オオカミが狙った、7匹の子ヤギ持ちの家。

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見つけてあげて、オオカミさん。

「いい?お母さんがいない間に誰か来ても絶対に(・・・)ドアを開けちゃダメよ。お父さんも仕事なんだし、何を言われるか分からないんだから。」

 

ヤギのお母さんは言いました。

7匹の子ヤギに言いました。

 

お母さんヤギはドアを開けて家を出ました。

それを1匹のオオカミが見ていました。

オオカミは「子ヤギを食おう」とは思っていませんでした。

その時、お腹がいっぱいだったというのもありましたし、なんなら誘拐でもして身代金を要求したら楽して金を稼げるんじゃないか──と考えたりもしていました。

 

 

そこで、オオカミは新聞代をとりに来たふりをしてチャイムを押しました。

 

「すいませーん、新聞代を徴収しに来ました~。」

 

オオカミはしわがれた声でそう言いました。

するとドアが突然音を立てましたが、声は聞こえてきませんでした。

 

オオカミは少し考えて、母親のふりをしようと考えました。

あるとき読んだ本にかいてあったように、全身に白い粉を塗り込み、声を高くするためにヘリウムガスを吸いました。

 

 

再びオオカミはヤギの家のチャイムを鳴らし、

 

「お母さんだよ、開けて。」

 

と言いました。

すると、家の中から物音がしました。

しかし、誰も出てきません。

 

そのため、白い粉を洗い流しました。

やがてヘリウムガスもあらかた抜けました。

 

さすがにオオカミも子ヤギを外に出す方法が思い付かず、子ヤギを出すのは諦めました。

……かわりに自分が中に入ることにしたのです。

 

家の裏にまわり、勝手口のドアノブに手をかけると──簡単に開きました。オオカミは

 

「勝手口には鍵をかけてないとは不用心な親だな。」

 

と独り言を呟きながら不法侵入しました。

と同時に違和感を感じました。

 

「声がしない……」

 

オオカミは思わず声に出してしまいました。

でも、確かにそうです。

7匹も子ヤギがいるのに声がしないなんて……

ゲームをしていたとしても何かしら会話があるはずなのに……

 

──勉強でもしてるのか?いや、だとしてもそんなに静かになるか?

 

オオカミは色々考えましたが、何も思い付かずとりあえずリビングに行きました。

 

すると、そこには──

 

口にガムテープを貼られ、手足もガムテープでぐるぐる巻きにされている7匹の子ヤギがいました。

 

「なっ……なんだこりゃ!?」

 

オオカミはまたしても思わず声に出してしまいました。

さらに、考えるより先に7匹のガムテープをすべて剥がしていました。

 

よく見ると7匹の子ヤギには腕や足などに無数のアザがありました。

 

「なんだよこれ……」

 

しかし、子ヤギ達は口を開きません。

 

 

───そこに。

 

玄関の方。

 

鍵があいた音。

 

──この家の鍵は2つ。

 

オオカミは反射的に、

 

7匹の子ヤギを連れて、

 

裏口から脱出。

 

ドアを閉めて間もなく、家の中から

 

「どこ行きやがったぁぁぁぁ!!」

 

と、怒鳴る声が聞こえてきました。

 

オオカミは7匹を連れて自分の家へ。

 

オオカミは草食になることにしました。

子ヤギと同じものを食べ、これからも一緒に暮らすことにしたのです。

それは簡単なことではないかもしれません。

 

でも、オオカミは7匹と一緒に暮らしていても、不思議と子ヤギに対しては食欲がわきませんでした。

 

オオカミは7匹の姿を自身の小さい頃と重ね合わせていたのです。


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