戦艦、不知火は結く   作:pqrsman

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小話

「まあ、俺たちは不知火、お前が旗艦に相応しくないとは思っていねえぜ?」

 

 

愉快な妹だな・・・というか、実力を示せば文句はねえよ。ここにいる奴らは戦争に終止符を打つために理由は様々なれど真剣に志願した奴らだ。

 

私情を公の場に持ち込むのは兵士じゃあねえ。その代わりと言ったらなんだが、任務の時以外はとても退廃的に過ごす奴が多いが・・・

 

だから、俺と龍田は不知火、お前を見極めさせてもらうぜ。情に流されない人間かどうかをな。

 

「そうだったのですか・・・ならばよかったです。」

 

「にしても、俺たち第一艦隊はそんな温い考えじゃあねえと思うんだが・・・基本上官の決めたことには逆らわねえ。そうだろ、龍田?」

 

「ええ、そうね~基本的には、ね。でも皆がみんな、兵士として生きることをしっかりと理解しているわけではないのよ~」

 

「確かに。那珂などがいい例ですかね・・・」

 

「那珂か・・・あいつはすげえな。オフの時にも自己鍛錬を怠らない努力の塊だ。あいつの場合、元気を作りファンに与えることに凡てを捧げることが生活の一部になっているんだ。ある意味アイドルっていうのは兵士と似ているんだろーよ。」

 

「そうね~今のアイドルって人気を得るために中身のない発言や安い笑顔が目立って叩かれているものね~あれは見ていて不憫だわ・・・だって、仕向けたのは消費者自身なんだから。」

 

「ふむ、そうなのですか?不知火は芸能に疎いのでいまいち掴めませんね・・・」

 

「まあ、ワタシたちも鎮守府に殆どの時間いるわけだから、定かじゃないけどね~」

 

「それでだ。不知火。お前、こんなとこで油売っていていいのか?ほかのやつらの説得があるんじゃねえか?」

 

「っ!分かっていたのですか・・・ではお言葉に甘えて。」

 

「よせやい。お前は甘えるタマじゃあねえだろーよ。」

 

「ふふっ。有り難うございます。では。」

 

 

そして不知火は一目散に駆けていった。随分、俺様も焼きが回ったかもな・・・

 

 

「天龍ちゃん、どうしたの~?初対面の子とあんな仲良く話せるなんて珍しいわね~?」

 

 

やっぱ、突っかかってくるよな・・・なんたって俺様の妹だからな!

 

 

「なんとなく気が合っただけだ。しかもなんか初めて会った気はしねえんだよな・・・」

 

「なんか会話に入ってくるタイミングとかも心得ていた感じがするわね~」

 

 

不思議なこともあるもんだな・・・まっそのうち違和感のわけも分かるだろ!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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食堂にて

 

 

不知火は天龍と龍田の態度に驚きながら間宮さんに第一艦隊の艦娘たちが来ていないかを聞いていた。

 

 

「間宮、第一艦隊の艦娘を見ませんでしたか?」

 

「う~ん、赤城さんはそこにいるけどほかの子たちは見ていないわ。ごめんね、不知火ちゃん。」

 

「いえ、赤城に用はありませんので。どうしましょうかね?」

 

 

不知火は横にいる間宮アイスを頬張る、むしろアイスに食べられてしまうかもしれない錯覚を抱かせる正規空母を横目で見ながら言った。

 

それに気づいたのか、せいきくうぼは若干寂しそうにしながらやけ食いのようにアイスを掻き込み始めた。

 

そのやり取りを見て微笑ましくなる間宮は緩んだ口元を隠すのに必死になりながら不知火の憂いに反応を返す。

 

 

「っ!不知火ちゃんは何がっ心配なの・・・?」

 

「震えたりしてどうしたのですか?まあ、いいですが・・・不知火が心配なのは司令官の信頼を裏切ってしまうかもしれないということです。」

 

「どういう形で?」

 

 

テンポよく合いの手を返してくれる間宮に無意識でほっとした不知火はぽろぽろと言葉を紡ぎだした。

 

 

「不知火は第一艦隊の旗艦を任されました。それ自体は嬉しいのですが、第一艦隊の皆さんが司令官の采配に納得するかはまた別問題ですね・・・」

 

「そうなのですか・・・まあ、そんなに考える必要もないと思うわよ。実力を示せば何も言われなくなるわ。」

 

「成程。天龍や龍田と同じ考えですね。」

 

「にしても、強くなりたいものです・・・誰も失わないくらいに。」

 

「だけど、願った時点でそれは叶っているものなのよ~」

 

「そういうものですか・・・難しいですね。」

 

 

こんな風に、間宮との複雑な不可解なお話は終わりました。

 

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