魔法科高校の救世主   作:ノット

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説明が多いかもです。すいません。でも、これ入れないと聖剣使いの禁呪詠唱知らない人は分からないと思うので。


質問

「どこだ、ここ?」

 目が覚めて、天井がある場所に寝かされていたらしい俺は起きて早々困惑した。あの後、気絶してしまった俺は誰かにここまで運び込まれたらしい。

 すると、部屋のドアが唐突に開いてあの女性が入ってきた。

「あ、気がついたんですね。良かった」

 相変わらずの笑顔で話しかけてくるが、不快感はなくこっちまで嬉しくなってくる笑い方だ。

 

「ここは、一体?」

「ここは私の仕えている方のお屋敷です。貴方を放置しておくわけにもいきませんでしたので」

「その、ご迷惑をおかけしてすいません」

 ペコペコと何回も俺は頭を下げる。

 

「いえ、というよりお礼を言うのは私の方です。貴方が手を出してくれなかったら私は魔法の過剰使用で死んでいたかもしれません。助けてくださってありがとうございます」

 目の前の女性が今度は頭を下げる。

 俺は慌てて、頭をあげてくださいと言った。

 なんだか親近感わくなこの人なんて思っていたら、彼女もそう思っていたらしく、二人してなんとなく微笑みあった。

 

「あの、俺の名前はシュウといいます。あなたのお名前はなんと言うんですか?」

「私は桜井 穂波です。それでですね申し訳ありませんが、私の仕えている方が貴方に興味を持たれているのでお会いになっていただけませんか?」

 断る理由もないのでその提案を承諾して、桜井さんの後ろをついていく。

 結構、立派なところだなぁと屋敷の中を歩きながら俺は思った。桜井さんがとある部屋の前で止まってノックをする。

「入っていいわよ」

 なかなか威厳のありそうな声が中から聞こえてくる。俺は一回深呼吸をしてから中へと入った。

 

 部屋には一人の女性しかいなかった。その女性はなんだか途轍もなく嫌な感じはしたが、なんとか顔にだすことはなかった。

「わざわざ自分を運んでくださいまして、ありがとうございます」

 一先ず、先のお礼を述べる。

「いえ、何やらその娘を助けてくれたみたいたがらその程度のことは当たり前よ」

 

「私が貴方に聞きたいことはそんなことじゃありません。貴方は一体何者ですか?」

「何者と言われましても、普通の一般人ですが」

 前世の記憶がある一般人です。なんていっても、頭がおかしいやつを見られそうなのでとりあえずは言わないことにした。

 話してて思ったが、この人どこかで会った事があるような気がするんだよな。

 

「一般人には剣で艦隊を傷つけることなんてできません。それが貴方の魔法ですね?」

「魔法ではないですよ。こい、サラティガ」

 自分の手の中にサラティガを出す。桜井さんは一瞬、警戒したが俺がやり合う気は無いと目で伝えるとすぐに元の位置に戻った。

 

「触っても?」

 俺は軽く頷いて、返事をする。ツンツンと指で押したり、剣をしっかり持って素振りをしている様子を見てなんだかお茶目な人だなと感じる。そして、そんな様子を見て俺は思い出した。

 

 真夜に似ているんだと。

 

「見たところ、私では立派な剣という事ぐらいしか分かりませんが、これで艦隊を?」

「はい。これに通力(プラーナ)を込めて斬りました」

気息(プラーナ)を込めて?」

「今も体を覆っている通力を全て、剣に込めて放ったらなんか出来ちゃいました」

 なんか重たい雰囲気になってきたので少し、おどけてみたがなんら改善することはなく、目の前の女性は俺のことをじっとみてきた。

 

「私には貴方の事を覆っている通力なんてものは見えませんわ」

 通力って救世主達以外には見えないのか?

「穂波、貴方は見える?」

「いえ、私にも見えません」

 困ったな。なんか俺が嘘ついているみたいになったな。信じてもらえるには……。

 

「なら、これなら見えますか?」

 サラティガに通力を込める。俺からみて体を覆っている通力よりかなり密度が違うんだが、果たして?

 

「わっ光ったわ」

 見えた事にご満悦の様子。よかった、よかったと俺も一安心する。救世主じゃない人には体が光っているのは見えないという事で良さそうだ。そういえば、真夜を助けた時も魔力(マーナ)を使って周りのエネルギーを吸収して光っていたけど何にも言われなかった事を思い出した。あれは、何も言わなかったんじゃなくて見えていなかっただけか。

 

「それで、貴方が使った力は結局何ですか? こんなもの、私は今までみた事がありませんでした。BS魔法に近いような気もしますが、そもそも魔法という括りではないですよね」

 頭が良いのか、勘が良いのかことこどく看破していくこの人すごいな。

 

「ええ。これは光技という身体能力を上げる技の総称です」

 

「……この力は誰でも使う事が出来るのかしら?」

 実際、どうなのだろうか。俺も前世の記憶を頼りに話している部分が大部分なので詳しいことは分からない。一般人も頑張ったら使えるようになりそうな気もするが、なんとも言えない。

 

「正直に言って、分かりません。才能がある人なら頑張ったら出来るかもしれないとしか」

 

「あら、そう」

 なんだか、少しホッとしているような顔をしている。それよりも。

 

「あの、聞きたい事があるんですがいいですか?」

「何ですか?」

 

「真夜っていう名前の子供、知ってますか?」

 

 俺がその名前を口にした瞬間、部屋の空気が凍った。

「……真夜ね。そんな名前の子はたくさんいるから何とも言えないわね。苗字は何ていうのかしら?」

 女性は自らの太ももを尋常じゃないくらい指でトントンしている。なんだなんだ。俺は地雷を踏んでしまったのか?

 

「確か、四葉だった気がしますが」

 今度は桜井さんまでそわそわし出した。二人して可愛いな。

 

「……貴方の名前を聞いても良いかしら?」

 そういえばこの人にまだ自己紹介をしていないことに気づいた。

 

「自分の名前はシュウって言います。その記憶喪失なんでファミリーネームは分からないんですけど」

 目の前の女性と桜井さんは、お互いを見つめて深く深く頷きあった。

 

 

 

「穂波、確保よ‼︎」

「了解しました‼︎」

 

「うぇぇ?」

 

 

 




魔法科には気息と書いてプラーナと読む謎のエネルギーがあります。シュウはプラーナと、言ったら通力ですが、深夜さんの場合気息を思い浮かべたので本編ではこういう書き方をしました。

でも、どっちかに合わせないと面倒くさいのでこれからはプラーナといったら通力と書きますのでご了承ください。

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