外伝~2~永い後日談のクトゥロニカ神話『一途な彼等』 作:カロライナ
「あー、豪快な自己紹介をどうもドッグテイマーさん。俺は爆雷っつーモンだ。んで? いくつか聞きてぇことがあるんだが、ここの犬の共が着ているジャケットは、アンタが爆発物を作って装備させているのか?」
「あ? 何言ってやがる。爆発物と犬は工場で出来るもんだろ? ジャケットは噛みつくだけじゃ、5mm装甲も割れやしねぇ! だが、こいつなら戦車だろ~が下に潜りこませて……ボン!でおしまいだ!! 戦車一台と犬1匹、良い交換だと思わねぇか?」
まだゲラゲラと笑い狂うドッグテイマーに対し、期待外れの存在に対し爆雷は構えていた8ゲージショットガンをバツが悪そうに降ろし簡易的な自己紹介を済ませ、疑問を投げた。彼の目に映る放射能汚染は0.5シーベルトを指しており謝った知識を持った彼には脅威でも何でもなかったが、ガスマスクを取る気にはならなかった。
爆雷の質問にドッグテイマーは笑い狂うのをやめ、何も事情を知らない爆雷を憐れむかのような蔑むような表情で爆雷を見つめなおし、律儀にその問いの解を返答する。
「戦車1台と犬1匹。確かに良い交換だな。対戦車犬について熱く語り合いたいところだ。対戦車犬はオペラント条件付けを利用した非常に合理的な方法だ。だが、この対戦車犬作戦は過去の歴史上上手く行ってねぇ筈だぞ。ソ連の連中が実践して大惨事になっていたじゃねぇか。訓練を積んだ対戦車犬といえども、敵戦車が装甲する際に発せられる騒がしい騒音に怯えた結果自軍に駆け戻り自爆したり、自軍の戦車で練習した結果 味方戦車に突っ込んじまったり、最終的にはドイツ軍に火炎放射器を使われた結果、大半が恐れ慄き 敵前逃亡や自軍に舞い戻り再び爆発。まともな戦果は見られねぇ。合理的だが非効率だ」
爆雷は解に関して同意を得るかのように頷き肯定的な反応を示す。しかし、爆雷自身が知っている対戦車犬の有用率に語りかけ、非効率性についても鋭く過去の具体例を引き合いに出してドッグテイマーを非難する。
「あ? ソ連? お前一体何百年前の話をしてんだ? 今の時代ネクロマンサー技術によってそんな誤爆は無くなった筈だろ? いったいどこのボケ老人だよ」
「は? テメーこそ何言ってやがる。何百年? まだ戦後から80年しか経ってねぇだろうが。ネクロマンサー技術ってなんだ。俗に呼ばれるヴードゥー呪術の『ゾンビの創造』って奴か?」
しかし返答として帰ってきたものは、爆雷が想定していたものよりも遥かに斜め上の返事であった。嘲笑の笑みを浮かべ煽るドッグテイマーに対し、初めは比較的穏やかに取り繕っていた爆雷も煽り返すかのような声色でおどけてみせる。
ドッグテイマーの笑顔が若干引き攣った。
【後書き】
ばっくれっつ♪ ばっくれっつ♪
らんらんらーん♪