High School Fleet ~封鎖された学園都市で~   作:Dr.JD

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どうも皆さんおはこんばんにちわ。
Dr.JDです。

ついに、ついに艦これ夏イベントE-4クリアしたぞー!!!
艦これを初めて1年弱、初の大規模作戦に参加して目当てのフランス艦が来てくれました!
感激の極み!

さてさて、そんな近況報告など飛ばして、最新話をどうぞ!


第6話 報告会

[報告会]

2012年、7月18日、18;10;00

高校1年生 陽炎型航洋艦五番艦「晴風」 艦長

岬 明乃(みさき あけの)

茨城県 尾阿嵯(おあさ)町 第6埠頭 廃棄造船ドッグ

 

この町で出会って初めて友達になった女の子、蘭ちゃん達と別れて、私達は帰路へ付いた。

と言っても、ここ異世界へやって来た私達が帰る場所なんて、決まっている。

今は隠居同然の生活を送るため、重要な拠点となる航洋艦、晴風へ戻ってきた。

外はやっぱりもう暗くなっていて、帰るときに不気味さを感じたけど、ドッグへ無事に到着し、晴風の船体を見たときは、ものすごく安堵していた。

 

野間 マチコ

「ん、艦長。お帰りなさい。危ない目に遭いませんでしたか?」

 

ドッグ内へ入ると、バケツを持った野間さんが出迎えてくれた。

釣り竿を持ってるから、お魚を釣りに行ってたのかな?

 

岬 明乃

「うん、大丈夫だよ。ももちゃんもしゅうちゃんも楽しかったよね!」

青木 百々

「はいっす!後でマッチも撮ってきた写真を見せるっすよ!」

山下 秀子

「いやいや、先にクラスの皆で今日の事を話そうよ。そうだ、鏑木さん達はもう戻ってる?」

野間 マチコ

「ああ、ついさっき戻ってきて、何やら大きな箱を持って帰ってきてたよ。何なのか聞いても、それは後で話すってさ」

 

かなり気になるけど、どうやら向こうも情報収集に成功したのかな?

そう言えば私達も結構な量の情報を持って帰ってきたから、それなりの荷物になっていた。

この姿を見たら、見事に旅行帰りの学生になっちゃうよ。

わ、私達は決して遊んでたわけじゃないからっ。

 

岬 明乃

「と、とりあえず情報共有のために一度、クラスの皆で集まろう。艦橋組はいる?」

野間 マチコ

「艦橋にいましたよ。なら私達で他のクラスメイトを呼んできますので、艦長は艦橋組に連絡をお願いします」

岬 明乃

「分かった、後はよろしくね」

 

そう言い残して、私は晴風へと乗船する。

階段を上って、艦橋へ真っ直ぐ向かった。

艦橋に入ると、すぐにいつものメンバーがいた。

 

岬 明乃

「みんな、ただいま!」

宗谷 ましろ

「艦長!もう、遅いから心配しましたよ」

 

シロちゃんが最初に出迎えてくれた。

私の姿を見て安心したのか、胸にそっと触れて撫で下ろしていた。

確かに、集合時間までは10分近く送れていた。

き、気を付けないと。

 

西崎 芽依

「そんで艦長、町の様子はどうだった?変な連中に絡まれたりしなかった?」

 

珍しくめいちゃんが不安げな表情で私を見上げていた。

えと、それってどう言う意味だろう?

確かに異世界へやって来たことに対して色々と不安はあったりしたけど………。

 

岬 明乃

「えっ?特に何もなかったよ?それで、これからこの世界の情勢について皆と情報共有しておきたいんだけど、教室に集まって貰えるかな?」

納紗 幸子

「分かりました。皆さんには伝えときます。あっ、もしかして私達艦橋組も全員ですか?」

岬 明乃

「そうだね………いや、でも見張り員は何人か残そう。全ての照明も落としてね。外から見られて通報されると色々と大変だから」

納紗 幸子

「はい」

 

見張り員は後で情報交換するとして、私はさっさと分担を決めた。

………教室に集まった皆に、私達の情報共有が始まった。

クラスの半分が興味津々、もう半分が少し怯えているように見えた。

最初は何とかみんなを宥めてから、先に私達の班から発表を済ませる。

ナカジマさんから貰った資料をスクリーンに投影しながら、みんなに分かりやすく説明した。

正直に言って、かなり説明しづらかった。

だって、この世界にしかない航空機の詳細を説明しろだなんて、すぐに出来ないよ。

でもそれでもみんなは納得というか、理解はしてくれたようだ。

(ただし留奈ちゃんや麗緒ちゃんは除外)。

 

………今日1日で出会った蘭ちゃん達の事は、一応みんなには伏せておいた。

なんだかみんな、かなり外の世界に対して不安を抱いてるみたいだし。

とっても優しい人達なんだけど、やっぱり艦長として皆を不安にさせたくなかったのだ。

みんなごめんね、いずれ紹介するから。

 

岬 明乃

「………以上が、私達3人の班が調べられた情報です。それじゃあ次は、美波さん達の班に移ろうかな」

 

ちらりと目配りすると、美波さん達は頷いて、教壇に立った。

発表した内容は、まぁ、おおざっぱで言うならば航空技術の発展経緯、この世界の歴史と、この町にある特有の物体についてだ。

彼女の言っていた、宇宙エレベーター。

あれについてはほとんど説明できなかった。

 

鏑木 美波

「艦長達は随分とまた、興味深い情報をくれたな。では、私達も期待に応えねばな。私達の班の調査報告を行う。と言っても内容は艦長達とほとんど同じだ。申し訳ない………」

 

………よくよく考えたら、お互いに飛行機についての情報を集めようと結論を出していたので、内容が被るのは当たり前だった。

そうなるなら、別の情報を探す方が良かったのかも知れない。

でもどの道、この情報は集める必要があったから、結果オーライだね。

気を取り直して、美波さん達の話しを聞いた。

そこからの話しは、私達とほとんど同じ内容だった。

航空機。

この世界の交通手段として、世界中に飛び回っているそれは、目的地へ到着する早さにおいて私達が使っている船舶の比ではなかった。

数値を使って、実際に説明されたときは、思わず我が身を疑ったものだ。

と言っても、ナカジマさんから説明されたら、あまり驚きもしなくなってしまった。

でも私達と同じ発表内容なら、期待に応えるって言うのはなんだろう?

 

鏑木 美波

「そしてこれが、調査先で知り合ったある人物から入手したものだ」

 

美波さんの視線にあるそれは、掌にちょうど収まるくらいの小物があった。

4つの羽の中央に、小さい正方形が付いていた。

 

鏑木 美波

「この世界ではドローンと呼ばれている。四方に小型プロペラと言う機構を利用し、空中の姿勢制御をこのコントローラーを使って、操作する。操作については小笠原さんにお願いする」

小笠原 光

「オッケー。任せてよ!」

 

美波さんに変わってヒカリちゃんが教壇へ立って出た。

コホン、と咳払いしてからゆっくりと口を開いた。

 

小笠原 光

「口で説明するのも何だし、簡単に操作してみたいと思います………よっと」

 

コントローラーを持って、スティックを倒すと、ドローンは宙に飛び出した。

クラスからおぉ、と驚愕の声がよく聞こえる。

教室の中央辺りまで飛ぶと、底辺にあるアームの様なもので、近くの席に座っていたミカンちゃんの席にあめ玉を置いていった。

 

伊勢 桜良

「わ、降りてきた」

伊良子 美甘

「わぁ!ありがとう!」

小笠原 光

「ふっふっふ、このように操作さえ慣れればこんな芸当も出来るのです。どうやらこの世界ではこのおもちゃが普及するくらいには、航空機は身近な存在にあるみたい」

 

私達の世界だと、ブルーマーメイドが救助活動で度々使われている無人機を思い出した。

だけどあれは通常の救助活動ではまず使われないため、どのみちこっちの世界じゃ身近な存在であるというのは実感できた。

コントローラーを教壇に置いて、一息ついた。

どうやら発表は終わりらしい。

にしても、美波さん達のグループ発表も………。

 

宗谷 ましろ

「でも、これでハッキリしましたね。私達は、信じられないことに異世界へと飛ばされてしまったようです。まったく、私達は夢でも見ているんでしょうか?」

岬 明乃

「もしこれが夢だとしても、私達は現にここに居る。暑さや涼しさだって感じたし、こうやってみんなとお話もしてる。これは現実なんだよ、シロちゃん」

宗谷 ましろ

「まさか艦長に看破されてしまうとは………ま、ともかく私達の当面の目標は、この世界に順応していく。そして元の世界へ戻る方法を探すことですね」

岬 明乃

「うん。みんなもそれでいいかな?」

晴風クラス

「「「「はーい」」」」

岬 明乃

「それで、次の議題なんだけど、船の様子はどうだった?」

納紗 幸子

「はい、そちらに関してなんですけど」

 

ここちゃんがタブレットを操作して、船の状況について説明する。

結論から言うと、以下の状態である事が判明。

通信:問題なし

機関:高圧缶の不調により、要修理

武装(兵装):10cm高射砲の回転不備、魚雷発射管旋回不可、要修理

燃料:50%ほどの残量

食料:2日分あり。要補給

 

状態についてはこんな感じだった。

そうなると、優先的に行うべき項目は………。

 

宗谷 ましろ

「高圧缶、武装の修理を優先するべきでしょう。いざという時に船を動かせなかったら、笑い話にもなりません」

岬 明乃

「そうだね。機関科と砲雷科で修理をお願い。部品が足りなかったら、私達で買いに行くから」

柳原 麻侖

「そいつはありがてぇ。なんせ部品がなきゃ、修理なんて出来ねぇしな。でも部品扱ってる店を調べたら、良い店があったから、ヒメちゃん達で買い出し行くからいいってよ」

和住 媛萌

「そうそう!ももが居なかったときに色々とネットで調べたんだ。そしたら町の外れにある工場で扱ってたから、明日行ってくるね」

宗谷 ましろ

「いや待て、そこはさっき行ったら危険だと言ったばかりだろう。私は反対だ」

岬 明乃

「えっ、なになに?どうしたの?」

等松 美海

「あー、そっか。艦長達にはまだ伝えてませんでしたね。実は私達、待ってる間にこの町について調べてみたんです。そしたら、この町には――――」

 

晴風に残っていたみんなが言うには、この町は、

①数年前から急激に成長した町で、科学の総本山”学園都市”と呼ばれる姉妹都市として誕生した。

②しかしそれを快く思わない地元住民による反対運動があり、賛成派と意見が対立していた。

③賛成派が多数占めている居住区には開発のメスが入れられたが、反対派の居住区は未だに開発特区に任命されておらず、住民同士のいざこざが絶えない。よって町の見栄えが全く異なる。

 

岬 明乃

「それじゃあ、マロンちゃん達が必要な部品ってのは、その反対派の人達が多く住んでる工場でないと入手が出来ないと?」

和住 媛萌

「そうなの。それで私が明日、買いに行くって言っても、副長は危ないから別の手段で入手しろって」

宗谷 ましろ

「当たり前だ。乗組員の安全を守るのも私の使命だ。そう簡単にそんな危ない場所へ行かせられないからな」

柳原 麻侖

「でもよ、そうなっとあの頑固な高圧缶の機嫌が斜めのままだぜ。船が動かせねぇってのは、今とは変わらんぜい」

黒木 洋美

「なに言ってるのマロン!宗谷さんが危険だって言ってるのにっ!」

伊勢 桜良

「でもさ、その部品ってそこでしか扱ってないのよ?別のお店じゃ扱ってなかったし」

 

………ど、どうしよう。

船を動かせないのは困るし、かといって部品欲しさにみんなを危険な目に遭わせたくないっ。

私はこのどちらかの選択を強いられていた。

リスクを冒してまで部品を手に入れるか、安寧の中でただじっと耐えるのみか。

――――いや、もっと他に最善の手はないのだろうか?

リスクを背負わずに、かつ部品を安全に入手できる方法。

そしてふと、私は携帯を取り出した。

 

岬 明乃

「そうだ、ナカジマさんがいるじゃない」

宗谷 ましろ

「はぁ?誰ですか?ナカジマって」

岬 明乃

「外に出てたときに知り合った人だよ。あの人、確か機械にはすごく強いはずだから、ナカジマさんに事情を話して頼めば用意してくれるかも!」

宗谷 ましろ

「なっ、何を言ってるんですか艦長!我々の存在は隠し通すんじゃなかったんですか!?」

黒木 洋美

「そうよ!相手が何者か分からないのに、危険だわ!それに、私達のことを話しても信用なんて」

岬 明乃

「大丈夫、全部話すわけじゃないよ。知り合いの子が困ってるから少し手を貸して欲しいって言うから」

黒木 洋美

「っ、ね、ねぇ山下さん、青木さん。あなた達はどう思ってるの?そのナカジマって人。信用できる?」

山下 秀子

「うーん、とってもいい人だったよ?飛行機の説明してくれたとき、すっごく分かりやすかったし。ね?」

青木 百々

「面倒見のいい人だったっす!私は彼女のこと、信じてもいいと思うっすよ?」

黒木 洋美

「ぐっ」

岬 明乃

「シロちゃん、お願い!こっちの事情は伏せて話すから!」

宗谷 ましろ

「………話すのは別に構いません」

黒木 洋美

「ちょっ、宗谷さん!?」

宗谷 ましろ

「ですが、彼女が本当にこちらが必要な部品を揃えられる保証はあるんでしょうね?ただこちらの情報を開示して部品なんて用意できませんでしたじゃ、無駄足ですからね」

岬 明乃

「なら最初は、このリストの部品を用意できるかって聞いて、それで向こうがこっちの事情を求められたら説明でいいんじゃないかな?そうすれば下手にこっちの事情を明かさなくて済むし。それで部品がなかったら、別の方法で探せばいいよ………どうかな?」

 

うん、これが一番理想的。

今の私が出せた、精一杯の回答。

 

宗谷 ましろ

「………………分かりました。あなた自身を信じる私が信じましょう。では連絡を」

岬 明乃

「!!ありがとうシロちゃん!ヒメちゃん、そのリスト貸して!」

和住 媛萌

「は、はい」

黒木 洋美

「………」

 

クロちゃんはまだ納得してないようだったけど、渋々理解してくれたようだ。

クロちゃんだって、もともとは仲間を危険な目に遭うかもしれない状況を良しとしないから。

ヒメちゃんからリストを受け取ると、携帯電話の登録者からナカジマさんの名前を出す。

通話ボタンをプッシュすると、コール音がする。

するとすぐに電話の相手が出てくれた。

念のために誰にでも聞こえるように操作する。

 

ナカジマ

『もしもし、ナカジマです』

岬 明乃

「こんばんわ!岬です。博物館で、散々お世話になりました」

ナカジマ

『岬さん!?こんばんわ!なになに?どうしたの?こんな夜に』

 

今までの敬語から砕けたフランクになったので、少しは驚いたけど嬉しくも感じた。

これが彼女の素なのだろう。

こっちの方が親近感が持てていいと感じた。

 

岬 明乃

「はい、実は折り入って頼みたいことがありまして………お時間は大丈夫ですか?」

ナカジマ

『う、うん、大丈夫だよ』

 

焦ったような成分が含まれていることに気付く。

シロちゃんと一瞬だけ目を合わせるけど、すぐに携帯へ戻る。

 

岬 明乃

「あの、別に無理して聞いて頂かなくても」

ナカジマ

『大丈夫大丈夫!きっと何とかなるさ!それで、どうしたの?」

 

”きっと何とかなるさ!”

この言葉が気になったけど、本人が話したがらない以上、無理には聞けない。

私は本題を切り出した。

 

岬 明乃

「ナカジマさんに相談したいことがあるんです」

ナカジマ

『相談?今日出会ったばかりの私に?』

岬 明乃

「はい。ナカジマさんって機械の扱いが得意ですよね?そのことでの相談です」

ナカジマ

『ほうほう、これはお目が高い。それで、どのような品をご所望で?』

岬 明乃

「ええと、必要な部品がですね――――」

 

私は辛うじて専門用語が混じったリストの部品を読み上げた。

部品名と寸法、材質、etc………。

ナカジマさんはうんうんと相槌を打ちながら、聞いてくれた。

内心、嬉しく感じつつも、話しを続ける。

 

岬 明乃

「――――以上です。ナカジマさんの方で用意できますか?」

ナカジマ

『ふっふっふ、このナカジマを舐められちゃ困るよ。いいよ、用意するよ。でも今夜は徹夜でやらなきゃいけない事があるから、明日でも良い?』

 

先程までの元気のなさが嘘のようだった。

やっぱり自分が好きなモノの話になると、元気になれるんだね。

あれ?でもちょっと待って。

 

岬 明乃

「徹夜でやらなきゃいけない用事があるなら、無理にしなくても」

ナカジマ

『いいのいいの!好きな機械いじりが出来るんだから!」

岬 明乃

「わぁ、ありがとうございます!」

 

電話の前に居た他の子達も表情を明るくさせた。

シロちゃんとクロちゃんも穏やかになった。

 

ナカジマ

『部品が用意できたら、こっちから連絡するよ。それでいい?』

岬 明乃

「はい!お願いします!」

 

やった!

これで船の修理が出来る!

そう嬉しくて、同時に自分の最善の手が正解なんだって感じた時だった。

 

ナカジマ

『ところでさ、この部品を何に使うの?』

岬 明乃

「………えっ」

ナカジマ

『だってさ、これって自動車に使われる代物だよ。その中の一部は船舶のエンジンに使われる事もある。だからこれは何に使うのかなーって疑問を感じただけ』

岬 明乃

「あっ、えと」

 

突然に聞かれたので、すぐに口は動かない。

でも、当然の疑問だろう。

こんな夜に、今日知り合ったばかりの私から、機械の部品を用意して欲しいと頼まれたなら。

当たり前だろう。

逆の立場なら、問い詰める。

 

ナカジマ

『………なーんってね♪』

岬 明乃

「えっ?」

ナカジマ

『ワケありなんでしょ?それも、かなり切羽詰まった状態の』

岬 明乃

「!!」

ナカジマ

『分かりますよ。夜に今日出会ったばかりの私に、こんな頼み事するなんて、普通はしないでしょ?』

岬 明乃

「でも、良いんですか?私を信じて」

ナカジマ

『問題ナッシーんぐ。私が信じてるんだから良いでしょ?それに、好きな機械を扱える人に、悪い人なんていないから』

岬 明乃

「………!!」

ナカジマ

『まっ、そんな訳だから少し時間を下さいな。最高のモノを用意するからさ!!』

岬 明乃

「はい!!」

 

ピッ

通話を切ると、緊張の糸が一気に切れた。

始終見守っていたみんなも、それぞれ口々に語り始める。

………かなり、嬉しかった。

訳があって事情を説明できない私達にも、力を貸してくれる、彼女の厚意に。

 

宗谷 ましろ

「艦長」

岬 明乃

「あっ、シロちゃん」

宗谷 ましろ

「全くもう、あなたって人は。この町に来て、もう信用できる人を作るなんて、心配して損しました」

岬 明乃

「あはは、私もすごく嬉しかった。今日会ったばかりの私に、力を貸してくれるなんて、さ」

宗谷 ましろ

「でもこれで、船の修理が出来ます。艦長のおかげですよ、ありがとう」

岬 明乃

「えへへっ、シロちゃん………」

 

………今後の方針が決まったそんな中、一つ手が上がった。

機関科の駿河留奈(するがるな)ちゃんだった。

 

駿河 留奈

「はいはーい!質問なんですけどっ、明日からは具体的にはどうするの?この世界に慣れるなら、やっぱり外へ行きたいんだけど!!」

広田 空

「始まったよ。ルナってば昼間っからずっとそればっかり言ってるよ」

駿河 留奈

「だってだって!外の世界も知っておきたいんだもん!ならお出かけするのが一番でしょ!」

伊勢 桜良

「そうね、でも外も危険があると思うし………」

駿河 留奈

「なに言ってるの!せっかく異世界へやって来たんだし、スリルを味わわないともったいないよ!」

和住 媛萌

「そうだねー、せっかくだしこっちの世界じゃどんな電動工具売ってるか、見てみたいし」

杵崎 ほまれ

「食材とかも仕入れないといけないし、お外へ出ても良いよね?」

杵崎 あかね

「出掛けるのにさんせーい!美甘ちゃんも一緒に行こうよ!」

伊良子 美甘

「うん!」

 

それぞれが期待と不安を胸に抱きながら、談笑し始める。

確かに、ずっと晴風で過ごすよりも、外へお出かけする方が良いのかもしれない。

余計なストレスも抱え込まずに済むし。

あっ、でも一斉にお出かけするのはまずいから、ここは役割分担を決めて………。

 

岬 明乃

「なら、明日以降の行動を言います。皆さんは、それぞれ自由に過ごして貰っても構いませんが、さすがに全員で一斉に外へ出るわけにはいきません。なので、当番制にするのはどうかな?」

宗谷 ましろ

「なら私は晴風に残ってますよ。他の皆はクジで決めるのはどうですか?」

岬 明乃

「えー、クジは賛成だけど、シロちゃんが留守番なのは反対だよ。だって今日も晴風に残ってたじゃん」

宗谷 ましろ

「いや、そうですけどっ」

岬 明乃

「シロちゃんも少しは外へ出てっても問題ないよ。たまには、さ。休息も必要だよ。副長」

宗谷 ましろ

「!!しかし、それでは晴風が」

西崎 芽依

「はいはーい!だったら私がここに残ってるよっ。明日はちょーっと晴風に居たい気分だから」

宗谷 ましろ

「?何か大事な用事でもあるのか?」

西崎 芽依

「まぁそんなところ。ちょっと殺したい子――――じゃなかった、ボコボコにしたい子ができてねー」

 

いやいや全く直ってないよ!?

ニッコリと笑ってるけど、ちょっと怖いよ!?

 

宗谷 ましろ

「是正されていない!?いや、それよりも殺すってなに!?」

若狭 麗緒

「もー、水雷長ったら、そんな言い方したら勘違いしちゃうって。副長、彼女が言ってるのは昼間ここでネット麻雀を私達と一緒にプレイしていて、ボロ負けしちゃったんだよ。こっちが同情するくらいに」

 

そう言えばさっきの情報共有の中で、船の状況について報告する時間があったっけ。

ネットが使えるって、やっぱり色々と楽なんだろうなぁ。

 

西崎 芽依

「あっ、ちょっとレオちゃん!」

若狭 麗緒

「その相手が強くて、メイちゃんの魂に火が灯ったみたいで………」

岬 明乃

「そ、そうなんだ………ネット麻雀って、そんなに流行ってるんだ」

若狭 麗緒

「らしいよ。私も何度かメイちゃんをボコボコにした相手と戦ったんだけど、手も足も出なくてさ。確か、ハンドルネームが”のどっち”だったっけ?」

西崎 芽依

「そうそう。ふざけた名前してる割には強いってね」

宗谷 ましろ

「ネットをするにも程々にしておけよ?プレイしすぎると視力低下に繋がるからな」

岬 明乃

「ふふっ。それじゃあ、明日帰ってきたら結果見せてよ」

西崎 芽依

「オッケー!よっしゃーっ、待ってろよのどっち!この手でてめぇをぶっ殺してやー!」

宗谷 ましろ

「物騒な単語を言うな!!」

若狭 麗緒

「なら私らは、リアル麻雀でも楽しんできますか」

岬 明乃

「えっ?もしかして雀荘に行くの?」

若狭 麗緒

「違う違う。ももちゃんが貰ってきてくれたこのチラシに、麻雀大会を開くってあるから、それに参加してくるだけ」

岬 明乃

「くれぐれも気を付けてね?変な人に着いていったりしたらダメだよ?」

若狭 麗緒

「もう、子供じゃないんだから、心配いらないって。あっ、でも可愛い女の子がいたらナンパしてみよっと」

 

ウキウキしながら鼻歌を歌って、機関科のチームへ戻っていった。

………みんながそれぞれ外出するための計画や当番を決めている。

誰もが楽しそうにしていて、最初の頃に比べると、大分緊張感がなくなったようだ。

 

私は少し、この町についてもっと情報が欲しいと感じていた。

やっぱりいざという時に動けるようにしておきたいからだ。

 

宗谷 ましろ

「では今日のところはこれでお開きとする!当直の者以外は、部屋へ戻って休んでくれ」

 

そんなシロちゃんの言葉を裏に、私は教室から一言残してから出ていった。

 




えっ?
E-4じゃ全クリじゃない?いえいえ、E-7までは資材と時間が足りなかったから出来なかったんですよ………(白目

まぁ新戦力を加えての出撃も悪くありませんでした。
では感想をどうぞ。
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