最強生物の力を宿した白兎   作:タイルアルゴウ

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十四話

謎の植物系モンスターを一掃した僕は他の事に目もくれずに神様の元に戻ると、モンスターに襲われる事無く無事な姿で立っている神様が見えて安堵の息を漏らした。

 

「神様、無事で良かったです」

 

「うん、それはボクの話だけどね・・・」

 

僕の言葉に対して呆れながらそう言って来るがその後には互いに笑みを浮かべていると、それを邪魔するようにモンスターが現れる。

 

「「「グォオオオオオオオオオオオッ!!」」」

 

「邪魔だ!!」

 

襲ってきたソードスタッグ、トロール、バグベアーを一撃で粉砕し、ちゃっかり魔石を回収してその場から移動する。

 

すると、ギルドの都市放送が流れてくる。

 

どうやら、逃げ出した全てのモンスターが討伐されたという内容だったため、事態は収束にへと向かうのだった。

 

その日の夜、今日の夕食はガッツリと肉尽くしを食べながら今日のモンスターの大脱走について話しをしていた。

 

「それにしても、今日は散々な一日だったよ」

 

「そうですね、しかもモンスターが町に逃げ出しましたし・・・。それにしても、あのモンスターはいつも僕が探索している階層にはいなかったので深層のモンスターなんじゃないかと思うですよ」

 

神様の言葉に同意しながらも自分の抱いた疑問をぶつける。

 

「う~ん、それに関しては僕は頼りにならないから明日アドバイザー君にでも聞いてみると良いよ」

 

「そうですね、そうします」

 

そういう結論に出た僕と神様はその後も楽しく夕食を食べるのだった。

 

夕食を終えて僕は上着を脱いで【ステイタス】の更新の準備をしていた。

 

「よーし、【ステイタス】を更新するよベルくん!!」

 

「はい、よろしくお願いします神様」

 

こうして、神様は手際よく【ステイタス】を更新していく。

 

「ベル君、すぐに写すからチョット待っていてくれ」

 

「はい」

 

そうして、【ステイタス】を羊皮紙に写した神様は僕に見せてくる。

 

そこに写っていたのは・・。

 

ベル・クラネル

 

Level2

 

力EX 耐久EX 器用EX 敏捷EX 魔力I0

 

百獣S→SS 覇気S→SS 破砕A→S 耐異常S 拳打A→S 幸運A

 

この世における最強生物(カイドウ)

・力、耐久、器用、敏捷のアビリティを常時超高補正

最強(おもい)が続く限り効果持続

最強(おもい)の丈により効果向上

 

【覇気】

・三種の覇気を扱う事が出来る。

・武装色:肉体や武器に纏わせて硬度と攻撃力を上げる力

・見聞色:周囲を感知する力

・覇王色:全てを威圧する力

 

【海賊としての矜持(パイレーツ・プライド)】

・自由を求める事で敏捷のアビリティを高補正

 

【一騎打ち(タイマン)】

・一対一での戦闘の際、全アビリティ高補正

 

【百獣の憤怒(ラージ・オブ・ビースト)】

憤怒(いかり)による全アビリティ高補正

憤怒(いかり)が続く限り効果持続

憤怒(いかり)の丈により効果向上

 

発展アビリティが四つ上昇しているだけで他は何も変わっていなかった。

 

「やっぱりあのモンスターを倒しても昇格(ランクアップ)はありませんでしたね」

 

「まぁ、昇格(ランクアップ)するには神々(ボクら)が認めるほどの偉業を達成しなくちゃいけないしね」

 

神様はそう言いながら(グラス)に入った水を飲む。

 

僕は上着を着直して隣に座って同じように水を飲む。

 

「それじゃあ、明日に備えて寝ようじゃないか!!」

 

「はい、神様」

 

こうして、僕達は明日に備えて眠りについた。

 

しかし、僕の身体にはある変化が起こっていた事をまだ知らなかった。

 

 

眠りについた僕はある夢を見る事になった、それはカイドウが青い龍に姿を変えて敵対する者達と激しい戦闘をしている所だった。

 

カイドウは口から熱風や炎を吐き、咆哮が雷になり、身体を動かせば暴風を起こしている。

それは正に天変地異という言葉が相応しいと思った。

 

そして、僕はより一層ダンジョンに潜り強くなりたいと思ったのだった。

 

 

 

 

怪物祭(モンスター・フィリア)の翌日、僕はいつもの様にダンジョンに来ていた。

 

今回はギルドにあった冒険者依頼(クエスト)から僕にでも出来そうな物を数種類を選んだ。

 

その内容は「ヘルハウンドの牙×十五個」「ライガーファングの毛皮×十個」「ミノタウロスの角×十個」の依頼書を提出し、正式に僕の依頼として受託された。

 

依頼書を懐に入れてから僕はダンジョンに向かうのだった。

 

ダンジョンの入り口までやって来ると、身体を解した後足を運ぶのだった。

 

そうして、僕は十三階層で黒犬(ヘルハウンド)の牙を十五個集めた後、十五階層にある一つの広間(ルーム)でミノタウロスの怪物素材(ドロップアイテム)である《ミノタウロスの角》を集めていた。

 

「ヴヴォオオオオオオオオッ!!」

 

「フッ!」

 

吠えながら石斧を振り下ろすミノタウロスの横っ面に蹴りを入れて魔石に変えると共に目的の怪物素材(ミノタウロスの角)が現れる。

 

「これで目標数は稼いだぞ、あとは大虎(ライガーファング)の毛皮だけだ」

 

そう言いながら巨大な麻袋に魔石とドロップアイテムを回収する。

 

「ヴヴォオオオオオオオオッ!!」

 

そうしていると、ダンジョンの壁が罅割れ始める。しかも、その広さはこの広間(ルーム)全体にまで広がっている。

 

「確か、これが怪物の宴(モンスター・パーティー)って言うのかな?」

 

そう言っている内にダンジョンが新たに生んだミノタウロスの大群に取り囲まれた僕だけどこのくらい乗り越えなくちゃ行けない、英雄やカイドウ(あの人)の様に成るんだ!!

 

そういった覚悟で僕はミノタウロスの大群に攻撃を仕掛けるのだった。

 

そうして、僕は魔石とミノタウロスの角を大量に確保するのだった。

 

次に、ライガーファングの毛皮を求めて十七階層にへと降りて行くのだった。

 

 

 

 

 

十七階層に降りて来ると、僕はライガーファングの群れに襲われていた冒険者を見つけた。

 

「助けないと!」

 

僕はそう言って負傷した冒険者にさらに爪を立てようとするライガーファングの一匹に拳を喰らわせ他瞬間、ライガーファングはいとも簡単に宙を舞い岩壁に激突すると共に怪物素材(ライガーファングの毛皮)に変わる。

 

「き、きみ、は・・・」

 

「喋らずに体力を温存して下さい!」

 

傷の具合が酷いのかとぎれとぎれでしか喋れない冒険者に僕はそう言ってから残ったライガーファングの群れを相手するのだった。

 

ライガーファング全てを撃退し魔石と怪物素材(毛皮)を回収した後、僕は持っていた回復薬(ポーション)全てをその負傷していた冒険者に浴びせるが、焼け石に水の様な状態だった。

 

どうしたものかと考えた時、エイナさんの言葉を思い出した。

 

『ベル君、身体の調子がおかしかったら【ディアンケヒト・ファミリア】のアミッド・テアサナーレ氏を訪ねてね。彼女なら大抵の不調も回復してくれるから』

 

その言葉を思い出した僕はその冒険者の身体を抱えてダンジョンから地上への帰還を急ぐのだった。

 

しかし、焦れば焦る程にダンジョンは冒険者をあざ笑うように牙を剥くのだった。

 

「邪魔だ、どけぇええええええええええええええええええっ!!」

 

そう言いながら僕はヘルハウンドの頭を蹴り潰し、地上への階段を目指していく。

 

しかし、それを阻むようにダンジョンは怪物(モンスター)を刺客として差し向けて来る。

 

「わ・・・、たし・・・、を・・・」

 

そうやってモンスターを倒しながら進んでいると、抱えている冒険者が何かを言おうとしている。

 

「いいから、意識をしっかり保ってください」

 

それを無視するかのように僕は走り出す。

 

モンスターの猛追を躱し、何とか地上に辿り着くと他の冒険者に【ディアンケヒト・ファミリア】の場所を聞くと、そのファミリアが運営している治療院を紹介して貰い、情報量として余剰分のライガーファングの毛皮を五枚手渡してすぐに向かうのだった。

 

そうして、治療院に辿り着いた僕はその冒険者の人を預けて待合室に備え付けられた椅子に腰を下ろすのだった。

 

数十分後、一人の女性が僕の所までやって来た。

 

「貴方が重傷の冒険者を運んできた方でしょうか?」

 

そう聞いてくるのはサラリと溢れる細い長髪は白銀、大きめな双眸に儚げな睫毛がかかっていて、服装は白を基調とした治療師を思わせている【派閥(ファミリア)】の制服だ。

 

「私は【ディアンケヒト・ファミリア】のアミッド・テアサナーレといいます。」

 

その名前を聞いて僕も立ち上がって自己紹介をする。

 

「あの、初めまして!僕は【ヘスティア・ファミリア】のベル・クラネルと申します!!」

 

互いに自己紹介を済ませた後、アミッドさんが本題に入ってくる。

 

「クラネルさん、先程貴方が連れてこられた冒険者の方なのですが部隊(パーティ)を組まれていた方でしょうか?」

 

「いえ、違います。大虎(ライガーファング)の群れに襲われているのを発見してそれで・・・」

 

「なるほど、それでですか・・・」

 

僕の話を聞いてアミッドさんはなにか考え込み始める。

 

「あの、どうかされたんですか?」

 

「あっ、すみません。先程の冒険者の方でしたら治療を終えていますが意識は戻ってはいません。それでも、お会いになられますか?」

 

「いえ、僕が行っても何も出来ませんから・・・」

 

「そうですか、解りました。クラネルさんも」

 

そう聞いてくるアミッドさんにそう聞かれたが、僕がいても何も出来ないし、魔石の換金や冒険者依頼(クエスト)怪物素材(ドロップアイテム)を納めなければいけない事から今日の所は帰ることにした。

 

治療院を出た後、僕はギルドに行き最初に冒険者依頼(クエスト)怪物素材(ドロップアイテム)を提出し、報酬を受け取ってから魔石を換金して本拠(ホーム)にへと帰って行くのだった。

 

すると、僕が近道をするために普段とは違う路地裏に入ると小人族(パルゥム)の少女が慌てて走ってきて僕の前で倒れる。

 

「君、大丈夫!?」

 

そう言って僕が手を伸ばそうとした時、少女の後を追ってきた様子の男が剣を抜いた状態でやってくる。

 

「やっと追い付いたぞ糞小人族(パルゥム)ッ!!」

 

そう言いながら男は少女に剣を振り下ろそうとしていた。

 

僕はそれを見て男と少女の間に立ち、男の剣を裏拳で弾く。

 

「邪魔だガキ、そこどきやがれぇっ!!」

 

そう言ってくる男に対して僕は冷静に問いかける。

 

「この子に何するつもりですか・・・・?」

 

「うるせぇぞクソガキッ!!今すぐ消え失せねぇと後ろの糞小人族(パルゥム)ごと叩っ斬るぞ!!」

 

それに対して僕ごと後ろにいる少女の事を斬ると断言してくる始末だ。

 

ダメだ、どけない。

 

そう思った僕は麻袋を通路の隅に置き、拳を握った。

 

斜め後ろの方でその姿を見た小人族(パルゥム)の少女は驚きの表情を浮かべる。

 

それを見た男も瞠目した後顔を赤くさせながら怒声を上げる。

 

「マジで殺されてぇみてぇだな・・・!!」

 

そう言ってギラリと剣を構える男は完全に臨戦態勢に入った。

 

「死ねぇっ!!」

 

そう言いながら僕に向かって斬り掛かってくるのに対して、僕は見聞色の覇気で動きを察知し武装色の覇気で掌に纏い振り下ろされた剣を左右別々の場所で挟み、力任せにへし折った。

 

「な、なっ・・・・・・!?」

 

男は得物である剣をあっさりと折られた事に驚きを隠せず言葉を失ってしまっていた。

 

その隙だらけな姿を見て、僕はその隙に少女を逃がそうと振り向くと、既に少女の姿はなかった。

 

少女の気配は覚えたから追うことは出来るけど逃げられたのならいいかと思い、僕は放心状態の男を無視して麻袋を背負って本拠(ホーム)にへと帰っていくのだった。

 

そのまた翌日、僕はダンジョンに向かっていると後ろから声を掛けられる。

 

「お兄さん、お兄さん、白い髪のお兄さん。リリをサポーターとして雇って頂けませんか?」

 

そう聞いてくるのは自分より大きリュックサックを背負いフードを深く被った昨日冒険者に追いかけられていた小人族(パルゥム)の少女だった。

 

「えっと、昨日の小人族(パルゥム)()だよね・・・・・?」

 

僕がそう問いかけると、リリと名乗るサポーターの少女はこう言ってくる。

 

「ほえ?リリは小人族(パルゥム)ではなくて犬人(シアンスロープ)ですよ」

 

そう言いながらフードを取ると、そこには犬人(シアンスロープ)であることを証明する犬耳があった。

 

「ごめんね、変なこと言っちゃって」

 

「いいえ、リリは気にしてませんから!!」

 

しかし、僕は腑に落ちないことがあった。

 

それは昨日の少女と全く気配が同じだということだ。

 

まぁ、なにか企んでいるんだろうけどとりあえずは様子見だなと判断した。

 

「それでお兄さん、サポーターはいりませんか?」

 

そう言ってくる少女に対して僕はこう言った。

 

「それじゃあ、お願いするよ」

 

「はい、お任せください!!」

 

少女は満面の笑みでそう言ってくるのだった。

 

【ソーマ・ファミリア】所属のリリルカ・アーデ、そう名乗る少女とお試し契約という形でダンジョンに潜っている僕はいつも通り中層に降りようとすると、慌てて声を掛けてくる。

 

「ちょっと待って下さい、ベル様!?もしかして、ベル様は・・・」

 

「うん、Lv.2だよ」

 

それを聞いたリリはあんぐりと口を開けて驚きを隠せないでいた。

 

まぁ、声を掛けた冒険者がLv.2だなんて思わないよね。

 

内心そう思いながら僕は中層の入り口に入っていく。

 

中層に入ると、リリは落ち着かない様子で周囲を警戒していいると、ヘルハウンドとアルミラージの群れがやって来る。

 

「ベル様、この数はリリ達では・・・」

 

リリが逃げることを勧めてくるけど、僕はその逆で群れの中に突っ込んでいく。

 

そして、アルミラージが持つ迷宮の武器庫(ランドフォーム)である小型の石斧(トマホーク)を奪うと同時に覇気で硬化させてから投げるとその射線にいたモンスターを撃破していく。

 

それと同時に覇気を纏った拳と蹴りでモンスター達を蹴散らしていくのだった。

 

その光景を見てリリは唖然としていたが、すぐに復帰して戦闘に参加する。

 

僕の拳と蹴りの射程範囲外のモンスターに矢を射掛けていき、リリを狙うモンスターがいれば僕がそれを防ぐという方法でモンスター達を蹴散らしていくのだった。

 

「凄いですベル様、お強い!!」

 

「リリも中々いい動きをしていたと思うよ」

 

そう言ってくるリリに対して僕はそう言った。

 

「いえいえ、リリの力なんてなくてもベル様ならお一人でどうにか出来ていましたよ!!」

 

「・・・ははっ」

 

リリの言葉に苦笑いを浮かべる僕。

 

「さて、それじゃあ地上に戻るか」

 

「はい、ベル様!!」

 

僕の言葉にリリは賛同して地上に戻るのだった。

 

 

 

 

地上に戻ると、リリに換金を任せて僕はエイナさんにリリの事を伝えに行くのだった。

 

「【ソーマ・ファミリア】のサポーターかぁ・・・」

 

僕の話を聞いてエイナさんは苦い顔をする。

 

「やっぱり何かあるんですね」

 

「うん、【ソーマ・ファミリア】の冒険者って何か鬼気迫っているような感じがするのね。いつも換金所で揉め事を起こしているみたいだし・・・。でもね、お酒も有名な派閥(ファミリア)だからそこまでお金には困っていないはずだけど・・・」

 

「そうですか・・・」

 

エイナさんの説明を聞いて僕も考えを巡らせる。

 

「まぁ、ベル君が問題ないならそのままで良いと思うよ。だって、ベル君一人だと何をするか解らないもん」

 

「・・・・」

 

最後のエイナさんの言葉は聞かなかったことにしよう。

 

エイナさんとの話を終えて僕がリリの元に行くと、拳二つ分の麻袋が四つ机の上に置かれていた。

 

「ベル様、全額で400000ヴァリスです!!」

 

「結構稼いだね」

 

そう言ってくるリリに対して僕はそう言いながら対面に座る。

 

「そ、それでは・・・配分を決めましょうか」

 

そう言ってくるリリに対して僕は各10万ヴァリス入った麻袋四つの内三つを差し出した。

 

「えっ、ベル様!?」

 

僕の行動が不思議に思えたのかリリは驚きの声を出す。

 

「今回の報酬は元々半分にするつもりだったんだ。でも、リリには僕のレベルの事言っていなかったからね、だからそのお詫びにね」

 

「ちょ、ちょっと待って下さい!!」

 

「待ちません、それじゃあまた明日ね!!」

 

リリの言葉を無視して僕は本拠(ホーム)にへと帰るのだった。

オリ団員はやっぱり大看板や飛び六胞に近付けた方がいいですか?

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