最強生物の力を宿した白兎   作:タイルアルゴウ

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十二話

怪物祭(モンスター・フィリア)当日、僕は今日一日は休息日としてダンジョンには行かずに神様と一緒に祭りに参加することにした。

 

「楽しみだね、ベル君。」

 

「そうですね、神様。」

 

そう話しをしながらエイナさんから聞いた祭りの醍醐味である【ガネーシャ・ファミリア】が開催しているモンスターの調教(テイム)を見学するために闘技場(コロッセウム)に向かっていると、後ろから声を掛けられた。

 

「おぉー、白髪頭丁度良い所に通りかかったニャ。」

 

「えっと、どうかしたんですか?」

 

僕達に話しかけて来たのは【豊穣の女主人】の猫人の女性店員さんで、商業ファミリアらしき紋章(エンブレム)の刻まれた紫色の可愛らしいがま口財布を手渡してくる。

 

「これをおっちょこちょいのシルに渡して欲しいのニャ。」

 

主語が抜け落ちている言葉に僕と神様が首を傾げていると、もう一人の女性が現れた。

 

「アーニャ、それでは説明不足ですよ。クラネルさんが困っています。」

 

静かにそう指摘したのはエルフの女性店員さんだった。

シルさんと同じ給仕服を着ているので同僚という事は分かるのだが、自分の名前を言われたことに驚いてしまった。

 

「あの、どうして僕の名前を?」

 

僕の問いかけに対してエルフの店員さんは軽く会釈をしながら答えてくれた。

 

「私はリューと申します。シルの同僚で彼女がいつもクラネルさんの話をしているので、それで。シルはクラネルさんに夢中なんですよ。」

 

「そうだったんですか・・・。」

 

リューさんの話を聞いて納得をする僕は話を本題へと戻す。

 

「それでどうかしたんですか、シルさんがどうかしたとかって。」

 

僕の疑問にアーニャと呼ばれた猫人の店員さんが答えてくれた。

 

「実は怪物祭(モンスター・フィリア)を見に行ったシルが忘れていったこの財布を届けて欲しいのニャ。」

 

それを聞いてやっと事の本題を理解出来た僕と神様はこう言った。

 

「それくらいでしたら、別に構いませんよ。」

 

「そうだね、困った時はお互い様さ!」

 

「ありがとうございます、クラネルさん、神ヘスティア。」

 

リューさんとアーニャさんは僕達にお礼を言ってからお店の仕事にへと戻っていった。

 

「それじゃあ、人探しをしながらお祭りを楽しもうじゃないかベル君!!」

 

「はい、神様。でも、優先するのはこの財布をシルさんに届けるのが先ですからね。」

 

「わかっているさ、それくらい!!」

 

そうやって人だかりの中にへと入っていくのだった。

 

 

 

 

シルさんを探しながら祭りを堪能しているが、一向に見つかる気配が無い。

 

すると、前方の方から悲鳴らしき声が聞こえて何事かと思いながら身構える。

 

「モンスターだぁあああああああああああああああああああああああああああああっ!?」

 

誰かは分からないが言い放ったその一言を皮切りに周囲はあっという間に混乱状態に陥ってしまう。

 

その叫びと共にモンスターの一撃ではじけ飛ぶ屋台を見て周囲にいた人達は更に混乱し、少しでも早く離れようと必死に逃げ始める。

 

「なんだって!?」

 

神様は顔を青くさせて驚くが、僕はこう言った。

 

「神様、僕が時間を稼ぎますから今すぐここから逃げてください。」

 

「な、何を言ってるんだい!?あれだけの数のモンスターを君一人でどうにか出来る訳ないじゃないか!!」

 

そう言って来る神様に僕はこう言った。

 

「大丈夫ですよ、神様。僕は神様を絶対に一人にはしませんから。」

 

「あ・・・。」

 

僕はそう言ってからモンスターの密集している場所に突っ込んでいく。

 

「「「「「「「「「「ガァアアアアアアアアアアアアアアアアアア!!」」」」」」」」」」

 

咆哮を上げながらモンスター達は僕に襲い掛かって来るが、両腕両足に武装色の覇気を纏いながら迎え撃つ。

 

最初に突っ込んでくるソードスタッグの角を掴むと、その角をへし折って痛みに悶絶している隙に頭の下に蹴り砕き、シルバーバックは自分を拘束していた手錠の鎖を利用しての攻撃をしてくるが、僕はその鎖を拳で覇気を纏った砕き、懐に飛び込んだその瞬間にシルバーバックの鳩尾らしき部分に拳を叩き込むと同時に倒れこみ、オークは壊した屋台から使えそうな木材を手に握って殴りかかってくるが、僕はその木材ごと蹴りを放って頭を粉砕すると灰となって霧散した。

 

「やった、やった!凄いじゃないか、ベル君!!」

 

手放しで喜んで近づいて来る神様に僕はこう言った。

 

「いや、神様危ないから逃げてくださいよ!!下界では神様は力は使っちゃいけないですから!!」

 

「おいおい、ベル君。君が守ってくれるからボクは大丈夫さ!!」

 

屈託のない笑顔をしながらそう言って来る神様に僕は思わず苦笑してしまう。

 

だが、騒動はこれで終わりでは無かった。

オリ団員はやっぱり大看板や飛び六胞に近付けた方がいいですか?

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