仮面ライダーエグゼイド:クロスエンディング~スーパーゲーム大戦~   作:GAP

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※仮面ライダーエグゼイドを下敷きにしたクロスオーバー小説です。
※一部独自解釈の部分があります。
※檀正宗がリセットに失敗した世界線の話です。

エグゼイドとキリト、そしてカルデアメンバーが合流していたその頃、ポッピーピポパポはあるレギオンに襲われていた。
数と容赦ない攻撃にさらされ、絶体絶命の窮地に立たされるポッピーだったが、そこに時代を超え、ある男が助けに来るのだった。


第7話

【ヒーローズクロニクル 岩場ブロック】

 

ポッピー「はぁはぁ…」

 

永夢たちと離れ離れになったポッピーは、岩に隠れながら必死に逃げていた。

檀正宗の声明を見て、永夢たちと合流しようとした矢先にこの世界のゲームプレイヤーたちに発見され、即攻撃対象となってしまったのだ。しかも、そのプレイヤーたちは何かのギルドで、1人や2人ではなく、少なく見積もっても20~30人近い人数で攻撃してくる。

 

仮面ライダーに変身しているとはいえ、ポッピーはほかのライダーたちと比べて戦闘能力は高くない為、すぐさま追い詰められてしまったのだ。

 

岩陰に身を潜め、息を整えながらポッピーはつぶやく。

 

ポッピー「永夢、貴利矢、飛彩…どこに行ったの…」

 

涙声で今にも泣き出しそうになった時、ポッピーの背後の岩が轟音とともに爆発する。

 

ポッピー「きゃぁぁぁぁぁぁ!」

 

爆発の衝撃で大きく吹き飛ばされたポッピーの体が地面にたたきつけられ、変身が解除される。何とか立ち上がろうとするポッピーだったが、そこに下卑た耳障りな声がかけられた。

 

???「逃がしませんよぉ。あなたはこのゲームをクリアするためのアイテムなんですから」

 

ポッピーが声の方へ視線を向けると、黄色いピエロのような恰好をしたプレイヤーと、彼の引き連れている大勢のプレイヤーの姿が見えた。

そして、手下と思しきプレイヤーたちはすぐさま、ポッピーの周りを取り囲む。

このピエロのようなプレイヤーは加速世界において最強とされるバーストリンカー「純色の七王」の1人で、イエロー・レディオ。そしてその取り巻きは彼が率いるレギオン「クリプト・コズミック・サーカス」の精鋭たちである。

 

何とか地面から立ち上がると、ポッピーはイエロー・レディオに向かって言う。

 

ポッピー「私を倒しても、意味なんてない!あなたたちは騙されているんだよ!」

 

イエロー・レディオ「ええ。確かに、そうかもしれませんねぇ。でも、そんなことはどうでもいいんですよ」

 

ポッピー「どうでもいいって…。あなた、何を考えているの?!」

 

ポッピーの叫びに、イエロー・レディオはおどけた調子で答える。

 

イエロー・レディオ「確かに、不可解なことが起きて我々の世界が別の世界と合体してしまったのは由々しき事態です。でも、言ってしまえばこれもゲームでしょう?ならば少しは楽しまないと損というものですよ」

 

ポッピー「ゲームって…。あなたたち、負けたら消滅しちゃうんだよ?!それでもいいの?!」

 

イエロー・レディオ「良くはないですが、我々が元いたゲーム『ブレインバースト』もそのようなルールでしたのでねぇ。対してリスクは変わりません」

 

ポッピー「そんな…」

 

イエロー・レディオの言葉に、ポッピーは絶句する。このプレイヤーは誰かのためや世界のためという理由ではなく、純粋にゲームを楽しむために自分を標的にしてきている。

その事実にポッピーは愕然とするが、イエロー・レディオは気にする様子もなくさらに言葉を浴びせる。

 

イエロー・レディオ「それに、あなた自分を悲劇のヒロインか何かだと勘違いしていませんか?」

 

ポッピー「え…」

 

イエロー・レディオ「運営を名乗る檀正宗に何の目的があるかは知りませんが、私たちからすればあなたはいきなり自分たちの世界に入り込んできた異物…つまりイレギュラーな存在なんですよ?」

 

ポッピー「私たちだって来たくて来たわけじゃない!」

 

ポッピーは言い返すが、イエロー・レディオはポッピーの意見など歯牙にもかけない。

 

イエロー・レディオ「確かにそうかもしれませんが、異物であることには変わらない。何なら侵略者と言い換えても良い。そんな人を野放しにできますか?」

 

ポッピー「それは…」

 

イエロー・レディオ「そして何より!そのすべてを知る運営サイドがあなた方を明確な敵として設定した!つまり、その時点であなた方この世界にとっての敵というだけではなく、このゲーム敵キャラ…攻略される存在になったということなんですよォ!つまり!あなたがいかに正論を述べようが、この世界にとってあなたは敵であり、悪ということに変わりはない!」

 

イエロー・レディオの言葉が、ポッピーの心の傷を抉る。

かつて、仮面ライダークロニクルが開始された際、ポッピーは永夢たちを裏切ってバグスター側についた。その結果、ただのゲームの敵キャラとなり、心無いプレイヤーたちや仲間だった飛彩や大我にすら狩られる側となってしまったのだ。

 

ただ人間と仲良くゲームで遊びたいだけなポッピーにとって、その状況は何よりもつらいものであったが、現在、その時と同じ…いや、その時以上に敵視されている。ましてや、イエロー・レディオの言う通り、自分はこの世界に突然入り込んできた異物であり、世界の敵として認識されていてもおかしくない。その事実が、ポッピーの体から力を奪っていった。

 

弱々しく地面へへたり込むポッピーに、イエロー・レディオが声をかける。

 

イエロー・レディオ「自分の立ち位置が身に染みたでしょう?さぁおとなしく私たちに倒されてください。大丈夫、我がレギオンの高火力攻撃にかかれば、痛みを感じずにゲームオーバーになれます」

 

その言葉を聞いても、ポッピーに言い返す気力は残っていない。それを肯定ととったイエロー・レディオは、すかさず手下に命じ、高火力攻撃の準備に入る。

 

様々なエフェクト音が聞こえる中、ポッピーの目から涙があふれ出した。

 

自分は、人間もバグスターも関係なく、みんなでゲームを楽しみたいだけなのに、ここまで敵視されている。その事実がポッピーの心を深く傷つけた結果だった。

 

イエロー・レディオ「さぁ、これで最後です!」

 

イエロー・レディオがそう叫んだ瞬間、ポッピーは心の中で叫んだ。

 

ポッピー(誰か…助けて!)

 

その時、ポッピーの背後から突如悲鳴が上がる。その悲鳴を上げたのは、ポッピーの背後で攻撃準備をしていたイエロー・レディオの部下3人が放ったもので、ポッピーが振り返ると、その3人は光の粒子となって消えていくところだった。

 

そして、3人がいたはずの場所には、朱色の装束に身を包んだ、1人の男…いや、武者が刀を片手に立っていた。

 

イエロー・レディオ「何者ですかあなたは!」

 

イエロー・レディオが男に声をかける。

 

???「オイか?オイの名は…」

 

武者は答えながらポッピーの前まで歩みを進め、そして仁王立ちで口を開く。

 

???「島津中務少輔豊久!薩摩ン兵子ぞ!!」

 

武者こと豊久が威風堂々と名乗ると、イエロー・レディオたちはざわつく。

 

イエロー・レディオ「島津豊久って、関ヶ原の退き口の…」

 

愕然とするイエロー・レディオだったが、当の豊久は気にする様子もなく進める。

 

豊久「そげなことはどうでもよか。こん場の大将は誰じゃ?名乗り出い」

 

豊久の言葉に、一瞬圧倒されるイエロー・レディオだったが、すぐさま調子を戻し、一歩前に出て名乗る。

 

イエロー・レディオ「お初にお目にかかります、豊久殿。わたくしがこのレギオンを率いているイエロー・レディオでございます」

 

豊久「いえろー・れでぃお?なんじゃ、けったいな格好と名前じゃのう。して、これは何ぞ?」

 

イエロー・レディオ「…は?」

 

豊久の問いに、イエロー・レディオが意味が分からないといった感じで答える。

 

豊久「女子1人によってたかって、何ばしよるかと聞いとるんじゃ!!」

 

豊久がイエロー・レディオに向かって怒鳴る。そのあまりの怒声に、イエロー・レディオ含め何人かが圧倒されるが、平静を装いながらイエロー・レディオが答える。

 

イエロー・レディオ「何をしているかって…。その女はゲームのアイテムでありこの世界の敵なんですよ?狩るのは当然じゃないですか?」

 

豊久「げえむだのなんだのは知らん!いかな理由があろうとも、女子1人をよってたかって嬲り者にして、お前ら恥ずかしくないんか⁉そいでも男か⁉」

 

イエロー・レディオ「あのね、豊久殿。これはゲーム、遊びなんです。この女を倒さなければ、我々の世界は救われないんですよ。あなたはいきなり自分の土地に知らない者が攻め込んできたらどうしますか?倒すでしょう?それと同じなんですよ」

 

イエロー・レディオが言い終わると、その場に沈黙が訪れる。

成り行きで命拾いしたポッピーがその様子を見守っていると、豊久が口を開く。

 

豊久「よく分かった」

 

その言葉に、ポッピーは再び絶望する。この人も私を敵視する。そしてイエロー・レディオと共に私を狩るのだろうと。

しかし、次に豊久の口から出てきたのは、全く予想だにしない答えだった。

 

豊久「ぬしゃが将器にあらぬことと、ここに集まった連中が皆、糞だということが。ぬしゃら全員…」

 

言いながら豊久がゆっくりと刀を持ち上げ、肩に構えていく。そして、

 

豊久「根切りじゃ。なで斬りじゃ。1人も生かさん」

 

そう言った瞬間、豊久は一足飛びにイエロー・レディオに斬りかかる。

 

イエロー・レディオ「くっ」

 

とっさに近くにいた2人の手下を盾にし、難を逃れるイエロー・レディオだったが、豊久はその2人を一刀のもとに叩き斬った。

 

豊久「味方を盾にするとは、ぬしゃ芯まで腐っとるのう」

 

そういうと、豊久は再び、刀を肩に構える。

 

イエロー・レディオ「な、なにしてる!早くやつを倒せ!」

 

イエロー・レディオが手下に命令するが、その瞬間、豊久の口から巨大な雄叫びが響く。

 

豊久「オオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオ!!!!!」

 

そしてそのまま、豊久は敵の密集しているところへと切り込み、

 

豊久「チェストォォォォォォ!」

 

という声とともに1人2人と切り捨てていく。黄のレギオンのメンバーも必死で応戦するが、みんな豊久の気迫と鬼気迫る強さに圧倒され、あっという間に切られていく。そして、全員が豊久に切られ、残るはイエロー・レディオのみとなった。

 

イエロー・レディオ「こうなれば…!」

 

イエロー・レディオが自分の必殺である幻惑攻撃を繰り出す。しかし、豊久はそんなもの意に介さず、一目散にイエロー・レディオに突撃し、

 

豊久「遅い。そして、オイにまやかしは効かんど」

 

その言葉と共に、イエロー・レディオの首を跳ね飛ばした。

 

イエロー・レディオ「ひぎゃあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!」

 

首から情けない断末魔を上げ、イエロー・レディオの体が光の粒子となり、消えていった。

 

豊久「フン!さてと…」

 

豊久そういいながら刀を鞘にしまい、呆気にとられるポッピーに近づく。

 

豊久「大事ないか?」

 

手を差し伸べられながらそう声をかけられると、ポッピーは正気に立ち戻り、すぐに答えた。

 

ポッピー「えと…大丈夫。助けてくれてありがとう。豊久…さん?」

 

豊久「さんは付けんでよか」

 

ポッピー「そっか。それじゃトヨちゃんだね」

 

ポッピーは言いながら豊久の手を取り、その力を借りて立ち上がる。

 

豊久「そんでおんし、名はなんという?」

 

ポッピー「ポッピーピポパポだよ!」

 

豊久「ぽ、ぽっぴぃ…?この世界はけったいな名前のやつが多いんじゃのう。呼びにくいからぽぴと呼ぶぞ」

 

ポッピー「ちょっと不満はあるけど、助けてもらったからそれでいいよ。それで、トヨちゃんはどこから来たの?やっぱり関ヶ原?」

 

ポッピーの問いに、豊久は首を振ってから答える。

 

豊久「いや、オイは関ヶ原の捨てがまりのあと変な扉ば潜って変なオッサンに会ってな。気が付いたら全く知らん土地に出ちょった。そんで、そこで織田信長とか那須与一と一緒に国盗りばして、ヴェルリナってとこで戦ン準備ばしちょったら変な光に当たって、気が付いたらここにいた」

 

ポッピー「な、なんだか色々とんでもない目に遭ってるんだね…」

 

ポッピーがそういうと、豊久は不敵に笑いながら答える。

 

豊久「どんな世界でも、薩摩兵子ならやっことは1つ。戦で首を上げることじゃ」

 

ポッピー「あははは…ところでトヨちゃん、どうして私を助けたの?さっきのやつの言う通り、私、この世界の悪者だよ?」

 

ポッピーの問いに、豊久は迷いもなく答える。

 

豊久「どんな理由があろうが、女1人を男が寄ってたかって嬲り者にするなんぞ、男ンするとじゃなか。それに、戦場での女首は恥じゃ。武士ならそんなこつはせん。それに…」

 

ポッピー「それに?」

 

豊久「おんしは敵になりとうてなっちゅうわけじゃなかろう?だったら堂々としてればエエ。自分の思うように、飛っ跳べのがよか」

 

豊久の言葉に、ポッピーの心が救われる。たとえ、檀正宗が何を言おうと自分の道を歩んでいけば良い。改めて心にそう決意する。

 

ポッピー「ありがとう。トヨちゃんのおかげで、元気が出たよ」

 

ポッピーが感謝すると、豊久が怪訝な顔をする。

 

豊久「おいはなんもしとらんど。大体、戦に正も悪もなか。ただ、意地や義がぶつかり合うだけよ。だからこそ、己の道だけはしっかり決めとかなきゃいかんがじゃ」

 

ポッピー「そうだね…。それで、これからどうするの?」

 

ポッピーの問いに、豊久は少し考えた後、

 

豊久「おそらく、オイの仲間のノブや与一も来とるはずじゃ。奴らを探す」

 

ポッピー「私も仲間とはぐれて探そうと思っていたから一緒に探そうよ!もしかしたらトヨちゃんの仲間と一緒かもしれないし!」

 

豊久「オイは別に構わんど。ほんなら行くかぽぴ!」

 

ポッピー「うん!よろしくね、トヨちゃん!」

 

そういうと、2人は並んで歩き始めた。

 

その頃、別の世界にある扉の並んだ廊下のような部屋では、眼鏡をかけた中年の男が、新聞を片手に渋い顔をしていた。

 

その見出しには、「島津豊久、別の世界へと乱入!いきなり大将首を獲る大手柄!」とある。

 

中年の男、紫はそれを見ながら1人つぶやく。

 

紫「やれやれ、『あの男のゲーム』に我々も巻き込まれてしまったか。だが、まぁ…それもいいだろう。その世界のことも、大いに回せ、漂流者(ドリフターズ)たちよ…」

 

そういって、紫は新聞を閉じた。

 

そして、ここからヒーローズクロニクルはさらに加速していくことになるのだった。

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