魔法科高校の救世主   作:ノット

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今後

 目が覚めた真夜は二、三言葉を交わすとまた直ぐに眠ってしまった。仮死状態になっていた事による、体力の低下やなにやらのせいと深夜さんは言っていた。

 対外的には真夜さんは病気ということで、屋敷から出ていないということになっていたが、内の人間には何処にも真夜がいる痕跡がない事から今までかなり不気味に思われていた。深夜さんは、屋敷の人間全てと四葉の村に住んでいる分家当主を集めて、重要なところは省いて説明したそうだ。俺にはどのくらい説明したのかを教えてくれなかったが、どうやら俺の存在は言ったらしい。

 そういうこともあって、俺は四葉の邸宅を自由に移動できる権利を得た。使用人の人達から頭を下げられるのは、未だに慣れないが、やめるように言っても結局言うことを聞いてくれないのだから、諦めた。

 

 そして、ごく一部の人物しか知らないことだが深夜さんと達也さんさんの仲が冷えたものではなくなった。達也さんは深夜さんの世界に復讐するという黒い心から産まれたも同然である事、それは実は勘違いだった事など、俺にはよく分からない魔法の事も話していたので途中から思考を放棄していた。桜井さん曰く、

「貴方を兵器として育てた、大元の理由は勘違いでした。ごめんね、てへっ」

 ということらしい。随分、可愛らしく脚色されているが間違ってはいないらしい。

 達也さんには本当の事を包み隠さず話したらしいので終始、驚いていたそうだ。今でも、俺の事をじっくり見てくるからその驚きがかなり深いとみえる。

 

 

 そんな俺は何をしているのかというと、

「シュウ、リンゴ食べさせてー」

「はいはい、少しお待ちよお姫様」

 真夜の介護係だった。少し真夜の体調が落ち着いてから、三人で謝りにいき殴られる事を覚悟して事の次第を話したが真夜はあっさりと許してくれた。最も怒ったのは桜井さんが俺に対して、人工呼吸を行なっていたという事だろうか。波に飲まれて救出されてから、俺が起きるまでにそんな事があったらしいが、俺の生死に関わる事だったのでそれもすぐに許してくれることになった。

 代わりと言ってはなんだが、真夜がしっかりと動けるようになるまでのお世話係に任命されたのが俺だったというわけである。

 

「んー、美味しい」

 真夜はとても二十代には見えない顔をしている。マジで、四葉家に関わりがある女性は見た目が若くないとダメなのだろうか、と不思議に思う程だ。そんな真夜はもう決して逃がさないという意思表示なのか、昔以上に俺にべったりしている。

 

 

 嬉しくないといえば嘘になるが、それ以上にマズイことがあった。

 

 

(オパーーイ‼︎)

 もうそれはそれは、豊かな胸が俺の腕に当たっていることだ。前世での記憶にはおっぱいぱふぱふという事をされた覚えがあるが、よく灰村 諸葉は理性を抑えられたものだと感心した程だ。

 

 俺のとある部分は常に臨戦態勢に入っていて、真夜もその事に気付いている節がありいつでもどうぞ見たいな雰囲気を漂わせているが、そんな事は出来ない。

 部屋の中には俺たち二人しかいないが、少し神経を尖らせてみればこの部屋の周りにはかなりの数の人が配備されていた。メイドや使用人はおろか、暗殺者っぽい人までいる。これは、俺が信用できないのではなくて護衛のためらしい。そんな中、真夜と運動会する性癖など無いし、というか真夜とは特にそういう関係でもなかったりする。好きなのは分かっているが先に進むことができない幼馴染のような関係というのが今の俺たちを表すのに適切な言葉かもしれない。

 

 そんなジレジレした関係のまま俺は真夜のリハビリを手伝っていく今日この頃だった。

 

 

 ◇

 

 

 

「今なんて言いましたか? 深夜さん」

 

「だから、学校に通いなさい」

 真夜も漸く、一人で動けるようになり手持ち無沙汰になった俺にそう深夜さんは言った。

「いや、でも俺戸籍とか無いんですけど」

「そんなもの、四葉の力をもってしたらでっち上げる事なんて容易な事よ」

 

 たしかに、このまま何もしないでいると真夜のヒモみたいで嫌な感じがしていたので渡りに船ともいえた。

 

「そうね、確か今貴方は十四歳でしたね。中学は通信制でいいから、高校からはちゃんとしたところに通いなさい。私には貴方を命令する権利なんてないから、結局は貴方次第だけれども行った方が良いとは思うわ」

 

「その、学費なんかは……」

「それくらい払ってあげます」

「よろしくお願いします」

 

 深夜さん、ホントめっちゃ良い人だわ。初めて会った時は氷の女王かよとか思っていたけれども、あの日から少しづつ丸くなり始めた。まだ、現四葉の当主として活動しているが来年か再来年には真夜に当主を譲るらしいとは本人の談だ。

 

「あら? そういえば、貴方って魔法は使えるのかしら?」

 ふと、深夜さんはそんな事を聞いてきた。

「あぁー、そういえば調べた事なかったですね。多分使えないと思いますよ」

 光技と暗術を現在は使えているのにこれに加えて更に魔法なんてとてもではないが使えるとは思えない。もし出来るとしたら、俺の才能はもう自分で言ってはなんだがあり過ぎると思う。そんな予想とともに否定の言葉を深夜さんに告げた。

 

 

「そうだと、良いのだけれどね……」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「奥様、シュウさんは天才です‼︎」

 

「……魔法科高校に行きなさい」

 




今作の深夜さんは魔法の酷使はしていないので、体は健康そのものです。だから、まだ死にません。

達也くんの感情は消えたままです。深夜さんも必死になおそうとしていますが、上手くいかず、何より達也が感情を取り戻すのにあまり乗り気ではないからです。感情を取り戻したら深雪に対する愛が薄れてしまうかもしれないと思っているからです。


四葉家の当主以外の人達がシュウについて知らされているのは、真夜の恩人という事くらいです。戦略級魔法に認定された技を使えるとは深夜と真夜と穂波さんと葉山さんくらいしか知りません。




シュウと真夜を警護していた人達「もうこいつら爆発しろ」


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