八幡が入部した翌日、俺は放課後奉仕部ではなくバイトの喫茶店に来ていた。勿論仕事をする為だ。俺の弟は何故か社畜は嫌だ俺は専業主夫になると迷言を言っている。小町はそこにツッコミを入れているが俺はスルーしている。人の意見は人それぞれだし、時間が流れるにつれて気づくだろう。現実に。
おっと話が逸れた。
この喫茶店でバイトをする理由は沢山あるがその中で一番気に入っているのがこの喫茶店の雰囲気だ。
通常の喫茶店は少し騒がしい(※個人の意見です)と思うのだがうちの喫茶店はとても静かだ。客足も余り多くなく、聞こえてくるのは外の喧騒と中にある人の足音となんとなく聞こえる会話の声。
たまたま暇で街巡りをしていたらふと目に入ったので店に入ってみたらすぐに好きになり、会計の時に店長がでてくれたので働かせてくださいと交渉したら、二つ返事でOKしてくれた。店長の器の広さも好きである。因みにシフトは週5であるが曜日は適当、自分の都合に合わせていいと店長の心意気。店長、貴方は神様ですか?優しすぎる。
「こんにちはー、比企谷入りまーす」
喫茶店の裏口から入り、店長に挨拶をする。店長は30代位の男性で少し痩せているが肉付きはある長身、顔から滲み出る優しさオーラ全開の顔。うん、イケメンですね。因みに独身。モテそうなのに何でかなーと思って聞いてみると「これまでいい人に巡り会えないかったからかな」と言っている。何故だろう、何処ぞのアラサー教師の顔が浮かんだ。会わせてあげたい。
「学校お疲れ様大路君、今日は海奈さんも入ってるから厨房頼んでいいかな?」
「了解です」
なんだ今日は来てるのかあいつ。
取り敢えず制服に着替えて厨房に入る。
「何かする事ありますか?」
「んーさっきお客さん出て行ったから取り敢えず待ちかな。ちょっと海奈さんとお話してきていいよ」
「ありがとうございます、お客さん来たら戻りますね」
「お願いね」
会話から滲み出る優しさが分かりますか?俺はオーラの輝きが見えるレベル。
取り敢えず会計場にいるであろう後輩の元へ向かう。
「お疲れ様、海奈ちゃん」
「あ、お疲れ様です、大路先輩」
この子は七里ヶ浜海奈。この喫茶店のバイト人で後輩。学生で海浜高校の2年生で生徒会副会長をしているそうだ。頭も良く、回転が早い。性格は真面目だけど少し抜けている感じがある。たまにやらかしたりするので可愛らしい。年下なので八幡と小町がの言う『お兄ちゃんスキル』(無自覚)が発動してしまう。黒目で黒髪の纏めが上の方ののポニーテール。普通に言ったら美少女だ。容姿は一言で言うならスレンダーで胸は雪ノ下妹以上雪ノ下姉未満だ。うん、自分で言ってて気持ち悪い。変態じゃないぞ俺は。
あと呼び方だが口で説明するよりもそのシーンを聞いてくれた方が早いかな。
『七里ヶ浜って長いから海奈ちゃんでいい?』
『全然いいです!寧ろしてください!あ、でも呼び捨てで言って欲しい……です』
『いや、呼び捨てで言える程仲良くないからそれは出来ないかな』
『そうですか、分かりました……』
『?ま、取り敢えず海奈ちゃん宜しくね〜』
『は、はい!』
こんな感じである。
実はと言うと七里ヶ浜が長いからではなく、バイト仲間としてギクシャクするのも仕事をする中で嫌なので出来るだけフレンドリーにしようという俺の気遣いだ。決してやましいことなどない。あ、大路先輩は俺が適当に呼んでいいよ言ったのでこうなっている。
「大路先輩、私もう疲れました〜」
「はいはい、お疲れ様」
自然と頭を撫でてしまう。でも何故か気持ちいいのでやめられない。なぜだ。
「やっぱり気持ちいいです」
「ん?して欲しいならいつでもするが?」
俺も気持ちいいし、まさにwin-winだ。
「ん〜でも頑張ったときにして貰えると嬉しいので休憩とかバイト終わりや別れ際にして下さい」
「随分多いいな」
「嫌ですか?」
上目遣いはずるいと思うよ海奈ちゃん。
「嫌じゃないよ」
「ありがとうございます!」
カランカラーン
「お客さんも来たし、始めるぞ」
「了解です!」
お客さんが入ってきた為、バイトを始める。さてと、やりますかね。
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現在の時刻は午後八時半、この喫茶店は午前六時開店の午後八時閉店で、開店時間は結構短い。店を閉めたら店長は事務作業、俺は明日のメニューの仕入れ、海奈ちゃんは店の掃除と三十分にしている。短い時間で集中して済ます店長の方針だ。実に効率がいい。また、誰かがいない時は時間を増やし、いない人の分までやる。この店ほんとに平和だな〜。
「2人共お疲れ様。あと、先月のお給料ね」
「「ありがとうございます」」
「じゃ、帰り道には気をつけてね」
「「はい、お疲れ様でした」」
二人でお店をあとにする。
「大路先輩、今日はお給料日でしたし、何処かに食べに行きませんか?」
唐突に海奈ちゃんに誘われる。
ん〜今日は両親は帰ってこないって言ってるし、晩御飯は軽いものでいいかな。時間がかからないが食べる時間が遅れるだけだし。
「軽くなら良いぞ、九時までな」
「ありがとうございます!じゃあ時間が余りありませんからサイゼでいいですか?」
「いいよ」
まぁ、普通の選択だな。時間もないし。
少し歩いてサイゼについた。
中に入り、椅子に座りメニューを見る。
「大路先輩はどうしますか?」
「これから家帰ってご飯食べるからドリアでいいかな」
「私もそれにします」
お互いに注文も決まり、頼んだら楽しく会話する。
「大路先輩って学校ではどうしてるんですか?」
「んー部活に入ってるからそれをこなしているだけかな。あとは適当にのんびりしてるよ」
「へー部活に入ってるんですね。因みに何部ですか?」
ここで注意、名前だけ言うと誤解されてしまうので活動内容もしっかり言う。
「名前は奉仕部って言って、活動内容は簡単に言うとボランティアだな」
「へーそうなんですか」
「あと、仲のいい人っていますか?」
「んー二つ上の先輩かな、部活の先輩」
「因みに性別は?」
「女性だけど?」
「……そうですか、どう思ってるんですかその人のこと」
その間は何と聞きたいが、聞かない方がいいとみたのでそのまま続ける。
「尊敬する人かな」
「尊敬、ですか」
「うん、その人は簡単に言うと完璧超人なんだ」
「さらっと言ってますけどどんな感じですか?」
「成績優秀、容姿端麗、スポーツ万能で一緒にいると落ち着くかな」
本当に落ち着く。今までで一番信用できる人だ。
「私とは居てどうなんですか?」
「へ?」
「だから、落ち着くかって聞いてるんですよ」
「お、落ち着くよ?」
「それなら良かったです」
何なのこの子、いきなり自分はどうですかなんで聞くなんて。これも少し抜けているから出せる技なのか?あ、もう時間だ帰らねば。
「そろそろ時間だから帰るわ」
「あ、私まだ居るのでここでお別れですね」
「そうだね、はいこれ二人のお勘定分」
「いいんですか!?」
いやいや、これくらい出さないと駄目だろ。
「いいよいいよ、じゃあまたね」
俺は店を出る……前にする事があった。海奈ちゃんの方に戻る。
「?」
不思議な顔してるが忘れてるな。仕方ない。
「よしよし」
俺は海奈ちゃんの頭を撫でる。
「!?!?」
あらら、顔真っ赤にしちゃったよ。ま、いいか。
「約束だからね、バイバーイ」
俺は店を出て帰路につく。やっぱ可愛いな海奈ちゃんは。
さっきの海奈ちゃんの顔を思い出しながら笑う。
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私は今、顔が真っ赤だと思う。あんな不意に撫でられたら誰だって赤くなる。
なんなのよ!あの人!イケメンすぎるよ!
……やっぱ諦められないな〜。
「大路先輩、私はあなたのこと諦めませんからね」
想い人には届かない声を静かに呟く。
大路って罪な男ですね〜www
海奈さんではなく海奈ちゃんですかね〜。そこは陽乃に似ているんじゃないでしょうか?
これからどうなっていくか楽しみです。
あ、話は変わりますけど、SAOの最新刊出ましたね、早く読みたいたいです。(フラグ)
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