最強生物の力を宿した白兎   作:タイルアルゴウ

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十八話

買い物を済ませると、僕とリガスはリリと合流するために噴水広場にやってきていた。

 

すると、狸人(ラクーン)の中年男が声を掛けてくる。

 

「おい、ガキ共お前ら最近アーデと連んでる奴らだろ」

 

「なんですか、いきなり?」

 

そう言ってくる中年に言葉を返すとこう言ってくる。

 

「あぁ、お前らに話があったんだよ。あいつには気をつけとけ」

 

「どういう意味だ」

 

「それはな、あのアーデって奴はウチの派閥でも面倒事の種なんだよ」

 

中年の言葉に今度はリガスが反応すると話を続けてくる。

 

「あのアーデって奴は取り入るのが上手ぇ。サポーターとして小隊(パーティ)に参加しては他の冒険者の荷物から物をかすめ取ってやがるんだ」

 

「「・・・・・・」」

 

リリのことをこれでもかと貶してくる中年に対して怒りを抱きながらも最後まで聞いたその上で・・・。

 

「それでよぉ、一つお前らにも儲け話があるんだよ」

 

「儲け話?」

 

「あぁ、今度あのアーデとダンジョンに潜るんだったら型に嵌めてやるのさ。それで今までの行いを清算させるんだ」

 

そう言いながら下卑た言葉を吐く中年に対して僕の返事はこうだった。

 

「死ね」

 

金棒に武装色を纏わせ思い切り振り抜いた。

 

「ぐぎゅべばぁ・・・・・・っ!!」

 

中年の顔は金棒の一撃で変形し天高くその肉体は宙を舞った。

 

「お前がしたいことは()()達に罪を擦り付けることだろ。だったら、おれ達も相応の対応をさせて貰うぜ」

 

未だに宙を舞う中年を見やりながらそう言った後、()とリガスはリリと合流するのだった。

 

「リガス」

 

「あぁ、ベルさんウチを舐めたケジメはキッチリと取らせる。それでリリルカの方はどうなさるんで?」

 

「リリのダンジョンでの知識は全て経験により得たものだ。選択肢は二つだ、改宗(コンバージョン)するか、生まれ変わった【ソーマ・ファミリア】()()として【ヘスティア・ファミリア(おれ達)】の傘下に下るか、だ」

 

「なるほど、そりゃあ良い考えだ」

 

そう話しながら噴水広場にやってくると、リリが先に待っていた。

 

「おはようございます、ベル様、リガス様」

 

「うん、おはようリリ」

 

「あぁ」

 

そうやって挨拶しあった後、僕達はダンジョンに入っていくのだった。

 

「フンッ」

 

上層ではリガスの成長を促すために僕は極力手を出さずにいた。

 

リリはリガスの背後に迫るモンスターに牽制程度の矢を射かけるなどのサポーターとしての仕事を全うしている。

 

「ベル様、今日はどこまで潜られるのですか?Lv.1のリガス様に中層はまだ早い気がしますが・・・」

 

「いや、いつも通り十七階層まで降りる。その方がリガスの成長にも繋がるからね」

 

「解りました、それでは参りましょう」

 

「あぁ」

 

そうして、僕達は十七階層まで降りて行きモンスターの魔石と怪物素材(ドロップアイテム)を収集するのだった。

 

その後は地上に戻って換金し分配をした後、リリにダンジョンに潜る前の話をする。

 

すると、リリは顔を蒼くさせながら逃げだそうとするも逃げられず椅子に座っている。

 

「それでベル様達はリリを如何するおつもりなのですか・・・?」

 

恐怖に染まった顔でそう聞いてくるリリ僕は優しくこう言った。

 

「なにもしないけど、一つの選択をして貰う」

 

「選択ですか・・・?一体どんな・・・」

 

改宗(コンバージョン)するか、新生【ソーマ・ファミリア】団長として【ヘスティア・ファミリア(おれ達)】の傘下に下るかの二択だ」

 

改宗(コンバージョン)でお願いします」

 

リリの選んだ選択肢は改宗(コンバージョン)だった。

 

「団長の座には興味ないの?」

 

「興味が無いと言えば嘘になりますが、団長になったとしてリリは確実に暴走をします。今まで受けてきた苦痛を億倍にして与えるようになるでしょう、そうなれば今度はリリがベル様達の粛正対象になってしまうので」

 

冷静、自分のことを冷静に分析し理解している。

 

だからこそ僕はリリルカ・アーデを欲したんだ。

 

「決まりだ、今夜【ソーマ・ファミリア】に襲撃する」

 

「わ、解りました!!」

 

「了解だ、ベルさん」

 

そうして、人知れずに【ヘスティア・ファミリア】による【ソーマ・ファミリア】襲撃作戦が発動されるのだった。

 

 

 

 

深夜、誰もが寝静まる時間【ソーマ・ファミリア】本拠(ホーム)の前に立つのはリガス只一人。

 

「さて、奴らは一人残らず焼き尽くす」

 

そう言いながら抜刀すると武装色の上位である流桜と炎翼血統(スキル)で生み出された炎を纏わせて敵陣に切り込んでいくのだった。

 

 

 

一方で、僕とリリは【ソーマ・ファミリア】が所有する酒蔵にへと来ていた。

 

さっき見聞色で気配を探ってみると本拠(ホーム)の倍以上の人数がいた。

 

しかし、神ソーマの気配は無かった。

 

「ちっ」

 

思わず舌打ちをしてしまうほどに僕は嫌悪感を抱いた。

 

その理由は解らないけど、ここであれば主神である神ソーマが酒造りのために訪れている可能性が高いとのことで来ているのだが問題点は一つ。

 

【ソーマ・ファミリア】現団長ザニスがどこにいるかだが、そこに関しては問題では無い。

 

ああいう人間ほど性根が腐っている上に向上心も無いからLv.1のリガスでも問題なしと判断した。

 

更に言うと、深夜までの時間リガスはダンジョンに潜った後に神様に【ステイタス】を更新して貰っている。

 

 

リガス・ルナーリア

 

Lv.1

 

力A880 耐久A980 器用B752 敏捷A899 魔力I0

 

古代S 翼竜S 火炎S 火災A 剣士A 拳打A 破砕A 覇気A

 

翼竜咆吼(プテラノドン)

任意発動(アクティブトリガー)

・翼竜化

・状態異常無効

・全アビリティ能力超高補正

 

百獣崇拝(クティノス・ラトレイア)

・超早熟する

崇拝(しんこう)が続く限り効果持続

崇拝(しんこう)の丈により効果向上そ

 

百獣忠誠(クティノス・ピスティス)

・超早熟する

忠誠(こころ)が続く限り効果持続

忠誠(こころ)の丈により効果向上

 

【覇気】

・二種の覇気を扱う事が出来る

・武装色:肉体や武器に纏わせて硬度と攻撃力を上げる力

・見聞色:周囲を感知する力

・流桜:内部破壊の覇気で武装色の上位

・未来予知:数秒から数十秒の先の未来が見える見聞色の上位

 

火災(キング)

・炎纏身体強化

・炎纏全能力超高補正

 

翼竜の悪魔の実(リュウリュウの実)

・人型

・人獣型

・獣型

 

炎翼血統(ルナーリア・ブラッド)

・発炎纏躯

・漆黒迅翼

・発炎時、耐久のアビリティ常時超高補正

・消炎時、敏捷のアビリティ常時超高補正

 

 

スキルの効果があるとは言え、成長速度が速すぎると思った。

 

まぁ、それは置いておいて僕達もやることをやってしまおう。

 

「それじゃあ、やるよリリ」

 

「はい、ベル様」

 

深夜帯なだけになるべく声を潜める、気付かれたら元も子もないからね。

 

僕はリリを背負って金棒に流桜と覇王色を纏わせ跳び上がった。

 

 

 

 

 

「降三世引奈落!!!」

 

 

 

 

 

 

 

流桜と覇王色を纏い激しく迸る黒雷を放つ金棒を振り回した後落下の勢いと二人分の体重も加わった事よって威力が跳ね上がった一撃が酒蔵に叩き込まれた。

 

その瞬間、その一撃によって都を揺るがし衝撃は付近の建物は吹き飛んだ。

 

その後、【ソーマ・ファミリア】の本拠(ホーム)から光の柱が立ち上ったところを見ると神ソーマは天界へ送還されたようだ。

 

あの後、戻って来たリガスから話を聞くと神ソーマは酒蔵からの爆発音を聞いて放心状態になって窓から転落したらしい。

 

あと、ザニスはリガスに交渉を持ちかけようとしたが問答無用で斬り捨てたらしい。

 

あと、ザニスの仕事部屋からは各地の貴族やら豪族らへの賄賂に密輸などの裏取引の書面を回収してきたらしい。

 

しかもその中にはダンジョン産モンスターの密輸に関する書類まであった。

 

まぁ、僕達としてはこれ以上首を突っ込む気は無いためこの裏取引の件に関しては憲兵役も務める【ガネーシャ・ファミリア】に押しつけることにした。

 

足が付かないように貧困街(スラム)の子供に駄賃を渡した上で【ガネーシャ・ファミリア】に届けて貰った。

 

ちなみに子供に頼んだのは初老の小人族(パルゥム)に変身したリリである。

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