超次元ゲイムネプテューヌ Re;Birth2 Origins Progress   作:シモツキ

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第百二十六話 絶望を覆す為に

四天王…いや、犯罪神によって嵌められた私達は、打開の手段を考えつつもプラネタワーから動けないでいた。けれどネプギアが犯罪神側の些細なミスに気付いた事によって大きな可能性が浮上し、私達はその可能性を信じる事にした。何故なら他に打開策なんて思い付かず、必ず来るであろうタイムリミットは刻一刻と近付いているのだから。

プラネタワーの中に、スパイがいる…というか、あのトリックを実行したスパイがまだ残っているかもしれない。それにあの時現れた幻影か何かとは別に、四天王はきちんと実体を持って復活しているのかもしれない。だから私達は秘密裏に、表面的には別の名目を立てて作戦の立案と準備を進行させた。内密に、されど迅速に。

 

「ご苦労様。今後も宜しくお願いしますね」

「畏まりました、イリゼ様」

 

提出された資料を受け取り、職員さんにお礼を述べる。続いて職員さんの退室後にその資料へと目を通し、作戦実行における障害、或いは懸念事項がどれ程あるか確認を行う。

 

(…これ…は関係ない。これも、関係ない。…ここは注意が必要だけど、作戦遂行には問題なし…かな)

 

下手な動きをすれば作戦がバレてしまうし、バレずとも警戒されたらこちらにとって不利益になる。…けど、私は特務監査官。通常の教会監査部とは一線を画す権限を有していて、特に範囲は官民問わずかなりの域までカバーしている。その権限を利用して私はここまで犯罪組織絡みの調査と捜査を行ってきたし、今の私は『女神の戦闘能力』を行使出来ない状態なんだから、『特務監査官の権力』で少しでも立ち回ろうとするのは自然な事。だからこそ、私は臆する事なく情報収集を行える。…まぁ、悟られない為に作戦へ直接関係しそうにない部分の情報まで調べなきゃいけなくて、確認の手間が増えてはいるんだけど…。

 

「…ま、大体思っていた通りかな。後は必要な部分だけ纏めて……」

 

早急に情報共有、ひいては対策を取らなきゃいけないような事柄はなかったとはいえ、伝えておいた方がいい情報も幾つかある。それを纏める為に私は作業を開始……

 

「イリゼー!野球盤やろうよー!」

「中島君…じゃないね!?ボードゲームならちょっと違うね!」

 

しようとしたら、ノックもなしにネプテューヌが入ってきた。…因みにネプテューヌは野球盤も、ボールもバットも持っていない。

 

「あれ、このシーン最近…あっ、そうだ…ラムちゃんもノック無しにわたしの執務室に入ってきたんだっけ…」

「そうなの?……わーほんとだ、三話前でラムちゃんもやってる…これじゃ二番煎じっぽくなっちゃうよ…」

「うん、メタ視点での事よりネプテューヌはマナーの事を気にしようか。もし私が飲み物持ってる最中で、驚いて溢したりしちゃったらどうする気?」

「ふふーん、わたしは大丈夫なタイミングだと思ってやったんだよ!イリゼの事なら八割位分かるからね!」

 

ネプテューヌに続き、ネプギアも私の執務室(…特務監査官室と言えるかどうかは微妙。だって他に特務監査官はいないし)へと入ってくる。…申し訳なさそうな顔しながらも「わわっ!お姉ちゃんがごめんなさいっ!」…って言わないのは、それだけ親しい存在だって思ってくれてるからかな?だったら嬉しいけど。

 

「八割って…何かちょっと保険をかけたような割合だね…」

「んもう、それは保険じゃなくてボケだよ〜。今日のイリゼノリ悪い〜」

「わわっ!?な、なんで抱き着くの!?え、酔ってる!?ネプテューヌさん酔っていらっしゃる!?」

 

呆れ気味に突っ込みつつ立ち上がった私へ飛び込んでくるネプテューヌ。軽快に突っ込んで来たネプテューヌは密着するや否や背中に手を回して、にっこにこ笑顔で私の胸元にすり着いてくる。…そんな事をされたら堪ったもんじゃない。いや、ほんとに…ほんとに堪ったもんじゃないんだって!だ、だってネプテューヌだもん!元々ネプテューヌはスキンシップ多めだけど、ぎゅーからのすりすりは反則だって!正直言えば顔のパーツ単位ではネプテューヌそっくりなネプギアに迫られた数日前だって若干胸がざわついたのに、本人にこんな事されたら……

 

「……どう?何か不味い情報でもあった?」

 

──私がテンパり赤面する中で、不意にネプテューヌは小声で、真剣な顔付きでそう訊いてきた。

 

「…はぁ、そんな態度取ったって誤魔化されないんだからね?」

「ちぇー、上手くいくかなぁと思ったのに……」

 

溜め息を吐きながら落ち着いた声音で返すと、ネプテューヌは口を尖らせつつも離れていく。

スパイが立ち聴きしようとしているかもしれないし、もういなくてもどこかに盗聴器が仕込まれているかもしれない。一応職員さん全員に身元確認を行い、私達が使う部屋を中心に盗聴器探しもしてもらって(数日でプラネタワー内全てを探すのは時間的に無理)はいるけど…念には念を入れて、立案を行って以降作戦に関する事は極力話さないようにしている。…でも、だからってこんな事しなくていいのに……。

 

「……うぅ…」

「…イリゼさん?顔赤いですよ…?」

「あ、き、気にしないで!それよりほら!見てよこの筋肉!」

「何故にそのネタを!?そして何故腕ではなく脚!?」

「イリゼの脚は程良い肉付きで、すらっとしててすべすべもしてていいよね〜。羨ましいなぁ…」

「あ、だよね。わたしも脚はもっと出した方が大人っぽく見えるのかなぁ…」

「え、あ……(じ、じろじろ見られてる…どうしようこの状況!完全に自分で招いた状況だけど、すっごい反応し辛い…)

 

離れてくれはしたものの、ドキドキがぶり返してしまった私。赤面を指摘された私は誤魔化す為に、咄嗟に足を執務机に乗せ…るのは行儀が悪いし、スカートが捲れちゃうという事で軽く太腿を叩いて視線を逸らす。で、その結果私の目論見は成功したけれど……今度は脚を、姉妹揃って注目される事になってしまった。…相変わらずテンパった時の私、軽率過ぎる……!

 

「こ、こほん。それで二人は何のご用かな?」

「あ、うん。実はちょっとネプギアがナーバスっぽくてさー。だからお菓子交えて励ましの言葉かけてあげようと思ったんだけど、丁度今お菓子の持ち合わせがなくて…」

「え……そういう理由でわたし呼ばれたの…?」

 

この際あからさまでも仕方ない、と咳払いをして話を変えると、ネプテューヌは視線を元に戻して答えてくれる。…けど、ここで私より先に驚いたのはネプギアだった。

 

「ネプギアがナーバス?…あぁ……」

 

どうしてナーバスに?…と一瞬思って、すぐに気付く。四天王に実体がないという解釈に穴はないけど、もし万が一間違っていたとしたら、どれだけの人が死ぬか分からない。そしてネプギアなら、こう思う筈。もしそうなったら勘違いを偉そうに語った、自分のせいだと。加えて今ゲハバーンを持っているのも、ネプギア。……そんな状況なら、私だってナーバスになる。

 

「…一口チョコならあるよ、一袋分ね」

「いいね、貰ってもいい?」

「あげようと思ったから言ったんだよ」

 

引き出しの中から糖分補給&気分転換用にしまっておいたチョコを取り出し、袋を開ける。

ネプテューヌに背中を押されてネプギアは部屋のソファへと座り、私とネプテューヌは反対側のソファへ。二人にチョコを勧めて、私も一つ取って、包みを解いてチョコを口へと放り込む。

 

「ん、これぞチョコって味だねぇ」

「そりゃなんて事ない市販のチョコだからね。もっと高級品がよかった?」

「ううん、高ければ高い程美味しいって訳でもないからね。それにわたしは庶民派女神ですからっ!」

「庶民派?…あー、そうだね。イストワールさんからお小遣い制提案されちゃう系の女神だもんね」

「うぐっ、思った以上にダメージのある返しが飛んできた…」

 

溶けていくチョコを口の中で転がしながら、ネプテューヌと他愛のない会話を交わす。一方ネプギアはと言えば…まだ少し流れを飲み込めていないのか、今のところは黙ったまま。

 

「…二つ目以降も食べてくれていいよ?私これを出し惜しむ程お金に困ってたりはしないから」

「あ、はい…チョコは頂きますけど……」

 

私の勧めを受けて、ネプギアは二つ目のチョコを口へ。それからネプテューヌと私の顔をゆっくりと眺めて、言葉を続ける。

 

「…お姉ちゃん、わたし大丈夫だよ?勿論、緊張はしてるけど…緊張する事なんて、これまでも沢山あったもん」

 

そう言って軽く笑うネプギアの顔に、強がっている様子は感じられない。…多分、この言葉は嘘じゃないんだと思う。旅に出る前のネプギアなら塞ぎ込んじゃう可能性すらあったと思うけど、今のネプギアは違うんだから。

でも、ネプテューヌはナーバスだと判断した。他でもないネプテューヌがネプギアに対してそう思ったのなら…きっと、そういう事なんだ。

 

「ほんとに?実は一週半回って逆に緊張感じなくなっちゃったとかじゃない?」

「そんな事は…って、一週半じゃ緊張してる状態だよ……」

「じゃあ、二週半?」

「問題なのは周回数じゃなくて半周しちゃってる事だから…そもそもわたし、ナーバスになってるように見える?」

「見えるよ?だって頬の筋肉がいつもより2%程緊張してるみたいだし、瞬きも0.05秒程速いもん」

「まさかの某杉崎さんや某鳶一さん的な判断基準!?ちょっ…怖いよ!?そこまで見られてるとなると、嬉しいという気持ちが欠片も生まれずただただおっそろしいよ!?」

 

落ち着いて返答していたネプギアだけど、斜め上過ぎるネプテューヌの返しにちょっと…いやかなり引いたご様子。…ネプテューヌにはこんな引き出しもあったんだ…今のは私もびっくりだよ……。

 

「がーん、ただの冗談なのに〜…」

「冗談だったとしてもそれは姉妹の域を超えてるよ…」

「最早姉妹の域を超え、愛を超越し…」

「そんな宿命は嫌だよ!?しかもそれだとお姉ちゃん最初わたしを憎んでたって事になるよね!?後順番もおかしいし!」

「はうぅ、ネプギアの突っ込みが染み渡るぅ…イリゼの時もそうだったけど、これだけナイスな突っ込みが出来るなら確かに問題はなさそうだねっ!」

「……!お、お姉ちゃん…お姉ちゃんはそれを確かめる為に……とはならないからね!?もう!冗談が多いのはいつもの事だけど…幾ら何でも今日はふざけ過ぎっ!」

 

元々は真面目な目的だった筈なのに、全開も全開なネプテューヌのボケと、そんなネプテューヌへぴしゃりと言い放つネプギア。流石のネプテューヌもこれにはショックを受け……

 

「…あはは、だよねぇ。……だから大丈夫だよ。トリックに気付いたネプギアと違ってわたしはお馬鹿なお姉ちゃんだし、そんなわたしと愉快な仲間達でネプギアの考えに乗ったんだから、失敗したらネプギアのせいだ…なんて小賢しい事はしないよ。わたしは絶対にしないし、誰にもさせない。…それは、断言出来るから」

 

──ては、いなかった。それまでの元気で悪戯っぽい笑みが消えて、いつの間にやら姉の顔をしていたネプテューヌは、優しくネプギアに語りかける。…そこに理屈や理論なんてものはない。でもそれがネプテューヌなりの言葉で…ネプテューヌの、温かさ。

 

「……それを伝える為に、こんな事を?」

「うん。冗談の内容は即興だけどね」

「…わたし、お姉ちゃんに責められるかもなんて思ってなかったよ?」

「だよね、ネプギアが信じてくれてる事は知ってるもん。だからこれは、わたしが言いたかっただけ。ネプギア…それにイリゼもだけど、付き合ってくれてありがと」

 

肩を竦めて、それから私達にお礼を言うネプテューヌは、本当にネプテューヌらしい表情と言葉だった。そしてその言葉を受け取ったネプギアは、視線を私の方へ。

 

「…イリゼさん」

「…何かな」

「…お姉ちゃんって、ズルいですよね」

「だね。ネプテューヌは時々、凄くズルいよ」

「ほぇ?わ、わたしズルかった…?」

 

二人で視線を交わらせて、それから揃って苦笑い。何がズルいのか、当の本人は全然分かってないみたいだけど……そういうの含めてズルいんだよ、ネプテューヌは。

 

「まぁ、ネプテューヌがズルいのは今更だとして…責任を一人で持たなきゃいけない理由なんてどこにもないよ、ネプギア。賛同した時点で皆に責任はあるし、皆背負うだけの気概は持ってる。…私もこれは、断言出来るよ」

 

ネプギアと暫し心を通わせた後、私もネプギアへと言葉をかける。口にしたのは、私がイストワールさんから教えてもらったあの日の言葉。要は受け売りだし、正しくは同じというか似たような言葉だけど……大事なのは、そこじゃない。

誰が言ったかより、何を言ったかで判断すべきだって言葉がある。それはその通りだと思う(説得力云々は別問題)けど……私としてはこう言いたい。何を言ったかも大事だけど、その言葉にどれだけの思いが込められているかも大切な事だって。伝えたいのは言葉そのものじゃなくて、その言葉に乗せた思いなんだって。

 

「…いつも、ありがとうございますイリゼさん。イリゼさんの思いは…心強いです」

「そう思ってくれたなら、何よりだよ」

 

私がイストワールさんに教えてもらった事。ネプギアにも知っていてほしいと思った事。それが私の伝えたかった思いの根底で……きっと、ネプギアには伝わってると思う。そう思える表情を、ネプギアは浮かべていた。

 

「…むー……」

「あれ、ネプテューヌどうかした?」

「…イリゼはありがとうって言ってもらえてるのに、わたしは言われてない……」

「あー……お姉ちゃんなら言わなくても伝わるかな、って思ったんだけど…伝わってなかった?」

「え?あ、い、いや勿論伝わってたよ!うん伝わってた伝わってた!ネプギアのありがとうが伝わり過ぎて、もう飽和しかけてる感じかなー!」

 

子供っぽい理由で頬を膨らませていたネプテューヌだったけど、ネプギアの秀逸な返しを受けてからは一転して伝わってましたよアピールに勤しんでいた。……流石ネプギア。

 

「さて、それじゃ私はこれを纏めるから、二人は残り食べちゃっていいよ」

「あ、いいの?わーい!」

「すみません、イリゼさんの分は残しておきますね」

「はは、ありがとネプギア」

 

私が二人の来る前に行おうとしていた資料纏めの為執務机に戻ると、ネプテューヌは喜んで次のチョコを口にし、ネプギアは残りの数を数えて約三分の一を取り分けていく。

普段は姉らしくないけど妹の僅かな機微を捉えて、すっと心を包んでくれるネプテューヌと、普段は妹とは思えない程しっかりしてるけど心はやっぱり成長中(私やネプテューヌが成熟してるって訳でもないけど)で、言葉の端からお姉ちゃん大好きって気持ちの伝わるネプギア。…姉だからしっかりしてなきゃいけないとも、妹だから姉に劣ってなきゃいけないとも決まってはいないし、どっちも長所短所があるんだけど……この差って何だろうね?

 

 

 

 

プラネタワーの地下、壁紙が貼られていなければ床も剥き出しのある区画で、私達女神と教祖の四人、それに数人の職員さんが待機していた。

 

「…作戦開始まで、後十分……」

 

時間を確認して呟いたユニ。ネプギアをネプテューヌと励ましてから一日経った今日は……作戦の、状況打破の決行日。

 

「今回はちょっと…いやかなりいつもと流れが違うから、流石に緊張するよね〜。って訳でノワール、皆の緊張を解す爆笑必至の超絶ギャグ十連発お願い!」

「全く、仕方ないわね…って、そんな異様に高いハードル跳ぶ訳ないでしょうが!というか貴女は絶対緊張してないわね!」

「ギャグをお願い、という体のギャグと、淀みのないノリ突っ込み……お二人が漫才コンビを組んだら、シェア争いでわたくし達は劣勢に立たされそうですわね」

「そうね。ビューティー&エレガントなわたし達では出来ない芸当だと思うわ」

「なんでそうなるのよ!?私は別に面白路線じゃ…って、ネプテューヌも照れてるんじゃないわよ!これ褒められてないから!」

 

平常運転のネプテューヌが緊張しているかどうかはさておき、四人のやり取りで自然と空気が解れて笑いが溢れる。…私?私は……やっぱり四人は違うなぁって思いと、私も多分この流れに乗れたし乗りたかったなぁ…って思いが半々ってところかな。

 

「…ロムちゃんロムちゃん、わたしたちならどっちがボケでどっちがツッコミかな?」

「……ラムちゃんは、ボケ」

「そ、そっか……(あ、あれ?今ロムちゃん、『え?それきく?』みたいなかおした気がするけど…き、気のせいよね!)」

「皆さん、準備に抜かりはありませんか?今ならまだ間に合いますし、出来れば確認をお願いします」

 

双子のやり取りを目にした後、ミナさんが私達へと声をかける。勿論ここに来る前にも確認はしたし、確認を忘れた人はいないと思うけど…それでも始まってしまえばもう取りに帰る事なんて出来ないから、念の為と全員確認。…と、そこで……

 

「……あ、っと…何故今電話を…?」

 

不意にベールの携帯が鳴った。その口振りから察するに、多分電話をかけてきた相手はこの作戦の事を知っている人。

 

「…出てもいいかしら?勿論開始時刻前には戻ってきますわ」

「大丈夫ですわお姉様!いいわよね!?」

「そ、そんな食い気味に言わないでくれ…遅れないのであれば問題ないだろう」

 

否定はさせないとばかりに迫ったチカさんに若干気圧されながらも、ケイさんが首肯。それを受けたベールは電話を受けつつ皆から離れて……一分と経たずに戻ってきた。

 

「は、早いですねベールさん…相手がかけ間違えたとかですか?」

「いえ、エスーシャからだったのですけど…やっぱり何でもない、と切られてしまいましたわ」

「興味ないじゃなくて何でもない?…電話かけた上でそれって…」

「えぇ、気になりますしリーンボックスに戻った後訊いてみますわ」

 

偶然会った時に…とかならともかく、電話というただ話すより手順が多く、考える時間も自然と長くなる行為で「何でもない」と言って切るなんて…多分何でもない、なんて事はない。ましてやエスーシャがそんな事をするとは思えない。……でも、それより今は目の前の作戦に集中しなきゃいけない。それをベールも分かっているからこそ、自分からかけ直す事はせずに戻ってきたんだと思う。

 

(…準備はした。確認だってした。後はもう……作戦を全力で遂行するしかない)

 

もし失敗すれば、或いは間違いがあれば、損害は計り知れない。…けど、これまでも大きなリスクを背負う事はあったし、そもそも政治や戦いにおいてリスクはいつも着いてくるもの。ならば……これまでしてきた事じゃなく、これからする事に目を向けた方がずっといい。

そして……

 

「…時間です、皆さん」

 

作戦開始時刻となり、イストワールさんが口を開く。その言葉に私達は頷き……視線を職員さん達の方へ。

 

「よーし、宜しくね皆!」

『はい!』

「けど、気負う必要なんてないし、何かあったら自分の身の安全を第一にする事!それじゃあ…行くよ!」

 

ネプテューヌの声掛けに応じ、職員さん達は緊張混じりの声を返す。そんな様子を見たネプテューヌはこれ以上緊張させないよう軽い調子でフォローをして……作戦がスタート。

目を合わせて、最初の行動に入る私達。それから数分後、それぞれに強い思いを秘めて行動開始した私達は……

 

 

 

 

 

 

──暗く狭い場所の中で、全員がたった一人で座り込んでいた。




今回のパロディ解説

・「イリゼー!野球〜〜」、中島君
サザエさんに登場するキャラの一人、中島弘及び彼の代名詞(?)的台詞のパロディ。中島君と言えばこの台詞ですよね。別によく言っている訳ではありませんが。

・「〜〜見てよこの筋肉!」
お笑い芸人、ザブングルの加藤歩さんの持ちネタの一つのパロディ。ネプテューヌも言っていますが、イリゼの脚はカッチカチではありませんよ?えぇありませんとも。

・某杉崎さん
生徒会の一存シリーズの主人公、杉崎鍵の事。このネタどの巻だったかな…と思いましたが、案外すぐ見つかりました。好きな作品の事はよく覚えているものですね。

・某鳶一さん
デート・ア・ライブのヒロインの一人、鳶一折紙の事。上記のネタもですが、数値は原作通りのものとなっています。…だから何だという話かもしれませんが。

・「最早姉妹の〜〜超越し…」
機動戦士ガンダム00の登場キャラの一人、グラハム・エーカーの名(迷?)台詞の一つのパロディ。ネプテューヌとネプギアの間にあるものですか?…勿論姉妹愛ですとも。

・この差って何だろうね?
番組、この差って何ですか?の事。それなりに結構原型を保った形のパロディとなりましたが、元が普通に使われる言葉でもあるので、少し分かり辛いかもですね。
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