遊戯王GXX   作:ユキアン

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日常

 

 

 

「デュエルモンスターズには大きく分けて、3種類のカードが存在する。モンスター、魔法、罠。この3種類だな。では、さらに細かく見ていこう。まずはモンスターからだ。万丈目、モンスターの種類を全て答えてくれ」

 

オレに指名された万丈目は嫌そうな顔をしながらも立ち上がり答える。

 

「通常モンスター、効果モンスター、融合モンスター、儀式モンスター。誰も入学していないようだが、入試で見たシンクロモンスターとエクシーズモンスター、ペンデュラムモンスターは入るのか?」

 

「あれらは不正カードだ。そんなものは公式に存在しない。彼らは今頃ブタ箱に入っているだろう。青少年保護法もこの件に関しては保護してくれない。それだけカードの不正使用は重い。だが、ペガサス会長は大変興味をお持ちになられている。現在調整中とのことだ」

 

「なら、それだけだ」

 

「うむ。よく出来たといいたいが、少し抜けている。まあ、混同されていたりあまり知られていないからな。まずはトークンモンスターだ。実際には存在しないカードだがこれらは場でのみモンスターと識別されるカードだ。それから能力系のチューナーモンスター、ユニオンモンスター、デュアルモンスター、スピリットモンスター、トゥーンモンスター。効果モンスターと一括りにされることがよくあるが、これらをサーチするカードが存在したりする以上分けておいてもいいだろう」

 

オベリスクブルー生もノートに書き綴っていく。

 

「そして、トラップモンスターとその例外、罠カードとして扱わないトラップモンスターの2種類だ」

 

「罠カードとして扱わないトラップモンスター?」

 

「では、引き続きだ。万丈目、トラップモンスターの特徴は?」

 

「永続罠で魔法・罠ゾーンを使用した状態で場に特殊召喚されるモンスターだ」

 

「その通り。それに対して例外である罠カードとして扱わないトラップモンスターは魔法・罠ゾーンを使用せずにモンスターとして特殊召喚される。それともう1種類存在する。たぶん、気にしたことはないはずだ。分かるやつは居るか?」

 

誰も手を挙げないし、近くのやつと相談している。

 

「正解は特殊召喚モンスター。意味がわからないとは思う。あまり説明する意味もない。これを参照するカードは存在しないからな。簡単に説明すれば、通常召喚が出来ないモンスターがこれに当たる。儀式とか融合もそうだし、テキストに通常召喚出来ないと明記されている。一応、区分分けがされているので説明しておく」

 

「なぜそんな説明をするんだ。時間の無駄だろう」

 

「万丈目、自分の無知は恥ずかしいぞ。知っているのと知らないのとでは天と地程も違うことだぞ。入学式の時みたいな恥を晒したいか?」

 

そう言ってやれば悔しそうな顔をする。

 

「次は魔法カードだ。そうだな、遊城、魔法カードの特徴を答えてくれ」

 

「オレ?えっと、緑色の枠で通常魔法、速攻魔法、儀式魔法、装備魔法、永続魔法、フィールド魔法に別れてて、永続魔法とフィールド魔法は場に存在しているときだけ効果を発揮するだっけ?」

 

「概ねはそれであっている。だが、まだまだ足りないな。速攻魔法以外はセットしたターンでも発動できて、速攻魔法はセットしておけば相手ターンにも発動できる。また、速攻魔法は自分のターンに手札から発動できる。たまに理解していないのがいるが、速攻魔法はスペルスピード2のカードだ。スペルスピードとチェーンに関しては次回に説明する。今日は簡単に説明しておく。スペルスピード1のカード、通常魔法などは基本的には自分メインフェイズのみ発動できるカードだ。それ以外のタイミングで発動できるのがスペルスピード2のカードだ。覚えておくように。基本的にはマークが付いているのでそれで見分けることになる」

 

画用紙に書いてきた各種魔法の識別マークを見せる。

 

「見ての通りだな。さて、魔法カードの処理に関してだが【光の護封剣】の処理に疑問を思ったことはあるか?まあ、度々エラッタがかかっているので混乱している者も多いだろう。ちなみに最新版の効果はこれだ」

 

光の護封剣

通常魔法

このカードは発動後、フィールドに残り続け、相手ターンで数えて3ターン後の相手エンドフェイズに破壊される。

(1):このカードの発動時の効果処理として、相手フィールドに裏側表示モンスターが存在する場合、そのモンスターを全て表側表示にする。

(2):このカードが魔法&罠ゾーンに存在する限り、相手モンスターは攻撃宣言できない。

 

「昔に比べるとテキストが大分伸びた。最初期は使うと場に残らないから除去できなかったりした。あと、墓地に送られるのが破壊に変わったりして(2)の効果は永続効果だったりと色々ある。ちなみに、何故場に残り続けるのかというと、通常魔法は一連の効果の処理が終わった後に墓地に送られるというルールがあるからだ。永続魔法にすれば良い気もするが、永続魔法のサーチとか、通常魔法のサーチとかの問題があるから通常魔法のままだな。このようなちょっと変わった物もあることを覚えておいて欲しい。ちなみに通常魔法だが一連の処理の終わりがなく、3ターン後のエンドフェイズに破壊されるというのを覚えておいて欲しい。場のカードの破壊が発動条件になっているカードもあるからな」

 

この辺が曖昧なやつは多いと思う。何しろそこそこのレアカードだからな。こっちの世界のスターターデッキは紙束だからな。未だに【山】とか【平地】が入っているからな。せめて【ガイアパワー】とかにしろよ。【罠はずし】じゃなくて【サイクロン】とか。特に一番バカなのかと言いたいのが【折れ竹光】だ。

 

折れ竹光

装備魔法

装備モンスターの攻撃力は0ポイントアップする。

 

こいつは『竹光』カードのコンボの中核なのだが、他の竹光がスターターデッキには収録されていないのだ。ただの嫌がらせカードだ。もう少しまともなスターターデッキを発売してもらおう。せめて種族ごとに分けるとかさ。

 

「最後に罠カードだ。これに関しての特徴を、そうだな、天上院に答えてもらおう」

 

「はい。罠カードは3種類存在し、通常罠、永続罠、カウンター罠が存在します。特徴としては、一度場にセットし、次のターンからしか発動出来ないということです。また、カウンター罠はスペルスピード3で、カウンター罠にはカウンター罠でしかチェーンを組むことが出来ません。また、トラップモンスターも存在しています」

 

「正解だ。補足するならセットしたターンにリバースすることが出来ないが正確だな。例えば破壊された時に発動する通常罠【黄金の邪神像】なんかはセットしたターンに破壊されても発動する。覚えておくように。また、罠カードのサポートとして【処刑人マキュラ】なんかは有名だな。墓地に送られたターン、手札から罠カードを発動できるモンスターだ。他にも例外的に手札から発動できるカードも存在する。その場合は条件が一行目に記載されている事が多い。カードを良く読むように。見たことのないカードを相手が使用してきたら素早くデュエルディスクの機能を使って調べる癖を付けるように。墓地から除外して発動するカードも多くなってきているからな。むしろそちらが本命のカードすらある。気をつけるように。はい、今日の授業は最初の月一テストに出るからよく復讐しておくように。また、通常モンスターのフレーバーは一切でないからな。そこで寝てる遊城にも伝えておけ」

 

隣の生徒に叩かれて起きる遊城にため息が出る。精霊との親和性は高いし、デュエルでの勘も冴えている。これでせめてまともに授業を受けてくれれば多少筆記が悪くても小言で済ませれるんだけどな。場合によっては家庭訪問かな。

 

 

 

 

 

 

「う〜ん、【メガロック・ドラゴン】か。墓地の岩石族を除外して特殊召喚。除外した数かける700の攻撃力と守備力か。レベルは7。とりあえず墓地を肥やせば良いのか?」

 

授業が終わり放課後の現在、多目的教室で月一テストで提出するデッキ作りに悩んでいる。

 

「どうしたんだい、十代君。何を悩んでいるのさ」

 

悩んでいるオレの所に【スクラップ・コング】の精霊が付いている先輩がやってきた。

 

「岡部先輩、実は月一テストの課題のデッキ作りに悩んでて。岩石族に関してあまり知らなくて」

 

「ああ、校長のデッキ作りの課題ね。去年までは基礎を受けている生徒だけの課題だったんだけどね。あれは、知識が付くからオススメだよ。お題は何だい?」

 

「【メガロック・ドラゴン】です」

 

「【メガロック・ドラゴン】か。墓地の岩石を除外して特殊召喚するモンスターだったね。十代君、捻くれた答えと正統派な答え、どっちを出してみたい?」

 

「捻くれた答え?」

 

「正統派な答えは如何に墓地を肥やして【メガロック・ドラゴン】の攻撃力を高めるかに終始するだろう。捻くれた答えは【メガロック・ドラゴン】を使い倒すデッキだ。【メガロック・ドラゴン】が活躍することはないだろう」

 

「う〜ん、じゃあ正統派で」

 

「捻くれた答え」

 

いつの間にか雫が側に来ていた。

 

「おや、雫君もかい?」

 

「うん、困った」

 

「良いよ。それじゃあ、十代君に紹介するカードはこれらだね【岩投げエリア】【岩投げアタック】【リバイバルゴーレム】【岩石の番兵】これらは墓地肥やしと壁に最適だ。【愚かな埋葬】や【針虫の巣窟】も良いだろう。【メガロック・ドラゴン】を墓地に送って【死者転生】で回収するのも良い。まあ、こんなところだね。あまり教えすぎると勉強にならないから」

 

岡部先輩に言われたカードをPDAのリストで確認していく。たしかに壁になって墓地肥やしも出来る。なるほどな。

 

「雫君の場合は【ブロックドラゴン】【紅蓮魔獣 ダ・イーザ】【ギガストーン・オメガ】【D.D.ダイナマイト】【隣の芝刈り】」

 

気になってそっちも調べてみると除外に関係するカードと【隣の芝刈り】は自分のデッキを相手のデッキの枚数と同じになるように墓地に送るカードだった。

 

「【メガロック・ドラゴン】の除外して特殊召喚する効果を逆手に取ってとにかく除外しまくるカードを投入して【ダ・イーザ】や【D.D.ダイナマイト】で吹き飛ばすデッキさ」

 

「いいの?」

 

「【メガロック・ドラゴン】がお題なら大丈夫さ。活用してるでしょ?除外肥やしに。それに【青眼】を戦闘させずにとことん蘇生してリリースしまくるような人だよ。怒れるわけないじゃない。僕だって【スクラップ・コング】の召喚時に自壊する効果を逆手に取って【エンペラー・オーダー】でドローしてるしね」

 

そうか。そういう考え方もあるのか。

 

「昨年は【エレメンタルバースト】がお題でね。皆が【魔の試着部屋】とかで並べるデッキの中で僕は【ジャンク・コレクター】と【闇よりの罠】で【エレメンタルバースト】を使うデッキを提出したね」

 

「「【ジャンク・コレクター】と【闇よりの罠】?」」

 

「簡単に言うと墓地から通常罠を除外してその効果を発動するってカードだね。お題が【大革命】だとこれはできなかったんだけど【エレメンタルバースト】なら発動できるんだ。違いはコストと発動条件だ。間違えやすいから注意しような」

 

違いが分からずに首を傾げていると簡単に説明してくれた。

 

場に○○が存在する場合に発動できる。これが発動条件で

場に存在する○○をリリースして発動する。これがコストなんだそうだ。

 

違いとしては発動する時に○○が場に存在しているか、いないか。そこが違うらしい。【エレメンタルバースト】は4属性をリリースして発動する。からコストで、それを踏み倒せるのが【ジャンク・コレクター】と【闇よりの罠】らしい。

 

「まあ、此処らへんは校長がもうちょっと分かりやすく授業で教えてくれるはずさ。だから居眠りはやめておけよ、十代君」

 

「なんで知ってるんですか!?」

 

「授業中は精霊達は精霊達で集まって何かしているみたいでな。ハネクリボーが居眠りで怒られてたって話したみたいだぞ。あんまり居眠りばっかりしてるとブランクカードを減らされるぞ。便利だろう、ブランクカード」

 

「便利です」

「便利」

 

「昨年卒業した先輩にいたんだよ、精霊は付いているけどカードを持っていないのが。精霊が【カオス・ソルジャー -開闢の使者-】で、あのカードって恐ろしく枚数が少ないだろう?儀式の方の【カオス・ソルジャー】はなんとか引き当てて揃えたらしいんだが。【カオス・ソルジャー】自身にカードを生み出してもらうのは少し違うしな。校長が苦労して世界中の大会を探して賞品になっている大会を見つけて、その先輩を引き連れて大会に出場できる手続きを行ったんだよ。先輩は大分苦労しながらもなんとか優勝したけどな。すぐにとんぼ返りだ。なんせ卒業式に遅刻しそうになったんだからな」

 

「つい最近のことだったんですか!?」

 

「運が良いのか悪いのか分からないけどな。3年間待ってようやく見つけたんだからな。今はプロとしてのデビュー戦待ちだな。何でも、大手企業のスカウトを蹴って親戚筋の小さな町工場がスポンサーで、普段はそこの工員として働くみたいなんだ」

 

「プロだけじゃない?」

 

「あの業界ってね、結構厳しいんだ。デュエルで勝つだけじゃ誰にも認められないんだ。観客が喜ぶデュエルをした上で勝たないといけない。だから、ランキング上位のデュエリストほど表に出てこないだろう?やりたくないんだよ、スポンサーからもああしろこうしろって指示が来るから」

 

「そうなんですか?もっと華やかなものだと思ってたんですけど」

 

「中にはそれが天性とも呼べる榊プロみたいなのもいるけど、新人以外は大体見世物用のデッキを組んでる。本気のデッキじゃないんだ。校長の教え子にはプロの世界に入って、自分から降りていった者が多いからね。大抵はプロであった実績を使って営業マンになるみたいだ。それか、実家の家業を継いだり、親戚筋の会社に勤めるのが多いね」

 

「そういう先輩はどうするんですか?」

 

「僕は、悩んでいるんだよね。プロリーグから勧誘は来てるし、スポンサーもね。ただ、リーグがね、攻撃力にしか目を向けないパワー勝負が主体のリーグなんだ。僕のデッキだと多少パワー負けしてしまうからデッキを大幅に改造する必要があるし、そこまでして勝ちたいかと言われるとそうでもない。もうちょっとだけ、一般人にも奥深さが分かってもらえればなぁ」

 

あ〜、なんか空気が落ち込んでる。話題を変えよう。

 

「そういやさ、さっき言ってたプロになった先輩のデビュー戦っていつなんですか。皆で応援したいんですけど」

 

「3日後だ。それにしても応援か。デッキも調整してるだろうし、それは良いね。校長に話してみよう」

 

 

 

 

 

 

 

 

「あ〜、だるい、眠い」

 

『そんなに気を抜いていて大丈夫なのか』

 

「ああ、うん、本来の調整とは違うからちょっと不安だけど、問題はないと思うよ」

 

オートシャッフルやサーチ機能が搭載されたプロ公式のデュエルディスクに装着してあるデッキを叩く。

 

『戦術が理解されないとは、難儀な物だな』

 

「仕方ないよ。見世物だからね」

 

八百長を強要されないだけマシだ。柏木先生とクロノス先生の勧めで親戚筋の会社の社員を務めながら、その会社にスポンサーになってもらってプロリーグで活躍するのが安定した道なのだ。どうしても、プロリーグに馴染めないと言う人はいるからな。落ちぶれて地下競技には行きたくないから、就職した上でプロになり、引退しても営業でその腕を振るう機会はあるはずだからと言われた。たぶん、それが正解なんだろうな。

 

「高坂選手、お時間です」

 

控室のドアがノックされ係員の人に呼び出される。

 

「了解。それじゃあ、行きますか」

 

控室から出てステージへと歩いていく。大勢の観客の声が聞こえる。まあ、月一テストで慣れたものだ。MCがオレの紹介をしているが特に気にしない。そして、対戦相手はこのリーグのチャンピオンだ。大体のリーグで新人のデビュー戦はそこのリーグのチャンピオンと決まっている。現実を見せるためらしいけど、負ける気は全くしない。

 

安い挑発を無視してデュエルディスクを見せつける。言葉でなくデュエルで語れという意味だ。それを見てつまらなそうにしているチャンピオンもデュエルディスクを構える。

 

「「デュエル!!」」

 

「先行は俺様だ!!オレは【ローンファイア・ブロッサム】を召喚。そしてこいつの効果で自身をリリース!!デッキから【ギガプラント】を特殊召喚。さらに手札から装備魔法【スーペルヴィス】を【ギガプラント】に装備させる。これにより【ギガプラント】は再度召喚された状態となる。そして【ギガプラント】は再度召喚された状態に真の力を発揮する。デッキから2体目の【ギガプラント】を特殊召喚する。ふはは、どうだ、恐ろしいだろう!!」

 

【ギガプラント】が2体フィールドに並んだだけで勝った気になっているのか高笑いをしている。頭が痛い。この程度なら柏木先生に1年間授業を付けられた生徒の方が強い。チャンピオンは勘違いをしたままターンエンドする。

 

チャンピオン LP4000 手札4枚

ギガプラント① ATK2400

ギガプラント② ATK2400

スーペルヴィス(ギガプラント①)

 

「さあ、突破できるものなら突破してみな!!」

 

「じゃあ、お言葉に甘えて。俺のターン、ドロー。魔法カード【儀式の下準備】を発動。デッキから【カオスの儀式】を選択し、それに記載されているモンスター【カオス・ソルジャー】を選択して、その2枚を手札に加える。続いてフィールド魔法【混沌の場】を発動。発動時の処理によりデッキから『カオス・ソルジャー』儀式モンスターである【超戦士カオス・ソルジャー】を手札に加える。そして【カオスの儀式】を発動。レベルが8以上になるように手札・場のモンスターをリリースすることによって【カオス・ソルジャー】を儀式召喚する。手札の【超戦士カオス・ソルジャー】をリリースし、【カオス・ソルジャー】を儀式召喚。手札からモンスターが墓地に送られたので【混沌の場】にカウンターが一つ乗る」

 

カオス・ソルジャー ATK3000

 

「続けて【超戦士の萌芽】を発動。レベルが8になるように以下のどちらかの組み合わせを墓地に送り、手札・墓地から『カオス・ソルジャー』儀式モンスターを儀式召喚する。オレは手札から光、デッキから闇の方を選択する。手札から【開闢の騎士】デッキから【宵闇の騎士】を墓地に送り墓地より【超戦士カオス・ソルジャー】を儀式召喚。更に【開闢の騎士】と【宵闇の騎士】は『カオス・ソルジャー』儀式モンスターの儀式召喚のために墓地に送られた場合、その『カオス・ソルジャー』儀式モンスターに効果を与える。【超戦士カオス・ソルジャー】の現在の効果は

 

(1):このカードが戦闘で相手モンスターを破壊し墓地へ送った場合に発動する。そのモンスターの元々の攻撃力分のダメージを相手に与える。

(2):このカードが戦闘または相手の効果で破壊され墓地へ送られた場合に発動できる。自分の手札・デッキ・墓地から「暗黒騎士ガイア」モンスター1体を選んで特殊召喚する。

(3):1ターンに1度、相手フィールドのモンスター1体を対象として発動できる。そのモンスターを除外する。

(4):このカードが戦闘で相手モンスターを破壊し墓地へ送った時に発動できる。このカードはもう1度だけ続けて攻撃できる。

(5):1ターンに1度、自分メインフェイズに発動できる。相手の手札をランダムに1枚選び、次の相手エンドフェイズまで裏側表示で除外する。

 

となる。そして【混沌の場】にカウンターが乗り、効果を発動。相手の手札をランダムに1枚除外する。さらに、墓地の【開闢の騎士】と【宵闇の騎士】を除外。ここに最強の三戦士が揃う。現われろ【カオス・ソルジャー -開闢の使者-】」

 

超戦士カオス・ソルジャー ATK3000

カオス・ソルジャー -開闢の使者- ATK3000

 

「【開闢の騎士】と【宵闇の騎士】が除外されたことでデッキから『カオス・ソルジャー』儀式モンスターと儀式魔法を手札に加える。【超戦士カオス・ソルジャー】と【超戦士の萌芽】を手札に加える。バトルだ!!【超戦士カオス・ソルジャー】で【スーペルヴィス】を装備している【ギガプラント】を攻撃!!」

 

「まっ、待て!!」

 

「待たない!!開闢爆裂斬!!」

 

チャンピオン LP4000→3400

 

「【ギガプラント】を破壊し、墓地に送ったことで元々の攻撃力分のダメージを与える!!更にモンスターを破壊し墓地に送ったことで【超戦士カオス・ソルジャー】は続けて攻撃ができる」

 

「【スーペルヴィス】の効果で【ギガプラント】を守備表示で特殊召喚ぐわああああ!?」

 

チャンピオン LP3400→1000

 

「蘇生した【ギガプラント】に再び攻撃、効果でダメージ!!【開闢の使者】で残った【ギガプラント】を攻撃!!【開闢の使者】もモンスターを破壊し墓地に送ったことで続けて攻撃ができる。【カオス・ソルジャー】と共にダイレクトアタック!!」

 

「や、やめぎゃああああああああ!?」

 

チャンピオン LP1000→0

 

ステージに取り付けられているソリッドビジョンの衝撃増幅装置によって大きく引き飛ばされるチャンピオンに会場が静かになる。だが、次の瞬間この日一番の歓声が上がる。ただの力押しのデュエルを評価されてもあまり嬉しくなかった。作った笑顔で観客に手を振り控室に戻る。

 

「はぁ、大学に行って教職免許でも取った方が良かったかも。デュエルアカデミア本校の教師に成れれば、同類はいっぱいだろうしな」

 

『では、今からでも勉強をし直すか?』

 

「いいや、立派な社会人になったんだ。そんな責任を放り出して道を変える訳にはいかないだろう。歯ごたえのないデュエルが続くかもしれないが我慢してくれよ」

 

『休暇が多く取れれば本校に顔をだすのも良いだろう。新しい同類たちも増えているはずだ』

 

「そうだな。ちょっと岡部に近況報告のメールを入れておこう」

 

最近購入した携帯を操作して岡部にメールを送っておく。柏木先生は忙しいことが多いから岡部から伝えてもらうのが良いだろう。会場からホテルに戻る頃には岡部からメールが返ってきていた。

 

「今年は少ないのか。変わったカードの精霊ね。召喚方法不明か。【獣神ヴァルカン】とか【ゴーストリック・アルカード】みたいに未実装のカードとはまた別か。矢印が何か意味があるんだろうな。守備力がないのも気になる」

 

『うん?トリックスターではないか。こっちに来ていたのか』

 

「知っているのか、カオス・ソルジャー」

 

『うむ、簡単に言えばこちらで言うアイドルグループの一種が近いか。そのアイドルの中で海外勢グループがトリックスターだ』

 

「精霊でもそんなところがあるんだな」

 

『無論だ。とは言えだ、こちらのようにテレビのようなものが普及しているわけではない。エンディミオンやラメイソン辺りならあるかもしれんがな。基本は風の便りで近くに来ていればちょっと見に行く程度だ。私は偶々だが彼女たちのライブを見たことがある』

 

「なるほどね。ちなみに召喚方法は?」

 

『すまないな。彼女たちのデュエルを行っている姿を見たことがない』

 

「まあ、アカデミアの皆も確認しただろうから分からなくても仕方ないか」

 

メールを確認したついでにニュースに目を通せば先程の試合のことが大々的に報道されている。基本的には褒め称えてくれているが、一瞬で終わってつまらないなどの意見が上がっている。

 

「これがプロか。見世物になって最適な手を打ってこの評価か。柏木先生やクロノス先生や佐藤先生が微妙な顔になるはずだ」

 

学生時代が楽だというのがよく分かる。こんな気苦労をすることもなければ、気楽に話せる友人も傍にいない。竜胆先輩みたいにフリーの大会荒らし兼精霊界の冒険家の方が精神的には楽な生き方なんだろうな。オレとは別の意味で苦労は多そうだけど。

 

 


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