外伝~2~永い後日談のクトゥロニカ神話『一途な彼等』 作:カロライナ
2匹は階段を降り、仕掛けられている可能性を有するトラップに警戒しながらも地下への扉を開ける。
地下は広く、多数の柱が建ち並び、壁にはいくつもの檻が積まれていた。檻の多くには犬が入れられており、地下へと降りてきた2匹へ吠えてくる。しかし、吠えていた犬も次第に何処か落ち着きを取り戻したかのように吼えるのを止め、助けを請うかのように鼻を鳴らし始める個体も現れる。ここにいる犬の殆どが、ラッキーが装備していたジャケットを羽織っている犬や牙が異常に発達した犬が占めていた。
また何匹かの犬は既に檻から出され……軍服風の少女の周りを固めている。彼女は警戒しつつも降りてきた2匹を見ると残忍な笑みを浮かべた。
「ほぅ、脱走兵が自主的に帰還するとは感心だなぁ。更に野良犬まで連れて帰ってくるとは…少しだけ懲罰は軽くしてやろう。そしてオレ様の訓練所にようこそ。オレ様の名前は『ドッグテイマー』とでも呼んでくれ。野良犬…だって歓迎してやるぜ?」
「ヴーーっ!!! バウ!! バウバウバウ!!!」
一瞬の戸惑いはあったものの、気を取り戻すや否やゲラゲラと笑いだし跳ねのけるように、ドッグテイマーの名乗った彼女は2匹を見据えてくる。
そんな彼女にラッキーは後退りしながらも、ドッグテイマーに対し果敢に吼えたてる。しかし、彼女は何ともないような顔でゲラゲラ笑い声をあげるのを止めることは無かった。
彼女は、頭にはベレー帽を被り垂れ下がる恐れのある前髪はオールバック状に掻き上げ、綺麗な額が露わとなっている。オールバックにしているだけで彼女は決してハゲなのではない。また顔面には左眉から右目頭を通り左顎まで到達するほどの大きな斬撃の古傷が、彼女の風貌を一変させ 残忍さを引き立てていた。
首にはドッグタグが二枚ネックレス状に掛けられており、胴体は可愛らしいヘソと美しい腹筋が露わなるような半袖のスポーツブラを着用している。
右腕にも頬の傷のような古傷が残るものの、それよりも目立つのは手首と上腕に残る切断された腕を繋ぎ合わせたかのような接合後が目立っていた。
左腕には爆発解体班が爆発物処理に使われる防護服を通している。
下半身にかけては、OB色のゆとりのある軍服用ズボンを着用していた。恐らく、このズボンとベレー帽が無ければ、彼女に軍人要素は無かったであろう。
腰部には2丁の大型拳銃とサバイバルナイフを2本ベルトを通してぶら提げられており、左足の膝には犬の骨がペイントされたひざ当てを付けていた。足元は爆雷と同じブーツで固められている。
そして彼女が、人間であることを疑う異質な要因は肌の色にあった。彼女の肌は全体的に土気色をしていた。まるで死体が腐敗し始め変色した時の不気味なあの色。完全に変色しきっては居ないものの変色し始めの奇妙さだけは残っていた。
【後書き】
来ましたね。
ネクロニカ:最果の戯曲のアイドルドッグテイマー!
彼女との掛け合いを書きたいだけにここまで書いただけあるってものです!