最強生物の力を宿した白兎   作:タイルアルゴウ

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八話

早朝に知り合った【豊穣の女主人】という酒場で給仕として働いている銀髪の少女・シルさんの誘いを受けて、僕と神様は夕食を食べにやって来た。

 

店の中に入ると、そこは如何にも酒場という雰囲気が醸し出されていて、様々な種族の冒険者達が卓テーブルを囲んで楽しく酒と料理を飲み食いをしている。

 

その光景を見て神様がこう言って来る。

 

「へぇ~、こういう外食なんて初めてだよ。」

 

店内を見渡しながらそう言って来る神様に対して僕はこう言った。

 

「そうですね!僕もこう言うのは初めてですから、楽しみましょうね神様!!」

 

「そうだね、ベル君!!」

 

そう話していると、給仕の人が僕達に近づいて来てこう言って来る。

 

「ようこそ、豊穣の女主人へ!!あっ、ベルさん来てくださったんですね!!」

 

近づいてきた給仕はシルさんで僕の姿を見てそう言って来る。

 

すると、それを見ていた神様が僕とシルさんの方を見てこう言って来る。

 

「ベル君、その子は誰なんだい?知り合いかい?」

 

そう言って来る神様に対して僕はこう言った。

 

「神様、この人はシル・フローヴァさんという人でこの酒場で働いている従業員の人なんです。実は、ここを選んだのはシルさんがここを進めてくれたからなんです。」

 

僕の言葉を聞いて神様がこう言ってくる。

 

「へぇー、そうだったのかい。それじゃあお腹一杯食べようじゃないか!!」

 

「はい、神様。」

 

神様の言葉に対して僕はそう言い、シルさんにカウンター席まで案内してもらう。

 

席に着くと、僕と神様は献立表に目を向けてからこう言った。

 

僕はそんな光景を目を向けながらシルさんに案内された席に座り、メニューを見てこう言った。

 

「それじゃあ、最初なんでパスタを二つ。」

 

「パスタですね、分かりました。」

 

僕が注文をすると、シルさんは厨房に注文を伝えに行った。

 

そう考えていると、僕と神様の前に山のように盛られたパスタ二つが置かれた。

 

「おまちどうさん、パスタ二つだよ。」

 

そう言って来るのはいかにも女将さんって雰囲気を醸し出しているドワーフの女性がカウンターに立っていた。

 

「あ、ありがとうございます。」

 

僕はそうお礼を言ってパスタの隣に置かれたフォークを手にして食べようとすると、女将さんがこう言って来る。

 

「私はここの店主のミア・グランドって言うんだ。アンタがシルのお客さんかい?ははっ、冒険者のくせに可愛い顔してるねぇ。」

 

「あ、あははは・・・。」

 

ほうっておいてください、気にしてしてるんですから!!

 

そう心の中で言っていると、ミアさんの次の言葉に驚かされる。

 

「なんでもアタシ達に悲鳴を上げさせるほ大食漢なんだそうじゃないか!じゃんじゃん料理を出すから、じゃんじゃん金を使ってくれよぉ!」

 

「えっ!?」

 

ミアさんの発言に僕は心底驚いた、それもそのはず僕は見た目通りそんなに食べれる方ではないのでどこからそんな情報が来たのか・・・、そんなウソの情報を言う人が一人いた。

 

「シルさん?」

 

僕は隣にいたシルさんに声をかけると、シルさんはこう言ってくる。

 

「すみません、ベルさん。」

 

シルさんは瞳をウルウルさせ頬を赤く染めていた、可愛いなと思ってしまった。

 

「シルさん、すっごく可愛いですけどダメですよ。」

 

「テヘッ。」

 

まぁ、そんなこんな感じでパスタを食べながら会話を楽しんでいると、ある声が聞こえてくる。

 

「ご予約のお客様の一団、ご来店~~~!!」

 

その声に反応して入口の方を見ると、朱色の髪の神様を先頭に様々な種族の人達が入ってくる。

 

すると、神様がその集団を見た瞬間、声を荒げて大声でこう言った。

 

「ロキ!?」

 

その声に店の中にいた客全員の視線が此方にへと向けられる。

 

もちろん、今入ってきた一団【ロキ・ファミリア】の視線もだ。

 

「ドチビーーー!?」

 

同じくしてこっちを見て朱色の髪の神様もとい、神ロキも大声を上げる。

 

というか、この二人の反応からして仲が良くないと判断出来た。

 

「なんで君がここにいるんだい!?」

 

「それはコッチのセリフや、何で貧乏のドチビがここにおんねん!!」

 

神様と神ロキは互いにそう言いながら睨み合うが、それはすぐに終わることになる。

 

「神様、少し落ち着いて下さい。」

 

「そうだぞ、ロキ。ここで騒ぐのはどうかと思うぞ。」

 

神様達に対してそう言うのは僕と翡翠色の髪をしたエルフの女性だった。

 

「せやかて、リヴェリアこいつは・・・、ブベッ!?」

 

「いい加減にしろ、二度は言わんぞ。」

 

神ロキが反論しようとした矢先、頭頂部に手刀の一撃を受けた後、他の団員の手によって運ばれていくのだった。

 

僕も神様を座っていた席にへと連れて行き、注文してあったパスタを食べ始めてもらう。

 

するとその後、僕達の所に一人の小人族パルゥムの男がやって来る。

 

「僕達の主神が失礼したね」

 

「いえ、こちらこすいません。」

 

互いに謝罪をすると、小人族の男がこう言ってくる。

 

「僕は【ロキ・ファミリア】団長のフィン・ディムナだ、君は?」

 

自己紹介と共にそう聞いてくるフィン・ディムナに対して僕はこう言った。

 

「僕は【ヘスティア・ファミリア】所属のベル・クラネルといいます。」

 

僕がそう名乗ると、フィン・ディムナはこう言って来る。

 

「すまなかったね、ベル・クラネル。」

 

「いえ、こちらにも非はありますから。」

 

そう話した後、互いにそれぞれの席に戻って食事を始める。

 

その際、神ロキの挑発に近い発言に反応する神様を抑えながら食事を続けていると、シルさんがやって来てこう言って来る。

 

「ベルさん、お酒はどうですか?今日は珍しい極東のお酒を入荷したんです。それに合わせて料理を出す事も出来ますよ?」

 

そう言って来るシルさんに僕は少し考える。

 

「{意外に今日はまだお腹に余裕があるから頼もうかな。}それじゃあお願いしますね、シルさん。」

 

「はい、かしこまりました。」

 

現時点で頼んであったパスタも残り少ない事もあって、その極東の酒と料理を頼むことにし、注文を受けたシルさんは厨房にへと入っていった。

 

すると、シルさんが大きな酒瓶と杯さかずきを持って戻ってくる。

 

「これが極東のお酒ですよ。」

 

そう言って僕の目の前に大きな酒瓶と杯を置くシルさんにお礼を言ってから杯に酒を注ぐと、杯には透き通った酒が注がれた。

 

それをそのまま呷ると、口の中に独特な風味が広がってくる。

 

しかし、その酒を初めて飲んだにも拘らずどこか飲み慣れている感覚があった。

 

それはひとまず置いておいて、僕は神様にもこの酒を勧めることにした。

 

「神様、この酒飲んでみてください。おいしいですよ。」

 

そう言いながら杯を差し出すと、神様がこう言ってくる。

 

「そうなのかい?それじゃあ、頂くよ。」

 

そう言って神様は盃にあった酒を一口飲むとこう言ってくる。

 

「う~ん、このお酒は結構辛口みたいだね。ボクはちょっと苦手だね。」

 

そう言いながら杯を僕に返してくる神様からその杯を受け取り、減った分だけ酒を注いで一気に酒を呷った。

 

すると、【ロキ・ファミリア】の方からある話し声が聞こえてくる。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ロキ・ファミリアSIDE

 

私、アイズ・ヴァレンシュタインはファミリア内での遠征の打ち上げに参加している。

 

すると、同じファミリアの幹部であるベートさんがこう言って来る。

 

「よっしゃ、おいアイズあの話聞かせてやれよ!!」

 

それを聞いた私は何の事か分からず首を傾げてこう言った。

 

「あの話?」

 

「なんだよ、忘れちまったのか?」

 

私の反応に対してベートさんは呆れたという表情をしたと思ったら、こう言って来る。

 

「五階層でミノタウロス始末しただろ、そん時にお前の近くにいたいかにも駆け出しっていうようなひょろくせぇガキがよぉ。」

 

それを聞いてあの時会った少年を思い出した。

 

雪のように白い髪に宝石のように赤く輝く眼をした少年の事を。

 

「それってさ、十七階層で襲ってきたミノタウロスを返り討ちにしたら上層に上っていっちゃった奴?」

 

ベートさんの言葉に対して同じくファミリアのティオナがそう言った。

 

「あぁ、みっともねぇったらありゃしねぇよな!!」

 

ティオナの言葉に同意をしながらもベートさんは勘違いをしたまま貶し続ける。

 

ベートさんの発言に対して私はこう言った。

 

「ベートさん、違います。」

 

「あぁん?何が違うってんだよ、アイズ?」

 

私はベートさんが言ったことを否定する。

 

「最後の一匹は私は倒してません。」

 

「あぁん?」

 

私がそう言うと、ベートさんは顔を顰める。

 

そしたら、ティオナの姉でファミリアの幹部の一人でもあるティオネがこう言って来る。

 

「それじゃあ、誰がミノタウロスを倒したの?」

 

「まさか、あのガキが倒したって言うんじゃねぇだろうな?」

 

ティオネに続いてベートさんがそう言ってくるのに対して私はこう答える。

 

「うん。」

 

あたしが頷きながらそう言うと、ベートさんは大声で笑い始めた。

 

「ギャハハハハッ、アイズお前いつの間に冗談が上手くなったんだ?面白れぇ!!」

 

ベートさんは私の言っている事が冗談だと言い、笑う。

 

「事実です。」

 

ムッとしながらも私はそう言った。

 

「ムスッとしたアイズたんもかわええー!!」

 

そう言って抱き着こうとしてくるロキを躱すと、ベートさんがこう言って来る。

 

「アイズ、雑魚なんて庇う必要なんざ無ぇんだよ。雑魚は大人しく巣穴にすっこんでればいいんだよ!!」

 

そう言いながらベートさんは手に持っていたジョッキに注がれているお酒を飲み干す。

 

すると、副団長のリヴェリアがベートさんにこう言った。

 

「いい加減にしろ、ベート。そもそも、ミノタウロスを逃がしてしまった我々の不手際で起こってしまったものだ。謝罪することはあっても酒の肴にして良いものでは無い、恥を知れ。」

 

落ち着いた口調で話すリヴェリアに対してベートさんはこう言った。

 

「うるせぇぞ、ババア!!雑魚に雑魚って言って何が悪ぃ!!」

 

「やめい、ベートもリヴェリアも。酒が不味くなるやろ。」

 

ロキがそう言っても止めに入ったけど、ベートさんは聞く耳を持たずこう言った。

 

「雑魚は戦場ここに来るんじゃねぇよ・・・、ぐぼっ!?」

 

そう言った瞬間、ベートさんはお店の入り口まで飛んでいった。

 

私がベートさんのいた場所を見ると、そこには五階層で会ったあの子がいた。

 

だけど、最初に会った時と雰囲気が変わっていて、言い表すのであれば今の姿はまるで怒り狂う獣もしくは鬼。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

【ロキ・ファミリア】の大声で話す獣人の男の言葉を聞いていて何とか抑えていたけど、最後の一言によって僕の怒りの許容範囲を越えた。

 

「雑魚は戦場ここに来るんじゃねぇよ・・・、ぐぼっ!?」

 

その言葉が発せられた瞬間、僕はその狼人の男を殴り飛ばして入口まで飛んでいった。

 

その突然起こった目の前で起こった光景を目にして固まっている

 

その数瞬の後、【ロキ・ファミリア】全員の視線が僕に集中するが、そんな事はどうでもいい。

 

今はさんざん吠えていたあの獣人の男を潰すことだ。

 

そう頭の中で思いながら獣人の男が飛んでいった入口に向かおうとしたら男と話していたアマゾネスの少女二人が僕の前に立つ。

 

「アンタ、自分の仕出かした事分かってるのかしら?」

 

「最初に喧嘩売って来たのはお前らの仲間じゃないですか、僕は売られた喧嘩を買っただけですよ。」

 

僕がそう言っていると、殴り飛ばした狼人の男が眉間に皺を寄せながら怒気を身に纏って近づいてくる。

 

「オイ、テメェどういうつもりだ!!」

 

そう言ってくる男に対して僕はこう言った。

 

「さっきもこの人達に言ったが、僕は売られた喧嘩を買っただけだ。」

 

「あぁん?」

 

そう言いながら睨み合う僕と獣人の男。

 

一触即発の雰囲気に周囲の者達が息を呑む。

 

すると、そこに神様とフィン・ディムナがやってくる。

 

「べ、ベル君少し冷静に・・・!?」

 

「ベート、少し落ち着け。」

 

その二人の言葉に僕と男はこう言った。

 

「大丈夫ですよ、神様。すぐに終わらせますから。」

 

「落ち着けだぁ!?ふざけんじゃねぇぞ、フィン!!喧嘩売られて黙ってろって言うのかよ!!」

 

そう言いながらも睨み合うのを止めない僕達にミアさんの怒号が飛ぶ。

 

「アンタら、喧嘩がしたいなら外でやりな!!ここは飯を食って、酒を飲む場所だ!!」

 

その怒号を聞いて僕達は無言のまま店の外にへと出る。

 

そして、互いに向かい合うようにして対峙する。

 

「テメェ、覚悟は出来てんだろうな。」

 

「それはこっちのセリフですよ。」

 

 

 

 

 

 

 

「おい、ドチビ。お前、何してくれとんねん!!」

 

「ロ、ロキ・・・。」

 

僕、ヘスティアは今超めんどくさい神物やつの相手をしている。

 

「にしても、ベートにケンカ売るなんてあの白髪の子供もアホやな。一発で終わるで。」

 

ロキの言う通りだ、本来第三級冒険者level2が第一級冒険者level5に勝つことは不可能。

 

だけど、ベル君には例の【この世における最強生物(スキル)】とミノタウロスを倒した時に発現した【一騎打ち(スキル)】がある。

 

だから、どうなるかわからない。

 

そう考えながらボクはベル君の方を見るのだった。

 

 

 

 

 

 

 

今、【豊穣の女主人】の前で僕と獣人の男は向かい合いながらも互いを睨み付けている。

 

周りには野次馬が殺到していて、しかも賭けまで成り立っているようだ。

 

だが、そんな事はどうでもいい。

 

今はあの獣人の男を殴り倒せればそれでいい。

 

そう考え終えると、僕は拳を握って構える。

 

獣人の男は僕の事を格下と見ているため構えてはいるが、隙だらけだ。

 

「とっとと来いよ、雑魚。叩き潰してやる!!」

 

そう言って来る獣人の男に向かって僕は走り出し、男との距離を詰める。

 

「オラァッ!!」

 

距離を詰めてくるのに対して獣人の男が蹴りを放って来る、それに対して僕はその蹴りを受け止める事にした、片手で。

 

「なっ!?」

 

獣人の男は自身の蹴りが受け止められたことに驚愕の表情を浮かべ、周りの人達も目の前の光景に驚きを隠せないようだ。

 

「テメェ、何しやがった!!」

 

そう言って来る獣人の男に対して僕はこう言った。

 

「受け止められたぐらいで動揺するなよ、弱く見えるぞ。」

 

僕がそう言うと、憤怒の籠った眼をしている獣人の男はさっきよりも顔を険しくさせながら蹴りを放ってくる。

 

しかし、僕はそれを避ける事はせずに向かって来るその蹴りを掴み取ると、そのまま木の枝を振り上げるように持ち上げると、そのまま振り回してから地面に向かって思い切り振り下ろした。

 

獣人の男を叩きつけたと同時にけたたましい轟音と共にその地面は割れ、砂煙が舞う。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ベートの蹴りを片手だけで受け止めたやと!?」

 

目の前の光景を見てロキはそう叫んだ。

 

当然だろうね、level5の自分の眷属の蹴りを片腕で簡単に受け止められて驚くなというのが無理な話だよね。

 

でも、今起こっている事が紛れもない現実だ。

 

そう考えながらボクはベル君の方を見る。

 

確かにベル君の持っている【この世における最強生物(スキル)】は規格外だと思っていたけど、まさかlevelが3つも差のあるlevel5にまで通用するなんて思わなかった。

 

あのスキルは規格外すぎる!!

 

「おい、ドチビなんやねんあのおまえの眷属は。」

 

そう考え込んでいるとそう言ってくるロキに対してボクはこう言った。

 

「ボクにも分からないよ、今のあの子の事は。」

 

「んな訳あるかぁ!!新人冒険者(level1)の奴が第一級冒険者(level5)の蹴りを防げる訳無いやろが!!」

 

ボクの言葉にそう反論してくるロキに対してこう言い返した。

 

「ロキ、あの子はlevel1じゃないよ。」

 

「んぁ、それやったらlevelナンボなんや?」

 

僕の言葉にそう聞き返してくるロキにこう言った。

 

「君の所の眷属(こども)達が上層までミノタウロスを追っていた話していたろ、その時五階層で出会った一匹のミノタウロスをあの子が倒した事によってlevel2になったんだよ。」

 

「なんやと、お前の所の眷属は冒険者になったのはいつなんや?」

 

「確か、僕の眷属になったのが一か月前だったかな。」

 

ボクの言葉を聞いてロキは勿論【ロキ・ファミリア】の眷属達も驚愕の表情を浮かべる。

 

「なん・・・やと!?ドチビ、お前まさか【神の力(アルカナム)】使ったんやないやろな?」

 

真面目な表情をしながら真剣な声音でそう問いかけて来るロキに対してボクはハッキリとこう言い切った。

 

「それは無いよ、ロキ。なんだったら男神(ゼウス)に誓ってそんな事はないよ。」

 

そう言い返してくるボクを見て、ロキは溜息を吐きながらこう言って来る。

 

「そうかい、ならええんやけどな・・・。」

 

ロキはそう言いながら二人の方にへと視線を向ける。

 

僕もロキから視線を外し、ベル君の方を見た。

 

そこで僕の目に映った光景はベル君がロキの所の眷属(こども)を地面に叩きつけていた。

 

 

 

 

 

 

 

地面に叩きつけられた獣人の男は気を失っているのかピクリとも動かない。

 

すると、僕の所にフィン・ディムナが近づいて来るのを見て僕はこう言った。

 

「感情任せにこのような事を申し訳ない。」

 

そう頭を下げてそう言うと、フィン・ディムナはこう言って来る。

 

「いやいや、元を正せばベートが悪いんだから。」

 

「すみません。」

 

謝罪をしていると、神様と神ロキが近づいて来る。

 

「ベル君!!」

 

目尻の涙を浮かべながら駆け寄ってくる神様は僕にこう言って来る。

 

「君は何を考えているんだい、あんな無茶なことをして!!もしもの事があったらどうするつもりだったんだい!?」

 

そう言って来る神様の言葉に対して僕はこう言った。

 

「もし、死んでたら僕はそれまでの男だっただけですよ。」

 

僕のその言葉を聞いて神様は勿論、神ロキとフィン・ディムナも驚愕の表情を浮かべる。

 

それはそうだ、そんな事を言うのはごく少数でありベルのような若者から出て来る言葉では無いからだ。

 

「それじゃあ神様、僕はお店の会計をしてきますね。」

 

僕はそう言って【豊穣の女主人】へと向かうのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

「ねぇ、アイズあの子が本当にミノタウロスを倒した子なの?」

 

「うん。」

 

私、アイズ・ヴァレンシュタインは同じファミリアのティオナとベートさんとあの子の喧嘩をよく見える所から観戦していて、その向こうではロキと神ヘスティアが話をしていた。

 

そんな時、ティオナがミノタウロスの事を聞いて来て、私はそれに同意する。

 

「でも、そんなの信じられませんよ!level1なのにミノタウロスを倒せるなんて!!」

 

そう大声で言ってくるのはレフィーヤ。

 

「アイズの言ってる事も信じてあげたいけど、この場合はレフィーヤの言っている事が正しいわ。level1にミノタウロスは倒せないわ。」

 

レフィーヤの後にそう言って来るのはティオネ、どうやらティオネもレフィーヤと考えていることは同じみたい。

 

「ティオネ」

 

そうやって話していると、ベートさんとあの子の喧嘩が始まった。

 

「とっとと来いよ、雑魚。叩き潰してる!!」

 

ベートさんが挑発をすると、あの子は走り出して距離を詰めていく。

 

それに対してベートさんは攻撃態勢を取って蹴りを繰り出した。

 

私も含めた全員がこれで終わったと思った。

 

しかし、その考えはすぐに覆された。

 

目の前に広がっていた光景はベートさんの蹴りを片腕で防いでいるあの子の姿だった。

 

「ウソー!?」

 

「そんな・・・。」

 

「ウソでしよ!?」

 

「・・・!?」

 

ベートさんも止められた事に驚いていて、あの子がこう言った。

 

「受け止められたぐらいで動揺するなよ、弱く見えるぞ。」

 

それを聞いたベートさんは怒りで顔を酷く険しくなり、もう一度さっきよりも鋭い蹴りを放った。

 

けど、あの子はその蹴りを簡単に掴むと、ベートさんを持ちあげて振り回した後地面に思いきり叩きつけた。

 

地面に叩きつけられたベートさんは気絶しているのか動かない。

 

私はその光景を見てこう思った、凄いと。

 

level差など物ともしないあの強さはどうやったら身に付くのだろう、そう考えだしたら止まらなかった。

 

すると、あの子の所へフィンが向かっているのを見て私も行こうとしたらリヴェリアに止められた。

 

「アイズ、お前も他の者達と共に先に本拠(ホーム)に戻っていてくれ。」

 

そう言って来るリヴェリアの真剣な眼に私は素直にティオナ・ティオネ・レフィーヤと共にホームにへと戻っていった。

オリ団員はやっぱり大看板や飛び六胞に近付けた方がいいですか?

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