仮面ライダーエグゼイド:クロスエンディング~スーパーゲーム大戦~ 作:GAP
※一部独自解釈の部分があります。
※檀正宗がリセットに失敗した世界線の話です。
※ゲームなどでコラボしていますが、SAOキャラとアクセルワールドのキャラはキリトとハルユキ以外に接点はないという設定になっています。
赤い光の乱流に巻き込まれたキリトたちと、強制的にブレインバーストへアクセスさせられたハルユキたち。2組のキャラクターたちが目を覚ました場所は、2つの世界が混ざり合った歪な世界だった。
そこに聖都から飛ばされてきたエグゼイドたちも加わったことで、ついに史上最悪のゲームが幕を開ける…
【VRMMOゲーム ALO 森林地区:夜】
誰もいない、静寂に支配された森。
その木々の間に、突如として歪みが生じ、巨大な穴が開き、何者かが飛び出してくる。
エグゼイド「うわぁぁぁぁぁぁぁ!」
それは、聖都でアベンジャーズのバグスターと闘い、ウルトロンの開いた時空のはざまに飲み込まれたエグゼイドだった。
そのまま、エグゼイドは思い切り尻を叩きつけながら地面を転がる。
エグゼイド「痛ててて…」
エグゼイドはそう呟きながら、強打した尻をさすりながら立ち上がり、辺りを見渡した。
そこは、鬱蒼と木々が生い茂る夜の森で、夜空には大きな月と、満天の星空が広がっており、明らかに先ほどまでいた聖都とは違うことが分かる。
エグゼイド「ここは一体…。どこかのゲームエリアなのか…?」
エグゼイドは状況を推察しようと少し考え込み、そして重要なことに気付く。
エグゼイド「そうだ!他のみんなは⁈」
急いで自分の周りの確認するが、暗い森の中にいるのは自分1人だけで、先ほどまで一緒にいたはずのポッピーやレーザー、ゲンム、パラド、ブレイブ、スナイプの姿はどこにも見当たらない。
エグゼイド「ポッピー!貴利矢さん!飛彩さん!大我さん!パラド!黎斗さん!」
森の中にエグゼイドの声がこだまするが、どこからも返事は聞こえない。
エグゼイド「とにかく、みんなを探さないと。話はそれからだ」
そういって森の中を歩きだそうとしたエグゼイドだが、その瞬間に大きな揺れに襲われる。
エグゼイド「こ、今度は一体何だ!」
そう叫びながら揺れに翻弄されるエグゼイドだったが、やがて大木の根元にある穴を見つけて入り、安全を確保する。
そこから数秒し、揺れが収まると、エグゼイドは穴から出て身の回りを確認し、
エグゼイド「な、なんだこれ…⁈」
と驚愕する。
まず、空が赤く染まり、先ほどまで明らかに夜だった世界は昼か夜かもわからないような歪な世界となっていた。
エグゼイド「一体何が起きているんだ…?」
そういいながら、エグゼイドは状況を確認するため、視界が聞くようになった森の中を急いで駆け抜ける。
すると、視線の先に森の出口がみえ、大きな草原地帯に出た。
やっと開けたところに出て、安心するエグゼイドだったが、そこで衝撃の世界を目撃するのだった。
【??? ギルドホーム跡地】
アスナ「みんな大丈夫!?」
赤い光の乱流が通り過ぎた後、アスナはそう言いながら立ち上がった。
そして辺りを見回して、驚愕する。
赤い光の乱流に飲み込まれる前、自分たちは確かにギルドホームで過ごしていた。
しかし、今キリトの目の前に広がっているのは見慣れたギルドホームではなく、ファンタジーの世界に荒野や廃墟が融合した、異質な景色だった。
シリカ「うぅん…」
リズ「一体何が…?」
アスナの背後で、大切な友人たちの声がする。
アスナ「リズ!シリカちゃん!」
アスナは声のした方にすぐさま近づき、友人たちの姿を見て絶句する。
友人たちの格好は、先ほどまでのALOでのものではなく、1年前に起きた、SAO時代の格好になっていた。
アスナ「そんな…何でその格好に…?」
アスナがそう言うと、シリカとリズは自分たちの格好の異変に気付き、狼狽する。
シリカ「なんでSAO時代の格好に⁈」
リズ「そういうアスナも、血盟騎士団の衣装になっちゃってるよ!」
リズの指摘に、アスナは自分の両手をあげ、その後自分の全身を確認する。
リズの言う通り、アスナの格好は先ほどまでのウンディーネの衣装ではなく、SAO時代に身にまとっていた血盟騎士団の隊服になっていた。
3人がお互いに驚愕していると、少し離れたところから3人に向かって駆け寄りながらエギルが声をかける。
エギル「お前ら無事か⁈」
アスナ「エギルさん!…やっぱりその格好!」
エギルもアスナたちと同様に、SAO時代の斧戦士の衣装となっていた。
エギル「ああ。どういう訳かは分からんが、目が覚めたらこの格好だった。ところで、キリトはどこだ?」
エギルの言葉に、アスナたち3人はあたりを見回す。
先ほどまで確かに一緒にいたはずのキリトの姿が、忽然と消えていた。
リズ「もしかして、はぐれた⁈」
シリカ「シノンさんとリーファちゃんも見当たりませんよ!」
リズとシリカの言葉に、エギルが少し考えてから答える。
エギル「どうやら、さっきの乱流で離ればなれになっちまったみたいだな」
アスナ「探さなきゃ!」
そう言って駆けだそうとしたアスナを、エギルが止める。
エギル「落ち着けアスナ!この状況じゃどこに行ったかも分からないし、何より危険だ!」
アスナ「でも!」
アスナがそう叫んだ瞬間、空に運営が大規模イベントなどの告知に使用するスクリーンが展開される。
リズ「こんな時に告知!?」
エギル「一体何が始まるってん言うんだ!?」
エギルの言葉に、その場にいた全員が身を固めたのであった。
【??? 廃墟+平原地区】
強制ログインから目覚めたハルユキことシルバークロウは、目の前の景色に絶句していた。
ファンタジックな平原に、加速世界の荒廃ステージが混ざり合っている。
まさに魔界と言っても差し支えない光景である。
クロウ「加速世界じゃ…ない…?」
クロウが呆然としていると、後ろから声がかかる。
パイル「ハル、無事かい!?」
クロウが振り返るとそこには自分の親友である黛タクムのデュエルアバター、シアンパイルが駆けてくるところだった。
クロウ「タク!」
パイル「良かった、合流できて!マスターたちやチーちゃんは一緒じゃないのかい?」
パイルの問いに、クロウは首を横に振る。
強制ログインとはいえ、全員ハルユキの自宅からダイブしたので通常の加速世界ならば一緒の場所に現れるはずだが、クロウとパイル以外のメンバーは見当たらなかった。
パイル「どうやら、いつもの加速世界とは違う場所に来てしまったみたいだね」
クロウ「ああ。こんな異常なフィールドは見たことも聞いたこともない!何が起こっているっていうんだ!!」
叫ぶクロウをたしなめるようにパイルが優しく声をかける。
パイル「とにかく、他のみんなを探そう!何があるかわからない以上、合流しなくちゃ!」
パイルの言葉にクロウがうなずき、すぐさま行動を開始しようとするが、そんな2人に横合いから声がかかる。
???「おたくらも仲間たちとはぐれちゃったクチ?」
クロウとパイルが声のした方を向くと、そこには2人が見たこともないアバターが立っていた。
全身は細身かつスタイリッシュで、胸に旧世代に流行したTVゲームのコントローラーのようなデザインの装甲がついている。
それは、聖都市でマーヴルヒーローのバグスターと闘っていた、九条貴利矢こと仮面ライダーレーザーターボの姿だった。
パイル「そうですけど、あなたは…?」
パイルの問いに、レーザーは軽やかに答える。
レーザー「自分は九条貴利矢。今の状態だと、仮面ライダーレーザーターボって名前になる。自分の住んでた街で敵と闘ってたんだが、いろいろあってこの変な世界に飛ばされたってわけ。それで、おたくらは?」
レーザーの問いに、クロウは戸惑う。ブレインバーストの世界では現実世界での襲撃を避けるために本名を隠すものだが、レーザーははっきりと自分の本名を明かしているため、ブレインバーストの世界の者ではないということが分かる。
訳の分からない世界に飛ばされ、さらに得体のしれない人物との遭遇したことで、クロウの警戒心は高まっていた。
そんなクロウの不安をよそに、親友のパイルはレーザーの質問に答える。
パイル「僕の名前はシアン・パイル。格闘ゲーム『ブレインバースト』のプレイヤーです」
クロウ「おいタク!」
パイルが答えたことに驚き、クロウが小声でたしなめようとする。
しかしパイルは落ち着いた声で、クロウを逆にたしなめる。
パイル「大丈夫だよハル。本名を名乗ったということはブレインバーストのプレイヤーじゃない。つまり、僕らのバーストポイントを奪うことが目的じゃない」
クロウ「でも、それにしたって!」
パイル「何が起きているか分からない状況なんだ、情報は多い方がいい。それに、九条さんから敵意は感じられないだろ?」
パイルがそういうと、クロウは渋々ながらも納得し、レーザーに自己紹介をする。
クロウ「僕はシルバークロウ。えっと、こっちにいるタク…じゃなかったパイルの相棒で、2人とも黒のレギオンに所属しています」
クロウの紹介に、レーザーはさらに疑問をぶつける。
レーザー「黒のレギオン?何それ?」
クロウ「僕らのプレイしているゲーム『ブレインバースト』内で結成されるチームのようなもので、大体のプレイヤーはどこかのレギオンに所属しているんです」
パイル「本来なら、僕とクロウは他のレギオンメンバーと一緒に強制的にこの世界にログインしたんですが、どうやらはぐれてしまったみたいで、これから探そうと思っていたんです」
クロウとパイルの言葉に、レーザーはうなずきながら答える。
レーザー「なるほど。つまり自分と同じってわけだ」
クロウ「九条さんも、仲間と一緒にいたんですか?」
レーザー「ああ。自分と仲間はさっきも言ったように自分の住んでる街で『バグスター』って敵と闘っていたんだが、その敵の親玉が空に穴をあけてな。それに吸い込まれて、気付いたらここにいたってわけ」
パイル「何だか、大変な目に合っていますね…」
パイルが少し同情したように言う。
レーザー「まぁな。だけど、それで救われる命があるんだから苦とは思わないけどな」
レーザーの言葉に、クロウとパイルは重みを感じる。
それは、レーザーがこれまで自分たちでは想像の付かないような、命を懸けた戦いに身を投じてきたことを肌で感じ取ったからであった。
その時、空に突如巨大なスクリーンが出現する。
レーザー「何か始まるみたいだぜ」
レーザーのその言葉に、クロウとパイルは静かに身構えた。
【??? 世界樹 玉座の間】
融合した世界の姿を見て、檀正宗の顔に笑みが浮かぶ。
あとは、自分の口からこの世界にいる全ての人間に告げるだけだ。
そう、自分を秩序とする最高のゲームの始まりを。
シロウ「さぁ、出番ですよ、正宗さん」
シロウはそう言いながら、正宗をあるモニターの前に誘導する。
正宗はモニターの前にゆっくりと立つと、大きく息を吸って、ゲームの開幕を宣言し始めた。
正宗「ブレインバースト及び、アルヴヘイム・オンラインをプレイしている諸君に告ぐ。私の名は檀正宗。今、君たちのいる世界を管理している者だ。本日をもって、ブレインバーストとアルヴヘイム・オンラインは幕を閉じ、代わりに新たなゲームがスタートとなった…。新たなゲームの名は『ヒーローズ・クロニクル』!プレイヤー1人1人がヒーローとなり、己の力で頂点を目指すゲームだ!」
空中のスクリーンを通して、正宗の言葉が異世界全土に響き渡る。
正宗「君たちには、世界樹の頂点にいるラスボス、『ラブマシーン』の討伐を目指してもらう。そのためにはまず、この世界に散らばった、仮面ライダーと呼ばれる7人のキャラを倒さねばならない」
正宗がそういうと、スクリーンの画面が切り替わり、7人の仮面ライダーの姿が映し出される。
そこには、かつて正宗が敗れ去った、CRの仮面ライダーたちの姿が映っていた。
正宗「キャラの名前はエグゼイド、ブレイブ、スナイプ、レーザー、ゲンム、パラドクス、ポッピーだ。このキャラを倒すと、それぞれのライダーから『ガシャットロフィー』というアイテムが放出され、7つ全てを集め、世界樹にたどり着くことが最初のミッションだ」
正宗がそういうと、また画面が切り替わる。
今度はウルトロンとマーヴルヒーローたちのシルエットが映し出された。
正宗「世界樹までたどり着いたなら、その前にいる門番を倒し、門にガシャットロフィーをかざすことで内部への扉が開かれる。そしてその最上階にいるラブマシーンを倒せば、晴れてゲームはクリアだ」
そこまで言うと、画面がまたも切り替わり、正宗の言葉に続いてルールの文が追加されていく。
正宗「そしてこのゲームのルールだが、まず、ログアウトは不可能。たとえゲームオーバーになっても、君たちの意識とデータはこの世界の世界樹で管理され、コンティニューはもちろん現実世界への帰還はできない。帰還する方法はただ一つ。ラブマシーンを倒し、このゲームをクリアすることだけだ。だが、あくまでも目覚めないというだけでSAOのように命を失うわけではないから安心したまえ。そしてもう一つ、先日までブレインバーストとアルヴヘイム・オンラインで起こっていた事件の被害者の意識とデータも世界樹で管理されている。それらもラブマシーンを倒せば解放されることを覚えていてくれたまえ」
そう言って、正宗は満面の笑みを浮かべながら最後の一言を口にした。
正宗「最後に、オプション面の話だが、よりゲームの臨場感を味わって貰うために、SAOサバイバーや他のゲームのアバターを持っている諸君には、一番自分を活かせるコスチュームを用意させてもらった。それと、ブレインバーストのプレイヤーの諸君はデュエルアバターを通常アバターに切り替えることができるようにしてあるので必要に応じて使い分けてくれたまえ。では、諸君の健闘を祈る」
正宗がそういうと、空中のスクリーンは消え去り、毒々しいまでに赤く染まった空が広がる。
演説を終えた正宗は、シロウやラブマシーン、ウルトロンなどその場にいた者たちに向かって高らかに宣言する。
正宗「さぁ、終わることのない、新しい世界の始まりだ!ハァーッハッハッハッハッハッハッハッ!!」
その場にいた全員が、口元に邪悪な笑みを浮かべていた。
【??? ギルドホーム跡地】
正宗の説明を聞いたアスナたちは皆絶句していた。
誰の脳裏にも、あのSAOが開始されたときの、チュートリアルを受けた時の場面が思い出されている。
シリカ「また…こんなことになるなんて…」
シリカの弱々しい声に、エギルが答える。
エギル「死ぬことはないとはいえ、ゲームオーバーになって誰もクリアできなきゃ一生この世界に閉じ込められる。くそっ!」
リズ「私たち、これからどうすれば…」
リズの言葉に、アスナが凛とした声で答える。
アスナ「決まってるわ。戦いましょう!」
アスナの力強い言葉を聞いて、3人が彼女を見つめる。
アスナ「倒すべき敵も分かっているし、何より戦わなければ何も変わらない。こんな世界に、私は負けない!」
アスナが自分の決意を口にすると、3人はフッと口元に笑みを浮かべる
エギル「そうだな。そうやって、俺たちはあの地獄を生き抜いてきたんだよな」
リズ「それに、もうあの頃のあたしたちじゃない!今は、仲間だっているし!」
シリカ「そうですよね!みんなで力を合わせれば、きっと今回だってクリアできますよ!」
3人の言葉を聞いて、アスナは力強く頷いてからから提案する。
アスナ「まずははぐれたキリトくんとしののん、それにリーファちゃんを探しましょう!」
そういうと、アスナを先頭に全員が力強く歩き出した。
【??? 廃墟+平原地区】
正宗の演説が終わった後、クロウとパイルはレーザーの方に向き直り、体を硬直させる。
あの説明が本当ならば、レーザーはゲームクリアのために倒さねばならない存在である。しかし、先ほどの一言からレーザーが命の重みと大切さを知る、心優しき戦士であることを感じ取った2人に、レーザーを倒す意志は芽生えない。
レーザー「やれやれ、檀正宗め。自分、賞金首みたいな扱いじゃないか」
そう言って首を困ったように傾げた後、レーザーは2人に視線を合わせて問いかける。
レーザー「で、どうする?おたくら自分を倒さないと、元の世界に帰れないぜ?」
レーザーの言葉に、2人は迷う。しかし、少し考えたのちに警戒を解き、
パイル「僕たちの答えは…」
クロウ「これです!」
と言って2人はデュアルアバターから通常アバターへとその姿を変えた。
その結果、クロウは小さいブタのアバターに、パイルはブリキの鎧を着た木こりの姿に変わった。
レーザー「2人とも、見た目変わりすぎだろ!」
レーザーが思わず突っ込むと、子ブタになったクロウことハルユキが答える。
ハルユキ「すみません。でも、この通常アバターで戦闘行為は行えません」
ハルユキに続いて、パイルことタクムも口を開く。
タクム「僕たちにあなたと闘う気はありません。むしろ、協力してほしいと思っています。この姿はその証明です」
ハルユキ「貴利矢さん、僕たちに力を貸してください。一緒に、このゲームをクリアしましょう!」
ハルユキとタクムの言葉を聞くと、レーザーは頭をポリポリとかいたあと、
レーザー「しょうがない。その話、乗せられてやるよ」
と言って、腰につけたゲーマドライバーからガシャットを抜いて変身を解除する。
そして、2人に近づき笑顔を見せた
貴利矢「これからよろしくな、クロウ、パイル」
ハルユキ「こちらこそ、よろしくお願いします!あ、この姿の時はハルって呼んでください。そっちが本名なので」
タクム「僕のことはタクでお願いします」
貴利矢「了解。それじゃ、さっそく行くか、ハル、タク」
ハルユキ&タクム「はい!」
そう言って、3人は歩きだした。
こうして、次元を超えて集まった戦士たちのゲームが、開幕したのであった。
疑似聖杯によって混ざり合った2つの仮想世界。
しかし、それは現実世界にも影響を及ぼし始めた!
その異変は、エグゼイドたちのいた聖都から始まり、やがて多元世界崩壊の危機へとつながっていく…。
その危機に立ち向かうのは宝生永夢に次いで天才ゲーマーと呼ばれた少女と、誇り高き竜の戦士だった!!
クロスエンディング外伝「仮面ライダーニコ&竜戦士グラファイト」、近日連載開始!