取り敢えず書きたい所だけ書いたのでUSJ編の一部のみです
救助訓練の最中の敵連合とか言う巫山戯た名前の連中の襲撃を受け、ウチらはバラバラに散らされてしまった。
ウチと上鳴、そして八百万は山岳ゾーンに飛ばされてしまい、それでも八百万の機転と上鳴の個性によって粗方の敵を倒す事が出来た。
けれど、その気の緩みと上鳴の個性のデメリットを突かれ、個性の反動でアホになっている上鳴を人質に取られて此方の手も読まれて八方ふさがりだ。
「他人の命か、自分らの命か・・・!さぁ、動くなよ・・・」
上鳴を捕らえた敵がゆっくりと此方に向かって来る。その動きは慎重で、人質を取った事での油断など微塵も感じれ無い。このままでは確実に殺される、けど、上鳴を見捨てる事は出来ない。恐怖と葛藤を抱え、横にいる八百万の方を見る。この状況に焦り、怯えているのはウチだけではなく、八百万もである事を確認して、少しでも安心しようとしたのだ。
しかし、ウチと同じ感情を抱いているはずの彼女は焦る事のも無く、怯えるでもなく小さく微笑み、そして呟いた。
「遅いですわよ、ナシコ」
「申し訳御座いません、お嬢様」
此処には居ないハズのクラスメイトの声と共に上鳴を捕らえて居た敵が吹き飛ぶ。そして敵が立って居た場所にはウチらのクラスメイトが蹴りの構えのまま立っていた。
目を引くのはメイド服のような戦闘衣装、触覚のような二本のアホ毛。そして、背中の開いたコスチュームから飛び出た巨大な蝶の羽。
「く、何者だ!?」
「おや、見てお分りいただけませんか?メイドにして次世代ヒーロー候補たる生徒です」
「め、メイド?」
呆然と呟く敵に冷たい視線を送りたがら侍蝶は口を開く。
「私が何者かなどこの際どうでも良いのです!それよりも、この不埒者!人質を取って抵抗出来なくなったお嬢様に何をするつもりだったのです!?いえ、言わなくても分ります。乱暴ですね?乱暴する気だったのですね!?エロ同人みたいに!エロ同人みたいに!!」
「何でそうなるんだよ!?」
それまで侍蝶が纏っていた、烏揚羽の様な優雅で神秘的なイメージをかなぐり捨てた叫びに敵が声を張り上げてツッコミを入れる。
「言い訳無用!例えその気がなくても、お嬢様のあられも無いお姿を見た変態には相応の報いを!」
常に八百万の三歩後ろを歩き、その影を踏む事の無い従者の鑑の様に振舞っているのが幻のように叫ぶ。アレは絶縁体シートを造る際に破れただけで、本人も気にしてなかったとか言いたい事は色々あるのだが、明らかに暴走している侍蝶はどうせ聞く耳など持っていないのだろう。
「湧きたてマイハート!お嬢様への愛を此処に!」
言葉と共に侍蝶の足元の地面が変化して行く、山岳ゾーンの地面から地面と同じ色の蝶が湧き立つ様に飛び立ち、それに比例して地面に抉り取られた様な穴があき、拡がって行く。
それらは空中へと飛び上がり、ある高さでいくつかの群れとなり塊になる。すると最初からそうだった様に蝶の塊は土塊となって地表へと降り注ぐ。
即席の隕石群は人質を取っていた敵を始め、地に伏していた敵達にも降り注いで追い討ちをかけている。
そして、音が止んだ後の元戦場には死屍累々の惨状が広がっていた。
「ふぅ、悪は滅びました」
「アンタは手加減って物を知るべきだよ」
良い仕事をしたと言わんばかりに汗を拭う真似をする侍蝶に言うが、にっこりと完璧な笑顔が返ってきただけだった。
「はっ!お嬢様!お嬢様ー!ご無事ですか!?」
叫びながら八百万に駆け寄って行く侍蝶。八百万を抱きしめる姿は微笑ましいが、直前の光景がそれに和む事を許さない。
侍蝶梨子、ウチらのクラスメイトにしてスーパーメイド、有り余るほどの忠誠心と行き過ぎの友情を八百万に捧げる姿から、自重ナシ子と呼ばれている。
侍蝶梨子 ジチョウ リコ
個性:蝶々
異形型と発動型の複合個性。触れた物体を蝶へと変換する事が出来る。また、自身も蝶の特徴を再現する事が可能な個性。
八百万家に代々仕える家系に生まれ、本人もそれを受け入れて積極的に仕事をこなしている。同い年のお嬢様が綺麗で可憐で可愛くて堪らず、暴走を多々起こす以外は非常に優秀。