あー、ニコチンが切れてきた。補給したいが、まだまだ受験生は残ってる。クロノス教諭の代わりに試験官なんてやるんじゃなかったよ。しかし、レベルが低いな。もうちょっとバックを厚くしようぜ。そんでもってバックを割ろうぜ。もしくはリカバリーが効くようにしようぜ。【ブラッド・ヴォルス】に【デーモンの斧】を装備させただけとか一瞬で死ぬぞ。
「オレのターン、ドロー。魔法カード【苦渋の選択】を発動。デッキからカードを5枚選び相手に見せる。相手はその中からカードを1枚選び、そのカードをオレの手札に加え、残りのカードを墓地に送る。オレは【電磁石の戦士α】【電磁石の戦士β】【電磁石の戦士γ】【レッド・ガジェット】【愚かな埋葬】を選択する。さあ、どれを選ぶ」
【苦渋の選択】の効果と【愚かな埋葬】を見て受験生が笑っているが、こいつも墓地利用を考えていない馬鹿だったか。【苦渋の選択】は好きなカードを5枚の中から4枚も墓地に送れる強力なカードだぞ。
「僕は【愚かな埋葬】を選択します」
「オーケーだ、残りのカードを墓地に送る。魔法カード【予想GUY】を発動。デッキから【磁石の戦士α】を特殊召喚。手札から【レスキュー・ラビット】を召喚して効果を発動。こいつを除外して【磁石の戦士γ】を2体特殊召喚。そして場の【α】【γ】手札の【磁石の戦士β】を墓地に送り、手札から【磁石の戦士マグネット・バルキリオン】を特殊召喚だ。更に、墓地の【電磁石の戦士】3体を除外し、手札から【電磁石の戦士マグネット・ベルセリオン】を特殊召喚。最後に【愚かな埋葬】を発動。デッキから【磁石の戦士δ】を墓地に送り、効果を発動。墓地の【δ】以外のレベル4以下の『マグネット・ウォリアー』モンスター3体を除外して手札・デッキから【マグネット・バルキリオン】を召喚条件を無視して特殊召喚する。そして【ベルセリオン】の効果を発動。墓地の【δ】を除外して相手の場のカードを一枚破壊する。【ブラッド・ヴォルス】を破壊だな」
磁石の戦士γ ATK1500
磁石の戦士マグネット・バルキリオン ATK3500
磁石の戦士マグネット・バルキリオン ATK3500
電磁石の戦士マグネット・ベルセリオン ATK3000
「バトルだ。γ、ベルセリオン、2体のバルキリオンの順でダイレクトアタック」
「うわああああ!?」
受験番号47 LP4000→0
手札誘発は無しか。
「はい、お疲れさん。結果は郵送されるから今日は帰っても良いぞ」
所感を紙に書き込んでからデッキをデュエルディスクから抜いて次のデッキを装填する。次の受験生がフィールドに上がりデュエルディスクを構える。
「「デュエル」」
「先行は受験生からだ」
「ドロー。私はモンスターをセットしてカードを2枚セットしてターンエンド」
受験番号48 LP4000 手札3枚
場
セットモンスター
セットカード2枚
ふむ、何を伏せたか気になるが、この手札ならこの内容でいいだろう。
「オレのターン、ドロー、フィールド魔法【チキンレース】を発動。ライフを1000払って1枚ドロー。ターンエンド」
代理試験官 LP3000 手札6枚
場 チキンレース
「何も出さない?えっと、これをこうするんだっけ?あれ?違った?」
おっと、どうやら【チキンレース】の効果を確認しようとしているのか。たぶん、あまり触られない機能だから故障してても気づかなかったのだろうな。
「あの、すみません。貸し出されたデュエルディスクが故障しているみたいでして。【チキンレース】の効果を教えていただいてもいいでしょうか?」
受験生が礼儀正しく質問してきた。うむ、もう合格でいいな。周りの受験生や観客席にいるオレが担当していない中学上がりの1年が怪訝な顔をしている。徹底的に扱いてやろう。
「デュエルディスクの故障は我々のミスだ、良いだろう。【チキンレース】が発動している間、ライフが低い方のプレイヤーへのダメージは全て0となる。そして、ライフを1000払うことで以下の3つの効果の中から好きな効果を発動することが出来る。1つ目は1枚ドロー、2つ目は相手のライフを1000回復、3つ目はこのカードの破壊だ」
「ライフが同じ場合はどうなりますか?」
「ライフが低い方が存在しないのでダメージが通る。ただし、ダメージを与えた時点で相手の方がライフが低くなる。モンスターを大量に展開しても1体目のモンスターでしかダメージを与えられない」
「ありがとうございます。私のターン、ドロー。私も【チキンレース】で1枚ドロー。【ライトロード・ハンター ライコウ】を反転召喚。効果を発動します。【チキンレース】を破壊し、デッキトップを3枚墓地に送ります」
デッキトップを3枚墓地に送ることにまた笑いが起きているが、さっきのオレのデュエルを見ていなかったのか?
「むぅ、『ライトロード』か。いいだろう」
「墓地に送られたのは【ライトロード・パラディン ジェイン】【ライトロード・シーフ ライニャン】【ライトロードの裁き】」
「ちっ、面倒なのが落ちたな」
「【ライトロードの裁き】が『ライトロード』モンスターの効果で墓地に送られた場合に発動できる。【裁きの龍】をデッキから手札に加える。そして魔法カード【光の援軍】を発動。デッキトップを3枚墓地に送り、レベル4以下の『ライトロード』モンスターを手札に加える。墓地に送られたのは【ライトロード・モンク エイリン】【ライトロード・ビースト ウォルフ】【ライトロード・ウォリアー ガロス】デッキから加えるのは【ライトロード・マジシャン ライラ】更に墓地に送られた【ウォルフ】はデッキから墓地に送られた時、特殊召喚する」
ちっ、墓地に4種類揃ったか。
「【ライコウ】をリリースして【ライトロード・ドラゴン グラゴニス】をアドバンス召喚。【グラゴニス】は墓地の『ライトロード』モンスター1種類につき300の攻撃力がアップする。そして墓地に4種類の『ライトロード』が存在することによって手札から【裁きの龍】を特殊召喚できる」
ライトロード・ビースト ウォルフ ATK2100
ライトロード・ドラゴン グラゴニス ATK2000→3500
裁きの龍 ATK3000
「バトル!!【グラゴニス】で攻撃!!」
「無論、防がせてもらおう。手札から【バトルフェーダー】の効果を発動。ダイレクトアタック時にこのモンスターを特殊召喚し、バトルフェイズを終了させる」
「くっ、ターンエンド。エンドフェイズ時、デッキトップを7枚墓地に送る」
受験番号48 LP3000 手札4枚
場
ライトロード・ビースト ウォルフ ATK2100
ライトロード・ドラゴン グラゴニス ATK3500
裁きの龍 ATK3000
セットカード2枚
「中々良いセンスだ。もっと色々なカードに触れれば君の才能は更に開花する。アカデミアで待っていよう。ドロー、【グラゴニス】と【裁きの龍】をリリースし、君の場に【溶岩魔神 ラヴァ・ゴーレム】を特殊召喚。カードを3枚伏せてターンエンドだ」
代理試験官 LP3000 手札2枚
場
バトルフェーダー DEF0
セットカード3枚
「私のターン、ドロー」
「スタンバイフェイズ、【ラヴァ・ゴーレム】の効果によって1000のダメージ、そしてリバースカード【上級魔術師の呪文詠唱】を発動。手札、または場の通常魔法を速攻魔法として発動する。オレが発動するのは【所有者の刻印】この効果によって【ラヴァ・ゴーレム】をオレの場に戻し、最後のセットカード【火霊術 - 「紅」】によって【ラヴァ・ゴーレム】をリリースして、その攻撃力分のダメージを与える」
「きゃああああ!?」
受験番号48 LP3000→2000→0
「これがアカデミアでちょっと前に流行った『紅ラヴァ』だ。はい、そこ、バーンが汚いとか言っている中学上がり。子供じゃないんだ、いつまでも攻撃力だけ見ていると勝てなくなるぞ。高々2700とか3000で一喜一憂してたら一瞬で死ぬぞ。あと、墓地肥やしを笑ってるやつもだ。墓地は第2の手札、むしろデッキによってはこっちが手札になる。それが本校の今の環境だ。それで、君だが、ほぼ合格だな。楽しみにしていると良い」
「ありがとうございます」
そんな感じでどんどんデッキを入れ替えながら受験生を捌いていく。まあ、今の所試験官に勝った受験生はいないがな。惜しい所まで追い込んだのは何人かいるが、子供に負けるほど弱くはない。
いや、まあ、シンクロやらエクシーズやらペンデュラムなんて世に全く知られていない召喚方法を使う不自然に派手なイケメンとかもいたんだが、マナーが悪いからデュエル内容に関わらず不合格は確定してるんだけどな。墓地肥やしのカードを見て、無知から嘲笑する程度の行為ならともかく、相手を見下して挑発を行うような輩は矯正不能と見ている。今の在校生だって墓地肥やしを見て笑う受験生たちや中等部の生徒を見て自分にもあんな時があったなぁって顔をしてるからな。
そして負けたことに文句を言っていたイケメン達だが、公式に作成されていない不正カードの使用、ソリッドビジョンのデータバンクに不正なアクセスをしたと見做されてリアルファイト要因に捕縛されていることだろう。
彼らはデッキを持たずにリアルファイトによって対象を捕縛することに特化したスペシャリストたちだ。デュエルで勝ったらという条件に一切反応せず、上司からの命令で仕事をこなす。
それにしても、もしかして今年度の生徒の中に主人公がいるのか?カードはやっていたがアニメは殆ど見てないしな。確か特徴的な髪型をしていると聞いた覚えはあるんだが。ヒトデとか蟹とか海老とか。海産物っぽい髪型のやつはいないな。
まあ、今年の同類共のお陰でサンプルが大量に手に入ったことだし、シンクロとエクシーズとの普及にも乗り出したいな。ペンデュラムとリンクは当分の間、出すことは無い。先の2つだけでも混乱が起こるだろうからな。ペガサス会長と海馬社長にプレゼンを行わないと。あと、マスタールールへの以降も始めたい。LP4000は少なすぎる。8000の時でさえ少ないと思うことがあったぐらいだからな。
自分の割り振られた分のデュエルを終えて会場の外の喫煙所に向かう。デッキケースの一つからタバコを取り出して火を着けてもらう。
「おう、ありがとうな」
嬉しそうにしているオレの精霊を見て和む。すまんな、いつもサーチから融合素材にして。通常召喚したこと無いな。効果は噛み合わないし、こいつのために召喚権を使うか疑問視してしまうからな。それでもこいつはオレの相棒なんだよ。
タバコを吸いながら相棒を召喚して使うデッキを組もうかと考えていると、オレと同じように精霊が取り付いている受験生らしき少年が会場に走り込んでいる。はて?時間的にはもう試験は終わる頃のはず。そう思っていたら他にも会場に走ってくる受験生らしき姿が何人も見られる。そして、その中の一人の精霊付きの少女が転ぶ。
さすがに見過ごすことが出来ずにタバコを灰皿に捨てて駆け寄ると会場の方から遅刻組の先頭を走っていた精霊付きの少年が戻ってきていた。
「おい、大丈夫か」
『クリクリ〜』
「……痛い」
『傷は大分深いみたい。それに足も挫いているわ』
なるほどね。医務室に運ぶしかないな。
「そこの二人、お前達はデュエルアカデミアの受験生だろう。遅刻みたいだがどうした」
「あんたは?それに横のは精霊なのか!?」
「オレはアカデミアの教師だ。今日は試験官として来ている。精霊に関しては後だ。そっちの子が転んだのが見えてな、大丈夫か?」
「血がいっぱい」
少年の方は敬語が使えていないのはいいが、少女の方は口下手だな。あと、表情が変わらないな。怪我の具合を見てみると、膝からかなりの出血をしている。抉れてるな。
「医務室に案内する。少し我慢しろ」
少女を横抱きにして医務室に向かう。
「オレも一緒に行っていいか?」
「遅刻の理由も聞きたいし、二人まとめて実技試験をしてやるよ。まあ、テーブルデュエルになるだろうがな」
少年も連れて歩き出すと二人の精霊がどうするのかを悩んでいたので声をかける。
「ほれ、そっちの精霊たちも着いてこい」
「……見えてる?」
「まあな。少年も見えているし、君も見えているみたいだな。少年のハネクリボーは知っているが、君の精霊は見たことがないな」
精霊界でもトリックスター達には会ったことがないな。サイバース族には会ったことがあるんだが。
「この娘、使い方が分からない。でも、ずっと一緒」
そう言って、デッキケースから青い枠に八方向の矢印が付いていて、右下と左下の矢印が赤くなっていて、守備力も書かれておらずレベルもランクとかいう物も書かれず、守備力の代わりにLINK-2と書かれているカードを見せてくれた。完全にリンクモンスターだな。EXモンスターゾーンが現状無いために召喚は絶対に不可能だ。
「見たことがないな。使用したことは?」
「使い方が分からない。融合素材が書かれてたから融合した。駄目だった。リリースも駄目。テストモードでもエラーが出た。けど、一緒」
「そうか」
使用したことがないのならリアルファイト要因を呼ばなくても良いな。それに、彼女は今まで見てきた奴らとは違う。オレやあのイケメン共と同類ではなく現地産なのだろう。そして精霊自身が望んで傍にいるのなら、それを尊重してやる必要がある。
「なあ先生、もしかして精霊って珍しくないのか?」
「いや、珍しいさ。だが、アカデミアには1学年に10人位は精霊と共にいる生徒がいる。今年は少ないなって思ってた所だ。教師も精霊付きは珍しいな。オレと実技主任と他に2人程度だ。ちなみに精霊付きの生徒には特別授業に出る義務がある。精霊に関する知識と、精霊との正しい接し方だな」
「へぇ〜、そんな授業もあるのか」
「自分は選ばれた者だと勘違いしている奴らの心を折る必要もあるし、付き合い方に悩む生徒もいる。急に精霊に付かれて、デッキバランスを崩したりなんかもあるからな。アカデミアを卒業後には互助会にも入会することも多いな」
少年と話している内に医務室に到着し、医者に彼女の手当を頼む。
「それじゃあ、改めて受験票の確認と遅刻した理由を聞こうか」
「ええっと、受験票はこれだぜ。それから遅刻の理由は電車の遅延で、証明書がこれ」
渡された受験票と遅延証明書を確認して問題がないのを確認する。
「よし、ではこれより試験を開始する。本来ならデュエルディスクを使用した試験だが、今回は場所が場所なのでテーブルデュエルで行う。処理の間違いは適時指示するので従うように」
「はい」
「では、君には精霊のデッキとはどんなものかを身を持って体験してもらおう。お互いのデッキをカット&シャッフル」
「「デュエル」」
「先行は受験者からだ」
「なら、オレのターン!!」
「あっ、一応医務室だから静かにな」
「おっと、そうだったぜ。お騒がせしてすみません」
手札を置いて周りの人に頭を下げる。うん、言葉遣いはともかく礼儀はちゃんと知っているな。
「それじゃあ、続きで。【E・HERO キャプテン・ゴールド】を墓地に送って【-摩天楼- スカイ・スクレイパー】を手札に加えて発動。【E・HERO ブレイズマン】を召喚して効果で【融合】を手札に加えて発動。手札の【E・HERO シャドー・ミスト】と【E・HERO オーシャン】を融合。『HERO』と水属性で【E・HERO アブソルートZero】を融合召喚。【シャドー・ミスト】の効果で【E・HERO エアーマン】を手札に加えて、カードを1枚伏せてターンエンド」
受験番号120 LP4000 手札2枚
場 -摩天楼- スカイ・スクレイパー
E・HERO ブレイズマン ATK1200
E・HERO アブソルートZero ATK2500
セットカード1枚
「じゃあ、オレのターン、ドロー。まずはフィールドの張替えだな。手札から【歯車街】を発動。これによって【スカイ・スクレイパー】は破壊される。そんでもって手札から【古代の機械射出機】を発動。オレの場にモンスターがいないのでフィールドのカードを1枚破壊して『アンティーク・ギア』モンスターを特殊召喚する。これで【歯車街】を破壊してデッキから【古代の機械飛竜】を特殊召喚。続いて破壊された【歯車街】と特殊召喚された【飛竜】の効果でデッキから【古代の機械猟犬】を特殊召喚し、デッキから【古代の機械箱】を手札に加える。手札に加わった【古代の機械箱】はドロー以外で手札に加わった時、攻撃力か守備力が500の地属性・機械族モンスターをデッキから手札に加える。持ってくるのはオレの相棒【古代の歯車機械】だ。そして【猟犬】の効果を発動。自分の手札と場のカードを利用して融合を行える。オレは場の【飛竜】【猟犬】手札の【箱】【歯車機械】を融合。起動しろ【古代の機械混沌巨人】」
古代の機械混沌巨人 ATK4500
「すげえ、実質手札2枚でこれか」
「しかも召喚権が残っているけどまあいいや。バトルフェイズ」
「リバースカード【ヒーローバリア】これで攻撃を一度だけ無効にする」
「残念だな。【混沌巨人】は魔法・罠の効果を受けず、更にはバトルフェイズ中にモンスター効果を使わせない」
「それじゃあ【アブソルートZero】でも破壊できないのか!?」
「そして相手のモンスター全てに攻撃できる。【ブレイズマン】【アブソルートZero】の順で攻撃」
「ちくしょう!!負けた。先生強いんだな」
「まあな。ちょっと手札を確認させてもらうぞ」
サーチした【エアーマン】と【死者蘇生】か。融合デッキも見せてもらってバランスを確認。そしてピン刺しの【ハネクリボー】か。合格でいいだろうな。【混沌巨人】じゃなければ勝敗はまだ付いていなかったからな。
「うむ、ミスは無いな。さてと、次はあの娘だな」
「あっ、オレも見せてもらっていいかな?」
「かまわないだろう」
治療を施された少女に受験票の確認と遅延証明書を見せてもらってから試験を始めることを告げてデュエルを始める。
「先行は受験者からだ」
手札を見て不思議に思うカードが来ていた。デッキに入れた覚えがないのだが。不思議に思っていると相棒が自己主張していた。つまりは相棒が突っ込んだということだ。相棒はたまにピンポイントなカードを自分のデッキに投入することがある。今回もこれが必要ということだろう。
「ドロー。【トリックスター・ライトステージ】効果で【トリックスター・キャンディナ】を手札に、召喚。召喚時効果、チェーンは?」
「なしでいい」
「手札の【トリックスター・マンジュシカ】最後に【サモンチェーン】発動。処理、召喚権が増える。【キャンディナ】と入れ替える。デッキから【マンジュシカ】を加える。【キャンディナ】召喚【マンジュシカ】と入れ替え、デッキから【トリックスター・リンカーネイション】を加える。【キャンディナ】召喚【リンカーネイション】を手札に加えて3枚伏せてエンド」
受験番号14 LP4000 手札2枚
場 トリックスター・ライトステージ
トリックスター・マンジュシカ ATK1600
トリックスター・マンジュシカ ATK1600
トリックスター・キャンディナ ATK1800
セットカード3枚
すげえ嫌な予感がする。
「オレのターン、ドロー」
「手札にカードが加わった時、【マンジュシカ】の効果。1枚に付き200ダメージ。【ライトステージ】の効果、『トリックスター』でダメージを受けたら200ダメージ」
「カード1枚で800ダメージか」
代理試験官 LP4000→3200
「リバースオープン【リンカーネイション】相手は手札を全部除外して除外した分だけドローする」
「げえっ!?手札から【クリフォトン】を発動!!ライフを2000払い、このターンにオレが受けるダメージを全て0にする!!」
代理試験官 LP3200→1200
「むぅ、躱された」
「すげぇ、1ターンキルになるところだった」
危なかった。相棒には本気で感謝しないとな。その後は先程のデュエルと同じ流れで【混沌巨人】を融合召喚して全部を殴り飛ばして勝利を収めた。
「さて、本来なら結果は郵送されるのだが、君達は二人共合格だ。最も、少年の方は実践はともかく筆記がな。少年は一番下のオシリスレッドになるだろう」
「なあ、先生。その少年ってのは止めてくれないか。オレには遊城十代ってちゃんとした名前があるんだからな」
「私も早乙女雫。ちゃんと呼んで」
「ああ、そうだな。遊城、早乙女。改めて自己紹介をしよう。デュエルアカデミア本校の校長を務める柏木遊大だ。まあ、今年からの新米だ。校長ではあるが選択授業のデュエル講座・基礎と一般には公開されていない精霊学の教師も務めることになっているからな。顔を合わせる機会は割りとあるだろう」
なお、前任者のハゲ校長はオーナーの怒りに触れてクビになった。環境についていけなかった上に弟子たちにすら教えを否定されて行動に移し、敗れ去った。そこまでならまだ校長の職に残れただろうが、一番弟子とも言える生徒の考えを頭から批判し、カードを批判した上にリアルファイトで殴り倒した上でデッキを燃やした。
今は本土で裁判中で一審で罰金2000万の上で無期懲役を言い渡されているが控訴したようだ。その上でデュエルを求めたが、こちらの検察官はオレとクロノス教諭の一番弟子だ。温いサイバー流弁護士など一瞬にして蹴散らすだろう。
裁判デュエルはデュエルの中で弁護士にとって最も難しいデュエルだ。何故なら、裁判デュエルが行われる条件の一つがデュエルモンスターズが原因の一つであること。そして、その原因がデュエルの内容であること。この2つの条件を満たした上で、弁護士は被告が主体で汲み上げたデッキを使わなければならず、デッキの内容は裁判の原因となったデュエルの内容に反らなければならない。
今回の場合だと、前校長はバーン、バウンス、パーミッション、耐性付与、墓地肥やしを批判した。つまりこれらの効果を持ったカードを使えないのだ。まあ、サイバー流なら殆ど引っかからないな。弁護士もサイバー流だからデッキ回しも慣れたものだろう。まあ、『キメラテック』を使わないサイバー流なんて【パワー・ボンド】に気をつけておけば怖くもないな。
対する検察官である弟子は【古代の機械熱核竜】の精霊付きで【熱核竜】が主体のデッキだ。オレのコンボで【飛竜】と【猟犬】を出す代わりに【熱核龍】が2体並ぶ。墓地のカードをデッキに戻すカードも多用するために低レベル光属性天使族もそっと忍ばせてある。とにかく【熱核竜】を出してひたすら殴り掛かる。たまに3体並んでいる所に【リミッター解除】を撃ち【貪欲な瓶】でデッキに戻った【リミッター解除】を引き直して再び発動なんかもする恐ろしいデッキだ。
『古代の機械』デッキの特徴だ。エースを出せばそれでほぼ決まる。【古代の機械巨人】【古代の機械究極巨人】【古代の機械混沌巨人】【古代の機械熱核竜】これらを展開して維持するか、2回ぐらい立て直せばデュエルに勝利している。そしてそれらを召喚することに特化したデッキというのはサイバー流の言う「互いが全力を出し合う」という理念を真っ向から破り捨てる。
サイバー流の言う「互いが全力を出し合う」というのはエースモンスターでの殴り合いのことを指す。4000、8000、16000がポンと出てくるサイバー流なら相手のエースを簡単に殴り殺して勝利できるからだ。
それに対してオレが本校に赴任して6年の間に広げた教えでの「互いが全力を出し合う」はデッキ構築から始まる。このモンスターでこうしたい、このコンボでこんなことがしたい。それをまず考える。そうして1本の軸を完成させた後にそれを素早く出すための道筋を考える。それから余った枠に汎用の防御札やドローカードを投入する。そして相手の状況が整う前に、あるいは整っている状況毎一気に吹き飛ばす。そこに容赦はない。勝つか負けるかの真剣勝負。必死になるからこそ楽しめる。それがデュエルだ。
それが分からないサイバー流のデュエリストには滅びてもらう。前校長のようにな。ルールを守った上で楽しくデュエルが出来ないのならやらなければいい。
ストラクチャーデッキは安くて強い。はっきり分かる。
あっ、ちなみにチューナーはカテゴリとしては存在してます。チューナーをコストにするカードやサーチカードは出しますが、シンクロ自体は当分待機中です。解禁されるのは2年時でしょうけど。