仮面ライダーエグゼイド:クロスエンディング~スーパーゲーム大戦~   作:GAP

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※仮面ライダーエグゼイドを下敷きにしたクロスオーバー小説です。
※一部独自解釈の部分があります。
※檀正宗がリセットに失敗した世界線の話です。
※パラドクスの能力を一部改変してます。

相棒の永夢とはぐれたパラドは、仮面ライダーパラドクスとして自分を襲ってきた相手を次々と倒しながら、永夢を探していた。そんな戦いを続けるパラドの元に、ある少年が現れる。それは、かつて源平合戦で名をはせた、伝説の弓手だった!ゲームの天才と弓の天才が、ここにぶつかる!


第9話

【ヒーローズクロニクル 遺跡ブロック】

 

朽ち果てて野ざらしになった古代の城跡に、ALO、ブレインバーストのプレイヤー複数人が集まり、戦闘を開始していた。

相手は言わずもがな、運営である檀正宗が敵として発表した仮面ライダーである。

ALO、ブレインバーストのプレイヤーは総勢で20人ほど集まっているが、仮面ライダー側は1人。普通に見れば仮面ライダーが不利であるはずだが、この戦闘では違う。

押しているのは仮面ライダーで、ブレインバーストとALOプレイヤーが逆に圧倒されていたのである。

 

「くそっ!なんなんだアイツ!」

 

「そんじょそこらのプレイヤーとは違うぞ!」

 

ALOプレイヤーがそう毒づいた瞬間、

 

パラドクス「隙ありだ!」

 

と言って仮面ライダーパラドクスパーフェクトノックアウトゲーマーがパラブレイガンで2人を狙撃し、ゲームオーバーにした。

パラドクスはそのままパラブレイガンを肩に担ぎ、自分を取り囲むプレイヤーを見渡しながら言う。

 

パラド「お前ら、この程度で俺にゲームを挑んできたのか?話にならないな」

 

パラドのその言葉に、ALOとブレインバースト、それぞれのリーダー格の男が叫ぶ。

 

「あんな奴になめられてたまるか!」

 

「一斉攻撃で仕留めるぞ!」

 

その一声で、周りのプレイヤーたちが大技の準備に入る。

 

しかし、パラドクスは特に慌てる様子もなく、

 

パラドクス「こっちも早く永夢を探さなきゃいけないからな。付き合ってる暇はない」

 

と言って右手を空中に掲げる。

すると、空中に複数のエナジーアイテムがまるでパズルゲームのように展開され、パラドクスの右手の動きと共に場所が入れ替わっていく。

 

パラドクス「こいつで行くか!」

 

パラドクスはそう言うと右手を空中にタッチするかのように揺らし、3つのエナジーアイテムを自分の体に吸収した。

 

『高速化!』『高速化!』『マッスル化!』

 

という音声が鳴り終わった瞬間、パラドクスは超高速で移動し、大技の準備に入っていたプレイヤーたちをなぎ倒していく。

そして、プレイヤーたちを吹っ飛ばして一か所に集めると、

 

パラドクス「これで止めだ!」

 

と叫び、パラブレイガンにゲーマードライバーに刺してあったガシャットを装填した。

 

『キメ技!パーフェクト!クリティカルストライク!』

 

パラブレイガンからその音声が響いた瞬間、高出力のビームが放たれ、集められていたプレイヤーたちに直撃する。

 

「うわぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!」

 

という断末魔と共にプレイヤーたちはゲームオーバーとなり、光の粒子になって消えていった。

 

パラドクス「全く、俺の邪魔をするからだぜ」

 

つまらなそうにそう言うと、パラドクスはその場を後にしようと踵を返した。

 

パラドこと仮面ライダーパラドクスは、他の仮面ライダーやプレイヤーと同様に、この世界へ飛ばされた直後にあの檀正宗の放送を聞き、すぐさま永夢と合流、正確には融合するべく自分の体をウイルス化しようとしたが、なぜかうまくいかず、同時に複数のブレインバーストやALOのプレイヤーたちに襲われ、仮面ライダー状態のまま戦いを続けており、すでに10組近いプレイヤー集団を倒していた。

その中には各ゲームで幾分か名の通ったプレイヤーもいたが、永夢の中にある天才ゲーマーMの人格そのものであり、天才的なゲームセンスを持つパラドにとっては取るに足らない実力で、集団で襲ってきたとしても苦戦することもなくここまで来たのであった。

 

遺跡を出て、とりあえず街へ向かおうとしたパラドクスに、物陰から拍手と声が送られる。

 

???「いやはや、御手前御見事」

 

パラドクスが声のした方に顔を向けると、弓を手にし、長髪を後ろで束ねた美少年が遺跡の壁に寄りかかっていた。

パラドクスと目の遭った少年は、壁から背を話してパラドクスに近づいてくる。

 

???「先ほどから見させていただいておりましたが、天性の勘と変則的な動き、そして妖術に似た技と、楽しませていただきました」

 

パラドクス「何だお前?プレイヤーか?」

 

怪訝な反応をするパラドクスに、少年は笑みを浮かべながら答える。

 

???「あなたのいう『ぷれいやあ』というものは分かりませんが、元いた世界では『漂流者(ドリフ)』と呼ばれていました」

 

パラドクス「ドリフ?それがお前の名前か?」

 

???「いえ、それは我らのようなものの総称を成す呼び名。私の名は与一…那須資隆与一でございます」

 

そう言うと、少年こと与一はゆるく持っていた弓を持ち直す。

 

パラドクス「ふーん、与一か。それで、お前も俺に遊んでほしいのか?」

 

パラドクスの問いを聞いて、与一の顔に不敵な笑みが浮かぶ。

 

与一「ご明察。是非とも言ってお手合わせ願いたい」

 

その言葉に、パラドクスはため息をつきながら、

 

パラドクス「どうせ断っても仕掛けてくるんだろ?だったらさっさと片付けてやる」

 

と言って手にしたパラブレイガンを構えた。その姿を見て、与一は笑みを浮かべたまま、

 

与一「お手間を取らせて申し訳ない。最初に言っておきますが、私は先ほどの連中とは一味…違いますよ?」

 

と言って神速の速さでパラドクスに矢を放った。

 

パラドクス「くっ!」

 

与一の神業ともいえる早射ちを、パラドクスはかろうじてパラブレイガンで弾く。

 

しかし、その一瞬の隙をついて与一はパラドクスから適度な距離を取り、矢を神速ともいえる速さで連射してきた。

 

パラドクス「速いが全部見切れるぜ!」

 

そういってパラドクスはパラブレイガンをアックスモードにし、矢を薙ぎ払いながら与一との距離を詰めていく。

そしてアックスの間合いに入ると、

 

パラドクス「もらった!」

 

といって与一の脳天めがけて思い切りパラブレイガンを振り下ろした。

しかし、与一はその一撃をヒラリとかわして宙に舞い上がり、

 

与一「連射でダメなら、これでどうでしょう?」

 

と言って思い切り弓を引き絞った矢をパラドクスに向かって放つ。

 

パラドクス「弓矢程度じゃこの体に傷なんてつかな…」

 

そこまで言ったパラドクスの胸に、与一の放った矢が突き刺さる。

 

パラドクス「なに!?」

 

予想外の事態にパラドクスが狼狽すると、

 

与一「隙あり、です」

 

といって与一の矢が次々とと飛んできて、パラドクスの体に突き刺さった。

 

パラドクス「ぐああっ!」

 

矢によるダメージにより、パラドクスが膝をつく。そのパラドクスを見ながら、与一は得意げに語る。

 

与一「確かにあなたの体は硬い…。私の知るどんな鎧よりもね。しかし、こうして力を調節すれば…」

 

そういって、与一は再び弓に矢をつがえ、思い切り引き絞ってからパラドクスに向かって放つ。

すると、パラドクスの胸にその矢が深く突き刺さり、それを見た与一が続けた。

 

与一「その体を貫くことも可能です。最も、私もここまでの威力とは思いませんでしたが、この世界にきて何かの力が働いているようですね」

 

そう言い終わると同時に、再び与一の連射が始まった。先ほどと比べ、若干速度は劣るものの、威力は段違いに上がっており、与一の技量の高さを思い知らされる。

 

パラドクス「くそっ!」

 

パラドクスはそういいながら地面を転がって連射を避け、体に刺さった矢を無理やり抜いていく。そして、

 

パラドクス「こいつならどうだ!」

 

と言って手早く空中にエナジーアイテムを展開し、右手を素早く動かしていく。そして先ほどの集団戦同様、3つのエナジーアイテムを体に取り込んだ。

 

『鋼鉄化!』『鋼鉄化!』『鋼鉄化!』

 

その音声が鳴るとパラドクスの体が一瞬銀色に変わり、防御力が増す。

先ほどまで当たり前のように突き刺さっていた与一の矢は、もう刺さらなくなっていた。

 

パラドクス「もう矢は効かないぜ!」

 

そう叫ぶと、パラドクスはゲーマードライバーに刺さっているガシャットギアデュアルのダイヤルを回す。

 

『ノックアウト!ファイター!』

 

という音声がガシャットから響くと、パラドクスの腕に巨大なボクシンググローブのようなものが装着される。

 

パラドクス「格闘戦で勝負をつけてやる!」

 

パラドクスはそう言って与一との間合いを一気に詰めて、両手でパンチを打ち出していく。

しかし、与一はそのパンチをすべて見切り、こともなげに避けていった。その様子は、さながら舞を舞っているかのようである。

 

与一「中々の速度と手数ですが、動きが荒いですね」

 

パラドクス「うるさい!こうして近づいていれば、お前も弓は使えないだろ!あとはスタミナ勝負だ!」

 

ゲーマーであり、自らもゲームキャラであるパラドクスらしい戦法だった。しかし、与一はパラドクスの言葉を聞いてフッと笑みをこぼす。

 

与一「ほう…。確かに、矢を放つことはできませんが…」

 

そう言うと、与一は一度足を止めてパラドクスの正面に立ち、動きを止める。

 

パラドクス「もらったぜ!」

 

そういって、パラドクスは渾身のコンビネーションを与一に向かって放つ。しかし、与一は弓を両手で持ち、自分の正面まで持ってくると回転させ、パラドクスのコンビネーションを弾いた。

 

パラドクス「なっ…!?」

 

パラドクスが大きく体勢を崩す。その隙を見逃さず、与一は宙に高く舞い上がるとパラドクスの頭上を通って背後に立ち、弓矢を使って後ろからパラドクスの首を裸締めのように締め上げた。

 

パラドクス「くそっ!放せよ!」

 

パラドクスが与一の締め技を解こうと体を動かすが、与一は両足で地面を蹴るとそのまま足をパラドクスの胴体に絡みつかせ、背中から地面に倒れこむ。

完全に寝技を決めた与一が、パラドクスの耳元でささやく。

 

与一「あなたは弓の特性をよく知っているようですが、それはあくまで表面上のもの…。真の弓術とは、こうしていかなる局面にも対応できるのですよ」

 

言い終わると、与一はさらに腕の力を込めて、パラドクスの首を締める。

 

パラドクス「ぐうぅぅっ!」

 

低くうめき声をあげるパラドクスに、与一は耳元で降伏勧告を告げた。

 

与一「このまま降参すれば、命までは取りませんよ?」

 

その言葉に、パラドクスは反論する。

 

パラドクス「悪いが…俺は永夢以外のやつに…負ける気はないんでな!」

 

その瞬間、パラドクスは左手を動かしてガシャットギアデュアルのダイヤルを回し、もう一つの能力を発動する。

 

『パーフェクトパズル!』

 

という音声と共に両手のグローブが消え、パラドクスは先ほどよりも手早く右手を動かしてエナジーアイテムをそろえると、すぐさま自分の体に取り込んだ。

 

『マッスル化!』『マッスル化!』『マッスル化!』

 

という音声と共に、パラドクスの筋力が上がり、

 

パラドクス「うおりゃあ!」

 

という声と共に与一を力づくで引きはがすと、すぐさま立ち上がって息を整える。しかし、与一は間髪入れずにパラドクスに迫り、

 

与一「とった!」

 

と言って超至近距離から弓を発射しようとする。しかし、パラドクスはすぐさまガシャットギアデュアルのダイヤルをノックアウトファイターに合わせ、

 

パラドクス「こっちのセリフだ!」

 

と言って、再びグローブを付けた右の拳で与一の体を打ち抜いた。

 

与一「ぐふっ!」

 

与一はうめき声をあげ吹っ飛ばされるが、空中で体勢を整え、地面に激突することなく着地する。

 

与一「ふふっ…。中々楽しませてくれますね…」

 

パラドクス「そっちもな。永夢以外でこんなに遊べる奴は久しぶりだ」

 

パラドクスは笑いながら言う。すると、与一の体にまとっていた気の質が変わった。

 

与一「あなたになら、本気を出してもよさそうだ…」

 

その一言の後、与一の全身から禍々しい殺気がほとばしる。

そのあまりの凄まじさに、パラドクスが警戒を強めたその時、

 

???「やめい!!」

 

という声が2人の横から聞こえてきた。パラドクスと与一がそちらに目を向けると、長髪を後ろに流し、眼帯をしたいかにも邪悪そうな男がこちらに歩いてくるところだった。

 

???「与一、本来の目的を忘れるでない!」

 

男は与一に向かってそう言うと、パラドクスの方を向き、声をかける。

 

???「すまんのぉ。パラドクスとか言ったか?ウチのもんはどうも加減というものを知らなくてな」

 

男の言葉を聞いて、パラドクスが当然すぎる言葉を投げかける。

 

パラドクス「お前誰だ?」

 

???「俺か?俺は織田…織田前右府信長。第六天魔王とは俺のことよ」

 

パラドクスの問いに、邪悪な男こと信長は不敵に笑う。与一の名は知らなかったパラドクスであるが、この男の名は知っていた。天才ゲーマーMとして永夢の中にいたころやった歴史のゲーム、特に戦国時代を舞台にしたゲームには必ず出てきたからだ。

 

パラドクス「…お前も、ゲームのキャラなのか?」

 

パラドクスの問いに、信長が不敵に答える。

 

信長「お前の言う『げえむ』とやらが何かは知らんが、俺は俺よ。それ以上でも、以下でもない」

 

信長の答えに、パラドクスは目の前にいるこの男がゲームのキャラではないと確認する。ゲームのキャラならば、自分がしっかりとゲームの中にある存在であることを認識しているはずなのだが、この男にはそれがない。

そして何より、ゲームのキャラとは思えないほどの気迫と野心が感じられた。

そこまで考えたパラドクスに、信長が来やすい感じで声をかける。

 

信長「それでなぁパラドクス。お主、俺らと組まないか?」

 

パラドクス「…は?」

 

信長の唐突すぎる誘いに、パラドクスが呆気にとられる。

すると信長は、セールスマンのような口調でパラドクスに話をした。

 

信長「いやいや、君タチってほら、狙われる立場じゃーん?それに、仲間とも離れ離れだし、このまま1人で行動すると危ないし、俺たちが護衛役としてお主についていくってわけ。その代わり、こっちのことにもちょーっと協力してもらいたいんだけど?」

 

パラドクス「協力ってなんだよ?」

 

パラドクスの問いに、信長は邪悪な笑みを浮かべながら答える。

 

信長「この国を盗る。あの頂点から全てを見渡しているような気になっている檀正宗とかいうやつを地べたに這いつくばらせて、その後釜に俺たちが座るのよ!」

 

信長の放った言葉に、パラドクスの心が躍る。

つまり、この男はこのゲームの世界で、壮大なシミュレーションゲームをやろうとしているのである。ゲーマー気質のパラドの胸が熱くならないわけがない。

 

信長「無論、道中でお主らの仲間は探して集めるし、最終的にあの檀正宗を倒して国を盗ったときには、おぬしらを元の世界に返すこともできよう。それに、お主も、その仲間もどの道奴を倒そうとしているのであろう?ならば味方は多いに越したことはない」

 

信長の話に、与一が続く。

 

与一「決して悪い話ではないと思いますが?いかがしますか?」

 

その問いに、パラドクスは敵意を解いたことを示すため、変身を解きながら答える。

 

パラド「いいぜ。その話、乗っかってやるよ。ただし、俺の仲間の永夢を探してからだ」

 

信長「それはもちろん。俺らも仮面ライダーは1人でも多く戦力に加えたい。それと同時に、俺たちの御大将も探して引き入れる」

 

パラド「お前が大将じゃないのか?」

 

パラドの問いに、信長は一瞬寂しそうな顔をした後、ニヤリと笑って、

 

信長「俺はあくまでも軍師。影ですべてを動かすのが好きなのよ!」

 

と声高に言った。それを聞き終えると、与一が2人に声をかける。

 

与一「この先に街があります。まずはそこを目指しましょう」

 

パラド「ああ。心が躍るな!」

 

パラドはそう言うと、信長と与一と共に街を目指して歩き始めた。

異世界となったゲームの世界で、『国盗り』という新たなゲームが開幕する。

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