良いか? そんなに困っているわけでもなさそうだしな」

 達也の用事に付き合った後でも、人がいなくなるまで待っているより早く帰れそうだし、何より話し相手がいるので暇にならないの直ぐに了承した。

 

 

「そういえば、シュウ。あの時はありがとう」

「あの時って?」

 思い当たる節がありすぎて、良くわからなかった。というかこの短期間で達也の尻拭いをかなりしているという現状に今更ながらびっくりした。

 

「入学式の夜の事だ」

 達也が言っているのは、入学パーティの事だろうと理解する。

「深雪がな、とても喜んでいたよ。母上からお祝いの言葉を頂けた事に対して」

 恐らくだが、深雪が本当に喜んでいたのは自分が祝われた事じゃなくて達也が祝われた事に対してだろう。

 お兄様大好きな深雪らしいといえばらしいが。

 

「だから、そのお礼をこの前言っていないことに気づいてな。改めて、ありがとう」

「あれは、俺がやりたかったからやっただけで感謝される謂れはないさ。それに、深夜さんを呼んだのは穂波さんだし。お礼なら穂波さんに言ってくれ」

 

「ふっ、お前らしいな」

 

 

 ◇

 

 

 エリカを人の渦から助け出して、合流した俺達はエリカの提案で剣道部を見に来ていた。

 

「剣か……」

 ボソッと誰にも聞かれないように呟いたつもりが隣にいたエリカに聞かれていたらしい。

「シュウ君ってさ、剣か何かやってたの?」

「あぁ、どうなんだろうな」

 

 俺自体は剣について何かを学んだというわけではない。しかし、前世では剣と闇術を使って戦っていたのでそれなり以上には使いこなすことが出来る。

 その記憶を元に高校入学まで、一人で鍛えたりしていたが如何せん前世の記憶については深く思い出すことが出来ていない。体は分かっているが、頭では分かっていないような状態が今の俺だ。

 もちろん、前世の灰村 諸葉には到底及ばないし、更にその前の前世の名も分からない人物には逆立ちしても勝てないだろう。

 諸々の理由から、エリカに対する答えには歯切れが悪い返答しかすることが出来なかったが、エリカは俺が実力を隠していたいのだと勘違いしたらしい。

「いつかさ、暇だったらで良いんだけど模擬戦でもしない?」

「それは構わないけど、俺とエリカじゃ相手にならないんじゃないか? 勿論、俺が弱くてだけど」

 この自信満々な態度、そしていざこざの時の身のこなしから察するにかなりの武術の使い手だろう。そんな彼女にちぐはぐな俺が相手になるとは思えない。

「そうかな? 少なくとも速さに関しては私より数段上だよ。あの時、シュウ君が私の後ろから移動して警棒を止めるまでまったく気づかなかったもん」

 

 そういえば、彼女の前で光技を使ってしまっていたな。速さだけ凄いと言い張ることも出来るが、彼女は結局納得しないだろう。

 断る理由もなくなってしまったので、模擬戦の申し出を受ける事にした。

「模擬戦をやるのは構わないけど、弱くても文句は引き受けないからな」

「やった! そんな事ないと思うから期待しとくね」

「何を根拠に……」

「何って、女の勘だけど?」

 

 

 達也はシュウの実力を知っている身としては、強ちエリカの推測は外れていなかったので、女の勘とは凄いものだなと思ったと後日、そう俺は聞かされた。

 

 ◇

 

 達也が剣道部と剣術部の小競り合いを制止するといった出来事があったが、俺はそんなものに巻き込まれるわけもなくただ傍観しているだけだった。

 しばらくしたら、達也も解放されたので約束通り校門まで送ってもらい無事に家に帰り着くことができた。これから一週間こんな感じだと思うと憂鬱だが、我慢するしかないだろう。

 

 昨日よりは遅く帰ることになったが、風紀委員の仕事がある達也なんかはまだ学校にいることだろう。心底、風紀委員に入らなくて良かったと思った。

 さて、風紀委員に入らない言い訳として勉強云々と会長達に説明したのだが、昨晩夕食を食べている時にその話を穂波さんにした。

「それは、マズいですね。私が勉強を教えます‼︎」

 と、穂波さんがやる気になってしまったので断ることが出来なかった。実際、学力が足りないのは事実であるから渡りに船だったとも言える。

 そして、何と言っても穂波さんに教えてもらえるという事でやる気もマシマシになるというものだ。

 

 俺は勉強を教えてもらうと共に幸せを感じ、穂波さんも何だかんだ楽しそうに教えているので一石二鳥どころか一石三鳥な時を過ごすのだった。

 

 

 

 

 

 

「何だか、嫌な予感がするわね。シュウに電話でもしようかしら?」




ランキングにこの作品があらわれる日は来るのだろうか?

まぁ、のらない方が気は楽なんですけどね。
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