投稿日や活動報告などを呟いていきたいので、よろしければお気軽にご覧ください。
@atenfate333です。
それでは、どうぞ。
イリヤに俺の力を見せて納得してもらってから早一週間。
ようやく俺たちは聖杯戦争の舞台でもある、日本の冬木へ行くために本腰をいれ始めた。
他の魔術師たちに負けないようにイリヤは、色々な準備や策を練り。
アインツベルン城の使用人たちは旅立つためにせっせと毎日、冬を越す準備をするアリのように働いている。
イリヤ様が旅立つぞー!と言わんばかりに冬木へ行くための用意をしているようだ。
城中をあちこち右往左往、止まる足など一つもない。
俺はそんな彼らの邪魔にならん程度に城の中を徘徊したり、筋トレしたりして時間を潰して日々を過ごしていた。
基本的に俺…つーか、サーヴァント自体。戦闘以外ではそんなに役に立つことなんてねぇしな。
……中には釣りしたり、料理や家事出来る奴もいるみたいだけど!
まぁ、俺が今できるのは黙って冬木へ行く時間を待つくらいだな。
働けって?冬木に行ったらな!
◆◆◆◆
そして、日本の冬木に向かう前日。
俺は、イリヤと共にアインツベルンの本部である神殿へやって来た。
なんでも、一番偉い人が呼んでいるとか何とか…。
アインツベルンの一番偉い人っていえば、ただ一人――――――…
それが、俺達の目の前にいる…「アハト翁」だ。
ユーブスタクハイト・フォン・アインツベルン。
アインツベルンの八代目当主。通称「アハト翁」。
二半世紀近く生きる大魔術師にして、第二次 聖杯戦争から現在まで全ての聖杯戦争に関わっている爺さん。
確か、もともと自分達が持っていた“第三魔法”を取り戻す為に聖杯戦争を利用しているんだったな。
しかし、このアハト翁…信じらんないくらいの阿呆なんだ。
第三次 聖杯戦争でルール破ってエクストラクラスの「復讐者」(アヴェンジャー)召喚し。
それが思いの外、使えなくてあっさり敗北しちゃうんだが―――――――――…
そのせいで聖杯の『願いを叶える機能』がイカれて呪いのアイテムへ変身させてしまう阿呆。
今度こそは…と、第四次では「魔術師殺し」の異名を持つ衛宮切嗣―――――…
イリヤの親父さんを助っ人として雇い。最強のセイバーと“聖杯の器”であるアイリスフィールと共に聖杯戦争へ参加させる。
戦闘が苦手なアイツベルンには、最強の戦力だったが……。
聖杯が汚染されて、本来の機能が使えないと知った切嗣はアインツベルンを裏切り。
汚染された聖杯をセイバーに破壊させられてしまい、願い叶わず。
もう、これで最後や!と言わんばかりに究極のホムンクルスのイリヤを投入。
そして最強の英雄を「狂戦士」(バーサーカー)で召喚して三度目の挑戦って話だったな。
んで…なんで俺らがここに呼ばれたかというと――――――…
「今度こそ…我らアインツベルンの悲願を…」
お説教みたいな話を聞かされていた。
冬木に行く前日ってのに何なんだ一体よ…かれこれ30分以上、口開きっぱなしだぞ?
それにさっきから、この爺さん悲願、悲願、しか言ってねぇ…ボケてんのかな?長いこと生きてんだし。あり得そう。
つーか、周りに佇んでこっち見てくるホムンクルス達が少し怖いです……。
凄い美人な女の子しかいねぇんだけど、イリヤと違って常に無表情なので少し…ね。
話に飽きてきたんで、ちらりと我が主様の様子を見る。
イリヤは黙って俯きながら、アハト翁の話を聞いている…両手で自分の洋服を握り締めながら。
何かを耐えるように、まるで自分に何かを言い聞かせているかのように。
そこで、俺は思い出した。
イリヤに―――――――…マスターに切嗣を裏切っただなんて言った奴は誰だ?
マスターに…切嗣を今まで合わせなかったのは誰だ?
アイリスフィールを死んだことを…都合の良いように書き換えたのは誰だ?
この子から、自由を奪ったのは……誰だ?
こいつ(アハト翁)じゃないか。
すると、どんどん生前の時の記憶が蘇る。
アニメで映し出されたのイリヤの凄惨な過去の姿を思い出していく。
そう、あれは確か……ヘラクレスを召喚したが、起動しなかった時の話。
ヘラクレスがサーヴァントとして使えないと考えたアハト翁は―――――――――…
イリヤを極寒の雪山に置き去り、野生の狼達に襲わせたのを…俺は覚えている。
ギリリと、歯を噛みしめる。
思い出すたび、このジジィをぶん殴りたい情動に駆られる。
だが、俺の行動がイリヤの首を絞める事になるかもしれない…。
今は耐えろ、耐えてこの聖杯戦争を終わらせてからでも―――――――…
「お前の母、アイリスフィールは失敗だった。あの裏切り者同様、欠陥であった。」
―――――――――――――バンッ!!
気付けば、俺はどこからともなく自分の武器である銃を取り出して、引き金を引いていた。
あっちゃー…やっちまったかぁ~。我慢する気だったんだけどなぁ。
でも、しゃあねぇよな!このジジィがあまりに阿呆な事ぬかすんだからさ。反省も後悔もしてねぇよ。
突然、銃を打ち出した事に流石に驚いたのかアハト翁は目を見開いている。
周りのホムンクルス達は、俺の行動を反逆かと悟ったのか瞬時に斧やら槍やらで臨戦態勢を取っている。
イリヤも俺の方を見て驚愕している――――…そりゃそうか、自分の使い魔が奇行に走れば誰だってそうだろうな。
でも、俺は銃をアハト翁に向けてまま、引き金から指を離さない。
「…何の真似だ…このような愚行、許されるものではないぞ。」
「別に許さなくてもいいぜ?俺は、ただその“耳触りな声”を消そうとしただけだ。」
ニヒルに笑みを浮かべてアハト翁に言う。
そんな俺の態度が気に入らないのか、アハト翁は皺の入った厚顔がより一層濃くなる。
刃物のように刺さってくる鋭い眼光で睨んでくる。
「使い魔風情が…己が属する主に逆らうというのか…!!」
ギリリ…と怒りに滲んだしゃがれ声で言う。
あー、なんだろう…こいつ、何て言うか――――――…
呆れてモノが言えなくなって、そいつから視線を話して溜め息を吐く。
この爺さんが勘違いしまくってて、アホ臭くなってきた…話している事時間さえ無駄に感じてきた。
とりあえず、言いたい事だけ言って去りましょう。
それが一番、良い。
これ以上は、俺とイリヤの精神衛生上良くないし!!
「俺はアインツベルンがどうなろうかどうでもいい。
悲願がなんだろうが、第三魔法がどうだろうか知ったことか。
俺はただ、聖杯戦争に参加して勝つことしか考えていねぇ、お前らがどうなろうが関係ねぇ。
そんなに願いが叶えたいなら、どうぞご自分でご勝手にしてくださいまし。」
それと…と、俺は言葉を紡ぎながら隣にいるイリヤへと視線を移す。
我が主様の眼は俺を映しており、どこか不思議そうに見ている。
…よし、今こそ俺が思っている本音をぶつける時だな。
ある意味、この言葉はイリヤと共に聖杯戦争を戦っていく俺の覚悟でもある。
ここにいる全員が、俺の方を集中して注意を向けている。
よーし、それなら耳の穴かっぽじってよーく聞きやがれ!
イリヤも聞いてな!!
「俺のマスターはイリヤスフィールだ。あんたじゃない。
だから、俺はイリヤの言葉しか聞かないし、イリヤの命令じゃなきゃ動かない。
例えお前がどれだけすげぇ大魔術師だろうと関係ない…マスターじゃないお前が、俺に指図するな!!」
分かったか!!と、最後に吐き捨てるように言ったあと、イリヤを連れてその場を後にした。
後ろでアハト翁が呆然としていたが、知ったことか!
あー、言いたいこと言ったらスッキリしたわぁ~…やっぱね、言いたい事は口で言わなきゃな!
それにしても…帰り際、周りのホムンクルス達は妨害など一度もしてこなかったな。
むしろ、どうぞお通りください。と言わんばかりに道を開けていたな。
アハト翁って、あんまり好かれてなさそうだしな…。
実はホムンクルス達からも嫌われてんじゃないかなぁ~…まぁ、乙wwwとしか言えんなwww
◆◆◆◆
次の日、俺達アインツベルン陣営は用意した飛行機を使って日本へ旅立った。
高速ジェット機みたいな感じのウン億円くらいはフツーにしそうな豪華な設備をしていた。
内装も高級品ばかりで、室内は快適で広々として空の旅も快適に過ごす事が出来る機内だった。
ベットはふかふかの高級だし、機内で映画は見れるし、風呂には入れるし、飯時にはシェフがやって来て目の前で調理してくれるし。
エコノミークラスどころか、VIP御用達の別世界で生きているような奴らが乗るヤツだった…。
実はこれ、事前にチャーターしたんじゃなくてアインツベルンの所有物なんだぜ?
は?と思った奴、正直に手を上げなさい。
君はおかしくなんて無い。至って正常です。
俺もおんなじ事思ったよ……ジェット機が所有物って何なんだ!?
アインツベルンは化け物すぎる…一体、どこにそんな財力があるんだ…?
公式でも明らかにされなかったし…訳が分からないよ。
まぁ、そんな事をしている間にも、日本の冬木市に着きました!!
◆◆◆◆
日本に着いてから、すぐさまここでの活動拠点へと移動した。
冬木市は、未だ冬だというものの、雪は降ってはおらず冷たい風だけが気候を支配していた。
まぁ、アインツベルンの本部があったところと比べれば、こちらは全然寒くないけどな。
イリヤも特に寒そうにしてないし、体調面では注意を払う所は無さそうだ。
とりあえず、拠点の方へ俺達は向かった。
拠点の方は相も変わらず巨大な城だったけどな…。
まぁ、あっちでも一週間くらい過ごしてたから城での暮らしは慣れたから問題は無い。
さて、これからどうしようかな…。
特にこれといって、冬木市に着いてからもやる事なんてなかったし。
聖杯戦争は、まだサーヴァント達が七体揃っていないから始まってないからなぁ…。
街でも散策すっかな。
地形を早く覚えておいた方が良いし…それに第五次 聖杯戦争の舞台を観光したいし!!
そうだよ、型月作品好きの俺が聖地巡礼(今は少し違うけど)をしないなんて損だろ!!
というわけで、さっそくイリヤの所へ行って外出許可を貰いに行った。
主様に断らずに突っ込むなんて事したくないしな。
「冬木の探索?」
「ああ、早めに覚えておくことに越した事はないだろ?、今の内に見ておいた方が良いと思ってな。」
イリヤは「んー…」と1分ほど考えてから、こちらを見て口を開いた。
「いいわよ。探索して来ても。」
いよっしッ!!主様からお許しをもらえたぜ!!
「だけど、まだ聖杯戦争が始まっていないのだから、あまり目立つような行動はしないようにね。
下手に動けば他のマスターにも悟られるから…注意して。」
「分かっている。聖杯戦争は情報戦が基本だからな。その辺は常々肝に銘じているよ。」
まぁ、俺の真名がバレるなんてことは無いだろうけど…警戒と注意は厳密に行うとしよう。
今の時期なら――――――…“あいつ”が召喚されててもおかしくないからな。
どこかでばったり目撃されたら、そこで俺の計画に大きく支障が出る…それだけは避けなければ。
「それと――――――――…はいこれ。」
意志を固めていると、イリヤが金札を数枚ほど渡してきた。
「ん?なんだこれ?」
「お金よ。日本円だから安心して使えるわよ。」
しれっとと答える我が主様。いや、そうじゃなくてだな――――――……
「なんで俺にくれるんだ?」
「出かけるのでしょう。手持無沙汰なのは良くないわ。だから受け取りなさい。」
「いや、でも俺は――――――――…」
サーヴァントだぞ?と言おうとしたところで、イリヤの顔が少しだけ不機嫌になり、口を閉じた。
なんで怒るんだよぉ…俺、変な事言ったかなぁ…?
「これから、わたしの為に働いてもらうのですもの。
ご褒美の一つや二つ与えていてもおかしくないわ。いいから、お小遣いとして受け取りなさい。」
…と、言われて半ば強引に金札を押し付けれた。
むぅ…まさか、サーヴァントになってマスターから小遣いをもらうとは…。
しかも、相手は見た目は幼女……対して、俺は見た目20代のいい大人。
これはあきまへんなぁ…いろんな意味でヤバいよなぁ。
「それに……この間…あんな事言ってもらって……お礼したいし…」
なんか、一人でゴニョゴニョ言っているけど…。
「なんか言ったか?」
「な、なんでもないわよ!!とにかく受け取りなさい!命令よ!!」
遂には金を受け取れという命令を出されてしまった。
そうなってしまうと、俺も受け取らざるを得ないな…とほほ。
まぁ、これもイリヤの優しさとしてありがたく受け取っておこう。
「サンキュ、マスター。何かお土産買ってくるよ!」
我が主様の優しさを噛みしめながら、アインツベルン城(日本)を後にした。
去り際、「あっ、ちょっと…!!」という声が後ろから聞こえたけど…まぁいいか。
さぁ、金札片手に冬木市へGO!!
◆◆◆◆
ってなわけでやってきました冬木市に!
今回、私、バーサーカーが探索するのはここ、日本の冬木にある「新都」です!
見てくださいこの景色!あちらこちらとビルが色々立ってます!!
行き交う人たち、上空を自由に飛び交う鳩達――――…
…うん。テンションが上がり過ぎて変なキャラになってるな。
「Fate/stay night」の舞台である冬木へ来たんだからこうなるのも無理ねぇけど我ながらに酷いレポートだ…。
景色をリポートするのに何でビルをチョイスしたんだよ…もっと違うのがあっただろうに。
しかも極めつけは、何故か鳩が空飛んでる情報とか誰得だよって感じだけど…。
まぁ、そんな感じで新都までやって来たぜ。
街並は、俺の生前の記憶にあるアニメや漫画で見たものと全く同じだった。
比較的に都会で近代的な建物が並ぶのが、ここ新都で人が一番集まりやすいところだ。
新都で最も高いビルのセンタービルや、近辺にある大きなホテルや病院、言峰教会など様々な施設がある。
奥に行けば、第四次 聖杯戦争の聖杯召喚地となった中央公園もある。
確か、聖杯召喚の際に辺り一面火の海になったハズだが、修復されて今は自然公園になっているハズだ。
さらに行けば物語の主人公達が住む「深山町」があり、俺が来た道を戻っていけば城のある「中央」へ行ける。
深山町の方も行ってはみたい気もするが、あまり遠くへ行って他のマスターに勘付かれても面白くない。
とりあえず、今日はこの新都で色々見て回るとするか。
「…っていっても、これといって出店している店などに興味はないんだけどな。」
あくまでも俺の目的は、3割の地形把握と7割の観光で構成されている為に買い物などには、特に興味はない。
新都の方ではここへ来るまでも十分、たくさんのものを観光する事が出来た。
同時に街の地形も観光と同時進行形であらかた覚えてしまった。
というわけで、ここへきて自分の目的がまた消えてしまった。
「うぅん…これからどうしたもんかなぁ…」
――――プアアアアアンッ!!
そんな事を考えていると、後方の方から大きな音が聞こえた。
ビクッて振り返ってみるとそこには――――…
道路に飛び出している、子どもと――――…
それに向かって走ってくるトラックがいた。
目の前の光景に、その場にいた誰もが凍り付く。
誰一人として動けなかったし、誰もが最悪の事態を想定していただろう。
その中でただ一人だけ、俺はその光景も見た瞬間。
自分がいた場所から瞬時に姿を消した。
◇◇◇◇
目の前の光景に俺、衛宮士郎は絶望的な気分になった。
今夜は桜と藤ねぇが来て、夜食を一緒に食う約束をしていたから、それの食材を買おうとスーパーへ行った。
良いものがたくさん買えたから、今夜の食卓ではご馳走が並ぶ様に上機嫌になる虎の姿が連想しながら帰路についていた時。
目の前に子どもが走ってきて、そのまま車道に飛び出してしまうのを目撃する。
すると、遠くから一台のトラックが子どもに目がけて走ってきた。
周りからは女の人の叫ぶ声が聞こえたが、誰一人として動ける人はいなかった。
飛び出した子どもはトラックの方を見て呆然としていて、対してトラックはクラクションを鳴らしながらブレーキを踏んでいるようだが…。
勢いは止まらずにそのまま子どもを目がけて一直線。
俺は助けなければと思ったが、俺の今いる場所からだとどう考えても間に合わない。
脳裏には最悪の光景が思い浮かぶ…なすすべがない、誰もがそう思った瞬間――――…
トラックの前から子どもの姿が消えた。
トラックが子どもがいた場所を通過すると、反対の歩道に黒いパーカーを着た男とさっきの子どもがいた。
あれ…!?さっきまで車道にいたはずなのに…。
それに、あの男が車道へ飛び出した姿も見ていない…一体どうやって――――?
そんなことを考えていると、男から子どもが離れていき男のほうも反対側に背を向けていた。
「あ、ちょっと待ってくれ!!」
その光景を見た途端、追いかけなければと思い俺は男に向かって叫びながら後を追った。
何故かはわからない。
ただ、不意にあの男とじいさんの姿が重なって見えたからだ。
◇◇◇◇
全速力で車道に乗り出して、トラックの前から子どもを掻っ攫って反対の歩道へ着地した俺は小さく息をついた。
あっぶねぇ~…偶然ここを通れて良かったわ。もし、俺がここにいなかったらあのままこの子どもはdead endを迎えていたに違いない。
もともとの体力とか身体機能が化け物レベルまであったのもあるが、サーヴァントになった事でさらに拍車がかかったみたいだな。
マジでよかった。と安堵しつつ、俺はしゃがんで子どもと同じ目線で目くじらを立てて言う。
「少年。道路の近くで遊んじゃだめだ。今度からは気をつけな。」
「うん、ありがとうお兄さん!!」
それだけ言うと、子どもは自分が来た道を走って戻っていった。
俺は一息ついて、「走ったらあぶねぇぞ~!」と一声だけかけ、反対側に背を向ける。
「さて、なんか買って帰るかな――――」
「ちょっと待ってくれ!!」
帰ろうと踵を返すと、遠くから声が聞こえてもう一度振り向く。
そこには、赤銅色の髪をした穂村原学園の制服を着た青年が肩で息をしながら俺の前へやって来た。
俺は、その青年のことを知っている。彼の名前は衛宮士郎……「Fate」における主要人物であり、主に物語では彼の主観で行われる。
というか、主人公である。あ、これ、前にも言ったような気がするな……。
突然の衛宮士郎のエンカウントに俺は驚きを隠せない。
いやまぁ、いつかは必ず会うとは思ってたよ?
でも、まさかこのタイミングで会うとは思わなかったよ!
「はぁ、はぁ、なぁ……あんた――――」
息を整えた士郎が口を開く。
いかんいかん、考えに耽っている時ではない。他人のふりをしなくては…。
士郎もいずれは、聖杯戦争に参加するんだから色々と注意しなくては――――…俺はサーヴァントでもあるから、その辺も含めて注意しないとな。
下手な芝居打って、イリヤに迷惑かけたくないし!
「あんた、さっきトラックに轢かれる寸前の子どもを助けたよな。あれは一体どうやったんだ…!?」
まずーい!
サーヴァントの能力を行使する姿を見られてたぁ!!
しかも物語の主要人物ってか主人公に見られているとは!!致命的なミスだぁ!!
計画に大きな支障が出たことに、俺は冷や汗を流さずにいられない。
どうする…このまま逃げるってのもありだが、それだと後から面倒なことに…。
「……」
士郎の疑惑の視線が俺を貫く。
おいおい、そんな見つめるなよ……俺は男に見つめられる趣味はないんだ…意外と冷静だな俺。
…おふざけはここまでにして、どうしたもんかねこの状況……。
「なあ、話してくれないか――――」
ぎゅるるる~…。
士郎が口を開いた途端に俺の腹から音が鳴る。
…そういえば、日本に来てからも何も口にしていなかったなぁ。
時刻を見ると現在、午後3:00を回っていた。もうこんな時間かぁ。
俺の空腹を知らせるタイマー音にはさすがの士郎も張りつめていた緊張も緩んだようで、表情が少し和らいでいる…。
なんだろうか…なんか、生暖かい目だなぁ…。
生きている証拠なんでしょうがないでしょうに。
誰だって腹が減ったら腹が鳴るだろ……!!俺だけじゃないだろ!
あ…そういえば、俺、幽霊みたいなもんだから生きているって言えるんかな?
「腹が減っているなら、俺のおすすめのたい焼き屋さんを紹介しようか?」
またまた考えに耽っていると士郎が提案を持ち掛けてきた……今日、いろいろと耽りすぎだなぁ。
それよりも士郎の言っている、たい焼きやとは原作にも出てきたあれだろう。
確か、セイバーがうまそうに食っていたのを思い出した。まぁ、あいつは食い物ならなんでもうまそうに食うんだけどさ。
「いいのか?」
「ああ、困ってそうだったからな。俺に何かできるなら力になりたい。」
初対面に対してこの対応。
外国人が聞いたら感動して泣くぞ。今の日本人の若者も捨てたもんじゃない。
日本の未来の明るさに心の中で浸りながらも、俺は了承して士郎とともにたい焼きやを目指した。
「あ、でもさっきの事も聞くけどな?」
この子、意外としつこいよぉ…。
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