魔法科高校の救世主   作:ノット

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…って一個だけでは使えないんですね。知りませんでした。今までの話の分は修正しました。




練習

「やったー‼︎」

 クラスの中で光井さんが声をあげた。クラス中の視線が集まるがテンションが上がっていて気づいていないようだ。光井さんが声をあげた理由、それは一学期末のテストの結果で総合順位が三位だったからだ。近くにいる四位だった北山さんも声はあげていないがいつもより表情が柔らかい。

 そんな俺はというと、総合順位二位。

 点数の殆どを実技試験で取ってこの順位だった。理論も入試に比べたら大分解けるようになったが深雪や達也に追いつくのはまだまだ先のようだ。この順位から考えると、もしかしたら入試の総合順位は俺が思っているより良かったのかもしれない。

 帰ったら穂波さんに褒めてもらおうと考えていると、隣から森崎が話しかけてきた。

 

「灰村、お前もう少し理論どうにかならなかったのか? せっかく実技が一位だったのに」

 授業の実技で深雪より成績が良い俺が深雪に勝つかもしれないと期待してくれていたのだろう森崎は俺に詰め寄ってきた。

「精一杯、勉強してこれだったんだ」

 と、少し悲しそうに答えると森崎は何も言ってこなかった。他人のテストの点数にケチをつけるのも変な話だと気づいたのだろう。

「しかし、これだと確実だな」

「何がだ?」

「何って九校戦だよ。僕も灰村もこの結果的に出場は確実じゃないか?」

 

 九校戦。確か、全国の魔法科高校の生徒が集まって競いあう大会的なものだった気がする。今回のテストの結果でそれが決まるとは知らなかった。

 

 正直なところあまり気乗りしないが、断っても何だかんだメンバーに入れられそうな予感がする。主に深雪、達也の手によって。

 試験が終わったばかりなのにもかかわらず、俺は深い溜息を吐いた。

 

 ◇

 

 

「え‼︎ 九校戦のメンバーに選ばれたんですか! 凄いじゃないですか」

 放課後に会長に呼び出されて九校戦に出場してほしいと打診があり、森崎から絶対に出ろよとのお願いもあったので断ることはしなかった。その事を家に帰ってから穂波さんに報告したら、それはそれは喜んでくれた。今にも踊り出しそうなくらいだ。

 

「奥様と真夜様にも報告しないとですね。それとシュウ君が出るなら私は会場で直接見ようと思います‼︎」

「いやいや、いいよそんな事しないで。なんか恥ずかしいし」

 両親にーー俺にはいるか分からないがーー運動会を見に来られる様な恥ずかしさがあったので全力で拒否した。この歳になってそれは流石にキツイ。断わったとしてもテレビ中継されるらしいので意味はないのかもしれないが、実際に見られるよりは大分マシだ。

 

「そういう訳にはいきません。私はシュウ君の監視役ですから。それにシュウ君の勇姿を見届けたいんです‼︎」

「活躍できるとも限らないですよ」

「シュウ君の頑張りは勉強を教えていた私が一番知っています。だから、私が保証します。シュウ君なら九校戦くらい余裕で優勝できます」

 穂波さんは俺の手を握りながら、自信満々に言った。穂波さんにここまで言ってもらってやる気を出さない男はいないだろう。

 穂波さんの為に九校戦に出ると言っても良いくらい俺はやる気に満ち溢れていた。

 

「分かりました‼︎ 九校戦の優勝を穂波さんにプレゼントする事をここに誓います!」

「期待して待ってます」

 

 ◇

 

 

「うおーー‼︎ 会長、まだまだやりましょう‼︎」

「シュウ君、貴方この前までとはまるで別人なんだけど何があったのよ」

「負けられない理由が出来ただけです」

 俺は出場競技であるクラウド・ボールの練習を会長としていた。この前とのギャップに驚いている様子の会長だが、そんな事は気にしないで練習に集中してほしい。

(優勝するには努力あるのみ)

 渾身の力を込めて、低反発ボールをラケットで打ち返した。

 

 

「はぁ、シュウ君練習なんてしなくても良いんじゃない? この時点で私より強いんだし」

 会長は散々付き合わされて、ボコボコにやられたのが悔しいらしく、少し拗ねている様に見える。俺も会長とやりたくてやっている訳じゃない。会長との練習相手になるのが俺しかいなく、その逆もまた同じだったというだけの事である。

「いえ、身体能力でのゴリ押しだと魔法競技的にどうなんだろうと思うのであくまでもこれは最終手段ということにしておきます」

 変に魔法を使うより、ボールに追いつきそれを思いきり打ち返すというような単純な作戦の方がミスも少なく確実性はあるだろう。

 しかし、会長にも言ったように魔法競技的に言ったら邪道だ。他の人は魔法競技をしているのに俺だけ超人選手権をしている。

 それはどうなのだろうか。

 まぁ、俺が周りを気にしなければ良いという話なのだがあまりしたい戦法ではない。

 それに、俺は穂波さんと一緒に頑張ってきた魔法の力で優勝したい。いや、しなければいけないと思う。身体能力でのゴリ押しなんてものを穂波さんが見たらがっかりする事、間違いなしだ。

 なので、今回は通力を封印して純粋な魔法力で勝負することにした。

 

「拳銃型CAD?」

 ラケットを置き、あーちゃん先輩に調整してもらったCADを構える。

 

「ここからが本当の練習なんで、よろしくお願いします」

 

 俺は銃の引き金をひいた。

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