戦艦、不知火は結く 作:pqrsman
放送が乱れております。このまま少しお待ちください。あっ、P、どうしたのですか?
えっ?私がアイドルデビュー!?喜んで!
辞退させていただきますよ。
予告通りの提督視点だぞゴラァ!つ
私は高巳博。単冠鎮守府の提督をしていた。過去形であるところの疑問にはこう応えよう。
私の最愛の秘書艦である不知火が轟沈してしまったとの知らせを聞き、途方に暮れていた。
「提督!多数の国籍不明の艦が単冠鎮守府に接近中です!」
なんと、いや・・・やはりというべきか深海棲艦の大群が我が鎮守府に攻め込んできてしまった。
「くそっ・・・直ちに全艦娘に敵の侵入を防ぎ防衛前線の死守を急がせろ!」
「はい、了解しました!」
敵は悲しむ暇すらも与えてくれないとは運命は試練を続けざまに与える様だ。
そこで私と艦娘たちは精一杯の抵抗をしたために一時的にだが敵勢力を押し返すことが出来た。
「提督、今すぐ私の後ろに退避して下さい!」
その言葉が聞き取れたかどうかも怪しい瞬き一回にも満たないう間に敵艦の砲撃が司令室に直撃した。
しかし、大淀が身を挺して私を守ってくれたため被害は精々片腕一本だけで済んだ。
「ひっ・・・提督の腕・・・だ、大丈夫ですか?」
「ううっ・・・とても痛いが問題はそこではないっ・・・指示を迅速にしなければ・・・」
そこからは奮戦した。怪我も構わず足りない頭を酷使して指示を出し続けた。
肩部の痛みを和らげ誤魔化すために脳内麻薬が分泌されたのが功を奏したのか驚くほど冷静かつ的確な指示だったと思う。
「提督、敵勢力の交代が確認されました!我々の勝利です!」
そして、出血の影響でか曖昧な記憶になっているが断片として残っていることは遂に侵攻を喰い止められたということだ。
薄れゆく意識の中で私は不知火のことを思い出していた。はて、彼女は元気に”上”でやっているだろうか・・・
「提督?大丈夫ですか!?メディックを早く・・・長門さん、早急に医療に明るい人を連れてきてください!」
「ああ、分かった!提督よ死ぬなよ!祝勝会をまだやっていないのだからな・・・」
長門が俺に何かを叫んだようだが聞き取れない。いや、それ以前に何だこの静けさは・・・
なぜか耳鳴りまで聞こえてきたぞ・・・どうなっているんだ、俺の体は・・・
「大淀、医者を連れてきた!提督の容態は?」
「先程から上の空で、目の焦点が合っていません・・・」
「何だと!?おい、医者!提督は死んだりしないよな?」
「ですが・・・このおびただしい血の量を見るともう・・・」
「っ!頼む。私たちの提督を助けてくれ・・・」
まあ、仕方ない。報いなんだ。これは俺に対する報いなんだ。
大本営の指示とはいえど後ろめたいことをやってきた私は”下”に逝くのではないだろうか。
まあ、不知火のいる深海に行けるなら本望か・・・
有り難う、不知火、吹雪、長門、陸奥、赤城、加賀、艦娘たちよ。
如いては彼女たちに出会わせてくれた大本営に感謝を。
別に、死ぬことは怖いことではない。不要と切に願えど再び繰り返される戦争の一幕に過ぎないのだ。
彼女を愛す心も、ぞんざいに扱えば今際の子孫繁栄の昂ぶりに他ならない。
しかし、私は輪廻の終焉にまで立ち会うと決めた。
彼女の遺伝子を欲しているのか、遺伝子が彼女を欲しているのかを見極めるために。
ーーーそして高見博は生涯を終えた。
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そして彼は再び目を開けた。
「てーとく!聞いているんですか?もうっ、しっかりして下さいよ・・・」
大淀の声が司令室に木霊する。その声にようやく彼は意識を覚醒させた。
「今日は建造のご予定があるじゃないですか・・・早く行きますよ~」
彼はよたよたとしながら大淀の後に付いていく。
「約束通り来ましたよ。夕張さん。今回は建造がうまくいくといいですね~」
「どうも、大淀さん、提督。早速建造を行いましょう。」
「ああ、妖精さん頼むぞ。」
『りょうかいです。ていとくさん。しざいはどうしますか?』
「うむ、戦艦用のレシピを回して貰えるか?」
「なっ!てーとく、そんな資材の余裕は・・・」
「いいじゃないか、長門型を揃えたいんだ。」
「はぁ・・・わかりましたよ。ただし、遠征の人たちに無理させるのはいけませんからね!」
「分かっているよ。じゃあ、妖精さん頼むぞ。」
『は~い』
危なっかしい動作で資材をドッグに投入しかき混ぜる妖精さん。
その動作が数回繰り返された後に表示されたのは五時間という一日の約四分の一であり長門型の建造が確実とされる時間だった。
それに気を良くしたのか彼は若干のしたり顔を連れて秘書艦に声を掛ける。
「よし、執務に戻るぞ、大淀。夕張、手間を取らせた。」
「はっ、はい!あの、てーとくドヤ顔は気持ち悪いので止めて下さい。不愉快です。」
「そんなに言われるとは凹む・・・」
言動とは別に全く堪えていないような顔で彼は頭を下げる夕張を一瞥し踵を返した。
そのあと、二人は執務室で書類の束に仲良く忙殺された。
そうして、執務や任務、遠征、出撃などーときには駆逐艦の相手もあったーをこなすうちに五時間近くが経った頃、彼は椅子を離れた。
「工廠に行ってくる。その間ここは任せたぞ、大淀。」
「はい、てーとく。任されました。お気をつけて」
長い廊下を抜け、木々の多い広場を抜け居酒屋・鳳翔や甘味処・間宮の前を素通りして彼は工廠へとゆったりとした足取りで向かう。
まるで何かを懐かしむかのように穏やかな微笑をたたえたまま。
そうして彼は五時間きっかり経った後、合図となる白煙の向こうに長門型三番艦、”戦艦”不知火の姿を見た。
「君が戦艦・不知火だね?」
最終回のようなノリですねえ~
安心して下さい。次回作書いてますよ!
よっしゃ!三日間続いた。これで勝つる(フラグ)
俺、この小説を書き終わったら不知火と結婚するんだ!(フラグ)
よし、一杯やるか。(フラグ)
感想や評価など楽しみにしてお待ちしてます。