【東方】<八雲梗>【九尾伝】   作:甘味料

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第四刻なり・・・。
いい加減あの女を彼女とか女性の代名詞で表現するのつらい・・・。

(原作キャラ出演リク募集中)


第四刻:弁明不可能

太陽が大地を照らし気温の上昇が留まる様子はない。幻想郷は夏真っ盛り。時間の流れ的には梗が焔に出会ってそろそろ20日といったところ、初めは寺子屋に行くことを躊躇していた焔も今ではすっかり寺子屋の子供達に馴染み毎日が楽しくてしょうがないといった感じだ。

 

焔を見守る梗の表情にもようやく落ち着きがでてきていた。焔自身、自分のことは少しづつだが自分でやるようになっていた。梗が焔についてやる時間も徐々に短くなっていき心配ごとといえば、「あれ」ぐらいになってきていた・・・。

 

 

「いい加減にしろよ、何の真似だ?。」

 

そう梗が言葉を投げかけた相手はやはり彼女だった。

 

「別にあなたに話す義理はないわよ、ここは幻想郷。私は自分のやりたいこと欲望のためにつき動いているだけ、何か文句でも。」

 

もっと具体的でまともな返答を期待していた梗だったが、彼女の答えを聞いてこれは何をいっても無駄だと思った。

 

「そうかい、そう開き直られたらこっちからは何もいうことはない。だから警告させてもらおうか・・・。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「くれぐれも焔に対してふざけた真似はしないでもらおう。自分の欲望のために動いてるんだ。そりゃ命は大切だろ?。」

 

いつもと同じ、いや、気持ち程度低い声でそう言いはなつと梗の体は煙を帯びて消えた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「その言葉を待っていたのよ。」

 

通りにひとり立ちつくした彼女はずっと探していた玩具を見つけたような表情を見せた。

 

 

 

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「今日は算術の時間にな~。」

 

「ほ~う。」

 

今日起こった出来事を小学校に入りたての子供ように楽しそうに話す焔、それを梗はその子の親のように聞いていた。これはもはやこのふたりにとって当たり前の日課になってきていた。

 

「それで今日は久しぶりにあの女の人に会ったんだ。」

 

「そうか・・・。」

 

今日の表情に曇りがかかり声も少し低くなる。

 

「で、今日は何をされたんだ?。」

 

職務質問をするような言い方で梗は聞く。あの女の事となると梗は感情が強く出る。初めてであったときから感じた違和感に対する警戒心から来ているのだろうが。未だに仕掛けてはいない。相手を始末するのに必要な正当な理由を梗は必要としていた。それが自分を縛る事になる事に気付けずに。

 

「いや、特には・・・。」

 

「特にはってことはってことは何か話したんだな。」

 

僅かな会話の内容からも相手の内側を暴こうとする。焔を危険にさらすわけにはいかない。その姿勢は八雲に仇となる存在を追うときのそれをなんら遜色がない。

 

「う・・・うん。」

 

梗の鋭い眼光と威圧感に少し気負いしながらも焔は彼女と話したことを打ち明けた。

 

「別にここ最近の事を話しただけで、こちらに深く探りを入れたわけじゃない。本当だ。」

 

「わかった。悪いな、つい感情的になってた。」

 

正直、もっと大きく動き、相手を消したい思いがかなり強いだが、同時に焔にリスクを追わせる事を避け、この日も梗は動かなかった。

 

 

 

 ○ ● ○ ● ○ ● ○ ● ○ ●

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「焔!。おい!焔!。しっかりしろ!。焔!。」

 

焔が急病に見舞われた。別に流行り病でも、不治の病でもない普通の病気だ、普通に医者に出して安静にすればすぐに治るなんて事のない病のはずだが焔は異常なほどに体調を崩していた。

 

「一体、何故・・・?。」

 

梗は焔のかかった病が幻想郷特有の物である可能性を疑った。外の世界の知識を備えている梗は外の世界の医学の知識にもせいつうしていた。同じ病気でも少しのことが発端で病気の原因となるウイルスが突然変異を起こし同じ症状でも同じ治療が通用しなくなることがある。これは、人と他の動物では体の作りに違いが出るこの環境の違いにウイルスが適用するために起こる現象だ。そして、ここは幻想郷。妖怪という種族が実際に存在する世界。人間にほぼ全ての身体能力で勝る妖怪の体を虫食むため幻想郷では外の世界よいも高速でウイルスが進化する可能性があった。

 

「時間はそれほどゆうちょうに与えられてはいない・・・。」

 

焔の体は比較的強い部類に入る。それでもその病気は物凄い力で焔を虫食んでいる様子だった。昔とは違う・・・。幼少期に同じ病にかかったことのある梗はそう思った。名んでいても仕方が無い。梗は焔を背負い迷いの竹林を駆け永遠亭を訪れたが・・・。

 

 

 

「この薬を飲んで安静にしなさい。」

 

返ってきた返答は予想通りのものだった。別に永遠亭の薬も性能を疑っているわけではない。しかし梗は焔の病が治らない気がしていた。

 

梗の予想通り、焔の病は良くはならず寝た切りの焔は咳き込み、顔色も悪くただ、布団の中でうなだれていた。焔を看病するために梗は紫に焔をつきっきりで看病する許可を求めたが、紫はそれを許さなかった。

 

「あなたはあくまでも私の式、あの子を守っているのはあなたの勝手、今までは仕事の合間を縫って面倒を見ていた。それは気まぐれの域でしかなかった。しかしあなたは今回、私にあの子を守る義務を求めてきた。あくまで他人のために日々の仕事を捨てることを認めるわけにはいかない。出来る範囲での看病に努めなさい。」

 

 

 

 

 

 

 

 

「すまない、焔、つらいとは思うが俺はつきっきりで看病できない。苦しいが頑張れ。」

 

「わ・・・わかった・・・ほむら・・・・・・がんばる・・・。」

 

病にむしばまれながらも焔は頑張っていた。それでもこのままでは命の危機に直面する。梗が最悪の展開を考えていたそのときだった。

 

 

 

「私がその子の面倒を見てあげようかしら?。」

 

梗は後方を振り向くとそこにいたのはやはり彼女だった。

 

「お前・・・。」

 

彼女は焔を心配しているよう装っていたが梗はやはり彼女を警戒しているようだった。

 

「私じゃ不満なのかしら?。」

 

「別に・・・。」

 

そうはいうものの梗の表情にははっきり「不満」と書いてあった。

 

「きょう・・・このひとなら・・・だいじょうぶ・・・。」

 

梗の予想通り、焔は完全に彼女を信用しきっている様子だった。

 

「・・・・・・。」

 

しばらくの沈黙。

 

「・・・わかった。お前に焔の看病を依頼する。」

 

「信用してくれたのね。感謝するわ。」

 

「だが、もしもの事があった場合には容赦はしない。」

 

「大丈夫よ・・・。」

 

そう言い残すと梗はマヨヒガの屋敷を出た。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「証拠なんて残らないから。」

 

それはだれにも聞こえない小さな声だった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

それから、一週間ほどの時間が流れていくが、彼女に変な動きは見られなかった。焔の容体は良くはならずとも悪化をなんとか免れている様子だった。梗は仕事の合間を見てある薬草をとりにいくことにした。

 

「エリクシア」古代より錬金術の最高傑作とされる薬。飲めばどんな病も直り不老不死となる万能薬。月の頭脳が創り出した蓬莱の薬とは少し違うが効果はほぼ同じ、錬金術でのみ作りだせると思われがちだが、もしかしたらどこかにそのもとになる草が自生しているかもしれない。そんな紫の本当かわからない言葉に梗は賭ける事にした。

 

するどく高い岩山のふもとに梗が到着したとき、後ろから梗を呼ぶ声が聞こえた。

 

彼女だ。

 

「梗!。」

 

梗を探していた様子の彼女は急いで梗のもとに駆けより額には汗が流れてきた。

 

「焔の容体が急に悪化したの。早く助けに・・・。」

 

「そうか・・・。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「やっぱり、お前がやったんだな。」

 

「!?。」

 

焔のことで梗が焦ると思っていた彼女は梗の反応に驚きを隠せない様子だった。

 

「焔がなんて事のない病気にかかりその後、容体が悪化する一方だったのも全てお前が原因だったんだな。」

 

「な、なにをいってるの?私はただ、あの子の容体が悪化したのを知らせにきただけなのに・・・。」

 

「そう何度も俺の目を欺けると思ったかテメェ!!。」

 

梗のからだから殺気が漏れる。焔と戦った時は見せなかった殺生を目的とした戦闘意志。彼女は驚いたが、すぐに吹っ切れた様子を見せ。平然に戻った。

 

「なにか証拠をつかんだようね。」

 

「ああ、狐の感覚を舐めるなよ。」

 

本来、イヌ科に属する狐はイヌの例にもれず圧倒的な嗅覚をほこる。しかし梗の嗅覚はその比ではなく警察犬のそれを軽く凌駕している。

 

「生き物ってのは過度の緊張や恐怖を感じると特有の匂いを出すんだ。お前からは焔の匂いとその匂いがするんだよ。お前は焔に何かをしたあと徹底的に匂いを含む証拠を消そうと頑張ったみたいだが、あいにくここは幻想郷だ。外の消臭技術ですらごまかせない俺の鼻を。匂いでだますことはできないね!。」

 

「・・・ッ。」

 

「どうする?。俺を納得させる弁明をできないうちはお前は黒だが・・・。」

 

「私がやったわ、全てね。」

 

彼女は悪い事をした者の態度とは思えない気楽な態度で全てを打ち明け始めた。」

 

「あの子に病気をかけたのも私。あの子をマヨヒガへ送った時に私の能力であの子から病気への免疫力を『奪った』の。それでも免疫はすぐに再生する。だから、ほぼ毎日。あの子が生み出す病原体に対抗する菌を消す必要があった。だから接触したのよ。」

 

「何故こんなことをした。」

 

「なにかをするためにいちいち理由がいるの?私はあなたのあの行動にむかついたからなんとなくあの子を苦しませてあなたの悔しがる様を見た方だけ。何か問題でも?。さあ、あの子の容体が悪化したのは本当よ。早く助けに行ってあげないと。もっともわたしをどうにかしないとあの子のところに行くのも助けることも叶わないけどね・・・。」

 

彼女は自分が起こした非常な行動を全くなんとも思っていなかった全てをなんとなくの一言で片づけた。この世界に法はない彼女を縛ることはできない。梗は彼女にたったひとつの行為を求めた。

 

「焔に謝罪しろ。」

 

「え?何て?。」

 

「今すぐ、焔か『奪った』ものを返して焔に頭を下げろ。そうすれば命ぐらい保証してやる。」

 

「なるほど~それはけっこうお得な考えね~う~ん・・・。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「丁重にお断りしま・・・。」

 

そう言い切る前に梗の視界から彼女は消えた。梗が彼女の顔を思いっきり殴り飛ばしたからだ。物凄い勢いで吹き飛ばされた彼女は岩の壁に突撃し中にめり込んでいった。

 

「ああ、悪い、全部聞く前に勝手に体が動いちまった。面倒だと思うがもう一度言ってくれねえか?。」

 

わかりきった上でもう一度梗は聞き返す。

 

「丁重にお断りします。って言おうとしたのよ。」

 

岩壁の中から彼女が姿を現す殴られた頬は赤くはれていたがそこまでのダメージは見られない。

 

「そう言えば自己紹介がまだだったわね、私の名は「アルセーヌ・R(ロブ)・バベット」よろしくね。といってもよろしくしてくれそうにはないわね。」

 

「ああ、目も当てられない姿にして焔の前に突き出してやるよ・・・!。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




読んで下さり有り難うございました。さて、なんとか期限を守れたわけですが、なんとか感が大きい。修学旅行前にも少し書いておくべきだったか・・・。
次回は少しでも期待に添えるよう頑張ります!。
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