外伝~2~永い後日談のクトゥロニカ神話『一途な彼等』 作:カロライナ
「よっこら…せいっと」
己の腹筋だけを使いドッグテイマーはその上半身を起こしきる。
出血性ショック死を引き起こしてもおかしくない血液のような液体を垂れ流しつつも、未だにしれっとした顔で硬直した爆雷とラッキーと向かい合う。
「てめぇ、まさか…本当にネクロマンサー技術を知らねぇのか? ソ連とか良くわかんねぇ国の話もしてたしよ。よくそんなお花畑のような知識でこの世界を生き抜いてきたな。ガチでヤバいクスリを決めてんじゃねぇの?」
「グルルル…!」
「ハッ! 事実だろうが! これじゃ何にも知らねぇ無知なガキと 大して変わんねぇよ!」
「バウバウバウッ!!!」
「今、オレ様はこのガキと話してんだ! てめぇは黙ってろ!!」
態度を変えないぶっきらぼうなドッグテイマーに辛抱の限界が来ているのか、反応を返さぬ爆雷の隣でラッキーが唸り声をあげる。ドッグテイマーは煽り口調を止めることはなかったが、気を取り直した様子で あくどい笑みを作りながら爆雷の顔を覗き込んだ。
「…気を取り直してだな…なぁ? 爆雷ちゃん」
「…?」
「オレ様と取引しねぇか?」
「……取……引…だと…?」
「お、声は震えているが話せる程度には戻ったな。ま、そんなことはどうでもいいか。そうだ取引だ」
「…なんの…だ…?」
「今、オレ様が現段階で知っている情報やネクロマンシー技術について全て話してやる。だから代わりに対価として、オレ様を修復する為に指示通りに動け。な? さっきまでは敵として対峙していたわけだが、過去の因縁は投げ捨てて こっからは互いが生き残るためwinwinの関係になろうぜ? なぁ、いい取引だろぅ?」
「……」
「あっ、そうだ。ついでに地下の施設構造についても教えてやるよぉ…これで爆雷ちゃんの愛犬ちゃんも救えるんだぜぇ? ギャハ、ヒャハハハハハ!」
あくどい顔に変わりは無かったが、ドックテイマーは彼女の発せられる可能な限りの甘い声色で爆雷に囁きかけるように努力する。
結論からドッグテイマーは、まともな取引する気など毛頭ない。当たり障りのない情報だけ教えて、身体を修復して貰い、隙を見せた瞬間に鉛玉をくれてやるぐらいの意気込みであった。ゆえに自身の作戦が、うまく行くように、なるべく美味しい話をチラつかせながら誘い込んでいるつもりで話しかけていた。
「…わかった…但し…こちらからも…条件がある」
「お? なんだ? あまりにも無理難題を押し付けてくんなよ。オレ様にだって限度ってもんがあんだからな」
「…あぁ…それは……もちろんだ…」
「で、条件っつぅのは?」
「……。……情報が正確か…確認後…その情報に…嘘偽りや…他の情報もあった時…隠し通した場合は…お前には『俺の奴隷になって貰う。』…どうだ?」
「んだよ、んなことかよ、もちろん構わねぇよ? 奴隷にでもなんでもなってやるよぉ。ヒヒヒヒヒッ!」
取引に応じた爆雷に対し、ドッグテイマーは内心舌を出しながら大きく嘲り笑いほくそ笑む。『奴隷になれ』だなんて、真面な思考すら出来ていない愚か者をうまいこと騙すことができたのだとほくそ笑んだ。コイツはオレ様の作戦に何も気づいていない、銃火器の扱いだけが上手い愚か者であると。
【後書き】
クトゥルフ探索者のネクロニカでの脅威は、サプリを積まない限り
1カウント内に少なくて2回、多くて13回しか行えないことにあると思います。
やはり戦術が一撃必殺なんやなって。
そしてネクロニカ民の皆様にお知らせです。
この度、クトゥルフ民の人たちもサプリ使用で超能力を手にすることができるようになりました!!!
サイケデリックとの共闘とか、ちょっと胸が熱くなります!!