__いつからだろう。私は苦手だった先輩を好きになってしまった。
『__それでも、俺は……俺は、本物が欲しい』
きっとこの時だ。この時に私は葉山先輩より先輩に恋をしてしまったんだと思う。葉山先輩への…という建前の元、先輩と触れ合う機会を狙っていた。けど…あの先輩ったら全くもって気づいてくれないの!もう…自分はモテないーとか言っちゃってさ…ホントはよっぽど素敵な人なのに…
「早く返しに行こ、ゆきのん!」
奉仕部の部室から声がする…あれは…由比ヶ浜先輩と雪ノ下先輩…お目当ての先輩までいる!そう喜びながら二人の先輩達が居なくなって先輩しか居ない!チャンスだ…と先輩を探しながらキョロキョロしてると先輩がそそくさと帰ろうとしていた。
「あっ!せーんぱーいっ!」
そう言いながらいつものスマイルで駆け寄ると先輩は無視して歩いていった。こんな可愛い後輩が行ったのに無視するなんて…全くもう!
「ちょっ、ちょっとなんで帰るんですかー!」
いつも通りプリプリ怒ってみると…先輩は…うわぁ諦めてる……まぁいいや、私の罠にハマったからにはこっちのもの!
「…なんだ、どした…?」
こうなればこっちのもの!あとは色々理由をつけて私の目的通りに働かせるだけ!
「……先輩の家に泊めてもらえませんか…?」
と言ったら先輩は真顔で固まっていた。そりゃそっか…突然言われたら誰でも固まるよね……先輩なら当然だよねと自分で納得してると
「きゅっ…急にどうしひゃんだ」
あ、噛んだ…全く…変なとこでキョドって噛むんだから…そこが先輩らしいといえばらしいんだけどね
「何ですか先輩可愛い後輩にお泊まりを誘われて一人でテンション上がってるんですか、ごめんなさい私も少し舞い上がってますがまだ先輩と付き合う勇気はないので待っていてください。」
思わず振ってしまった…どうしよう可愛くない後輩って思われたかな…と先輩の方を見ると凄く落ち着いていた。
「んで、突然どうしたんだ」
「実は…私の両親が今日一日いないんですよ…それで、一人だと心細くて……助けて欲しいんですよー!」
まぁ、実は一人でも平気なんだけどね…少し広くて使いやすいからむしろそっちの方が好きなんだけど…ここまで来たら引き下がらない!絶対に行ってやるんだからー!
「……クラスに友達はいないのか。そっちの方行けよ。」
「…友達はいますけど…泊まるほど仲良くないんですよー。しかも急なので断られる可能性の方が高いので……」
う…嘘は言ってないから大丈夫…だよ、ね?先輩は「男子は…どうなんだよ、人気なんだろ?」と言ってきたけど…
「えー、私のことそこまで知ってくれているんですか?でもごめんなさい、正直男子と泊まるなんて私的には論外なのでいらない気遣いです」
「うわぁ…えげつないこと言ったな……」
先輩は軽く引いていた。気のせいだよね、うん。きっとそうだよ!気のせい気のせい。
「なら…雪ノ下はどうだ。由比ヶ浜も居るぞ。」
「…あの先輩の所に居るのは精神が持ちません…頼れるのは先輩しか居ないんですよ〜」
そう言いながらいつもの上目遣いで先輩を見つめる。なんかいつも通りにスルーされてる感じがする…むぅ…
「…男はダメなんだろ……?」
そう一歩引いたように聞いてくる先輩を見て少し落ち込んでいる。全く…なんでそんな心配するんだか……私は先輩が好きなんですよ?だから先輩にしか言わないんですよ…?
「先輩はヘタレなので…襲われる心配はないかな〜と」
そう言い切ると先輩は若干渋っていた…俺だって男なのに……って感じな気がする。けど、この一言でトドメを刺します
「ってな訳で先輩よろしくお願いしますっ!」
満面の笑みでこの一言。先輩は完全に諦めたようで「……来るなら早く来い。」とだけ言ってくれた。やった、これで先輩とお泊まりができる…!でもこの先輩には妹が居るって聞いたような……まぁ、何とかなるでしょっ!って言う感じで先輩の家で初めてのお泊まりをすることになったけど……これからも大変だったんだよね…
※ ※ ※
__家に着いて早速、先輩の妹さん(?)は凄くご機嫌斜めで先輩を待っていた。
「……ごみぃちゃん?小町を放っておいてどこをほっつき歩いてたの…って、その方は誰?」
怒りのオーラを漂わせながら興味半分という感じで私の方を見てくる
「あ…えと…一色いろはです…生徒会長をやらせてもらってます……」
無理言って付いてきたから怒られるかなーと怯えながら話していたら妹さんがキラキラしたオーラになった。
「えっ、生徒会長なんですか!?いやー、これはすいませんでした。いつもうちのごみぃちゃんが迷惑かけてます、妹の比企谷小町です。これからよろしくお願いしますー!」
…一体何があったのかな……急に盛り上がってる…とおいてけぼりにされてる感覚になっていたら「立ち話もなんですしどうぞ上がってください!」って誘ってもらえた。さっきとは態度が真逆なんだよね…むしろ怖い
「お兄ちゃんも早く早く、いろはさんについて聞きたいこといっぱいあるんだから」
「お、おう…わかった…」
そう言う小町ちゃんにおいていかれる先輩。大丈夫です、私も何が何だかさっぱりなので…ってなんで同情してるんだろ…
「ほら…行くぞ、一色」
「……いい妹さんですね」
「そりゃあ、俺の世界で一番の妹だからな」
「…出たシスコン先輩」
相変わらず妹思いの変態な先輩…でも、こういう所が先輩らしいよなぁ…なんて思っているとリビングの方から小町ちゃんが「お兄ちゃーん?」って呼んでいた。なんか似てるなぁ…少し羨ましい……
「わかったすぐ行くー」
そう言うと先輩は私をリビングまで案内してくれた。今日は先輩達のご両親も不在らしく二人だけだからちょうど良かったそうだ。……よかった…最初からご両親がいる中で泊まるのは覚悟が必要だったから無駄になった……と安心していると小町ちゃんに「一緒に料理を作りましょう!」と言われた。私は了承してエプロンを借りて台所に向かった。最初は無言でやってたけど、途中で小町ちゃんが「いやー、さっきはすいませんでした。兄がこんな時間まで小町を放置するなんて…って思ってたら彼女と遊んでたんですねー」なんて言うからパニックになっちゃって危うく材料を落とすところだった…ふぅ、危なかった。なんか嬉しいけどとりあえず否定しないと変な雰囲気で告白しちゃう…それだけは避けなきゃ!
「かっ、彼女……はっ!ぜんっぜん違うから!先輩なんて興味無いからっ!」
……やっちゃった。私のバカ!なんでそんな事言うの!?また勘違いされるじゃんか…なんで毎回こうなっちゃうんだろ……と悔やんでいると「あ、あはは…酷い言われようだなぁ…お兄ちゃん…」と引き気味に呟いていた…多分先輩に聞こえてると思うよ?ほら、わかりやすく傷ついてる……と、とりあえず誤解を解かなきゃと思って真相を打ち明けることにした。
「……ほ、ホントはね…?先輩のこと凄く好きなんだよね…でも恥ずかしくて…」
「……ほうほう…あんな目が腐っててひねくれてる兄ですけど、それでもいろは先輩のことを気にかけてるので…これからも仲良くしてあげてください。」
なんて優しい応援もしてもらいながら、料理を仲良くしていく。盛り付けも終わったし、あとは先輩を呼ぶだけだね!
「…何してるのお兄ちゃん」
小町ちゃんがゴミを見るような目で見下ろしてる……これも愛…なのかな。歪みすぎててよく分かんないよ…でも、何はともあれお目当ての耳元が空いてるからそっと近寄り一言。
「…先輩、ご飯できましたよ」
「っ……お、おう…わかった」
不意打ちに成功したのか先輩はゾワッと体を震わせてから起き上がって椅子に座った。小町ちゃんの差し金で先輩の隣に座ることになったけど「何ですか先輩隣でご飯が食べれることがそんなに嬉しいんですか、確かに私も嬉しいですけどまだ心の準備ができてないので告白するなら落ち着いてからにしてくださいごめんなさい。」なんて変な断りをしちゃった。小町ちゃんは仲良さそうだなーとこっちを見てる。なんか恥ずかしい…なんて思いながら、すごく居心地のいい空間での夕食はあっという間に過ぎていった
どうも2話ぶりですねと、ゆいです。
挨拶がパターンになってるのは気にしないでください。
すごく頑張ったいろはす会ですね。言葉遣いが難しすぎて若干変な部分がありますが、どうか許してください。私なりに頑張ったのでむしろ褒めてください…すいません嘘です。
さて、一気に2話分回収しましたが、その分文字数が増えて読みずらくなってしまった気がします……これからは気をつけていきます!
何故かあっという間に500アクセスを越え、お気に入りもして貰えるという感謝の極みなことが起きて舞い上がっています。夜中ですが、舞い上がっています。流石最高の作品は人の来方が違うなぁ…と感動とショックを受けながら次はどうしようと頑張っております。
長々と失礼しました。それでは次話でお会いしましょう。ありがとうございました。