やはり俺達の青春ラブコメは行き違っている   作:日向 ゆい

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__妙に暖かい雰囲気の夕食が終わり、片付けは俺がする流れになった。…あの、なんで一色と急に仲良くなったのでしょうか小町さん…家でも一人なのは流石にお兄ちゃん悲しいんだけど…ま、作ってもらったし片付けくらいはするさ。

「それでそれで、いろはさんはどこに惚れたんですか?」

「そ、それは…」

うわぁ…あっちは楽しそうに話してる…なんか楽しそう……とは思えど二人だけの空間に割って入る度量はないし俺の話でもないだろうから入った所ですることも無い。いや、俺の話だとしても行く勇気はないけどね。馬鹿にされてるだろうから……なんか泣きたくなってきた…

「小町ー、片付け終わったぞー」

「おー、お兄ちゃんお疲れー。お風呂行ってきていいよー」

その会話だけをして俺は風呂に向かう。……一色が居たことに最初は違和感があったが今となっては慣れてしまった。……案外、この雰囲気も悪くないのかもな。なんて考えながらとりあえず風呂に向かうことにした。そう言えばアイツはどこで寝るんだろうか…まぁ小町の部屋だろうな。俺の部屋は誘う気ないし誘っても気があるんですかごめんなさいとか言われそうだな…なんで振られる未来が想像ついてるんだろう…と一人で豊かに考えながら湯船に浸かる。

「…なんかどっと疲れたな…」

そう呟きながら今日のことを振り返る。時間になるまでのんびり本読んで…由比ヶ浜が揺れて雪ノ下といつも通りじゃれて…一色に見つかって…家に上げて…小町と仲良くなって…飯食って…風呂に入ってたら一色が来て……ん?一色が風呂場に…居る?服脱いでる…服をゆっくり脱いでる…仕切りがあるからそこまでしか見えない……待て、なんで一色がここに居る。小町と話してたんじゃないのか。

「…一色…?」

「ひゃぁっ!?なっ、なななんで先輩が居るんですか!?」

あぁ…想定外のことが起こると凄く焦るのね、初めて知った…じゃなくて俺もかなり焦ってるな…落ち着け…

「と、とりあえずお前は服を着て少し待ってろ。すぐ上がるから」

「い、いえ…行きますっ」

話を聞いていたのだろうか。と呆れながらとりあえず後ろを向いていると扉を開ける音がした。うわぁ…ホントに入ってきたよ……と謎の緊張感に包まれる中、恐る恐るといった感じで一色が湯船に浸かってきた。

「…お、お邪魔しますね」

「おっ、おう…」

一旦整理しよう。俺が風呂に入ってたら突然一色が来た。うん、よく分かんない。小町に入るように言われたのだろうが俺が入ってる事を考えなかったのか。

「…なんで来たんだ?俺に見られるのは」

「……いいんです。先輩だから…いいんですよ」

俺の質問をぶった切ってそう耳元で囁く一色。なんでさっきっから耳元ばっかり狙うの、あと近い近いいつもより柔らかいいい匂いするし…女の人って不思議だー!じゃなくて…やばいやばい俺もテンパってきたとりあえずこの空間をなんとかしなきゃ……

「…早く頭洗え。その間に俺出るから」

「ダメです。先輩にはもう少し居てもらわなきゃいけないので」

そこまで言われるとタオルを目元に巻かれて視界が真っ暗になった。一人なら動いてもいいが一色がいる手前、迂闊な事をすれば社会で生きていけなくなる。大人しくここに居るしかないか…既に色々危ない気もするが…小町にどう言い訳しようかなと考えていたら一色がシャワーを浴び始めた。随分余裕ですねいろはすさん……

「…小町になんて言われたんだ?」

「……狙うなら今ですよ!とだけ言われました…」

何を狙うんだ。襲撃でもするのか…いや、されたけどさ……と考えていたら一色が再度湯船に使ってきた。え…女の人ってこんなに早いの…?それとも今日だけなのか?

「…先輩…」

「ひゃい…なんでしょう…」

一色の弱々しく呟く声にドキリとしてしまって声が裏返った上に噛んでしまった。また…引かれるのか…と思っていたら一色がまた俺の背中に抱きついてきた。また柔らかい感触が色々と俺の思考を停止させていく。

「……私は…先輩のおかげで変われたんです」

一言一言ゆっくり呟く一色。今までのことを思い出しているか、その声には懐かしさと感謝と優しさが混ざっていた。

「…あの日の事…私は忘れません……」

「あの日…ってなんだよ」

俺は少し思い出していた。一色の言うあの日が何なのか、それは一つしかない。俺が、本物を求めた日だ。あの日を境に一色は変わったんだと思う。変わった結果が、葉山隼人への告白だ。彼女は、普通を装っていたが内心かなり傷ついていたに違いない。

「…先輩の言う本物のせいで…私は振られたんです。だから……」

だから……なんだろうかと思うが、実質答えはわかっている。責任を取れ、とでも言うつもりだろう。と待っていてもいつまでも来ない…と思って可能な限り後ろを向いて見たが全くわからない。申し訳ないと思いながら一色を俺から無理やり離して見てみると、水着であろうものを着ていた一色が顔を真っ赤にしてのぼせていた




どうもゆいでございます。
書いてて面白いのもあってポンポン投稿してしまっていますw
他サイトでの私の事情を語りますと、あんまり私は量を書けないことに気づきまして…それでこっちで量を書く練習をしようと思って書いています。……いや、書いててハマってしまったのもあるんですけどね?

……というわけで、R15を追加した意味を理解して頂けたでしょうか。(正確には水着を着て、ですけども)八幡といろはすのお風呂でございます!いやぁ、羨ましいw私も一緒に入りたい…ここ限定なのが無念。

というわけで、謝辞と御礼をば。
たった3話で1600人近くの方に読んでいただけたこと、感想を頂けたこと。誠にありがとうございます。感想はかなーり受け付けてますのでご自由にどうぞw

それでは次回5話でお会いしましょう。
ゆっくりお待ちください
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